☆ AT THE MOUNTAINS OF MADNESS ☆

15/09/03 更新 目次          HOME
製作/販売 Team Clockworks        公式サイト      STEAM      INDIE DB
配布状況  2015/08/14にリリースされた Alpha 1.7 が最新バージョン。

 更新頻度: リリース以来数回アップデートされている

 Steam Greenlightにエントリーして、既にGreenlitに到達している。

 Kickstarterへのチャレンジは失敗に終わっている。

 デモは存在せず、早期アクセスで有料販売されているのみ。従ってプレイには購入が必要である。現時点ではIndieGameStanditch.ioにて販売中。価格は$22.00。既にバンドルとして販売された事あり。

概  要  Team ClockWorksはスペインのインディーズでこれがデビュー作。メンバーは2人と書いてあるがクレジットを見ると4人ほど居るので、外部から雇っているのかもしれない。

 タイトルの通りに1936年に発表されたラヴクラフトの代表作の一つである『狂気の山脈にて』をベースにしたクトゥルフ神話物のアクションアドベンチャー。2016初頭に発売予定。ちなみに丁度同じ題材を使ったMountains of Madnessが現在Zoetrope Interactiveにて制作中である。

 Windows. Mac and Linuxに対応予定だが現時点ではWindowsのみ。


 1930年にミスカトニック大学のダイアー教授率いる探検隊が南極大陸へと向かった。 目的は地質調査だったのだが、その際に地層の中に明らかにおかしな物が発見される。生物学者のレイクは未知の古代文明の物だとして、独自の隊を組んで山脈の地下を探索し数々の遺跡を発掘する。だが連絡が途絶えたレイク一行は死体で発見され....といったストーリーが原作になる。これをどの程度正確に辿っているのかは不明。

動作環境
  必要環境 推奨環境
CPU - Quad-core Intel or AMD, 2.5 GHz
MEMORY - 8 GB
VIDEO - GeForce 470 GTX or Radeon 6870 HD
SOUND - -
対応OS  Windows 7/8
DirectX 9.0c以上要


 Unreal Engine 4で制作されている。必要環境の方は記載が無い。

 グラフィックスの設定画面からでは解像度の設定が有効にならなかった。4段階のクオリティ設定も個別の設定スライダーと連動していない為にちゃんと機能しているのか判らない。なお設定を低くするとオブジェクトが消えてしまったりという障害が発生する模様。

BASICS  ジャンルとしては一人称視点でプレイするアクションアドベンチャーとなるが、ホラー要素をどの程度強調するつもりなのかや、謎解き重視なのかストーリーに重きを置いているのか等、まだハッキリとしない点が多い。

 南極大陸が舞台となる事から寒さに耐えるサバイバル要素を含み、インベントリー画面内にHPと思われる赤いゲージと、体温を表示する自分自身の姿を備えている。何もしないと徐々に脚から凍って行って、危うくなるとメイン画面上にそれを知らせるメッセージを表示。そうなったらアイテムとして所持している食料を食べるか、どこかで暖をとって体温を上げないとならない(アイテムとして薪を持ち運べる)。寒さとHPとの連動システムは良く解らない。

 山脈の地下にはダンジョン風の迷路が存在しており、この迷路をランダム生成する機能を持つ

 完全な逃走orステルスゲームではなく、小物クラスのスタンダードな敵とは戦闘をする事も可能。ただし武器が入手出来るのはゲームがずっと進んでからで、また常にプレイヤー側が弱いというシチュエーションでの戦いとなるそうで、爽快感を追求したバランスにはされていない。限定的に戦えるだけのサバイバルホラー的な物だと予想される。


・キーアサイン不可, マウス感度設定不可, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可
・難易度設定無し
・ボイスが未実装でテキスト表示を使用している

 任意セーブ方式でスロットは8個。だがセーブ時にサムネイルが生成されないケースがあり、このパターンでは読み込みに失敗する様だ。また成功しているケースでも読み込んだデータから正常に進められない事があったりと、セーブのシステムには障害を抱えているので注意。頻繁にセーブをしておいた方が無難である。


*一人称視点固定
*インベントリー画面にて15個までアイテムを持ち運べる
*照準無し
*スプリント可能だが、杖を入手していないとスタミナを早く消耗してしまう。それと走るほどHPの減りが発生する。
*ジャンプ可能。しかし何故か出来る場所と出来ない場所がある。
*屈みはCTRL

GAMEPLAY  現在のバージョンはマップ数が5個程度だが序盤だけという感じで、本格的にスタートするかの様なシーンにて終わってしまう。プレイ時間はバグ等に遭遇したので1時間程度だったが、すんなり進むのならばもっと短い時間で終わるだろう。

 システム関連から感想。インベントリースロットは15個。意図的なのか判らないが、一度取ったアイテムをドロップすると消えてしまう仕様。まだ食料, 薪など種類が少なく、アイテムにどの程度のバリエーションが存在するのかは不明。食料が大量に有る為に体温低下しても困らず、序盤というのもあるのだろうがサバイバル感はほとんど無し

 フラッシュライトはバッテリー制。このバッテリーはスロットを消費せずに別カウントされる。こちらも数が多くて現段階では全く困らない。リチャージは手動となり、自分で光度の低下を判断するか、或いはリチャージ要のメッセージに応じてRキーで交換を行う。


 ストーリー重視のスタンスかと予想していたのだが、説明のテキストはほとんど出ないし日記類などのドキュメントを読むインターフェイスも無し。キャラクター同士が会話する等のカットシーンも無い。単に数人のキャラクターをUseした際に文章のみの会話文が出るのみ。まだシステムが実装されていないのか、それともストーリー関連には重点を置いていないのか?

