☆ SHOOTRAGE ☆

17/04/25 更新 目次          HOME
製作/販売 Digility        公式サイト     STEAM     INDIE DB
配布状況  2017/04/11にリリースされた Alpha 0.2.1 (1.09GB) が最新バージョン。

 更新頻度: これが最初のリリース

 Steam Greenlightにエントリーしている。

 まだ言及はされていないが、プレスリリースなども用意されているので有料で販売されると考えられる。

概  要  Digilityはポーランドのインディーズ会社で現在3人組。これがデビュー作となる。

 プラットフォームは現在Windowsのみで今後の対応予定などは明らかにされていない。


 時代は遠い未来。宇宙海賊に恋人を攫われた主人公がそれを取り返しに敵地に乗り込むというシンプルなストーリー。

動作環境  必要環境は明らかにされていない。エンジンはUDK。

 システム上のバグとしてはガンマ設定を変更しても元に戻ってしまう事があった。

BASICS  90年代のオールドスクールなどと呼ばれるタイプのシンプルなアクション重視のFPS。数は多くないがアマチュア分野では定期的に見掛けるジャンルの作品である。時代的に細分化するとまず90年代末が完全3D化された頃でQuakeシリーズやUnreal等が有名。既にこの時代だと“レトロ”というほどのイメージは無く、あえてこの頃を想わせる様なグラフィックスにするというゲームも少ない(単に今風のグラフィックスだがその描画クオリティは低いといったFPSとなる)。対して最初期となる92〜94年頃を意識したレトロなデザインのゲームは比較的多い。Doomシリーズ, Wolfenstein 3D等を想わせる疑似3Dタイプの粗い描画を意図的に用いている作品。

 その中でこのゲームは両者の間となる90年代中盤のFPSを意識して作られている。まだ擬似的な3D表現となる2.5Dではあるが、描画の表現力は向上してきている時代。中ではDuke Nukem 3D(Build Engine)が有名だが、このShootrageは主人公のボイスなどモロにそれを意識した作品でもある。ただし敵やオブジェクトは2Dだがマップは完全な3Dとなっており。更に現代風のグラフィックス表現も一部加えられている


 高速な移動感覚, シンプルなインターフェース, 爆発する火薬缶, タイミングアクション(即死トラップ), 多数のシークレット, 自動回復では無くアイテム回復, ハイスコアといった当時のスタンダードを採用。描写はより当時の雰囲気になるレトロモードも選択可能。

 ゲーム全体は3つのエピソードに分かれており全てロケーションは異なる。当時の様に好きな順番でプレイ出来るのかは不明。

 マルチプレイにも対応予定。対戦とCo-opの両方が対象。


・キーアサイン可○, マウス感度設定可○, 明るさ調整可○, サウンドボリューム調整可○
・難易度設定無し
・字幕は無し
・セーブはマップの先頭でのみ行われる


*一人称視点固定, FOV調整機能無し
*インベントリー画面は無し
*照準ON/OFF可能
*スプリント○, 屈み○, ジャンプ○


GAMEPLAY  現行バージョンのマップは3個。マップは結構広くて死亡によるやり直しが無いとしてもボリュームは30分程度はある。

 マップ構造は当時を想わせる“キー探し”スタイルで、色付きのキーを探してきて使う場所へと戻ってくるという風に同じ経路を繰り返し通ったりする事がある。あとは弾薬やヘルス等のアイテムを集める為には隅々まで探索した方が良いが、それだけ敵に遭遇する確率も高まるので悩ましいという設定も同じ。マップを表示する機能は持っているが、Build Engineの様なオーバーレイは出来ない。


 マップは3D構造だが、敵やアイテム類は2D(スプライト)表現。一枚の板での描写となるので、プレイヤーの向きに応じて正面を向ける様に回転するという風になっている。アニメーションはその2Dの板を何枚か切り替えて表現する形になるがかなり粗いという印象。これはレトロな感じを出す為に意図的な措置なのかは判らないが、もうちょっと枚数を増やして滑らかさを向上させた方が良いと感じる。

 ゴアは派手で周囲に大量の血痕や肉片が飛び散る。これは武器に応じて表現方法を変えたりと凝っているそうだ。死体もずっと残っている仕様。しかし2Dなので大して残虐というイメージは受けない。この辺は将来的に部位破壊を描画に採り入れるという話になっている。


