☆ NELO ☆

16/06/11 更新 目次          HOME
製作/販売 Magic & Mirrors        公式サイト      STEAM      INDIE DB
配布状況  2016/02/26にリリースされた Nelo_Demo_Build_0.0.0.2 (666MB) が最新バージョン。

 更新頻度: 一度アップデートされている

 Steam Greenlightにエントリーして、既にGreenlitに到達している。

 Kickstarterにチャレンジして、設定額を大きく上回る成功を収めている。

概  要  Magic & Mirrorsはアメリカのインディーズで、商業作品としてはこれがデビュー作。基本的に二人だけで制作しており、その他に音楽やボイス担当を雇い入れている。過去にはPrimal Carnageの制作チームとして働いていた経歴を持つ。

 現在確定しているプラットフォームはPCのみ。PS4, XBox Oneでも発売したいそうだがまだ交渉等は行われていない。

 価格は$20で2016年中に発売予定。


 エイリアンの一種族であるTono Giansは自分達の星の人口過剰問題を解決する為に、知能を持ったロボット型生命体Nightsitheを作り出し、これを宇宙に放ち移住に適した星を発見させた後に、必要とあらば現住種族を攻撃して占領・開拓を実行するという計画を立てた。ところがそのNightsitheのAIが暴走して自分達自身の星が開拓目標と認識されて攻撃を受けてしまい、Tono Giansは星を追われる事となって宇宙船で逃げ出さざるを得なくなる。主人公のNelo Aukalはその中の移住船の一つに乗船していたのだが、ある惑星に宇宙船が不時着した状態にて冷凍睡眠から目を覚ます。惑星はかつてPlemnibonと呼ばれる種族の支配する星だったが、既にNightsitheにより乗っ取られており、自分以外の乗船メンバーも全滅させられた後であった。NeloはNightsitheの追跡をかわしてこの星を脱出し、他の宇宙船のメンバーと合流しないとならない。


動作環境  現時点では64-bit Windows, DX11対応のビデオカード(GTX 960以上)要とのみアナウンスされている。

 現行バージョンで全ての操作を行うには4ボタン以上のマウスが必要。ボタン#4にアサインされている操作が在り、ユーザーによる操作キーの変更機能を持たない為。コントローラーが有ればそちらでは問題無い。その操作が絶対に必要という訳では無いのだが、チュートリアルではそれを使えないと先に進めないのではないかと思われる。

BASICS  一般的なTPSとは異なるユニークな操作やシステムを多数持っている独創性の高いゲームである

 “Hyper Fast”(超高速)の反射神経要求型ゲームプレイが第一の特徴。常にそうだという訳ではないが、あまりにも速過ぎてユーザーがコントロールする事が困難というレベルのゲーム速度を持つ。


 Neloが体に装備しているのはQuasar suitで、高速移動や様々なパワーを引き出せる様になっている。最大の特徴はワイヤレスでHands of Aphelionと呼ばれるメカニカルハンドと結合している点。これは宙に念動力で浮かぶ4本の腕から構成されており、それぞれに異なる武器を所持して同時に使用する事も出来る。リロード操作も可能。

 ゲームシステムとしては“Omnishoot”と呼ばれる物がゲームの売りの一つとなっている。TPS視点からボタン一つで上方見下ろし視点へと切り替えが可能。このモードではマウスやスティックによる高速回転操作が行える様になる為に、周囲360度を回転しながら高速攻撃する事が可能である。ただし攻撃は近距離に限定され、自分と同じ高さに居る敵しか攻撃出来ないという制限も発生する。これとTPS視点を上手く切り替えながら戦う必要があるというゲーム性。なお視点は真上視点とアイソメトリックを選択出来る。


 基本動作の解説。とは言えそれだけでもとにかく憶える事が沢山有るゲームである。

 スプリントはShiftキーの一回押しで発動させられるが、高速なゲームなだけにその他にもジャンプしたりMelee攻撃の発動でも自動的にオンになる。またWalkモードへの切り替えは2回目に止まった時となっており、スプリント中に止まっても即解除はされない。

