☆ HOME SWEET HOME ☆

17/04/01 更新 目次          HOME
製作/販売 YggGame          公式サイト       STEAM
配布状況  2016/11/18にリリースされた HomeSweetHomeDemo64R1220_01(1.56GB) が最新バージョン(これは64bit版)。デモはFacebookのリンクから32bit, 64bit, VR版がそれぞれダウンロード可能。

 更新頻度: これが最初のリリース版

 Steam Greenlightにエントリーして、既にGreenlitに到達している

 クラウドファンディングによる開発中バージョンの提供などは行われていない

概  要  YggGameはタイの会社。2006年に設立された同じタイのYGGDRAZIL GROUPというのが親会社で、ここは社員数70人ほどで各種CG, CM, ゲーム等の制作にビジュアルエフェクト担当という形で協力するというのが主な業務。そこの新規に設立されたゲーム部門であり、特にVRコンテンツに力を入れて制作しているらしい(後はスマホ用アプリ)。このゲームはPCゲームでのデビュー作となるが、Project No.5と呼ばれるVR専用タイトル(サムスンGear VR用)を並行開発中。

 こういった東南アジアの開発会社はSteamを通じて発売のチャンスが生まれた事から徐々に増えて来ており、同じタイからは既にARAYAというゲームがリリースされている。

 開発チームの規模は10人位。2017/06頃の発売を予定している。プラットフォームはWindows以外に何を予定しているのか不明。


 舞台はタイで現地の神話や伝承などを元にして制作されている。主人公のTimは妻が謎の失踪を遂げてからというもの自堕落な生活を送っており、その日も泥酔状態から目を覚ました。ところがそこは彼の自宅では無く見た事がないような場所で、なぜこんな所に自分が居るのかも解らない。そして周囲を探っているうちに、正体不明の悪霊らしき物に襲われてしまう。果たしてここは一体どこで、どうやったらここから脱出出来るのか? そもそもこれは現実なのか?を求めて彼の敵からの逃走が始まる。

動作環境
  必要環境 推奨環境
OS Windows 7/8/10 (32-bit) Windows 7/8/10 (64-bit)
CPU Intel Core i3 3 GHz Intel Core i5 3 GHz
MEMORY 4 GB 8 GB
VIDEO NVIDIA GeForce GT 640 NVIDIA GeForce GTX 760
SOUND DirectX 互換 同左

DirectX 11以上要

 VR版はOculus Riftのみに対応。将来的な対応は不明。

 動作そのものは安定しているという感想。システム的な問題点としては、

・スケーリングに対応していない様で1920*1080だと字幕の文字が小さい
・プレイを開始すると設定画面を呼び出せない

BASICS  ホラー物だが舞台は地元のタイで、その神話に基づいたストーリー展開と敵が登場するというのがやはり一番の特徴と言える。ストーリーの面白さを重視し、パズルと探索はバラエティに富んだ物にするとあるが、この辺はホラーゲーム制作において多くの会社が言っている定型文なので出来栄えの方は何とも言えない。

 ステルスを用いて敵を回避するという行動をメインとしており、何かを使っての戦闘要素は含まれないと考えられる

 VR重視という姿勢を打ち出しているが、VRでやってこそ面白いというデザインになると、非VR環境でのプレイに悪い影響を及ぼさないかという心配はあり。完全に別物としてリリースするゲームも出て来ておりその方が理想的ではある。

 ボリュームとしては5〜6時間位を予定。


・キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, 明るさ調整不可×, サウンドボリューム調整可○
・難易度設定無し
・字幕あり
・オートセーブ機能あり(ゲームを終了すると初期化される)。死亡するとメインメニューに戻され、そこから続行するという形式。


*一人称視点固定, FOV調整機能無し
*インベントリー画面は無し
*照準無し
*スプリント○, 屈み○, ジャンプ×
*現在のオブジェクティブ表示機能あり

GAMEPLAY  デモはゲームの冒頭部分を収録しており20〜30分程度。屋内探索パートが続くのでホラーゲームにおいては実にありきたりな見た目となりがちだが、現地タイの小物類が置かれていたりするので幾らか新鮮な感じを受けるのは利点。

 ホラー要素としてまずイベント系は、物が突然落ちる, 敵が先の通路を横切る等、定番の物ばかりで面白味が無い。それと問題点として一人称視点でのイベント発生なので、視点を強制移動させる(or向いたタイミングで発生させる様にする)とかしないと見逃す恐れがある。しかしそういった調整が無く、更にイベントの時間が短めなので見逃す可能性が一般的な作品に比べると高い。よって見たという前提で喋る主人公の台詞が理解出来ないという状況になりがち。

