☆ STAIRS ☆

14/12/29 更新 目次          HOME
製作/販売 GreyLight Entertainment        公式サイト     ダウンロード
配布状況  2013/05/13にリリースされた Pre-Alpha Demo(412MB) が最新バージョン。

 更新頻度: リリース後は一度も更新されていない

 現時点ではデモしか存在していないので無料扱いとなる。

概  要  始まりはBIT(Blekinge Institute of Technology, スウェーデン政府の支援を受けているIT関連の専門学校)の3人の仲間が、当時ホラーゲーム界で大きな話題になっていたSCP-087をプレイした事による。SCP-87とはある都市伝説をベースにした延々と続く階段が舞台となる有名なフリーゲームで、既に幾つかのバリエーションがリリースされている。

 このゲームを大変気に入った3人はBITでの自分達の研究プロジェクトとしてその関連作品を制作する事を思い立つ。だが討論している内に新しいアイディアが湧いてきた結果、SCP-87の派生作品では無い全く新しいホラーゲームを作成しようと方針転換。そして制作されたのがこのデモとなる。当初は大して話題にならなかったのだが、良くあるパターンとしてYouTubeの人気実況者に採り上げられてから(Stairs AMAZING HORROR GAME)急激にダウンロード数が増加し、そして多方面から絶大なる評価を受けて著名となるに至る。

 その後自信を深めた彼等は本格的な作品として制作し直す事に決め、既に制作スタジオを設立してオフィスを構えており、現在はBIT在学中にスカウトしたメンバーを加えた9人体制で制作に取り組んでいる。明言はされていないが、おそらくSteam等にて有料で販売される製品版になると思われる

 2014年中にはKickstarterにて新デモリリースと同時に資金募集を開始する予定だったが、病気等の理由で開発が遅れているらしくまだ始まっていない。12月に地元スウェーデンのゲームショーでプレイアブルなデモを展示したそうなので、来年早々には始まるのではないかと思われ、またその高い評価からしても成功する確率はかなり上であろう。

動作環境  特に記載なし。プラットフォームは現在Windowsのみ。エンジンはUDKなので製品版となった際にはWindows, Mac, Linuxに対応する可能性が高い。

 設定の類は一切無し。メニューすら無くESC押下で終わってしまうので注意。窓化とフルスクリーンの切り替えはAlt+Enter。

BASICS  彼等が影響を受けたSCP-87は舞台が階段のみという設定だったが、このゲームでは“Stairs”とは異世界へと続く階段という意味で使われており、プレイ中に何かが階段で起きる訳では無い。それとこのデモと現在制作中の新バージョンでは設定が異なっており、デモの内容がアレンジされて収録されるのかも不明。

 新版のストーリーはジャーナリストのChristopher Adamsが、3人の行方不明者の後を追っている内に異世界へと迷い込むという物。ストーリーは各編で独立しているという構成。おそらく階段を降りているうちに奇妙な世界に迷い込むという設定はデモと同じだと推測される。内容は実在の事件を基にするという姿勢であり、人民寺院(カルト宗教の集団自殺)やドナー隊(カニバリズム)などをインスピレーション元に挙げている。

 このデモもジャーナリストが幽霊の目撃情報を追って不思議な階段を降りてみると、過去にそこで起きた出来事が視覚&聴覚に再生される異世界に迷い込んでしまったという所は同じ。


・キーアサイン不可, マウス感度設定不可, 明るさ調整不可, ボリューム調整不可
・難易度設定無し
・字幕は無し

*一人称視点固定
*インベントリー画面は無し
*照準無し
*スプリント, ジャンプは可能

*操作可能なオブジェクトは通常ハイライト表示される
*ライトは無限使用可能(Fキーでオンオフ)
*EでUse

GAMEPLAY  それ程難しい箇所は無く、プレイ時間は20〜30分程度。フロア内の探索が主となるが、各所に親切なマップが掲示してあるので迷う事は無いだろう。

 進行はアイテムを探してきてそれを使う場所を探すという単純な方式で、他には行かれるルートを探す事にもなるが、エリアが狭いし地図も在るので難易度は低い方。


 敵の出現もあるが、こちら側には攻撃手段が存在しない逃走ゲータイプ。ただ単純に追って来るというスタイルな上に速い設定でも無いので大して難易度は高くなく、失敗しても追われ始める所からやり直せる(セーブは他では行われないと思われる)。なお敵の造形自体は怖くないのだが、出現した際にビックリさせられるシーンもあり。

 このゲームで一番怖いのは過去の出来事の幻視・幻聴のシーンであり、過去にここで何が起きていたのかが段々と解ってくる様になっている。そしてその内容その物がとても恐ろしいのだが、ここに一つ大きな問題点が在る。それは字幕機能がない為に、英語を理解出来るプレイヤーでないと十分には楽しめないという点。この施設内に閉じ込められていた3人(サミュエル, アイザック, ジェイコブ)の会話であり、それ程多くもないので基本的な英語力があればある程度の意味は理解出来ると思うが、やはり字幕機能を付けて欲しかった所。これは製品版に期待するしかない状況である。