 Shiftキーを押しっぱなしにする事でPower Glideを発動させられる。これは超高速での移動モード。

 ジャンプはスペースバーを長く押すと高く跳べる。技能としてWall Jumpingが可能で、壁を蹴ると共にジャンプする事で高所へと到達する事も出来る。これは地上に降りるまでに三回まで繰り出せる仕様。

 宙に居る状態で方向キー+ジャンプにてジェット噴射を利用した超高速空中移動Air-Dashを行える。これは一回のみ可能で、地上に降りるかWall Jumpingを挟めばリセットされる。

 CTRLで屈み動作を行いステルスモードになる。スプリント中にCTRL押下でドッジモードとなり高速で方向を変えられる。宙に居る時にドッジするとAir Diveとなり下方向へと高速移動。ドッジは独自のメーターを持ちそれが切れるまで行える。操作はキーボードだとWASDのダブルタップでもOK。


 射撃は通常時はLMBボタンで4つの武器を自動的に同時発射する。発射レートなどは当然それぞれの武器によって異なる。歩き状態に限り、1−4キーにて武器選択をすることでSingle-Fire modeに切り替えられる(該当する武器がHUD上で赤く点灯)。RMBで一人称のズーム視点になり、時間が遅くなるバレットタイムが発動した状態で遠距離の敵などへの精密な射撃を行えるようになる。

 武器は自動的に落ちている物を拾う仕様。現在の武器構成を変えたくないならE or R キーを押したままにするとロックモードになり武器を拾わなくなる。

 弾薬数はユニバーサル形式で表示され、武器によってリロード時にそのプールからの消費数が異なる。


 MMB押下でLight Melee Attack。これはほぼ自動照準だが近距離専用。連続して押す事でコンボ攻撃。ただしMeleeはスタミナを消費する攻撃となっており、幾らでも連続で繰り出せる訳ではない。#4MBによるHeavy Melee Attacksはより遠くの敵に対して大きなダメージを与えられるが、時間が掛かるしスタミナもより消費される。

 MMBを押しっぱなしでPower Melee。これは強力な代わりに通常のMeleeが3秒間使用出来なくなる。ジャンプしてPower Meleeにて地上に自分自身を高速で叩き付けるMeteor Attack発動。どちらもスタミナの消費大。

 Qキーで敵を掴める。その後LMBで投げられて、これはグレネードの様に爆発する効果が発動する。オブジェクトを掴むのもQキー。ただしいずれも照準の色が変化しないと掴めない。

 Fキー押下でシールドを発動。1秒間だけダメージを受けなくなる緊急回避モード。リチャージには5秒掛かる。


 短時間に敵を倒し続ける事でCombo Multiplierが上昇。10, 20, 40, 80にてEMP Bombが使用可能になる。Fキー押下で周囲の敵全てを爆破し、同時にヘルスを回復させられる。

 EMP Bomb使用時のコンボカウント数が高いとZen Modeが発動される。三段階で順に、バレットタイム → 被ダメージ軽減 → スタミナ&弾薬無限の効果を得られる(コンボカウントが持続している間)。

 ダウン状態の敵には赤い矢印が表示され、接近してEキーで処刑を行える。スタミナ大量消費の代わりにコンボカウントが+25される利点あり。


・×キーアサイン不可, ○マウス感度設定可, ×明るさ調整不可, ○サウンドボリューム調整可
・字幕(解説文)あり


 マルチプレイはEndurance ModeにCo-opが含まれる事は決定済み。ただしこれはローカルCo-opのみではないかと思われる。

 Kickstarterでは対戦マルチプレイの導入目標額までは到達しておらず、コンセプト段階とされているのでこちらは実現するのかは不透明。オフェンスとディフェンス側に分かれてのタワーディフェンス的な要素を含んだチーム戦となる模様。


GAMEPLAY  独特の操作体系を持っている上に行えるアクションの種類が大変に多い為、デモには一通りそれを解説してくれるチュートリアルが付いている。なお操作デバイスはゲームパッドやジョイスティックを推奨しており、その理由は「キャラクターの素早く繊細な動作を操作として要求するゲームであり、それに比較するとマウスによる精細なエイムの能力は問われない為」だそうだ。

