☆ HOLLOW HILLS ☆

16/08/08 更新 目次          HOME
製作/販売 Nightwolf Games        公式サイト      facebook      INDIE DB
配布状況  2016/02/28にリリースされた V063 (3.45GB) が最新バージョン。サイズが巨大だがこれでも不満を受けて減らされている(V062はサイズが6GB超で解凍すると15GB近くあった)。

 更新頻度: これが3回目のリリースバージョン

 Steam Greenlightにはまだエントリーしていない

概  要  スペインのインディーズチームでメンバーは4人。これまで地元向けに何本かフリーゲームを制作しているらしいが、このゲームに関してはどうなるのか現時点では不明である。規模が大きそうなゲームなので、今後クラウドファンディングや有料販売を目指すという可能性もある。

 プラットフォームは現在はPCのみ。Mac, Linuxやコンソールへの展開は明らかにされていない。

 大きくバージョンアップされるV070を制作中なのだが、3月にアナウンスされてからすぐに出そうな感じだったのに未だに出ておらず、活動状況の報告の方も絶えてしまっている。


 主人公は昔恐ろしい事故に遭って以来、音信不通になっていた妹から助けを求める連絡を受ける。彼はその場所であるHollow Hillsに到着するが、そこから悪夢の世界へと巻き込まれていくといった設定らしい。

 
動作環境  必要環境の情報は無し。ただし実行ファイルは64bit版しか用意されていない。

・VR対応(Oculus Rift)
・コントローラー対応

 トラブルとしては、グラフィックス設定がマップ切り替え時にリセットされてしまう事があった。

 ゲームプレイではマップ内のオブジェクトにハマってスタックしてしまう事があり、こうなると屈みやジャンプが無い為に足掻く事も出来ない。また物理エンジンで壁が崩れたりする演出があるのだが、その際に壊れて転がったオブジェクト類が消える(プレイヤーが透過する)様な調整が行われていない為、破片の散らばり方によっては引っ掛かって前に進めなくなる恐れがある(実際に体の向きを変えたりと通過するのに苦労した)。

BASICS  タイトルからも察しが付くと思うが、Silent Hillシリーズに強い影響を受けている作品。現実世界が舞台ではなく、プレイヤーの迷い込んだ精神(悪夢)世界という設定の様だ。

 こういう方式は良く見かけるが、開発の早期段階ではUnreal EngineやUnityのショップで購入したアセット(主に3Dモデル)を一部に使用し、出来ていくに連れてオリジナルの物に差し替えていくというやり方をこのゲームも採用している。よって他のゲームでも見た事があるオブジェクトが出て来たりもする。


 FPP/TPPを切り替え可能。ただしTPPの方は実験的な段階でFPPでのプレイが推奨されている。実際に、場所によってはカメラ位置がおかしくなる, 画面の明るさがTPSだとより暗くなる, 自分の体が邪魔で前が確認出来なくなる, フラッシュライトを持つといったアニメーションが行われない、等の問題が感じられた。

 敵は出現するが、少なくとも現段階では武器を持って戦うという要素は含まれていない。サイレントヒル系なので別にあってもおかしくはないが、近年のトレンドからすると非戦闘形式の採用も大いに有り得る。


・キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, サウンドボリューム調整不可×
・明るさ調整可能。プレイ中にGキー押下で何段階かに切り替わる。
・難易度設定無し
・字幕は無し(一部文字表示あり)

・メニューはスペースバーで操作する
・VRに対応しており、メニューからON/OFFを切り替え

*FPP/TPP視点切り替えは数字キー1,2を使用。FOV調整機能無し。
*インベントリー画面無し
*照準無し(アイテム操作時に出現する事はある)
*スプリント可能。ジャンプ, 屈み操作は無し。
*LMB=Action I=マウス上下反転 RMB, L=フラッシュライト(入手後)
*現在のオブジェクティブ表示機能無し


GAMEPLAY  既に現バージョンにてゲームは一応最後までプレイ出来る。マップは10個位含まれているのではないかと思われ、パズルに詰まったりもあったがクリアまでに3時間程度掛かっておりボリュームは満点。普通はクオリティを重視してマップを段階的に制作して行くものだが、その反対に相当粗い段階の箇所も在るがちゃんと最後まで作られている。セーブはマップ単位で自動的に行われる。

 マップは現実世界風だが奇妙な箇所を含むタイプと、精神世界的な異様な物の2タイプ。敵から逃げる必要がある箇所もあるが、進行の多くは探索しながらパズルを解いて先に進むという形式となる。パズルは不条理系が大半を占め、どうしてそうなっているのか?という理屈は存在せず、単に「どうやったらそのメカニズムを動かせるのか」という制作側の用意した解答を探していくのがメイン。周囲を歩き回って観察して情報を集めたり、暗号の様なヒントを解読したりしながら進める事になる。抽象的且つ発想の飛躍が必要だったりと難解な箇所も在り、数カ所では頭を悩ませる羽目に陥った(末尾にヒントを掲載しておく)。ただこの手のゲームはこういった系統のパズルの採用が良く見られるので、別に欠点という訳では無い。

 改善して欲しい件としては、取れるアイテムや干渉可能なオブジェクト類がどれなのかが判り辛い。これはハイライト表示するとかで目立たせるか、そうしたくないならもっと綺麗(明確)なグラフィックスにしてどれが何なのかがハッキリと解るようにするべきだろう(自分達で制作したと思われるオブジェクトの中にはそれが何なのか判らない物が在ったりする)。他にはヒントらしき台詞を喋ったりするのだが、これは1回だけで再度参照する事が出来ない点。


