☆ MADiSON ☆

17/12/30 更新 目次          HOME
製作/販売 MADiSON Videogame        公式サイト      itch.io
配布状況  2017/12/01にリリースされた 早期デモ (503MB) が最新バージョン。32ビット版と64ビット版が別に用意されている。

 更新頻度: 初回リリース版

 Patreonにて資金募集を行っている。

概  要  制作はMADiSON Videogameとされているが仮称ではないかと思う。クレジットによると二人構成でアルゼンチンで活動している。

 プラットフォームとしてはPC(Windows)のみが明らかにされており、Steamにて2018中旬にリリース予定だそうだが有料なのか無料なのかは不明である。


 主人公のルカ(男性)は自分自身でも理解出来ない暴力行為などで学校にて問題を起こしている身であったが、ある日自分の手が血に染まっている状態にて目を覚ます。その彼に取り憑いた悪魔MADiSONが儀式を実行させようとするのを防ぐ(もしくは逃げる為に儀式のやり方を見付けて達成しないとならない)というストーリーになるらしい。

動作環境  必要環境は明らかにされていない。ただビデオカードのVRAMは2GB以上の物が必要と言う制作者からのコメントはあった。

BASICS  P.T.の影響を受けて制作されていると考えられる作品。P.T.の簡単な説明は以下。

  『P.T.』とは“Playable Teaser”の略で、シリーズ新作となる『サイレントヒルズ』の予告編として(当初はその件が隠されていた)、2014/08にPS4向けにリリースされた無料のデモ版的な作品。小島プロダクション制作。ホラーゲームのファンからは斬新な傑作として非常に高い評価を得る。しかしその後サイレントヒルズは制作中止となり、小島秀夫監督もKONAMIから退社。それに伴ってこのP.T.は既にダウンロードが出来なくなっており、その意味合いからも伝説的な作品と成りつつある。

 ゲーム内容としては、ある家の中のL字型の区画のみを舞台とし、通過した先で階段を降りても同じ場所が延々とループして現れるという構成。だが徐々にその区間の風景が変化したり、プレイヤーの行動に応じて発生するイベントが変わったりしながら進んで行く。襲って来る敵を避けつつ、パズルを解きながらクリアを目指すが、クリアに到達するのは相当に困難とされている(完全な解法が確立されていない)。なおティーザーとは覆面広告(具体的な情報をあえて伏せてイメージ的な演出のみを使う広告手法)の意味であり、このP.T.はサイレントヒルズの実際のゲーム内容から抽出されたデモでは無い。「短い区間がループされて徐々に変化して行く」という最も基本的なゲーム性さえ、制作予定だった本編と共通しているのかどうか不明なままであり、単に「この位怖いゲームにしたい」という観点から制作されただけの全くの独自作品という可能性もある。

 独自の要素は古いポラロイドカメラが重要な役割を果たすという所。30年前に儀式と称して家族を皆殺しにした女性Madisonが所有していた物で、警察によって倒された彼女が魔女として蘇り、カメラに取り憑いてルカを支配しようとするという筋書きの様である。

 このカメラで撮影すると状態が変化したりするオブジェクトが有り、それを使って謎解きというか目的を達成してストーリーを進めていく形になっている。


*キーアサイン可(ランチャーにて一部のみ), マウス感度設定不可×, マウス反転不可×, 明るさ調整不可×, サウンドボリューム調整不可×
*一人称視点固定, FOV調整機能無し
*字幕無し
*スプリント×, 屈み×, ジャンプ×
*照準は部分的に表示される
*コントローラー対応

・セーブ機能無し
・難易度設定無し
・インベントリー画面有り
・現在のオブジェクティブ表示機能無し

GAMEPLAY  プレイ時間は10分程度と短い。セーブ機能も無し。

 狭くて短いT字廊下, 一人がやっと通れる程度の幅の通路, 部屋が一つという小さな構成。だが突然今まで無かった物が出現したりと、プレイヤーの行動によって内部が変化して行くというのが特徴。のぞき穴, ゴキブリ, ラジオ(こちらではTV)といった物も共通して登場する。だが出口を抜けるとスタート地点に戻ってくるというループ構造では無い。それと塞がれているが先に行かれそうに見える箇所も在るし、デモのゴール地点では新たに通路が開く為にこの狭いエリアだけを延々と繰り返してループするという構造では無さそう(そこからループという可能性もあるが)。

