☆ RAID: WORLD WAR II ☆

17/09/21 更新 目次          HOME
製作/販売 Lion Game Lion / Starbreeze Publishing AB           公式サイト        STEAM   
配布状況  2017/09/16にリリースされた Patch 1.31 が最新バージョン。Payday 2の所持者に対して8/31〜9/17までクローズド形式でベータ版が無料提供されていたが既に公開は終了している。なお一般ユーザーには9/2,3の二日間限定にて無料公開されていた。

 更新頻度: 公開期間中に7回アップデートされている


概  要  制作のLion Game Lionは、Paydayシリーズを開発しているOverkill Software(現在はStarbreeze配下)の設立者の一人であるIlija Petrusicが独立して興した会社で、これまでにPayday 2のDLCの制作を何本か手掛けている。これが会社からの最初の単体タイトルとなる。

 情報によると開発スタート時点(2016/01)での制作規模はメンバー25人で予算800万ドルとされているが、これは現在の大物タイトルと比較するとかなり小規模と言える。ただしゲームのベース部分はPayday 2と同等であり、一から全てを自分達で作るという条件ではないので一概には比較出来ない。

 発売は17/09/27(日本時間)ともうすぐ。定価は39.99ドルで、64.99ドルのスペシャル・エディションも用意されている。プラットフォームはPC, PS4, Xbox Oneだが、コンソール版は10/10と遅れての発売となる。


 第二次大戦においてナチスドイツの脅威の前に連合国軍は苦戦していた。この状況を打破する為に英国ではある作戦が計画される。ゲシュタポに捕らえられている国籍も異なる4人の男、Sterling, Rivet, Kurgan, Wolfgangを救出し、それぞれが秀でた特殊能力を持っている彼等に部隊を組ませてナチスを奇襲させようという物。報酬はミッション中にナチスから奪った金塊等。WWIIの裏側で戦局を動かすようなミッションに従事していた曲者4人による活躍を描くという設定。


 余談だが私の嫌いなゲームのプロモーション方法とは、公式に用意されているトレーラーが実写かCGの物しかなく、実際にプレイしているシーンを視る事が出来ないというケースである。そうなると視たい場合にはYoutubeとかを探しに行かないとならない。実写やCGの方がゲームが売れると言うならそれはそれで構わないのだが、一本位はプレイ映像を提供して欲しいものである。下のこのゲームの第一弾トレーラーもその類であり、二番目にリリースされたトレーラーの方には一部プレイ映像が紹介されている。StarbreezeではPayday 2からこの傾向が強くなっており、新しいDead by Daylightも同様なので、現在の宣伝部門に頑なにこういったイメージ映像にこだわる人間が居るのかもしれない。

動作環境
  必要環境 推奨環境
OS Windows 7 (64-bit) Windows 10 (64-bit)
CPU Intel Core i5-2300, 2.80 GHz | AMD FX-4350, 4.2 GHz Intel Core i5-4570, 3.4 GHz | AMD FX-6300, 3.5 GHz
MEMORY 4 GB 8 GB
VIDEO GeForce GTX 460 | Radeon HD 6870, 512 MB VRAM GeForce GTX 960 | Radeon R9 280X, 2 GB VRAM
SOUND DirectX 互換 同左

DirectX 9.0c以上要

BASICS  簡単に言えばPaydayシリーズのシステムを用いて制作されたWWII物アクションFPS。4人まで参加可能なCo-opがメイン, 主人公達が正義ではなくならず者, リアル系ではなくアクション寄りの設定, レベルアップしてスキル獲得で能力上昇、といった点には変わりなし。今回は現代の強盗集団から第二次大戦のならず者部隊へと設定を移した訳だが、イメージとしては同じく4人Co-op用のゲームで2011年にアナウンスされたが結局キャンセルされてしまったGearboxのBrothers in Arms: Furious 4を連想させるものがある。