 武器の仕様は昔ながらで照準は移動や連射で拡がらない(命中率は一緒)。ただし敵の攻撃に当たると体がブレるというエフェクトは一部に有り。武器は中央に構えるというのも昔風。リロードも無し。デモだとチェンソー, ピストル(2丁持ち可能), ショットガン, マシンガン, プラズマライフルの全5種類までは確認した。グレネードなどは無し。

 回復はアイテム方式となりメディキットを拾うやり方で携帯は出来ない。小さなタイプは100を超えて適用が可能というのも一般的。他にはアーマーも存在している。取っていなかった物の場所を憶えておいて、ヘルスが危険な段階になったら回収に向かうという点も昔ながら。

 移動は速めでスプリントも出来るし連続ジャンプでPainkillerの様に加速も可能なので、マップ内の行き来はそれほどストレスにはならない。


 敵は兵士の他にアンドロイドやドローン等が出現。当時風と言えばそうなのだが敵のAIは単純で、直線的に向かって来るので段差等に引っ掛かったりもしてしまう。離れているとこちらに気が付くのが遅い, 近場で撃ち合いになっているのに反応が無いケース有り, 体が一部だけ見えている際に撃たれても反応しない等も見受けられた。当時を思い返すと特に気になる件ではないが、敵の配置が嫌らしいケースがあり、そういう時でも銃声によって移動してくれない為に攻撃が難しくなる事(自分の方から体を射線に曝しに行かないとならない)があるのは厄介。他にはボイスが壁越しにも聞こえてくるので位置関係が判り辛いというのもあった。

 難易度選択は無しだが、おそらく製品版では設けられるはず。デモの設定ではそれほど難しくは無いが、現状では途中セーブが出来ないという仕様なのは難点(セーブは各マップの先頭のみ)。三番目のマップなどは長いので終盤に死ぬと辛いものがある。オールドスクールと言えばクイックセーブ可能な時代だが、将来的に対応してくれるのかどうかは何とも言えない。Unreal Engineは初代以外はクイックセーブという機能を考慮していない為に、在るとしてもチェックポイントセーブになる可能性はある。この設定だと他にも失敗即死のトラップへのチャレンジが必要以上の緊張感となるし、もしかしたら?という場所でのシークレットを試すという実験もし辛い。


 バグでは一度開いた扉が再度開かなくなるのが一回あった(進行不可能では無かった)。

GRAPHICS
&
SOUND
 UDK(UE3)を使用。クオリティのプリセットは無し。解像度は3種類のみ。他に個別設定項目も少しだけ有り。

 2.5D表現でレトロなデザインという事から当然美麗なグラフィックスではないが、当時に比較するとマップは3Dな上に解像度は高くなっているのでより綺麗な印象は受ける。エフェクト系でも空気の歪みやブラー等の当時は無かったエフェクトも幾つか使われているのも異なる点。なお特に綺麗では無いという件は別に構わないのだが、見た目のバラエティさというのは重要であり、なるべく変化に富んだ景観のマップを用意して欲しいとは思っている。後は上でも書いたが2Dの敵キャラクターのアニメーションパターンはさすがにもっと多いコマ数の方が良い。


 3Dサウンドに対応しているのは良い点。ボイスは少しだけ。BGMはQuake IIを連想させるハードロック調の物。銃器系のサウンドはやはり当時に比較するとクリアである。

感  想  個人的にはDoomクローンの様な初期のFPS風のデザイン作品(グラフィックスもゲームプレイもあえて昔風にしている作品)には見掛けても特に興味を惹かれないのだが、近代的な要素を一部混ぜているというのとトレーラーを視ると面白そうだったのもあってプレイしてみたゲーム。

 当時風のシンプルで高速なアクションFPSであり新鮮味は薄いが、レトロというほどには古臭くは無いので抵抗感もあまり無い。グラフィックス表現なども特に昔風の描画にはこだわっておらず、近代風のエフェクトを混ぜたりしているのは私的には好感触。製品版は安価で売られると考えられるし、数時間気楽に遊べる感じの娯楽作品としては優れた物になりそうな期待感も結構高い。純粋にレトロな物には食指が動かないが、こういう感じのゲームならば購入候補に入れても良いかなと思う。


 現在の完成度: 具体的な発売時期の言及は無く、まだかなり早期だというコメントを繰り返している状態。よって2017年内かどうかも微妙。

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