 敵の設定の詳細は不明だが、純粋に敵意を持っている者が単純に襲って来るというゲームではなく、成仏できない状態の怨霊系の様に感じられる。その敵は元は女子大生らしく、見た目としてはそれ程怖くは無いという印象。ただ離れたエリアに移動する方法(姿)は気持ち悪い。

 プレイヤーを怖がらせるアイディアとして上手く働いているのはマップの変形構造。精神世界とかではないかと思われるが、マップ内が突然変型するので焦るという怖さがある。例えば敵が追ってきたので逃げようとなる → さっきのドアを通ろうと走る → 開けるとドアの先が消えている → 「うわぁ、どうしようどうしよう」的な怖さ。


 敵から逃げる方法はステルスとあるように、このデモにおいても敵を回避するシステムが体験出来る。システム自体は目新しい物では無く、逃げている最中にロッカー等の中に隠れてやり過ごすという方式。入るところを見られていなければセーフらしく、比較的敵をまくのは簡単である。隠れられる場所は結構あり、またUse可能なオブジェクトはハイライト表示されるので見付け易くもある。失敗してもオートセーブ地点が多目なのもあって、少なくともこのデモの難易度は高くない。逃げ切るのを難しくしてアクション性を高めるのも一つのやり方だが、ストーリー重視でテンポ良く進めさせる事を重視するのならば別に易しくても構わないと言える。

 もう少し細かく説明すると、RMB押下状態にて左右へのピーク(覗き)動作が可能。これで巡廻している敵のルートを観察してそれをかわす。屈む事で見られる危険性は減るがそれ以外に音がしなくなるとかの利点があるのか, またライトを点けていると検知されるのかは未検証(ライトはバッテリー無しの無限使用スタイル)。後は音が鳴るラジオが用意されており、これで注意を惹いて誘導したりが出来るのかもしれないが未確認。


 アイテム類はアクセスしてから回転させて見られたりするクラシックなサバイバルホラー形式。デモではすぐ傍で使うだけだし、多数のアイテムを管理する様なインベントリーは備えていないので、アイテムを集めたり組み合わせたりして特定の場所で使用するといった定番の謎解きは含まれていない様だ。案内にはパズル要素も含むとされているが、ここでは特に面白いパズルは見受けられなかった。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unreal Engine 4を使用。個別設定項目が5つ用意されている。元々親会社の仕事がビジュアル関連専門の制作担当とうのもあるのか、グラフィックスはなかなか綺麗な部類で、タイ独特のオブジェクト類なども多数配置されておりリアリティも高い。特に敵のアニメーションなどはインディーズ会社にとっては泣き所の一つであるのだが、その辺りもいろいろな動きのパターンが用意されていたりと優れている。


 3Dサウンド対応。ボイスありだが、主人公の物は緊迫感が足りない感じで今一つ。サウンド関連は一般的なホラーの効果音だが、もっと地元の民族音楽的なBGMを多用するのも特徴的になって良いと思う。

感  想  早期アクセスコーナーだけに、ここで紹介する際には完成版への期待度などが当然含まれるが、現在プレイ可能なバージョンが面白いのかどうかも重要となる。その意味では「ゲームの紹介を見ると面白そうなのだが、公開されているデモ版ではホンの一部しか体験出来ないのでそれ自体には大して面白味が無い」というタイトルは多い。例えば最近だとWelcome to Hanwellという話題作があり、これもまた女性の敵からステルスで逃げるという内容のデモなのだが、これだけでは特に面白さが感じられないという程度の出来映えであり、デモに関して言えばこちらのHSHの方がクオリティは高い。つまり購入をアピールするというデモ本来の目的に適っていると言えよう。

 発売前後の本格的なプロモーション用では無く、Greenlight通過の為のアピール的な意味合いが強い早期デモの為に、上記の様に完成度に問題が感じられる点も散見されるがそれでも楽しめるレベルには達しており、インディーズのホラーを結構やり慣れているという方にも東南アジア系という普通とは違った雰囲気を味わえる作品として勧められる。

 製品版に期待する点としては、ステルス主体という点は変わらないが追っ手として登場する敵はこのデモの女性だけではないとされており、そこにどれだけユニークな敵を用意出来るかが最重要。次点としてはマップ変型要素のバリエーションの豊富さ。


 現在の完成度: 発売時期からするともう大分仕上がっているはず。明らかに間に合わないようなら早目に延期のアナウンスが出るだろうし、現時点では6〜7月頃の発売とみて良いだろう。

  目次          HOME