 ミッションは史実に基づいた物が用意されるという話だが、歴史の裏方的な秘密部隊なので歴史的にメジャーな戦闘にそのまま参加するとかではないと考えられる。発売時のミッション数も不明。発売後はPD2の様に有料DLCを追加していくのだと考えられるが、フリーでもコンテンツを追加していくという方針なのかは今のところ判らない。


 クラス制でRecon / Assault / Insurgent / Demolitionsの4つから選択する。キャラクター用のスロットは5人分有るので複数のクラスを独立して育てる事が可能。キャラクター作成の際には英国・アメリカ・ドイツ・ソ連の4人の中から誰にするかを選び、これは後にアンロックしたアイテムにて外見をカスタマイズする事も可能になる。

 獲得した経験値によりレベルアップしてスキル(Proficiencies)を上げられる。各レベル毎に3つの異なるスキルが表示されて、その中の1つを選択して確定させる方式。後にリセットするにはコストが掛かる。

 PDシリーズには無い要素としてはWar Cryという特殊能力が有り、これはエネルギーが溜まると任意に発動出来るパワーアップ能力で、自分及びチーム全員に対して短時間プラス効果が発揮される(画面周囲が赤くなるエフェクト)。この能力はクラス毎に異なるが固定で取得選択要素は無し。例えばAssaultだとBerserk(自身の弾薬消費を低減、チーム全体の回復効果), ReconだとSharpshooter(自身はオートエイム、チーム内では武器ダメージ増加)等。

 武器改造要素有り。こちらはある種の条件を満たすとアップデート可能になるというシステム。一般的なゲームで言う“チャレンジ”の達成みたいな物で、「この銃でX人を倒す」, 「弾薬をY個拾う」等。カスタマイズ可能な箇所は武器によって異なる。

 プレイ中のルールを変更するカードが用意されている。チャレンジカードは他のゲームでも見られるが、ミッション前に設定しておくと「不利になる条件が有効化されるが、獲得出来る経験値が増える」といった類の物。ブースターカードは単純に難しいミッションにて有利に働くような設定を導入出来る物で合計30枚ほどあるらしい。ただし使うには先にカードをミッションのクリア等にて獲得しておく事が必要になる。リプレイ性を高める意味でも有用。


 ゲームは隠れ家(ロビー)からスタートし、ここでキャラクターの選択や装備品を決定。ホスト(orソロ)はミッションや難易度の選択。クライアントはサーバーブラウザにアクセスしたりが可能。決まったら出口に皆が集まってReadyにて開始される。AIが空きスロットを埋めるかどうか、途中参加を可能にするかも設定可能。AI参加のケースでは人間が入って来たらAIと入れ替わるdrop-in/drop-out方式。

 途中Joinが発生した際にはシリーズ作品と同様に、データ同期の為にプレイ中のミッションにポーズが掛かり一時停止する。おそらくPingの大きな遠くのプレイヤーほど読み込みに時間が掛かり、場合によっては結構な時間止まってしまう。

 チュートリアルが用意されており、これを先にクリアしておかないと各種メニューアクセスできない(急げば5分程度)。SteamのI/F上から誘ってもらって他者のマルチプレイに入ろうとしたが不可だった。

 マルチプレイにおいて選択クラスは重複してもOK。対してキャラクターの国籍設定についてはハッキリせず。作成したキャラクターはそれぞれにどの国籍なのかを最初に指定する方式なのだが、私が参加したセッションでは全て4ヶ国別のキャラクターになっていた。プレイ動画などで何本か構成だけを確認してみたがどれも4人は国籍別。なので参加者が選択している国籍がかぶった場合、自分以外はランダムに全部別の4ヶ国構成になるように変更されるシステムではないかと思われる。しかしキャラクターの外観カスタマイズ要素が在るゲームでは、他者にもそのカスタマイズ状態が見られる様にするのが普通だろうし、ちょっとこの点はどうなっているのか解らない。


