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17/09/08 更新 目次          HOME
製作/販売 Tunnel Vision Games                  公式サイト        itch.io
配布状況  2017/08/05にリリースされた Pre Alpha が最新バージョン。このプレアルファ版は二種類に分割されておりこちらからダウンロード可能(itch.ioは更新されていない)。

 更新頻度: 二回目のリリース版

概  要  制作のTunnel Vision Gamesはデンマークのインディーズ会社で現在メンバーは7名。これは同国のAalborg大学のMedialogy学科の生徒達により制作された作品で、2014年にはプロトタイプが一般公開されている。それの評判が良かった為に開発グループが卒業後に本格的なゲーム化を決意し会社が設立されたという経緯。

 2018年発売予定。Windows版のみだがコンソール版の予定もある様だ。


動作環境  必要環境は明らかにされていない。制作はUnity。

BASICS  一人称視点のパズルゲーム。特に影響を受けた作品としてClosureAntichamberを挙げている。

 現在のアルファ版は種類の異なる物を2つに分割して配布している。Puzzle Demoはゲーム内で使用されるパズルの形態がどんな風なのかを示す13個の単体作品が集められた物で、トップから自由に選択してトライが可能。。Aesthetics Demoの方は実際のゲームプレイがどんな感じなのかを味わってもらう為のマップとなっている。


 パズルのメカニズムとなる一番の基本は、ライトが照らしている所だけを通れるというルールとなる。照らされていない暗いエリアを通るとそのまま床を透過して落下しゲームオーバーとなる。その為の持ち運べる大きなライト(照射装置)が用意されており、これを移動させてライトの照らす範囲を変更しながら進め、ゴールとなる緑色の球の場所まで到達するというのが目的。

 その他では緑色の光センサーを照らすとスイッチがオンになって何等かのメカニズムを動作させる, 周囲を円形に照らすキューブを持ち運んで移動するといったシステムがパズルデモの方には用意されている。まだプリアルファなのでこの辺は完成版に含まれるのかどうかは未定と言えるだろう。


・キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, 明るさ調整不可×, サウンドボリューム調整不可×
・難易度設定3種(単体パズルに個別に設定されている)
・字幕無し(ボイス無し)
・オートセーブ機能あり


*一人称視点固定, FOV調整機能無し
*インベントリー画面無し
*照準無し
*スプリント×, 屈み×, ジャンプ○


GAMEPLAY  難易度が高いと設定されているパズルには悩む物が多く、パズルデモを全部解くには2時間程度は楽しめるはず。ゲームプレイのデモの方はそれほど長くないし、パズル編よりはずっと簡単である。

・ジャンプは可能。ただし何かを持っている場合には不可。
・手に持っているアイテム類は遠くへと投げられない
・闇へ落としてしまったアイテムはリスポーンする
・途中セーブされるかはパズルによって事なり、途中からやり直せる物と最初からの二通り


 基本となる移動式のライトだが、照らせるのは自分からやや離れた場所からという癖がある。足元から照らしたくてもライトの照射向きを上下に変えることは出来ない。よって微妙な置き場所調整に苦労したりもあり。ライトの光量は落ちない為に離れた場所に置くと照らす範囲が増えて有効だが、置き場所が確保出来るかどうかという問題が付きまとう。持った状態ではジャンプしたりとギャップは超えられないという制限も頭を悩ませる点。逆にキューブの方は周囲を円形に照らせるが範囲が狭い。

 その他のパズル用アイテムでは持って移動する事で光源からのビームを延長出来る受け具を使った物は面白いが、キューブを使う物は残念ながらあまり出来が良いとは感じられなかった。他にはこのタイプでは定番のスイッチで動くプラットフォームや昇降する台座なども登場する。


 大きな特徴と言えるのがかなりアクションスキルを重視したデザインという所で、タイミングを合わせてのジャンプとか高速で正確にある種のアクションを達成するといった行為が要求されるパズルが多目。移動する照射場所に合わせて移動しないとならなかったり, 作動中のオブジェクトによって持っている照射アイテムへの光線が途切れないタイミングで動く, 高速で自分&アイテム類を移動させないとならなかった等。中にはパズルでは無くて単なる高難易度アクションみたいな物も用意されている。このアクションスキルが重要というのは好みが分かれる点になりそう。

 一方で「どうやって解決するのか頭を悩ませる」という思考要素が軽視されている訳では無いので、頭もアクションも必要とするという設定になっている。ただパズルをどうやって解くかについては、簡単にやり直せるので実際に動かしながらトライアル&エラーで考えられるのは助かるし難易度を軽減している。


 そのアクションが重視されている件に関連関して、ある面では仕方のない事なのだがバグ的な面も見受けられる。特に途中セーブ状態からの復活にて、アイテム類が復活して配置される際にちゃんとプラットフォーム上に乗らずに詰むとか(メニューに戻ってリスタート)。あるいは置いたアイテムが隙間から落ちたりしてしまい、そのままロードしても元に戻らなかったりも発生。

 また(おそらく)制作側が意図していない形での解法というのも発生する。半ば強引にアクロバティックなアクションを決めてクリアした時など、これが正解ルートなのか、単なる偶然で上手く行ったのかという判断が難しい。ただしPortalなどもそうだが、そういった想定していない解決方法が存在するという件も含めての面白さというのもあるので、これは大きな問題とはならないであろう。


 ゲームプレイのデモの方は、その内容のクオリティというよりはゲーム世界の雰囲気がどんな物なのかを映し出す作品になっている。光と闇という2色使いが基本で他にカラーが一部に使われているというスタイルだが、通常の灯りが真っ白ではなくてグレーという色使いが綺麗で個人的には気に入っている。

GRAPHICS
&
SOUND
 Unityを使用。クオリティのプリセットは4種。個別設定項目は無し。

 通常の意味での綺麗さでは計れないグラフィックスだが、独特の美的感覚という点においてクオリティは高いという印象。このビジュアルスタイルだけでもプレイヤーの興味を惹き付けるだけの魅力を持っていると思う。


 3Dサウンド非対応。ボイス無し。BGMが鳴っている他はエフェクト音が少し存在するだけで静かなイメージとなり、これはグラフィックスの醸し出す雰囲気にマッチしている。

感  想  パズルとしてもビジュアル的な雰囲気としても気に入っている作品。完成版が楽しみである。パズルの中ではキューブ系は必要が無いように感じられる。バラエティに富んだ物にするにしても別のアイテムを考案した方が良さそう。

 純粋に頭を使うだけでは無くアクションの要素が入る事自体は構わないのだが、ちょっとタイミング要のアクションが多過ぎるか?というきらいはある。特に難しい連続ジャンプだけを要求される物などは要らない。なおこのバージョンではパズル編は順番を守らずに自由にプレイ出来るので、アクションが好みでは無いという方でも飛ばせるから問題は無し。雰囲気に惹かれた方には特にお勧め。


 現在の完成度: 2018年予定という事だが、パズルの形を選定している段階みたいなのでまだ先は長そうである。

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