 ロケーションは地上と地下の一部で、エンジンの性能もあるのだろうが景観としてはなかなか綺麗であり雰囲気も出ている。見せ所は広大な地下遺跡になると思われるがそこまでは含まれていない。一方で多数のキャラクターは動きが無く、まるで人形の様で「生きている」という感覚が希薄なのは気になった。


 迷路のランダム生成要素は現バージョンでも含まれていると考えられるが未検証。しかしそもそもランダム迷路が面白いかとなると疑問で、アドベンチャーゲームにはやたらと迷路を用意してプレイ時間を水増しするかの様な作品があり、好みによるが個人的には好きではない。ランダム生成される迷路を抜ける事を第一目的としたホラーゲームとかならそれで良いのだが、アドベンチャーゲームであるなら正統な謎解きの方を重視して貰いたいものである。よってこの要素には私は期待していない。

 パズル要素もほぼ無し。アイテムを探してきてそれを目的の場所で使えば良いだけ。この点でも何に焦点を絞ったゲーム性なのかが判断出来ないという印象で、ゲームプレイには重きを置かない探索重視のゲームという可能性もある。ただそれにしては上に述べたように文章量が少ない。

 ホラー要素もまたほとんど感じられなかったが、この辺は先に進むとモンスターに追い掛けられたりとか恐怖感が増してくる可能性が高そう。序盤しか扱っていないのでこの辺りは仕方がないとも言える。


 ゲーム途中に何が始まったのかと驚かされる演出があり、現バージョンではこのシーンが一番魅力的に感じられたと言っておこう。“これ”をどういう風にゲーム内に組み込んで行くのかは興味がある所で、上手く活かせれば大きな武器になると考えられる。


 現バージョンではまだバグを含めて沢山の問題点が存在しているのでそれらを列挙しておく。

・傾斜面の移動に登れないケースがあり、ここは通れないのかと勘違いする可能性あり
・ジャンプが出来る場所が限定されており、見た目に通れそうな低い段差の箇所が通れなかったりする
・横方向のへの接触判定が大きく、移動で広い隙間なのに引っ掛かったりが発生
・序盤で付いて来る子犬が移動中に足下に引っ掛かって邪魔
・キーを2回押さないと反応しないケースが多々在る(重いのかと思ったがそうでもないようだ)
・目的表示は一度だけで以降は参照出来ない
・内容の解説メッセージは何か他のメッセージが表示されているタイミングだと消えてしまう
・会話のテキスト表示時間が短い
・手に持っているアイテムが画面上に表示されない(自分の体を見下ろして確認するしかない)
・Useが殴る動作を兼ねており、ターゲットを外すと一々そのモーションが発生してしまう

 中でも厄介なのがUseによるオブジェクトの操作。通常はアイテム名が表示されるので、その状態であればUseにて確実に取る事が出来る。しかし照準が出ない仕様なので正確にターゲットに合っているのか確認が出来ず、例えば人に話し掛けるケースでは位置を微調整して何回かリトライしないと反応しなかったりする。またこれはバグと考えられるが、どんなに位置を調整しても反応が無くなってしまうケースがある。例えば飛行機に乗るシーンにて、最初は「Useキーを押せ」と出るのだが、そこで押しても反応無し。そして以降はどうやってもそのメッセージが自体が表示されなくなって進行不可に陥った。この反応無しの件は数人が報告しており早急な改善が望まれる。

GRAPHICS
&
SOUND
 グラフィックスは4段階。最高設定にすれば吹雪のエフェクト等も比較的綺麗である。キャラクターのモデリングやアニメーションは酷くは無いがそこそこで、ここは劇的に改善される可能性は低そう。なおクトゥルフ神などのビジュアル的なクオリティは重要なので、そこはどの程度までやれるのか気になる点となる。


 サウンドは何とも言えない。ボイスが含まれるのか判らないがそれも無いし、ホラー演出などもほぼ無いので全体的に淡泊な作りである。

感  想  Steamでも近々発売予定だそうだが、そこで心配な点として価格を挙げておく。現在の$22は相場として高いという印象で、Steamで早期アクセスを行っているタイトルの中でも高目の設定である。この価格だと「身構えられる」というレベルで、クトゥルフ神話物という点である程度のファンからの注目は得られるはずだが、ちょっと金を出して支援してみようかとなるにはハードルが高いのは確かだ。とは言えSteamでの開始時に値段を下げてしまうと既存の購入者から不満が出るだろうし、この強気の初期価格設定は失敗だったのではないかと感じられる。

 それでも現時点で完成度が高ければまだ良いのだが、既に書いた様に基本的な面での問題点が多い, 致命的なバグも在り, 方向性が見えない等でまだまだというレベルである。私はGroupeesにてバンドルとして購入したので特に腹も立たないが、現時点ではその程度の出来でしかないと言わざるを得ない。$22.0以上で売るならばこのV1.7よりも相当に完成度を高めていないと、不満のレビューが大半となって余計に売れなくなるという危機に瀕する恐れがある。

 テーマは面白そうなので可能性は感じられるが、開発人員は4人だけの様だしヤバそうな雰囲気も漂っている。まだ完成予定までは半年あるが、8:2で不安の方が大きいというのが正直な所。一枚画で勝負出来る2Dゲーム(アドベンチャーゲーム等)にするならともかくとして、3Dでクトゥルフ神話物を制作するのは少人数のインディーズ会社には厳しいのではという感じがする。


 現在の完成度: 全体のボリュームに付いて言及が無いので不明。完成は結構先なのでまだ大して出来ていないと思われるが、ベータに到達という記事もある為に元々そんなに長くないゲームとも考えられる。

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