☆ INFINITE DESOLATION ☆

17/04/21 更新 目次          HOME
製作/販売 Far-flung Games        公式サイト     STEAM    GAME JOLT    itch.io    INDIE DB
配布状況  2017/03/29にリリースされた v0.3.3 (321MB) が最新バージョン。

 更新頻度: これが7回目のリリース版

 Steam Greenlightにエントリーして、既にGreenlitに到達している。

 2017/Q3よりSteamにて早期アクセス開始予定。

概  要  Far-flung Gamesはスコットランドのインディーズ会社。規模は不明。これがデビュー作だと思われる。

 プラットフォームは現状ではWindowsのみが記載されている。


 EMCの一員である主人公は宇宙航行中の事故によりモンスターの棲息する惑星に不時着する。そこにはEMCの施設は存在するが何故か研究者達は誰もおらず、一人だけで施設を修理したりして利用しながら帰還の道を探る羽目に陥ったが、その惑星は焦熱地獄とも言える過酷な環境にあり、様々なリソースを回収して脱出までサバイバルしなければならない。

動作環境  必要環境は明らかにされていない。使用エンジンはUnity。

BASICS  トップダウンシューター + サバイバル + RPG(スキル取得による成長要素)という合体型ゲーム。個々のジャンルはポピュラーだが、これ等を併せ持ったゲームとなると珍しいというのがアピール要素となる。またSF設定で舞台となる惑星が焦熱地獄という環境なのもサバイバル物としては変わった点と言える。

 サバイバル系ゲームでトップダウン(or アイソメトリック)視点というのは別に珍しくもないし、敵が存在していて戦闘要素が含まれるというのも同様。しかしIDではその戦闘が普通の戦闘重視のトップダウンシューター並みに激しいという点が特徴で、多くのサバイバル物における「サバイバル要素が主で、戦闘はあくまでも従」というデザインでは無い。

 従って立ち位置は独特であり、そのユニークさが多くの類型ゲームに対しての差別化要素に成り得る反面、弱点として嫌われる事項にも成りかねない。激しいアクションゲーム、例えはFPSならSerious SamPainkillerの様なゲームをサバイバル要素とくっ付けようとは普通考えない。戦闘に集中したいのに、そこに「寒さをしのぐ為に定期的に暖かい場所に移動しないとならない」といった要素を盛り込むのは受けが悪いからである。同じくサバイバルゲームにおいては、どれだけ上手くリソースを集めたりクラフティングを行ったとしても、難易度の高い戦闘をクリアしないと死んでゲームオーバーになるという設定は受けない(そういうルール設定のマルチプレイ専用でもない限りは)。ただ目新しいと言えばそれは確かなので、この辺りがどう出るかというのは予想がし難い所である。


 ストーリーモードがメインでサンドボックスモードは無し。他にSpeedrun(テレポーターで移動しながら敵を倒し、ゴールまでの時間を競う)とDoomed (無限ウェーブに死ぬまで耐えるホード形式)の二つの別モードが用意されている。この二つはオンラインでのリーダーボード機能に対応。

 将来的にCo-opを実装予定だが、これはストーリー(キャンペーン)モード以外の2つ用。ストーリーへの実装は相当大変という事で予定には入っていないそうだ。


 3つの主要要素を順に見ていくと、まずサバイバルは水分, 酸素, ヘルスの三本立て。酸素が無い惑星なのでこれは必須要素。特徴的なのは水分で、焦熱の星なので温度というパラメーターが有り、これが高いほど水分の消費量が激しくなる(摂氏100度を超える所も有る)。よって温度の低い場所を選んで移動(活動)するのが理想だが、地形によっては暑さを避けられないという状況も発生する。ヘルスは水分の減少等でも減るが、敵との戦闘で受けるダメージが最大の問題となる。上でも書いた様にどれだけヘルスの減少を防ぐ様にサバイバル分野で頑張った所で、戦闘のスキルが低くてダメージをより多く受けてしまえば意味が無くなる。逆に言えばサバイバル面でのスキルの無さを戦闘の巧さである程度は補えるというゲームでもある。

 クラフト要素有り。サバイバル三要素はそれを含んだアイテムその物を発見するのが基本だが、水分や酸素の吸収器(制作後に置いておくと時間経過に応じて大気中から水分や酸素を抽出してくれる。使用回数制限はあり。)を制作したりも出来る。昼夜切り替え要素もあり。夜間にバラックで寝る事でヘルスを回復出来るが、その代わりに水分を消耗する。だが温度の下がる夜間は活動がし易くなる為に、水分消費の少ない夜間を狙って遠出したりという風にも出来る。


 RPG要素としては、開始時に5つのクラスからキャラクターを選択する(Grunt, Psion, Scout, Engineer, Marine)。能力パラメーターはS.P.A.C.Eと名付けられており、Strength, Psi, Agility, Cunning, Enduranceの5種。開始時にクラス別の初期値の他に10ポイントを自由に割り振れる。XPを稼いでレベルアップするが、スキルポイントの割り振りは確定させるとやり直しは出来ない。

