☆ PSYCHIC ISOLATION ☆
16/09/10 更新 | 目次 HOME |
製作/販売 | thiefbug 公式サイト STEAM |
配布状況 | 2016/08/29にリリースされた New_EP1_D03 (239MB) が最新バージョン。 更新頻度: 3番目のリリースバージョン Steam Greenlightにエントリーして、既にGreenlitに到達している。 Kickstarterは8月末の開始予定が延びてまだ始まっていない。 |
概 要 | ドイツのthiefbug氏が制作しているホラーゲームで、協力者の規模などは不明。 エピソード配信されるゲームで全5話予定。制作会社ではなく個人的に制作している為、本業の余暇を利用して作るので各エピソードのリリースは半年置き程度を想定している。まだ完成していないがこのデモがEP1に当たり、以降資金調達が順調に行けば4つのエピソードが順次リリースされる事になる。 プラットフォームはPCのみで、その他については言及されていない。 スペイン旅行からドイツに帰国した主人公Finnは、空港に迎えに来ているはずの両親が居ない事に気が付く。しかも何等かの混乱が生じており、何所へ行こうにも公共交通機関が正常に機能していないらしく、空港ロビーは移動出来ずに疲れ切った人々で一杯となっていた。疲れ切っていたFinnは起こっている事態を調べる気力も無く両親を待っていたが彼等は訪れず、仕方なく自宅方向へと移動するグループの車に同乗して家の近くで降ろしてもらう。そして未だに両親からメールすら来ていない事を不思議がりながらも家路へと向かうが、そこには予想外の事態が待ち受けていた。 |
動作環境 | 必要環境は明らかにされていない。ただしフォルダの中身を見ると実行ファイルは64bit版専用の様に見える。 起動に関する問題は無かったが、ゲームプレイ関連には結構バグも多い。 |
BASICS | タイプとしては近年増加傾向にある、ホラーをベースとしているが、ストーリー最重視で、ウォーキングシミュレーター的な色も強いというタイプのゲームになる。ショッキングイベントによる脅かしや、暗いエリアをフラッシュライトで探索させたりという定番要素は控え目。 ゲームプレイの方は後述するが単純で、今後の追加エピソードでも凝ったシステムを導入する予定は無い。ストーリーを味わってもらうのが最優先なので、複雑なシステムを導入したりしてそちらにユーザーが気を取られる様な事が起きないようにしたいそうだ。各エピソードもプレイ時間は1時間程度を想定しており、低価格だが少ボリュームという構成になる模様。 それと関連して特徴の一つとなるのが“without scares mode”の導入となる。これはゲーム内で発生する、敵から襲われるとか大音量でビビらせるといったプレイヤーを怖がらせる要素を全てカットしてしまうモードで、メニューからいきなりこちらを選択する事も出来る。見方を変えれば脅かし要素無しでもプレイヤーを楽しませる自信が在るという事でもあり、ストーリー最重視というのは本気というのが窺える。 ・キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, 明るさ調整不可×, サウンドボリューム調整可○ ・難易度設定無し ・字幕あり(ボイス無し) ・セーブ無し *一人称視点固定, FOV調整機能無し *インベントリー画面は無し *照準無し *スプリント可能。ジャンプ, 屈みは無し。 *現在のオブジェクティブ表示機能は無し |
GAMEPLAY | このデモはEP1に当たる物だが、長さ的には制作者も以降の各EPの1/4程度の長さと述べており、進行に詰まらなければ確かにクリアまでには時間はあまり掛からない。 ロケーションは2階建てで地下エリアを持つ自宅内だけでそれ程広くは無い。ゲームの進行は家の中の各所に置かれたメッセージを見付けて読むことで進められる。表示されるメッセージはあまり長くないし、英語は平易で解り易い部類である。赤くハイライトされるのが未読のメッセージとなるが、メッセージはゲーム進行に応じて新たに出現するスタイルなので、既に探索済みの場所にも何回か繰り返し訪問しないとならない。 そしてフラグが立っている状態で屋敷内の特定の地点を通過すると主人公の独白メッセージが表示されて、現在の進行状況や次に何をするかのヒントが与えられる。メッセージを全部読んでいないとフラグが立たないし、どこで独白メッセージが出るかも不定なので、何も起きないのならば各メッセージの内容に応じてそれに関連する場所へと赴くか、それが解らないならばとにかく家の中を動き回る事でメッセージが表示される場所を探すしかない。何も起きないならば読み残しているメッセージがないかを探す事になる。 なお地下の行き止まりの様な奇妙な場所に出現するメモは読んでも赤ハイライトが消えず、他を回ってみてもそれ以上は進行しない様だ。おそらくEP1はここで終わりで出口がこの地点になるのではないかと想像される。 ストーリーは判然としない部分もあり、空港での混乱が何か自宅での事件に関わってはいる様だが、その辺は次のEP以降で明らかにされるという話なのだろう。父親と母親の双方のメッセージが残されているのだが、書かれている内容にも謎が多くて今後の展開に期待を持たせる様な内容になっている。よってストーリーでプレイヤーの興味を惹くという観点では合格ラインをクリアしていると言えよう。 主人公を襲う敵はこのEP1にも出現する様になっており、こちら側からの攻撃等は出来ずに接近されたらそこでゲームオーバーとなる。逃走のシステムはシンプルで、敵が追って来たらどこかの部屋へと逃げ込んでドアを閉める。