☆ KSHATRIYA ☆

15/09/25 更新 目次          HOME
製作/販売 Bugsy        公式サイト       FPSC掲示板   
配布状況  2013/09/27にリリースされた V1 (487MB) が最新バージョン。

 更新頻度: 初回バージョンのみ


 現時点では無料のプロトタイプである Kshatriya Prologue: Prologue が公開されているだけ。

概  要  アメリカのBugsy氏がメインのプロジェクトで、それにWolf氏が協力する形で制作されている。そのWolfはFPSCのコミュニティでは伝説的に扱われている人物で、優れたモデラーであると共にNo.1レベルのFPSCの使い手とも評されている人物。現在は新旧のFPSCにてSpyra - Renaissance(FPSC), Shavra - Renaissance(GameGuru)を制作中。ただその影響でこちらのプロジェクトへの関わりは薄れている模様。


 先にまとめておくと"Kshatriya"とはBugsyの作り上げる壮大な世界像を指し、彼はその中で様々な時代, 人物, 設定を用いた複数のゲームを制作するという計画を持っている。基本的には未来社会の設定で、インドから日本に至るまでの東アジアがその舞台となり、世界観としてはサイバーパンクが用いられている。タイプとしてはFPSでのアクションやステルス物が中心。ちなみに「クシャトリア」とはインドのカースト制度における第二階位(王族・士族)の呼び名である。

 その中で最初にプロトタイプ的な位置付けでリリースされたのが、今回紹介しているKshatriya Prologue: Prologueである。これはメインキャンペーンのプロローグとなる物で、以降はエピソード形式で話が続いて行く予定。しかし現在具体的に明らかにされているプロジェクトは、2014/07にアナウンスされたKshatriya Challenges: File 001のみとなり、これは本編とは異なる番外編的な位置付けのサブエピソードである。これはどういう事かと言うと、エンジン性能の限界からメインキャンペーンはFPSCの新バージョンであるGameGuru(旧名FPSC Reloaded)にて制作される事になったのだが、このGameGuruはアナウンスされてから制作が相当遅れており、安定して使える様になるまでは予想よりも時間が掛かりそうだという状況になってしまった。そこでそれまでの間に旧FPSCにて番外編を制作して繋ごうという計画になった訳である。

 しかしその番外編用のデータがPCの故障で一部失われてしまい、データ復旧の状況によってはこのChallengesはキャンセルされてしまう可能性も出て来ている。一方で肝心のGameGuruの方はようやく2015/05に発売に漕ぎ着け、現在では早期アクセスを脱してはいるものの、掲示板などを見るとまだまだ機能を充実させて動作も安定するまでには先が長そうという雰囲気である。実際に私も何個か公開されている作品を試しているが、そのクオリティは驚くぐらいに低いというのが正直な所。よってGameGuruを使用してのメインキャンペーンの制作の方も、ずっと先まで長引いてしまう恐れがある。


動作環境  必要環境は公開されていない。ただしWindows8では動作しないというケースが報告されており、その辺は各種対策を試してみるしか無い(サポート頁のFPSCの項目を参照)。10ではどうなのかは情報が無い。

BASICS  世界観などは明らかにされておらず、どの様な内容のストーリーなのかはまだ不明である。ただゲーム内に登場するKshatriya Artifactというアイテムが有り、これが全体のキーアイテムとなる様だ。所持者の精神に働き掛けて幻覚等を見せる性質を持つらしい。


・明るさ調整可(<>キー)。 キーアサイン不可, マウス感度設定不可, サウンドボリューム調整不可。
・難易度設定無し
・字幕は無し

 セーブ&ロードは任意の場所で可能。ただし大いに問題あり。ロード時にその場所で沈むようになって死亡してしまう現象が多発する。マップ切り替え時に同様の現象で死亡する障害は、FPSC製ゲームにおいてエンジン側の問題なので制作側では治しようのない問題として知られているが、このゲームではマップの先頭では発生しない代わりに途中の地点での読み込みにて多発してしまう。セーブした場所とタイミングに因るのかも知れないが、とりあえず複数の地点で小まめにセーブをして備えるしか無い。だがロードを何回も繰り返すよりは、マップの最初からやり直した方が早いという印象。


*一人称視点固定
*インベントリー画面は無し
*HUD無し
*アイアンサイト(トグルのみ)
*スプリント, ジャンプ, 屈み(CTRL) 操作あり


GAMEPLAY  このKshatriya Prologue: Prologueのデモは3マップ構成で、途中で謎解き等に詰まらなければ15分程度と短い。まずは世界の雰囲気を味わって貰うのが目的という感じである。

