☆ SENSES HIGH ☆

17/08/21 更新 目次          HOME
製作/販売 Gianluca Sorrentino             公式サイト      itch.io
配布状況  2017/06/28にリリースされた 0.1.1 (23MB) が最新バージョン。

 更新頻度: これが最初のリリース版

概  要  作者のGianluca Sorrentino氏はベルギー出身の21歳。自分でコミックスを制作していたりと漫画好きなのだが、同時にゲームも好きでその両者をミックス出来ないかと考えて生まれたのがこのSenses Highとなる。

 大学での修士論文を目的として制作されたプロトタイプであり、これからどういう風にしていくのか等への言及は見られない。配布しているItch.ioではダウンロード時に任意額の寄付も募っているがこれは定番の機能だし、完成版が基本無料でリリースされるのかは不明である。

 プラットフォームは現在Windowsのみ。


 ストーリーや背景設定の解説は無し。印象としては独裁(管理)体制の未来社会において、主人公はその体制への反逆者である故に追われている立場という設定に見える。

動作環境  必要環境は明らかにされていない。使用エンジンはUnity。


BASICS  アドベンチャー(パズル)ゲームで、操作スピードや精度といったアクションスキルは一切必要としない。

 メニューからチャプターセレクトが可能で7章まで用意されているが、現在プレイ可能なのはCH3まで。将来更にボリュームが拡張されるのかは判らない。


・キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, 明るさ調整不可×, サウンドボリューム調整不可×
・難易度設定無し
・字幕無しだが漫画における効果音等の文字表現はあり。説明や会話のボイスなどは無し。
・セーブ機能無しだがチャプター選択可能

GAMEPLAY  コミックス形式で順次コマが表示されていくストーリーを読み進めるスタイルのゲーム。ただしコミックスを単純に読んでいくと主人公が追っ手に殺されてしまうので、それを阻止して頁を最後まで読み進めるのが目的となる。

 阻止する方法とは時間操作なのだが、時間操作の能力を使えるのはコミックス内の主人公では無く、これを読んでいるあなた自身である。操作はシンプルで左クリックで時間進行、右クリックで時間逆行のみ。

 アイディアの肝と言えるのは、時間操作の単位がゲーム(コミックス)内世界全体では無く、コミックス内の漫画の各コマ単位であるという点。表示されている各コマをクリックする事で1フレーム分時間を進めたり戻したりが可能なのだが、その際に連動して影響を受けるのはそのクリックしたコマの中に描かれている“動くオブジェクト”が存在しているコマだけとなる。

 例えば主人公が描かれているあるコマを前進クリックした場合には1フレーム分その中の時間が進行するが、その際に同じく主人公が別角度から描かれているコマは連動して進行するのに対して、そうではないコマは影響を受けないという仕様になっている。これを活用して各コマの時間を前進・逆行させる事で、撃たれたりして死んでしまう主人公が助かるようにコミックスを進めていくという一種のパズルとなる。

 説明を読んだだけではどんな物なのか実感し難いと思うのだが、やってみるとアイディアとしても秀逸だし、パズルとしても良く出来ているなぁと感心させられる。死亡して失敗した場合でも右クリックですぐに1フレーム分元に戻してやり直せるので簡単にいろいろとクリックしながら試せるし、ヒント機能となるフキダシも用意されているので難易度としてはそれほどでもない。

GRAPHICS
&
SOUND
 クオリティのプリセットは4種あるが変化があるのかは不明。

 コミックス形式での描画なので絵柄を気に入るかどうかになるが、これは好みの問題なのでどうしようもない。絵柄が気に入らなくてもゲームとしては楽しめると思うので、よほどの抵抗が無い限りは気にせずにプレイしてみると良いだろう。

 気になったのはモノクロで黒塗り部分が多い為に、若干細部が見辛いと感じられる箇所がある所。


 サウンド関連は将来的に効果音として導入するのか、基本的にコミックスなので入れない方針なのか不明。

感  想  インディーズ(アマチュア)のゲームを漁っていて嬉しいのは、やはりこういう優れて新鮮なアイディアの作品に遭遇した時だと言える。基本となるアイディアもユニークならば、それを上手くパズルゲーム化している手腕も見事。今年プレイした作品の中でも有数の傑作という評価で、もっと先をプレイしてみたいと思わせる作品である。

 課題としては用意されているメカニズムが時間操作だけなので、ボリュームをある程度増やすのならばパズルの中身にどれだけ異なったバリエーションを用意出来るのかになってくる。このプロトタイプでは敵の攻撃をかわすというのが目的だがそれだけでは難しそうで、別のシチュエーションを盛り込んで時間操作パズルに変化を付けるという方式が有効になりそう。


 現在の完成度: 目次の7章で完成ならば半分程度出来ている事になる。

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