 悪夢の様な精神世界が舞台という事でホラー&不条理演出がかなり登場する。だが最大の問題点として現行バージョンではグラフィックスに粗い所が目立ち、特に3Dモデルとそのアニメーションは相当に原始的と言わざるを得ない。イベントシーンでのグラフィックスが酷くてとても意図している様な効果を挙げているとは思えないとか、時にはキャラクターがアニメーションすらしないといった感じで、最後まで作ってあるのは評価出来るがその分個々のパートの完成度はまだ低い。結果的にホラーイベントがあっても見た目にまるで怖くないという状態になってしまっている。

 ホラーイベントはJump Scares系はほとんどなく、雰囲気的な怖さを重視している。だが暗いエリアの探索における怖さは弱いという印象だし、壁文字が手描きではなくて全部そのままフォントという段階なので雰囲気ぶち壊し感が漂っている。

 敵は種類自体は結構用意されているが、敵から逃げるのが難しいといった箇所は一つだけ。別にプレイヤーが危機を感じなくてもその出現だけで怖さを現す事が出来ればそれでOKなのだが、モデリングとアニメーションが酷いのでそうはなっておらず、敵の姿から受ける怖さという観点では本家には遠く及ばない。ここは完成版に向けて大きな改善が必要な点になる。


 全体を通して移動速度が遅いという点が気になった。スプリントは出来るのだがとても遅く、且つ7秒程度しか持続しない(スタミナゲージ無し)。広いマップもあるし何も起きないでただ進むだけというエリアもあり、そういった所では特にストレスを感じさせる。結局これって、敵に追われるシーンが在る → 敵が全速力で追い掛けて来る様にはしたくない → 敵をノロノロと遅くする → プレイヤーはそれから簡単に逃げられないようにしないとならないからそれだけ移動速度を遅くする、という希望から逆算された設定なのだろうが、その追われるシーン自体が少ないのでマイナス面の方が大きいと感じる。その肝心の敵から逃げる際でも、とても走っているとは思えない様な速度なのにすぐに息切れしてしまうのは非常に不自然だし、それを続けながら敵から逃げている状態は怖いのでは無く、もはや滑稽という印象しか受けない。昔ならともかく今となっては効果的な設定では無いと言えよう。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unreal Engine 4使用。クオリティは三種類から選択。プレイ中にも数字キー789で切り替えられる。NキーはフィルムノイズのON/OFF。

 先に書いたように一般的な部分のグラフィックスはともかくとして、キャラクター(敵等)のモデリングとアニメーションはあまりに原始的である。こういう風に演出をしたいというラフスケッチの段階とでも言うのか。予算的にこれ等を全て高いレベルに持って行くのは困難だろうが、さすがに現状のレベルでは問題あり。敵の見た目の怖さに関して言えば、Jump Scares物では比較的クオリティが低くても何とかなる。これは怖がらせるタイミングが最重要であって、その時に目の前にドーン!と出て来る敵のグラフィックスはそこまで重要ではないからだ。対して雰囲気系のホラーで徘徊している敵などを見せる場合、これはクオリティが高くないと怖さが出ないという面を持ち、このゲームはどちらかと言えば雰囲気系なのでその改善は必須となる。

 パフォーマンス面でも一部に欠陥があり、演出(エフェクト)過剰のシーンでは重くてカクカクになってしまうケースにも遭遇した。


 3Dサウンドは一部で効果を確認。ボイスは有るが少ない。サウンドやBGMは少なく、同じ物がループで繰り返し使われていたりする。

感  想  現行バージョンでは問題も多く、特にグラフィックスのクオリティが低い。だがボリュームが多くて最後までプレイが可能。そしてインディーズとしては困難で数が少ない異世界(精神世界)系のホラーにチャレンジしている等、よく頑張ってはいるので努力賞をあげたい作品である。

 サイレントヒル系が好きな人には勧められるとは言えるが、バージョンアップを待って完成度が高まってからの方が良いかも知れない。


 現在の完成度: 既に最後までプレイ可能となっているが、コンテンツの入れ替え等はかなり行われる予定なので、まだ半分程度といった所と推測している。

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ヒント&解答  以下は詰まる可能性があると感じられた箇所のヒントや解答。ネタバレなので反転要。





*色が変化する4個のライトが有る B号室
 別の部屋でどの位置がどの色になるのかを確認してその通りに合わせる。それによりP号室の箱が開く。



*絵画の部屋 I号室
 各絵画内の人間の数が別の部屋で見付かる4桁の数字2396に対応している。つまり2396の順にその数の人間が描かれている絵画を操作する。



*壁の4個のパネルの数字合わせ
 オンにする為のアイテムを4個集めてからそれぞれの数字を合わせる。合うと自動的に通路が開く。壁に出現する文章の各行がそれぞれの数字を表していると思われ、基本的にはそのアイテムが有った場所と関連している(パネル背景の模様で区別可能)。

・(向かって左から, ドクロの図柄) 有った部屋の壁に書かれている数字。ただしアラビア数字ではなく英語。
・心音の回数
・TVに映るチャンネル数
・(これは100%の確信は無いが)その部屋の組み合わさった棚の形が示す数字



*スチームの噴き出すバルブの場所
 バルブを操作して、噴き出す場所をオンと見なし合計で173を現せば良い。



*モンスターの出現する白いメダル?の場所
 そこに置いてある3枚のメダルを取ってからハメ込むのだが、それぞれには場所があってどこでも良い訳ではない。とにかく移動速度が遅くて逃げ切るのが厄介だが、モンスターは時々バグってハマったりするのでその時を利用しても良いだろう。



*教室の並ぶ廊下の4桁の暗証番号
 片方の教室に取れるアイテムが有るのだが、ちょっと解り辛い位置に有る。その近くに来ると台詞を喋るので注意。その入手したアイテムを別の部屋で使用すれば数値が解る。



*列車内
 向かって右側の窓に注目しながら逃げ続ける