☆ PAINT THE TOWN RED ☆

15/06/18 更新 目次          HOME
製作/販売 South East Games        公式サイト      STEAM      itch.io
配布状況  2014/11にリリースされた PaintTheTownRed_V1.zip (27MB) が最新バージョン。

 更新頻度: 現在公開されているバージョンのみ

 Steam Greenlightにて既にGreenlitに到達している

 これから早期アクセスの形態でリリースされる事になっているが、価格は出来る限り低く抑えるとコメントしている。2015/07末にスタートする予定。

概  要  制作のSouth East Gamesは既にSteamにてProbably Archeryをリリースしている所。なおタイトルの“paint the town red”には「どんちゃん騒ぎ」の意味もある。

 2012年から開催されているイベント7DFPSへの出品作品。これは自由参加で、その名の通りに七日間掛けてFPSを作って発表しようというセッション。先のProbably Archeryは2013年の出展作品で、その後Greenlightを経てリリースされているが、こちらは2014年の出展作品で同じくGreenlitに到達している。なお7DFPSは2014年からフリーを含めてインディーズ系ゲームの販売をしているitch.ioと提携しており、このゲームもそちらからダウンロードが可能である。


 製品版はWindows, Mac, Linux対応でリリース予定。


動作環境  公開されていない。Unityを使用しているが、あまり負荷は高くないと思われる。

 私の環境では特に動作に問題や不安定さは無かった。


BASICS  設定はギャング団の中に潜入捜査で忍び込んでいたのが発覚してしまい、襲って来たギャング達を皆殺しにして逃走するというもの。このバージョンは7DFPS版として完結しており、製品版では以下の様な要素を追加するとしている。

・レベル数増加。また様々なロケーションを設ける。
・多数のユニークな武器追加
・投擲武器をもっと多彩に
・対戦マルチプレイ
・Co-op(オンラインかローカルかは不明)
・ストーリーを設ける
・キャラクター可能動作の追加


・キーアサイン不可, マウス感度設定不可, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可
・難易度設定無し
・セーブ機能無し


*一人称視点固定
*照準はあり(非常に小さく目立たないが)
*スプリント, ジャンプは可能。屈み操作は無し。


GAMEPLAY  基本のゲームプレイに関しては実にシンプルな物であり、近接打撃武器を使って大量の敵を倒していくFPS。このバージョンでは敵は無限となりゴールは設定されていない。最大の特徴はデフォルメされた残虐表現であり、リアルなグラフィックスでやったら規制に引っ掛かって発売は無理だろうという所を、コミカル且つ単純化されたボックス表現に変更している。刃物系の武器で敵の首を切断したり、ビリヤードのキューを顔面に突き刺したりが可能。死体や落とされた首はその辺に転がって残るし、流血も派手で敵自身や周囲に付着して残る。だが表現的には問題無しというゲームである。

 グラフィックスは単純化されているが、物理エンジンを使っているのでマップ内の多数のオブジェクトがちゃんと倒れたりといった感じに干渉可能というリアリティも持ち合わせている。ただし床に転がった物に引っ掛かりがあったり、ドアが上手く開けなかったりといった問題もこのバージョンには存在し、ここは改善が望まれる点。


 攻撃はLMBで通常攻撃。LMBを押したままで大振りスイング攻撃。RMBでブロックとなる。武器はその辺に有る大抵の物を掴んで振り回せるし、Fキーで投げ付ける事も出来る。何も無ければ素手での殴り攻撃も行える。武器はスタートのエリアにはビリヤードのキューが何本も用意されているが、他の部屋の中等に最初から幾つか別の物が有り。その後はゲームが進むに連れて敵がいろいろな武器を持って攻撃してくる様になり、それを倒せば拾って使える。

 デモでは回復手段が無い為に長時間生き延びるのは困難なバランス。まず武器が簡単に壊れるか、もしくは投げ付けたり突き刺したりが自動的に発生してすぐに使えなくなってしまう(壊れるタイミングが掴めないのも厄介)。複数の武器を所持する事は出来ず、そうなったら新しい物を探して拾うしか無い。素手の殴り合いも可能だが、ダメージを受ける危険性が大きく増すので避けるべき。後半は敵が武器を持って出て来てくれるのでその点は楽になるが、その分その数も増えるので楽にはならない。

 AIは単純で階段を使えば振り切れるが、何しろ数が多いので対処がしきれなくなる。それと足音がしないので、湧いて出た者に背後から急に襲われたりも発生。


 敵を倒して青いバーのエネルギーを溜めるとスナイパーの援護を呼べて、スローモーション状態にて指で狙いを付けた離れている敵を一撃で倒せる。エフェクトも派手で爽快感は高いのだが、持続時間内に撃てるのは5,6人程度なので破壊力は今一つ。それとダメージを受けるとバーが減ってしまうので溜める事自体が難しかったりもする。

 とりあえずダメージを最小限にするために、マップ内のビールジョッキ等の様々なアイテムを掴んでは離れた場所から投げ付けて攻撃するのが安定するという感想(威力が結構高い)。これでエネルギーを溜めては数を捌く。ただ多彩な打撃武器での攻撃をメインにするなら、もうちょっとダメージを緩和するか、回復手段を設けた方が面白くなるだろうとは感じる。

 なお銃器類は製品版にある程度は導入されるそうだが、非常に限定された数の弾数しか持っておらず、ほぼ近接打撃での戦闘になるという点は変わらない。

GRAPHICS
&
SOUND
 設定はHighとLowの2種類のみ。見てお解りの通りにユニークなスタイルでの描写となっており、リアルさや綺麗さを追求してはいない。しかし殴られた敵の表情が変わったりと細かい面も持っており、その辺りのリアルさとデフォルメのバランスは上手く出来ていると言える。希望としてはもっと細かく血痕表現が行えた方が良いと思う。現在では一つの面には単純にベッタリと塗られるのを、細かい単位で疎らに付着させる等。


 サウンドはシンプルだが、武器の材質によってちゃんと打撃音が変わったりもする。敵が静かなのがちょっと寂しいか。

感  想  このデモは単純に楽しめるが、長時間繰り返し遊べるほどバラエティには富んでいない。ちょいと遊んでみるには良い品という感想である。

 問題は製品版になった際にどれだけバラエティさを生み出せるかだろう。グラフィックスはシンプルだし、敵のAIは単純。よって背景や敵のグラフィックスだけを変化させてもあまりプレイ感は変わらない様な気がする。つまりマップデザインにどれだけ変化を付けるかで、このデモの様な閉鎖空間では無く、ルート上を敵を倒しながら進んで行くという普通のFPSスタイルにするとかが必要だと思える。他には近接戦だけに、敵との駆け引き要素が生じる程度にはAIを複雑化するとかも良いだろう。

 もう一つはデフォルメされた残虐表現を売りにしているので、この残虐表現を攻撃武器のタイプによって複雑且つ多彩にするというのも大事になる。単純に切断武器で首が取れるとかだけでは飽きが来るのも早い。

 いずれにしろ結構拡張される予定だが情報公開が少なく、現在のシンプルなバージョンからでは最終的なクオリティは想像し辛い。早期アクセス開始の時点でどれだけ変わっているのかが楽しみである。

  目次          HOME