 さてこのチュートリアルだが、そもそも結構長い上に難しい箇所もあって、あたかも格ゲーの技練習の様に1時間以上プレイする羽目になった。まず引っ掛かったのがウォールジャンプ。三回連続して壁を蹴って高所へと登れる能力なのだが、アニメーションがおかしいというのもあってどういう風にやるのが正解なのかが掴み辛い。このゲーム猛烈な速さでキャラクターが移動するので見た目的に変な所が在り、更に多彩な移動操作が少ないボタンに割り付けてあるので誤操作が発生し易いという難点が感じられた。

 ウォールジャンプの基本は壁に正対してジャンプし、そこから前進(Wキー)+ジャンプで壁を蹴って更に上へと跳ぶ技である。だからキャラクターは壁に正対した状態のままで連続ジャンプを決めてくれれば良い事になる。ところが一瞬で向きを変えたり出来る位に動きが高速で操作が繊細な為に、壁を蹴った時点でこちら側に反転して大ジャンプをしてしまう。空中制御がかなり効くから即座に前進キーを押す事で反転して壁へと向かってはくれるのだが、その着地タイミングで壁蹴り操作を決めないとならないので難易度が高い。横方向にジャンプがズレてしまうとかジャンプキーが長押しと判断されてエアダッシュ操作が発動してしまうとかで、三連続ウォールジャンプを決めないと届かない高所へと到達するのが難しいという状況であった。

 練習したりした結果として、壁蹴り操作を微細に抑える事で安定するのが判った。前進+ジャンプキー操作を“本当に極度のチョン押し”程度の短い時間にする事で、こちらへの反転ジャンプ距離を最少に出来るので誤操作が発生し辛くなる。ただしアニメーションは相変わらずに滑稽で、壁を蹴った瞬間にこちらに向けて反転し、その直後壁を蹴って上にジャンプするのを三回繰り返す為、なんでわざわざ反転するのかが奇妙に見えてしまう。ここは蹴りが短時間ならばアニメーションで振り向かせないで連続ジャンプさせた方が良い。なおキーボード+マウスだからこうなのかと考えてコントローラーでもやってみたが、操作に繊細さを要求される点は変わらず。


 次にエアダッシュとウォールジャンプを組み合わせた壁渡り。垂直に切り立った壁を落ちずに渡って、遠く離れた向こう側の高台へと到達する技である。エアダッシュはウォールジャンプを挟めばリセットされて次を繰り出せるので、垂直の壁に対してエアダッシュ → 着地点の垂直の壁に対してウォールジャンプ → エアダッシュ → 次の着地点でウォールジャンプ、を達成する事によりウォールジャンプ三回分の距離までは到達可能になる。

 しかしこの操作も上手く行かず、そして結局コツも解らず。ウォールジャンプした後に行うエアダッシュがウォールジャンプと判定されてしまい、2回使ってしまう事から距離が足りなくなる。判定されないように壁から十分に離れてからエアダッシュを行うと、今度は到達点でウォールジャンプをしても壁に届かないのでそのまま下に落ちてしまう。更にエアダッシュ時のカメラ位置の調整が難しい為に、壁との距離感が掴み難いという問題もあった。(ここは指示通りでは無くても渡ってしまえばチュートリアルは続行は出来る)。

 他の操作だとダッシュ時に前進キーは要らない仕様なのだがつい押してしまう為に、そこから別の操作に繋げるのが難しいというのもあった。斬新な操作性を導入している点は評価出来るが、それに高速操作が合わせて要求されるので習得するには時間が掛かりそうという印象。



 肝心のアルファ版の中身についてだが、残念ながら大きな問題がある。それはゲームの内容自体では無くて、このアルファ版にはキャンペーンモードが収録されておらず、別モードとなるEndurance Modeしかプレイする事が出来ないという所。

 内容解説や動画等からキャンペーンは以下の様な要素で構成されていると考えられる。

・4つの銃を使ったTPSシューティング
・見下ろし視点への切り替えを行ったりして戦う超高速モード
・スペースシップやメックに乗り込んでのバトル
・ジャンプ等によって進路を渡って行くタイミングアクション