 何かをやってフラグを立てるとエリア内の状況が変化して先に進めるようになるという点はP.T.と同様だが、そのフラグ立てが非常に難解とされる原作に対して(私自身は未プレイ)、こちらでは序盤だからなのか判らないが普通の謎解き風で特に難易度は高くない。何かをすると変化が起きるという因果関係は論理的ではないが、それほど出来る事自体が無い為に詰まる可能性は低い。

 カーソルはインタラクトが可能なオブジェクトに向けられた時のみ表示される。つまり何かが出来るというのが解り易い。インベントリー機能も備えており、使用時はそこから選んで使うという方式(持っていれば自動的に使用してくれる方式では無い)。


 差別化要素として導入されているカメラはそれで撮影することによって対象物が変化したり、見た目とは別の物が写ったりするという特殊能力を持っているが、それだけに謎解きとしては解り易くなっているとも言える。古いポラロイドカメラでフィルムは有限。これはマップ内に置いてある物を拾って使う方式。よってもしフィルムが切れてしまうと詰んでしまうが(インベントリーから残数は確認可能)、大量に有るしフィルム切れに対しては何等かのシステムを組み込む予定とコメントしている。撮影した物は保存されるので後に閲覧も可能(撮影直後は黒いままなので振ったりも出来る)。


 ホラー要素はジャンプスケア系が少し含まれている。プレイヤーを襲って殺すような敵は出てこない。フラッシュライトは無し。総合的に少なくともこのデモの段階では大して怖さは感じられない。怖さよりは不気味さの方が勝っているが、そちらもまだ序の口と感じられる。

 なおこのデモでは小さな扉のダイヤル錠など解決出来るのかが不明な箇所も存在している。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unityを使用。クオリティのプリセットは6種(ランチャー)。個別設定項目は無し。

 グラフィックスはリアリスティック系でクオリティとしても悪くない。P.T.のフォロワーでは家屋内部&リアル系グラフィックスというのが定番だが、それだけに皆が似通ってしまうという問題も感じられる。そこは動かせないという事なのかは判らないが、他のロケーションでリアル系のグラフィックスにはこだわらないというのでも良いのではないかという気はする。


 3Dサウンド非対応。ボイス有り。BGMはイベント時のみで通常は鳴っていない。サウンドは頻繁にそこら中からドア類が開く音, ドア類が叩かれる音, 何かが軋む音等々のノイズが聞こえるのが特徴。しかし3Dサウンドに対応していないので方向性が曖昧となっており、これには対応させた方が効果的である。

感  想  P.T.に影響を受けて制作・公開されているインディーズのゲームというのは意外と少なく、それは影響度の大小と言うよりは作るのが難しいという話なのだと考えている。金と手間が掛かるタイプのゲームだからと言い換えても良い。それ故に非常に短いとか、プロトタイプ過ぎてあまり紹介する意味が無いとかの作品も見受けられる。今回は一応10分程度は遊べるし形になっているのと、ホラーゲーム界隈ではかなりの話題作ではあるので採り上げてみた。

 期待は出来そうに見えるが、詳しい説明なども無い為にどういう方向性なのかはまだ判らない状況。

・ホラー重視なのか、パズル重視なのか
・ジャンプスケアがメインなのか、雰囲気的な怖さを追求しているのか
・極度に難解なフラグ立てゲームなのか、普通の謎解き程度なのか
・狭いエリア限定なのか、ある程度は場所が変化して行くのか


 P.T.風のフリーゲーム(現次点では)をプレイしたいという方にはお勧め出来るが、カメラという別のメカニズムも加わっているので普通のホラーが好きな方でも楽しめるだろう。現状は短いのが難点。


 現在の完成度: 言及が無いので全体でどの程度のボリュームを予定しているのか不明。

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