☆ STARDROP ☆

16/10/18 更新 目次          HOME
製作/販売 Team V        公式サイト     INDIE DB     Facebook
配布状況  2016/09/29にリリースされた STARDROP - Chapter 1 (DEMO) V1.0(0.97GB) が最新バージョン。32bitと64bit版が用意されている。ダウンロード先のアップロード日付が更新されていないので念の為に書いておくと、STARDROP_-_Chapter_One_DEMO_64Bit.exe が新しい物で、STARDROP_Demo_Setup_64_Bit.exe (1.19GB)は古い方。

 更新頻度: 2回目のリリースバージョン

 Steamで販売するそうだが、Steam Greenlightにはまだエントリーしていない。

 Kickstarterは一割程度の達成率に終わり上手く行かず。現在はクラウドファンディングを自身のサイトにて実施中。

概  要  このゲームを制作しているのはJoure Visser氏で、これまでにHalf-Life 2のModから後に単体製品化されたContagionの開発に関わっていた人物。彼はシンガポール人だが、このSTARDROP制作の為に結成されたTeam Vのメンバーはインターネット上で雇ったりした多国籍構成。現在は計6人の模様。

 チャプター分割でのリリースとなる様だが、最終的にどれだけの数で完結するのかは不明。またリリース予定日は2017/05となっているが、ここが完結予定なのかエピソード1のリリース予定なのかも判らない。

 プラットフォームはWindows, Mac, Linuxを予定。


 時は既に宇宙の彼方へと人類が進出している時代。これまでに広大な宇宙へと多数の宇宙船が探索に赴いて行ったが、その全てが無事に帰還出来た訳ではなく、事故等で動けなくなった多数の船がそのまま打ち捨てられた状態で宇宙を彷徨っている。主人公Aryn VanceとそのパートナーJohn Kindleyはそんな宇宙船達からのサルべージを生業としているコンビ。緊急のレスキュー業の他に、長い年月の間誰にも発見されずに漂っていた宇宙船内部の探索も手掛けている。そんな彼等がカシオペア星系にて身元不明の宇宙船の探索を始める所からストーリーは始まる。

動作環境
  必要環境 推奨環境
OS Windows 7/8/10 (32-bit) Windows 7/8/10 (64-bit)
CPU 3.16Ghz Intel Core 2 Duo E8500 AMD: Phenom II X4 955 - 4 Core, 3.2 GHz
Intel: Core 2 Quad Q9650 - 4 Core, 3.0 GHz
MEMORY 4GB 8GB
VIDEO 1GB (AMD Radeon HD 5550
Nvidia GeForce GT 430)
2GB (AMD Radeon R9 200 Series
Nvidia GeForce GTX660)
SOUND DirectX 互換 同左

DirectX 11以上要

 今のところデモはWindows版のみ。32bit版も在るがDX11以上が必要なのでXPでは動作するか不明。

 新バージョンでは細かいバグ等の修正が行われており、特に動作上の問題は感じられなかった。パフォーマンス関連も改善されており、旧版に比較すると低速PCでもスムースに動作する様だ。

BASICS  一人称視点のナラティブなSFアドベンチャー。身元不明の宇宙船内探索といういつもの仕事のつもりで乗り込んだ主人公Arynが、そこで遭遇する数々の謎を解き明かし、最終的には宇宙船に隠されていた究極の秘密を明かすまでの話となる。そのストーリー展開の面白さこそがほぼ全てであり、ジャンルとしてはWalking Simulator(探索して歩き回ることがメインで、旧来のゲームプレイ的な要素が希薄なゲーム)に属する。

 内部探索により様々な事実の発見, コンピューター端末にアクセスしてデータの収集, 過去の乗組員達のオーディオログを参照、等をしながら進めて行く形式。先に進めるには幾つかの謎や障害を解き明かさないとならないが、パズルをメインにしたアドベンチャーゲームではなく、ゲームの進行には大して詰まらずに済むようなゲームとなっている。

 強く影響を受けたゲームとしてAlien Isolationを挙げており、「これだけのクオリティで作り込まれた宇宙船内を、一切の敵の妨害無しに探索出来たら面白いのでは?」というのがキッカケだったそうだ。それとContagionの様なバイオレンスな物ではなく、より広い層をターゲットにした平和的で楽しめるゲームを作りたかったとしている。

 VRに対応。当面はHTC Viveのみだが、以降対応範囲を拡げていく予定。


・キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, 明るさ調整不可×, サウンドボリューム調整可○
・難易度設定無し
・字幕有り
・セーブは各所に有る端末にて回数制限無しで自由に行える。スロットは無く保存地点は1箇所のみ。それとこのデモにはロード機能は無い。


*一人称視点固定, FOV調整機能無し
*インベントリー画面は無し
*照準無し
*スプリント, 屈み可能。ジャンプ無し。
*現在のオブジェクティブ表示機能有り

GAMEPLAY  このデモはいざ目的への宇宙船へと乗り込む前までとなっており、メインのストーリー内容に関しては触れられていない(旧バージョンでは若干含まれていたのだが)。ゲームのメカニズムや全体の雰囲気を紹介する程度に留まっている。進行も難解ではないので30分程度で終了出来るボリューム。