 4種のアビリティが存在。Heal, Blink(テレポート移動), Speed(移動速度アップ), Repulse(ステルス)で、時間経過と共にクールダウンして再使用が可能。どれを獲得出来るのか, アップグレードの段階, クールダウン速度はPSIのパラメーターに依存する。


 戦闘は探索して入手した各種武器を使って行う。弾薬についてもアイテムボックスから入手するという方式で、クラフトするというシステムは無い様である。無限弾の銃を一丁持っているので弾薬的に詰みは無いが、この銃は弱いのでこれだけとなると厳しい。詳細は後述。


・キーアサインは一応可(ランチャーにて設定), マウス感度設定不可×, 明るさ調整不可×, サウンドボリューム調整不可×
・難易度設定無し(製品版では実装予定)
・オートセーブシステム


*トップダウン視点固定(一部三人称へと切り替わる箇所あり), FOV調整機能無し
*インベントリー画面あり
*照準あり
*スプリント×, 屈み×, ジャンプ×
*現在のオブジェクティブ表示機能あり


GAMEPLAY  キャンペーンは最後まで到達していないが、ボリュームは結構有るしリプレイ性も有り。Speedrunはマップ2個。Doomedはまだ実装されていない。

 進行はまず活動拠点を見付けて、そこからテレポーターを作動させたり長距離ショートカット用の通路を使用したりと基礎を学べる。いろいろな装置を使うにはパワーコアと言った各種アイテムが必要で、これ等は探索して発見するかクラフトするかになる。例えば長距離通路は入り口を開けるツールが必要なのだが、これをクラフとする事で使用しショートカットが可能になる代わりに、それだけ素材を使用してしまうので他のアイテムが作成出来なくなるというデメリットが生じる。またクラフト能力が低いとそもそも作れなかったりもする。その場合には戦闘やサバイバル能力が高ければ、実際に長距離を移動するという選択も出来るという風に自由度あり。

 移動はマップが広いのだが、その割には移動速度は遅め。PSIで移動速度を上げないとしんどいという印象。そして全体マップを見る機能が無いのは問題。通れない場所があるので直線的にレーダーの目標地点には向かえないケースも有り、その場合にはルートを探すのが厄介となる。また移動時に段差部分のどこを通れるのかが見た目に判り辛いゲームである。

 他には溶岩等の熱いエリアは入った瞬間に即死する設定で、これはダメージを受けるで良いのではと感じられる。特にキーボード操作の場合、移動は8方向に限られる為に、その入力方向に合致しないルートでは移動が慎重にならざるを得ない。カメラの回転やズームは不可(一部自動で変更される)なので、移動方向をカメラで調整するというのも出来ない。


 デモをプレイした感想としてはサバイバルの方はかなり厳しい設定。RPGでは「どのスキルを伸ばすかによって、どういう風に有利にするかを選択する」というプラス型が多数派だが、IDの様なサバイバルゲームでは楽になった時点である意味ゲームとしては終わってしまうという問題があり、厳しめの設定になるのは当然ではある。レベルアップして5種の能力を伸ばせるが、どれも生存に直結する重要な能力に関連している。Strength(アイテム携帯量と武器携帯数), Psi(アビリティの獲得&能力), Agility(移動時の武器の命中率), Cunning(クラフト能力とルート時のアイテム発見能力), Endurance(ヘルス最大値, 水分や酸素の消費量に影響)。どれも伸ばしてもそれでようやくイーブンという程度の扱いとなっており、「採らないスキルを選択して、どの不利を受け入れるのかを決める」というマイナス型のRPGにされている。

 一方で厳しいのは確かだが作業量としては少な目でシステムも複雑では無い。一般的なサバイバル物ではそれがメインなだけに、憶えるべき様々な事項, 多数のレシピ, 大量の素材集めを要求される事が多く、ひたすら移動&クリックを余儀なくされたりもするが、IDではアイテムはボックス以外には落ちていないからくまなく探索する必要はないし、大量の知識を憶える事を要求されたりもしない。その点では慣れていない人でも入り易いライトな設定になっている。それと水分・酸素・ヘルスの三要素は、無くなると携帯中のアイテムから一回分の基準量が自動的に補給されるシステムなので、うっかりして死亡するという心配もしなくて良くなっている。

 ただし素材が時間を置いてリスポーンする仕様では無さそうなので、そうなると限られたリソースでやり繰りするしか無いという話になってくる。だから水分や酸素が少なくなった場合、どれだけ探し回ってもそれその物が入ったボトルは近場に無いなら入手は不可能。そしてそれを抽出出来る装置も無ければ詰みという事になる。