・キーアサイン可○, マウス感度設定可○, 明るさ調整可○, サウンドボリューム調整可○
・難易度設定4種類
・字幕有り
・ソロプレイでのセーブ機能無し

 感度設定はXY軸を別にしたり、アイアンサイト時を独立調整出来たりと細かい。


*一人称視点固定, FOV調整機能有り
*インベントリー画面無し
*照準は条件によって表示される
*スプリント○, 屈み○, ジャンプ○
*コントローラー対応(部分的)
*現在のオブジェクティブ表示機能有り(方向ガイド機能付き)


GAMEPLAY  主に最終版となった1.3での感想。基本的なシステムはPDシリーズの経験者には馴染みのある物になっている。

・プレイ前に選択したメイン武器, サブ, 近接を一種類ずつ携帯する。プレイ中に交換したり落ちている物を拾ったりは出来ない。
・武器によっては発射モードの切り替えが可能
・コミュニケーション用にボイスコマンドメニューが用意されている
・他プレイヤーは障害物を通して透過表示。接触時はすり抜ける方式。
・ダウンするとサイドアームのみでの攻撃となる(アイアンサイトも不可)
・リスポーンはNormalだと3回までの様だ
・死亡時の復活待ち時間は難易度により異なり(Normal=1分)、その後に味方(ホスト?)の居る地点に復活する


 ゲームのプレイ感はPDシリーズとよく似ているが、2よりも初代の方に近いという印象。一定時間敵のラッシュを耐える、もしくは敵のラッシュ中に何等かの作業を達成するという無限沸きとの交戦パターンが多い。ひたすら湧いて出てくる敵を延々と倒し続けるというゲーム性は一緒。ベータ版では5個のミッションがプレイ可能だったが、特別に毛色の変わったユニークなミッションは無かった。

 逆に違いとしてはシンプルで解り易くなったという所。PD2はかなりシステム面で憶えるべき点が多く、クラスとかスキルとかの選択要素の量も膨大。ステルスにチャレンジとなると更に憶えるべき事が増加する。またミッション進行も流れを知らないメンバーだけだと詰まってしまったり、中には失敗するとやり直せない作業も存在したりで、良く判っていない段階で参加すると迷惑を掛けてしまったりと初心者には敷居が高いゲームとなっている。

 一方RAIDはWWIIの設定なので、ミッション進行は爆薬を仕掛けて破壊したりと普通の戦争物アクションFPSと大して変わらない。次の目標はテキストの説明と目標地点への方向指示アイコンでほぼ理解出来るし、ハイライトや外形アイコンで示される場所で何かをすれば良いだけというケースがほとんど。キャラクターを作成したらいきなりマルチプレイに参加してもOK(高難易度を除けば)といった感じになっている。また獲得スキルの選択システムも非常に単純化されているし、多彩な武器やアイテム類購入の概念も存在しない。この様に多数の複雑な要素を憶える必要が無くなっている。


 敵がひたすらラッシュしてくるという点は同じで、今回は敵側にアサルト状態による変化も無く、常にアサルト状態というレベルの数が攻めて来る様になっている。Normalでの感想になるが、数は多目だがその分反応速度は遅く、1対1での勝負ならばそれほどの怖さは無い。PDシリーズに比較するとこちら側にアーマーは無いが被弾への耐久力は高くなっている様な印象で、Normal難易度で人間が3,4人集まればクリア率はかなり高いという感じだった。つまりPDシリーズよりも難易度は低いと思える。ただし私のやったセッションではクラスにアサルトを使っている人が多く、このWar Cryがチーム回復を行えるという点が大きかったのかもしれない。いずれにせよベータ版最終パッチの1.3でも、敵の出現数, 命中精度, HP, タクティクス等を全部変更したそうなので、発売時にはまたフィードバックを参考にして全部調整をしてくるはずである。

 とにかく敵が多い為に弾薬が足りなくなるという点は同じ。違いとしては敵が落とした弾薬(その他も)は自動ではなく逐一指差してアクションキーで拾うというシステムになっている。一人のプレイヤーが意図せずに多数の弾薬を拾ってしまわない様にする為なのか? 弾薬&ドクターバッグは無く、マップ途中にある倉庫とかで弾薬とメディキットの補充が可能。