 ストーリーについては良く解らない状況で、初回作品のプレゼンテーションとしても弱い。主人公の喋るボイスが聞き取り辛い上にNPCの台詞を含めて字幕が用意されておらず、更にロード画面等での解説文字が潰れて読み難い。逃げる敵を追い掛けるのが目的という程度しか理解出来ない状態である。


 ゲームの売りとしては以下の様な独特の要素を取り込んで、FPSC製の多くのゲームにおける単調さ・類似性を排しユニークな印象を与えている。

・実写のカットシーンを使用
・アーティファクトの影響による奇抜な脳内再生映像が随時挿入される
・FPSC製ゲームの中ではロケーション(風景)が斬新
・カスタム制作された追っている敵キャラクターのアニメーションが細かい


 パズル要素としてはオブジェクトを動かして利用するシーンがあり、一応解説しておくとTキーで持って、LMBでそれを投げる。RMBだと置くという動作を行う。このシーンでは操作がやり難いという印象を受けたが、制作者の返答ではそのオブジェクトを利用する方法では無くてもクリア可能で、この様に複数のクリア方法を設けているパズルが多いそうだ。

 このデモでは敵が行うだけでプレイヤー自身は行えないが、プレイヤー側でのパルクール的操作を採り入れる予定があるようだ(Mirror's Edgeに強い影響を受けている)。このプロトタイプではスプリント+ジャンプでプラットフォームを渡って行くエリアは何回か出て来るが、それ程シビアなアクションは要求されない。問題点としては落下ダメージ有りの設定なのだが、それがどの程度の高さまで大丈夫なのかがハッキリしない所。序盤に段差を降りていかないとならないシーンが存在するが、ここで一足飛びに下の段に降りて平気な時と死んでしまう時がある。


 終盤には戦闘も用意されている。武器はピストルとサブマシンガンで、弾薬の概念は無いようである。ヘルスは自動回復方式。これはダメージエフェクトがキツめで見辛いが、FPSCのゲームでは敵兵士の射撃精度が高過ぎるというケースが良くあり、それを自動回復で上手く補っているとも感じられた。敵は一種類だけで戦闘が面白いというレベルには達していないが、FPSC製の物としてはまともな部類である。


 プロトタイプの段階なので将来的には解決されるのだろうが、一応バグ的な問題点を挙げておく。

・死亡時に自動的にリスポーンポイントに復活するが、その際に動けなくなって続行出来ない
・ロードして再開すると、死亡した時点までのNPCモデル等がマップから消えてしまう
・ほとんどの場所でジャンプするとそのまま宙で停止してしまう。何回か繰り返していると地面まで落下する。
・台詞のサウンドがイベントのサウンドと被ってしまって余計に聞こえ辛くなる

GRAPHICS
&
SOUND
 まずFPSCでは一つのマップにて使用可能なデータ量に限界があり、それを越えるとロード中にゲームが落ちてしまう。このゲームでは三番目のマップが容量オーバーとなってしまう為に、setup.ini の中で dividetexturesize=2 とテクスチャーのクオリティをデフォルトから落としているそうだ。よって関係の無い他の二つのマップにおいてもテクスチャーのクオリティは低くなっている。また解像度がデフォルトでは1440*900に指定されており、修正したいならば setup.ini の中の[GAMEDEBUG]セクションに記載が在るので書き換える。(サポート頁のFPSCの項目を参照)。

 オリジナルコンテンツが多数含まれているのが特徴。だが上記データ容量の関係でNPCのモデル数が少なかったりモデリングが粗かったりという欠点も見受けられるし、テクスチャーはクオリティが低い部分も結構目に付いてしまう。他にはカスタム制作されたサブマシンガンもアイアンサイトにすると妙な感じになってしまう。


 BGMはテーマに沿ったテクノ調でなかなか良い。これ等はフリー楽曲orちゃんと許可を取って使用しているそうだ。

感  想  FPSC作品の中にも良い物は在るという実例の一つ。ただしメモリの制限からテクスチャーのクオリティは満足が行くレベルに達していないのは残念。やはり扱う素材的にグラフィックス面の充実は重要となる為(未来社会の描写等)、出来ればグラフィックス性能が高いエンジンでの作成が理想だが、制作者当人はFPSC(GameGuru)が気に入っている様なので変更は無さそう。だがGameGuruによってFPSCでのメモリ制限から解き放たれ、多数のNPCキャラクターモデルや3Dモデルの導入が達成されればクオリティは充実してくるであろう。


 現在の完成度: 上記解説に書いたようにまだ完成までは先が長そうで、今後のGameGuruの充実度次第とも言えるだろう。参考までに以下はこのプロローグでは無く、今後の作品に向けての紹介用トレーラーとなる。


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