 こういった要素を切り替えながらプレイさせる事で変化を出していくやり方と想像されるが、それを今回のアルファ版では体験する事が出来ない。収録されているEnduranceとは一般的には“サバイバル”と呼ばれる類のモードで、Left 4 DeadSerious Samシリーズなどにも含まれている、絶え間なく大量にやって来る敵をひたすら倒すという物である。ウェーブ形式で段階的に難しくなっていくホードモードと似ているが、サバイバルは最初から敵側が全開で1セッションを5分間持たせるのも難しいといったレベルの物と考えれば良いだろう。ただし緩急が無い為に長時間の連続プレイは精神的な疲労により困難であり、またそれ程評判が良いモードとも言えないし、私自身も通常はオマケ程度にしか考えていない。


 そのNeloのEndurance Modeは以下の様なルールになっている。

・5分間の耐久戦でハイスコアを競うのが目的
・ライフが5個からスタートして無くなると5分が経過していなくても終了
・テリトリーとして設定されているエリアがあり、これは随時マップ内を移動していく。その中に留まる事でレベルが上がっていく。
・レベルが高くなるほどスコア倍率が高くなる
・スタート&復活時には装備武器を選択可能(このバージョンでは不可の模様)

 いわば売りである超高速アクションのパートのみを取り出したモードであり、敵は倒せば瞬時に補給されるので休むヒマが一切無い。敵を出来るだけ高速に多く倒してすぐに補充させ、それを5分間連続してハイスコアに繋げるというゲームプレイになっている。少なくとも私にはひたすらそれだけを連続してやらされても面白いとは思えなかったし、疲れる為に長時間連続してのプレイも出来ない。

 もはやあまりにもゲーム速度が速過ぎて自分が何をしているのか判らないというレベルであり、敵に狙いを付けて撃っていたのでは間に合わないという位にその数は多くて攻撃も激しい。更に画面エフェクトが凄い上に、ヘルスが少なくなると画面が暗くなって良く見えなくなるという演出も加わる為に周囲の状況把握さえも困難となっている。よってスタミナの続く間は自動的に近くの敵に当たる近接打撃を連発し、コンボゲージが貯まった所でEMP爆破により敵を一掃という手段の繰り返しになりがちで、最初は爽快感もあるが繰り返すうちに飽きてくる。ずっと繰り返しプレイして修練を積む事で新たな攻撃パターンも使える様になって面白くなるのかも知れないが、いきなりこれだけをやらされても楽しくは無い。だがおそらく「キャンペーンのクリア後にプレイさせる事を前提としている」と考えられるので、クリア後の操作に慣れた状態でプレイしてみると評価も変わってくる可能性は残っている。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unreal engine 4を使用。元々SF的な世界観のゲームに良く使われるというイメージがあるので、このゲームに関しても描画に違和感は無い。

 アルファ版ながら既に設定項目は多岐に渡っており、相当細かく各種設定をいじる事が出来る様になっている。FPS指定も可能。

 サウンド関連はまだ作っていない段階なのか、多彩ではないしクオリティも高くは無い。

感  想  新しさは評価出来るが、ちょっと憶える操作が多過ぎるという感も。キャンペーンでは順に無理なく習得して行ける様な構成を希望する。後は超高速バトルが最大の売りになっているが、あまりにそれを強調しない方が良いという感もあり。多数の攻撃方法の中から選択出来るというシステムからすると、もっとスローにした方がそれは活きるはずである。高速モードが好きな人にはEnduranceがある訳なので、キャンペーンの方にはそれ程この高速モードのパートを入れなくても良いだろう。

 キャンペーンの方を見てみないと何とも言えない段階だが、ユニークで突き抜けたゲーム性なので面白そうな存在ではある。超高速については爽快感は持っている為、ゲーム全体の難易度が高くなければ爽快感の方が勝って操作の困難さはさほど目立たないかもしれない。


 現在の完成度: システム面はほぼ固まっている様だし、2016年中の予定はかなり信頼出来る。

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