 その他では近接がかなり有効という感あり。弾薬が少ない際に特攻してナイフで斬り付けたり殴りコマンドにて武器で攻撃したりで結構行けてしまう。これは敵の反応速度やこちらの被弾ダメージが低めの設定になっているのが原因と思われる。

 固定銃座のマシンガンはFPSにおいて脅威となりがちな敵の攻撃方法だが、このゲームでは命中率や弾幕がそれほどでは無い為に比較的御し易い。それと旋回角度が狭いので範囲外に逃げるのが有効。ただし自分側が奪って使う際にもその弱点が露呈してしまう。


 ステルスで進行できるセクションも用意されている(ミッションによっては全体)。こちらは敵の頭にどれだけ警戒しているかというマークが二段階で表示される形式で、一度バレてしまうと逃げても元には戻せない様だ。今回は監視カメラも無いし、殺した相手を運ぶのにボディーバッグが必要な訳でも無く、敵の気が付きもかなり反応が緩い為に、ミッションによっては簡単に連続してのステルスキルが可能になっている。ただしシステムが簡単なだけに深みも無く、PD2ほどの面白さには出来なさそうである。


 マップ内の扉を開けたりアイテムが入っている箱を開いたりするのにミニゲームが用意されている。回転する円を鍵の先の位置で止めてアンロックするという形式で、物によっては複数回成功させないとならない。特に面白い物とは思えず、これなら単純にアクションキー長押しで良いのではないか。多数の箱類を開けるのには面倒だし、仮にラグの影響を受けるのだとすると余計に好ましくない要素となる。


 ソロでプレイするのにはどうかとなると、残念ながらこれまでのシリーズ作品同様にお勧めは出来ない。味方は硬くて弾薬の心配も無いという点は同じ。しかし荷物類を運べない, 作業が出来ないという所も変わっておらず、ソロでは全部自分でやらないとならないので負担が大きいし面白くも無い。多数の扉を開けて中身を調べたり、長距離に渡って幾つもの荷物を運んだりは苦痛である。おそらく味方AIはWar Cryも使ってくれないし、自分がダウンするとリスポーン無しにゲームオーバーになってしまうというのも厳しい。PD2ではステルスはソロで楽しめるという面があるが、こちらはそのステルスが面白そうだとは現段階では感じられない。よってソロはミッション進行の下見とかに使える程度になってしまう可能性が高い。

GAMEPLAY
(続)

※問題点

 Co-opゲームなのに協力しているという感覚に乏しい。ひたすら撃っているだけという感じになりがち。クラスによって弾薬やヘルスをドロップ出来る様にして配給係を設けるとか、War Cry発動時の効果が他のプレイヤーにもハッキリと解るように説明文やエフェクトを加えるとかいろいろと方法はあると思う。他者に対しての指示にビジュアル的なガイド機能を付加するというのも有効。特定のクラスしか出来ない作業というのはAIの性能を考えると不味いが、特定のクラスだと早く実行出来るというタイプの作業を増やすという手もある。

 先にも書いたが、ベータ版ではアサルトクラスのWar Cryが有効過ぎるという感あり。もっと他のクラスも有効な物にしてバランスを採り、4人が別々のクラスで望むのが最も有効という設定にするのが好ましい。

 これはベータ版だからという可能性もあるが、この手のCo-opで必須となる特殊タイプの敵が少ない。確認したのは火炎放射器とシリーズお馴染みのスナイパーだけで、もっとこちら側で対処方法を変えないとならない敵を設けるべき。盾を持っているので背後に誰かが回らないとならない硬いタンクとか、身軽で高速移動をしてくる奴とか4〜5種類は必要に感じる。ベータ版では普通兵士ばかりで単調。

 シリーズでお馴染みのランダム変化要素をもっと使うべき。それほどプレイしていないので確証は持てないが、脱出地点が変化するとか、壊すべき地点が変化するとか程度であまり大きな違いが発生しない模様。PDではランダムに変化が起きてそこからの手順がその結果に応じて変化するという要素があったが、そういった物がもっと組み込まれた方がリプレイ性が高まる。