 あとは特別な操作システムは用意されていないのだが、後半に登場するカメラのフラッシュを使っての探索シーンは怖くて面白かった(オリジナルのアイディアではないが)。

 ネタバレを避けるとあまり書けないので内容説明はこの程度に留めておく。

GRAPHICS
&
SOUND
 プリアルファ版というのもあるのか、グラフィックスには力が入れられていないという印象。一般的なフリーのホラーゲームと大差ない。

 サウンドの方は非常に良い。セリフの再生エフェクトが特に秀逸である。

感  想  フリーのホラーゲームを漁り始めた頃に丁度出会った作品だが、待っているバージョンアップ版が出るのがまだ先になりそうなのでここで一度紹介。ビックリ系ではなく、雰囲気が怖いホラーゲーム好きにはお勧め。個人的にも気に入っており、発売されたら確実に購入すると思う。


 現在の完成度: デモが公開出来る段階までは来ており、完成までの期間は制作資金募集の成功度次第となる。

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STORY解説
 ここでは大雑把にだが会話の意味を解説。たぶん大筋では間違っていないはず。ネタバレなので反転


Part.1 3人

サミュエル 「長期間閉じ込められているが誰も助けに来ない。一体どうしたら良いんだ?」
ジェイコブ 「きっと誰かが助けに来てくれるはずだ。それは今にもドアを開けようとしているかもしれないんだ。待つしか無い。」
サミュエル 「しかしそれが何時になるのか? アイザック、何か食べ物が欲しいのだが...。」
アイザック 「何も無い。 ....以外は。」
サミュエル 「以外は? 何以外だ?」
アイザック 「いや...何も無い。ジェイコブ、キッチンを再度探してみてくれ。俺とサミュエルは他を当たってみる。」



Part.2 サミュエルとアイザック

アイザック 「何か行動を起こさないとならない。」
サミュエル 「だが何をするというのだ? もう助けを待つ以外の方法はない。」
アイザック 「しかし誰も来なかったら? 或いは来たとしても遅かったら皆飢え死にしている!」
サミュエル 「いやそんな事にはならない。きっとすぐに助けが来るはずだ。」
アイザック 「確かにそれ程遠くない内に助けが来るとは思う。だがそれまで俺たち二人は生き延びないとならない。」
サミュエル 「二人? ジェイコブは?」
アイザック 「生き延びるには何かを食べないとならない。そして現在残されている唯一の食料....それはジェイコブだ。」


Part.3 アイザックとジェイコブ

アイザック 「何か食料は有ったか、ジェイコブ?」
ジェイコブ 「いや、ここにはもう何も無い。もう我々は助からないんじゃないかと思えるよ。そっちは何か有ったかい?」
アイザック 「ああ...。 少なくとも脱出を待つまでの間の食料は見付かったよ。」
ジェイコブ 「本当か! そりゃあ良かった。 で、その食料とは何なんだ?」
アイザック 「それは、今、ここに有る。」
ジェイコブ 「ここに? ....って、それはナイフだよな...?」
アイザック 「目を閉じろ、ジェイコブ。悪夢は今ここで終わる。」



Part.4 サミュエル

サミュエル 「アイザックは狂っている。ジェイコブを殺して食料にしてしまった。彼を止めなければならない。私は生き延びなければならない。彼を殺さなければならない。」


Part.5 アイザック

 サミュエルと同じで、こちらはサミュエルを殺さなければならないと言っている。


Part.6 モンスター登場シーン

アイザック 「お前は死ぬのだ、サミュエル。 俺はお前の手では死なんぞ!」
サミュエル 「そこに誰か居るのか?」
アイザック 「逃げるんだな、サミュエル。 何故なら俺がお前を殺しに行くからだ。」

 逃走に成功すると、襲って来たアイザックを拾ったパイプで返り討ちにした事になる。



Part.7

 キッチンの後のシーン。ここは声が小さくて解らなかった。声からすると殺されたジェイコブの様に思えるのだが、幽霊となった彼が助けてくれと頼み事をしている様に聞こえる。


Part.8 ラスト

 サミュエルが救出されたシーンは特に解説は要らないだろう。その後の主人公の独白部分。

全てが終わった後、私はこの事件について調べてみた。
サミュエルは救助隊に助けられたが、閉じ込められていた際の影響で何か精神に暗黒面を抱え込んでしまったようだ。
取り調べから解放されて自由になった後、
彼は8歳の子供を誘拐して殺害。
そしてその死体を同じシェルターの中に運び込み、それを食べてしまった。
捕まった彼は捜査の結果、精神病院へと送られる事になった。
5年前の出来事である。