各部屋には掴んで動かせるオブジェクト類が置かれており、それ等をドアの前に動かしてバリケードを作成。これで敵が立ち去るまでそこにて静かに待機するというもの。なおこのバリケードは敵に発見されて追われてから行わないと意味が無い。 敵の動きには現バージョンでは大きな問題あり。敵を出現させないモードが存在するのでまだ良いが、そうではないならこの段階で公開するべきではないという位に酷い。まずプレイヤーを追って来る際に床へとめり込んでしまうケースや、透明な壁にぶつかった様になりその場足踏みで動けなくなるのに遭遇した。回数をこなしている訳では無いのに2回発生したのでバグの確率的には高いと見られる。 更に上記の様に部屋の内部に隠れた際にも外で引っ掛かり、部屋の前から消えてくれないというトラブルにも2回遭遇。1回は仕方が無いので外に出て誘導しようとした時点でドアのすぐ傍だった為に捕まってしまいゲームオーバー。もう一回は外で消えた状態になっており、透明な空間で捕まってやはり終了となった。よってバリケードで隠れるというシステムがどの程度難しいのかや、実際に緊張感が保たれるのか等は判断出来ず。 そこで敵から隠れるという行為は現バージョンでは諦めて、以後は“without scares mode”に切り替えてプレイしている。しかし“without scares mode”にもバグが在り、起きないはずのホラーイベントやサウンドが発生してしまうケースあり。ちなみにそれが他の全てを差し置いてこのデモで最も怖い出来事であるというのは皮肉なもの。如何にプレイヤーが安心している状態で驚かされるのが効果的かを身をもって知らされた。本当にそういった要素が嫌でそれをカットしたい方は、確実ではないがリプレイでは無く初期起動の状態から選択した方がエラーが起き辛いかも知れない。 その他で気になった点を幾つか。 * メッセージ表示は全体or各画面をスキップ出来ず、一度読んでしまうと各頁の文章の表示が終わってからクリックを繰り返して最後まで読み進めないとならず、うっかり再読してしまうと面倒な事になる。ここはスキップ機能を設けて欲しいところ。 *主人公の独白メッセージは一度しか表示されないのでちゃんと読む事。これも現在のオブジェクティブを表示させる機能が有った方が良い。 *Useする場所は照準が無いので調整がやり辛く、また微妙な位置合わせをしないとならなかったりとホットスポットも狭いという印象 *ゲームの進行ルートは半強制的だが、無理にでも進めてしまえる箇所も在って問題が感じられる。例えば最初から置いてあるフラッシュライトは使えるタイミングが来た時点で初めて取って使える様になるが、その前に暗いエリアに無理に入り込める等。 |
GRAPHICS & SOUND |
グラフィックスは5段階のプリセットの他に数項目を変更可能。現行バージョンでは作っている時間が無い為にフリーや有料の他者製作のアセットが使用されており、他のゲームでも見られる様なオブジェクト類が散見される。最近ではUnityやUE4にてデフォルト(グラフィックスパート未改造)の状態でもちゃんとしたアセット類を揃えればかなり綺麗に見える様にはなっているのだが、言い方を変えれば最低ラインが上がっていて横並びなのでインパクトが薄くもなってきている(同じアセットが多数のゲームで使用されているので、似た様な背景ばかりが目立つというのもある)。差別化には独自コンテンツの多用やシェーダー類の独自改造などが挙げられるが、個人制作で低予算となると製品版でもその辺りは大して期待は出来なさそう。 敵のアニメーションやモデリングは改善した方が良いと思われるが、完全なオリジナル品なのかどうかも解らず、やはり低予算で3D担当者が居ないのならばこのままにされる可能性もある。(ただし先に書いたバグの方は何とかするべき)。 3Dサウンド未対応。ボイスは収録されていないが、製品版では対応するのかも不明。 |
感 想 | 作者のコメントからして、ここから新しい敵とかそれからの回避システムなどを新規に導入するとは思えず、ホラーゲームにおける一般的なゲームプレイ要素は薄くなるのは確実。敵に直接対峙したり、敵から逃げ回る様な行為を緊張感を持ってプレイする様なゲームには多分ならないであろう。ストーリーを味わうのがメイン目的であり、ウォーキングシミュレーター系を好む人向けのゲーム。その意味で“without scares mode”の搭載は、3Dホラーゲームのアクション的な側面は嫌いな方向けに好評な要素になる可能性はある。 しかしストーリー重視(ゲームプレイ軽視)というゲームは、プレイ前の時点で相当に魅力的なストーリー設定を用意しないと、資金面で多額の援助を受けるというのは難しい。核心部分までストーリーを明かしたくはないだろうし、反対にあまりに内容を公開しない状態では面白さが伝わらないという難しい面を持つ。そうなると実際に発売されて(最後まで完結して)から評判を見て購入を決めるとなりがちで、事前の開発資金集めには不利であるという件は否めない(それにはゲームプレイ要素を持っているゲームの方が遥かに有利)。 現在の完成度: EP2の制作は順調らしいが、これから開始されるKickstarterの成功次第で変わってくるようだ。グラフィックス関連で出来合いのアセットが多用されており、これをオリジナルの物に変えていきたいと考えているが、それをどこまでやれるかは資金次第。よって成功して金が集まれば改善の為にリリースが遅れるが、集まりが悪ければ改善を妥協して現行のグラフィックスのままでリリースされる可能性が高まる。よって逆に資金が集まらない方がEP2についてはリリースが早まるかも知れない。 |
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