 敵の無限沸きラッシュはシリーズの定番でもあるので構わないのだが、それ一辺倒という構成はマイナスになる。その場に居る敵を倒し切ればクリアというセクションを挟んだりする方がプレイに変化が生じて有効である。

 ステルス。このシステムはさすがに単純過ぎるのではないか。あるミッションでは難易度を最高にしてもAIが鈍いのでステルス状態を維持したままで楽に進められるという批判もあり、再考が必要に感じられる。PD2では好評だったからというのは解るが、今回もラウドとステルスの両方のアプローチが可能という要素を無理に導入する必要自体が無いのではとも思う。


※期待したい点

 追加コンテンツの充実。発売時点でのコンテンツ不足が予想されるしこれは非常に重要となる。新ミッションだけではなく、新キャラクター, クラスも含まれる。おそらくPD2と同じく有料DLCを継続してリリースし、その売り上げを利用してフリーのコンテンツを制作して充実させるという展開を狙っていると考えられるが、長期に渡ってのプレイヤー人口の維持にはどちらも大事な要素である。特にスタートが上手く行かなかったケースでは死活問題となる。

 Operationsと呼ばれるコンテンツ。これは幾つかのミッションの内容を変更して連続したキャンペーン形式にした物で高難易度に設定されている。クリアしたミッションは難易度を変えたりカードを使用してリプレイ出来るようになっているが、それとは異なる形式でリプレイ性を高めるというのが狙い。これもクオリティ次第だが成功すれば魅力的な要素をなるはず。

 OUTLAW RAIDS。これは通常のミッションとは別に設けられるレイドミッションで、言わばWWII版のPayday。ナチス関連の施設等に押し入って金品を盗み出すのが目的という物。通常のレイドミッション中に発見した文書(情報)によりアクセス可能になる様だが、おそらくホストさえアンロックしていれば入れるというパターンと思われる。当然オリジナリティは無いが、ミッション数自体を増やせるのと、変化を付けるという意味では有効に働く。ただし人質交換とかのシステムが無いので、これもまた撃ち合うだけの単調な物となってしまう恐れはある。

 ロケーション。このベータ版のミッション5つは風景的には1つを除けばWWIIという雰囲気が薄く、単に敵がナチスでこちらの武器が当時の物だからWWII風という程度でしかなかった。この辺はもっと当時の戦争のイメージを漂わせているマップを期待したい。

 ビークルの要素はPDにも一部存在していたが、RAIDではWWII物では定番の同一の車に乗り込んで運転役と攻撃役に分かれて逃走したりといったセクションがある程度は存在するらしい。そういう要素をベータでも試させて欲しかったのだが、これはPDには無かった面白さを生み出す可能性がある。

GRAPHICS
&
SOUND
 PD2で使用されているDiesel Engine 2を使用。若干だがバージョンは新しい物らしい。クオリティのプリセットは無し。個別設定項目は多数用意されている。

 率直に言ってグラフィックスは良くない。酷いというレベルでは無いが、2017年に大手から発売される40ドル以上クラスのゲームとの比較では水準以下ではないか。グラフィックスを売りにするゲームではないにせよ、既に年月が経過しているPayday 2よりは大幅に進化しているはず...という期待感は肩透かしに終わっている。先にSSだけを見ていた段階ではそうでもなかったのだが、実際にゲームプレイになって見てみると粗が目立つという感じに。

 特に良くないのは雰囲気の再現性。私はPD2の様なゲームではそれほどグラフィックスの質は重要では無いと思うのだが、こちらはWWIIをテーマにしており、その場合にはWWIIの雰囲気再現がとても重要だと考える。当時の戦場の雰囲気とかを醸し出すには、資料からの当時の風景の再現と純粋なグラフィックスの質の両方が重要であり、アクションメインなのでそこはほどほどでOKというのは違うと思える。


 敵に当たっているかどうかは霧状のブラッドエフェクトやリアクションのアニメーションにて判断。ゴア要素有りで、今では珍しいが単に頭部が破壊されて無くなるだけではなく、取れた生首が転がっているという描写も含まれている。