 チュートリアルは親切で画面も見易いデザイン。クラフト画面での制限も何が足りないのかが解り易い。インターフェイス画面を開くとポーズが掛かるのでじっくりと確認も出来る仕様。ミニマップにアイテム位置が出るのも親切。ただし全てなのかは不明(接近しないと出ない物もあるのかも)。


 戦闘は一般的なアクション系トップダウンシューターと同様で、数多くの敵が一斉に襲って来る激しい物となっている。だがデフォルトでは移動がややスローで、また回転回避動作などが無しなので高速アクションというほどではない。その辺りはアビリティの高速化を発動させたり、敵が自分に近付けなくなる能力を使ったりしてしのぐ事になる。武器は5種類ほど出て来るが、切り替えはメニュー呼び出しで行いポーズが掛かるという仕様。楽ではあるが緊張感という面ではマイナス。弾はあまり無いと思われる為に無駄撃ちは後々致命傷になる恐れあり。あと付け加えるとカメラ位置が遠目なので、戦闘時の見た目の迫力としては物足りなさも感じられた。

 戦術面でいろいろな要素が存在しているのが面白い点。まず敵を倒すとオーブが周囲に拡がるのだが、これは近付くと自動吸引されてヘルスや水分等が少量補給されるというメリットを持つ。しかし短時間で消えてしまうので、敵の真っ只中に突っ込んで行って取るべきか否かといった判断を瞬時に迫られる。次にプレッシャープレートが用意されているエリアが多く、これに乗ると一定時間タレットやドローンが発動して自動的に敵を攻撃してくれる。よってどのタイミングで発動させるかが重要。第三に火薬缶が用意されている所も多く、これもまたタイミングを計って誘爆させる事で大ダメージを与えられる。最後に先に書いた溶岩に触れると即死という困った要素があり、それが有るエリアでは激しく移動している際に慎重さも要求されてくる。


 このデモで問題なのはセーブのシステム。オートセーブなのだが保存は1スロットのみで上書き保存するという方式である。つまり詰みが発生する可能性がある。実際に私自身も(おそらくだが)詰んでしまった。ポータルを発見する所まで到達したのだが、そこから拠点に帰るのには長い距離を移動しないとならない。しかし酸素と水分がもう無く、大気からの抽出機を作ろうにも片方分だけしか素材が無い為に、どちらを作っても足りないので死亡。ショートカット用パイプは有るのだが、これを開けるのに必要なアイテムは無いしスキルが足りないのでその場で作る事も出来ない。そしてロードしてもこのポータルの地点からしか再開出来ないという状態。

 仕様として「詰んだ場合には最低限のリソースを持ってそのセーブ地点からやり直せる」のでは、それならばとリソース管理を気にしなくなる人が出て来るからまず有り得ない。あるいは最初からやり直しというのはサンドボックス形式ならともかく、こういったキャンペーン形式には向かない。だからセーブポイントのスロットを増やして、詰んだら「やり直せる所まで戻る」というのが理想だと思うのだが製品版ではどうなるか。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unreal Engine 4を使用。クオリティのプリセットは3種。個別設定項目無し。

 グラフィックスはトップクラスでは無いが、エフェクトが綺麗だったりと水準レベルには達しているという印象。敵のモデリングなどはあまり凝っていないが、対してアイテム類などは多彩な物が作り込まれている。なお設定上、風景の単調さはボリュームが増えても変わらないと思われる(キャンペーン以外のモードでは別のロケーションも含まれる)。


 3Dサウンド無し。ボイス無し。BGMも少ない。唯一効果音系は良い方。

感  想  サバイバル物としてはシステムが割と単純であり、クラフト要素も複雑では無いし建物の様な物を作ったりは出来ない様なので、サバイバル系が好みという人には物足りない可能性が高い。また戦闘能力が大きな影響を及ぼす(戦闘スキルが高いほど水分・酸素・ヘルスの三要素を消費しないので、サバイバル面で楽になる)というデザインを好まない人もそれなりに居るだろう。逆に純粋にアクションに集中したいというプレイヤー向きでも無い。

 しかしそんなに複雑では無いサバイバル&クラフト要素をちょうど良いアクセントと捉える人も居るだろうし、サバイバル能力の低さを戦闘スキルで補えるという点も見方によっては歓迎されるデザインである。後は地球の様な環境がサバイバルの舞台ではなく、焦熱の惑星というSF設定に魅力を感じる人も居るはず。以上の様にターゲット層が限定されるとは考えられるが、ユニークではあるので「トップダウンシューターもサバイバル物もすでに多過ぎて似たりよったり」と感じている人にアピール出来るチャンスは持っていると言えよう。個人的にもプレイ前の期待よりもずっと面白かったので、購入候補として考え始めているところである。


 現在の完成度: 更新は頻繁だが具体的な完成度については言及が無い。システム面は結構固まっている感じなので、後はキャンペーンのマップ制作が進めば予定通りにリリースされるのではないか。

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