 3Dサウンド対応。ボイス有り。プレイ中のBGMはほぼ無かった様に思う。それぞれのキャラクターが特徴的なので、もうちょっと各クラスが自動でのボイスを発しても良いと感じられる。当時の銃のサウンドの再現性は詳しくないので全く判らない。

感  想  私自身がCo-opのファンなので4人でプレイ出来るアクションFPSとして大きな不満は無いのだが、発売価格が40ドルというのはどうだろう?というのが正直なところ。おそらくこの価格がコミュニティにおいても最大の不満として挙げられている点になる。もし半額であれば納得というレベルという意味。量で勝負という事なのかという期待も持っていたのだが、発売時の収録ミッション数(レイド)は11個だそうで、このベータ版程度の規模の物が11個だとするなら多いどころか少な過ぎるという印象で余計に否定的なイメージが強まっただけとなった。予算を掛けた大規模な宣伝活動を行っているという風でも無いし、この強気な価格設定はどういう理由からのものなのか謎。

 クオリティに関しても掲示板を見た感じでは“あまり”ではなく“かなり”というレベルで不満が挙がっている状況。これが半年後の発売とかならそうでもないのだろうが、すぐに発売されるのにまだこんな程度というのも影響しているのだろう。

 データを見てみるとベータ期間中の参加者はピークが4809人で平均が1062人となっており、これは無料のテストとしては想像よりも大分少ない。これにはベータを開催しているという情報自体が広く拡散されていなかったという影響もあると思われるが、それならそれでもっと宣伝活動をどうにかするべきである。私が主にプレイした最終日近くではサーバー数も全然無いという感じで、新バージョンが出たにもかかわらず既にプレイ済みの人には関心を持たれなかったようだ。ちなみにPD2の方は今年6月のフリー配布以来一気に人数が増えているのでそこは参考にし辛いが(9月は平均35,000人程度)、その前の一年では平均して7千から1万人位となっている。


 シリーズには固定ファンが存在するのでこの状況でも発売時にある程度は売れるのだろうが、PD2ほどのリプレイ性があるとは思えないし、ある程度キャラクターが育った所で一時中断というプレイヤーが増え、残るのは最高難易度を徹底的にやり込むという層ばかりに。そして発売時に熱心なファンに売れた後は売り上げが鈍り、そうなるとNormalとかでやっているプレイヤーが減少してしまう訳で、一,二ヶ月もすればその辺の中間層の過疎化が進んでしまう恐れがある。ソロも一応用意されてはいるがほぼオンライン専用みたいな内容なので、マルチプレイ人口の減少はゲームの死へと繋がる問題となる。50%以上オフのセールをやれば一気に売り上げ&プレイ人口は戻せそうだが、それなら最初からその価格で出して初動時の人口確保を第一にした方が、FPS界隈での盛り上がりからの更なる売上増加にも有効だと思うのだが。それともいざとなったら即半額にしてしまえば売れるという確信はあるので、試しに最初は高額で売ってみて売れたらラッキー程度の戦略なのか。

 全体的にシンプルで解り易く、シリーズ初心者でも入り易い。相当に長時間プレイして金や経験値を稼がないとならないバランスでも無さそうだし、そういう意味ではカジュアル向けという狙いがあるのかなという気もする。PDシリーズには関心が無いという層を、よりポピュラーなWWII物のアクションシューターという設定で惹き込もうという作戦である。惹き込んだらその後はPDシリーズへの移行というのも期待出来る。


 とりえあず発売時はしばらく様子見というのは決定。欠点が存在するのはともかくとして、現状ではこれをすぐにプレイしてみたいと思わせるほどのプラス要素の方が見当たらないのがその理由。ただ内容に大幅な改善が無くても、もし早期に50%以下になれば皆で買ってCo-opという流れになるかもしれない。


 現在の完成度: 延期のアナウンスは無いので発売は予定通りに行われるはず。その意味では完成しているのだろうが、クオリティという面では疑問が残るのは確か。

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