 宇宙船内の造形やSF的な雰囲気はかなり良い。美麗なイメージだし複雑な形状で作られている。3D世界内を探索するタイプのゲームでプレイヤーの没入感を高める為にはグラフィックスの質は相当重要な事項となってくるが、その点では十分に合格点を与えられる出来映えである。このデモの一番の見所は良く出来た宇宙船内を見て回れる行為にあると言えよう。後はゲーム全体で繰り返しパターンによる景観の単調さを避けられれば申し分ない。

 ただしデータ量が多いのか、それほど広くないマップ内にもかかわらず階層移動等においてロードが多い。ロード自体は短時間なのでストレスは無いが気になった。


 ストーリー重視という事でそれを補完する為の会話シーンは結構多い。だが内容的にも語彙面でも(あくまで他のゲームとの比較だが)簡単な部類であり、難解な長文を随時読まされるというゲームでは無さそう。探索先の宇宙船に行ったらそうでは無いのかも知れないが。なおこのデモはイントロシーンなのでストーリー面では特に面白い展開などは含まれていない。


 進行の為にパズルを解いたり障害を解決したりしないとならないシーンは数カ所出て来るが、どれも簡単で詰まるような内容では無い。行き先も船内にマップが掲示されているので迷うことも無くなっている。ただし照準が無い為に、そのままの状態だとどれがUseキーにて干渉可能なオブジェクトなのかの判断は少々解り難いという面も感じられた。

 デモではゲームの進行の為に使うツールが紹介されている。一つは特に変哲もないDATAPADで、このデモにおいてはAryn当人の物だけが出て来るが、宇宙船内では他者の残した物にアクセスして出来事を探る様になってくる。DATAPADには親切なヒント機能が付いており、今何をすれば良いのかが具体的に記述されているので、本編でもこのレベルならば進行に詰まる可能性は低いだろう。

 もう一つがThe APD Helmet。スーツとセットになっている特殊機能付きヘルメットで、スキャナーモードをオンにするとインタラクト可能なオブジェクト類がハイライト表示される様になる。モード切替をすると暗視モード風になり、視界が遮られる様な環境下での活動時に使用する。現在の稼働モードは下段に色違いで表示される方式。エネルギー式でバーが切れると使えなくなるが、自動的にリチャージされるので頻繁に使用しても問題無し。やり難いのはスプリントと併用出来ず、またスプリントすると自動的にスキャナーモードはオフにされてしまうという所。移動中に走っては周囲をスキャナーで確認しながらだと操作が面倒になる。


 クリア後にボーナスミッション(SRO Mission)がアンロックされるのだが、これについては現デモに実装されているのかが解らない。ミッションを別の形でプレイ出来るらしいのだが、途中までやってみても特に変わりは無く、逆にスーツを取れないので先に進めないという状況。あくまでも予定で今後のバージョンアップで実装するという意味なのかも知れない。

 実は前のバージョンにはクリア後にアンロックされる実験用のマップが収録されていて、そこには「探索型のゲームだが、ある程度はチャレンジ要素が含まれていても良いのではないか?」という観点から制作されたステルスのゲームプレイが含まれていた(プレイしてみて意見を聞かせて欲しいというレベルの実験的な物)。デザインとしてはアンドロイドが徘徊している中をセキュリティを解除しながら出口に到達するというシンプルな物で、アンドロイドは決まった順路を移動しているだけなので、その視界内で一定の距離以内に近付かないようにしながら各所のセキュリティを解除して行く。アンドロイドの位置はスキャナーをオンにすれば壁を透過して確認可能。もし見付かるとアラームが鳴らされ、そうなったらスタート地点のボタンを押してリセットし最初からやり直し。単純なシステムだが、探索オンリーとなるよりは変化として良いかも知れないという程度で、ボツになったのか収録されるのかは判らない。なお前のバージョンでは本編内でもアンドロイドが活動していた。(注:SSの一部はこのボーナスマップの物)。


GRAPHICS
&
SOUND
 Unreal Engine 4使用。これまではずっとHalf-Life 2のMod開発を手掛けてきた関係でSource Engineを使ってきたが、自分がメインで作るとなるとプログラマーでは無いのでスクリプトの制作が困難であり、それ故にBlueprintを備えているUE4へと切り替えたそうである。

 クオリティは3項目を各4段階に設定出来るのみと少な目。最高にしてもゲーミングPCならば特に重くはならないであろう。

 先に書いたように3Dモデル全般のクオリティは高い。これも全てを自分やチームで制作するのは大変なので、基本となるSF系3Dアセットを購入してそれに手を加えた物を主に利用している。製作予算が増えれば更に高価な物を購入してバラエティさを増したいそうだ。


 3Dサウンド対応。ボイスも収録されており、主人公のボイスは良く出来ていると思う。

感  想  宇宙船の内部は美麗で良く出来ているという印象。このデモは主人公が普段使用している宇宙船内だけだが、乗り込む先の宇宙船内も同様に期待出来る筈である。この点は発売前の売りとして優位に使えると考えられ、Greenlightに登録しても注目度は高くなると言えそうだ。

 ただし肝心のストーリーの方はほとんど明らかになっておらず、制作側が謎に富んだ面白い物にすると言っている段階に過ぎない。宇宙船の内部が美麗で作り込まれているならそれである程度は補えるとは言え、ここが詰まらなかったら総合評価では失敗に終わるのは間違いない(現実にSteamのインディーズ作品でWalking Simulator系には、「単に風景が美麗なだけで内容的には詰まらない」という評価作が結構有る)。これまでに実績が無いだけに不安な部分でもある。


 現在の完成度: チャプター方式らしいので完全に完成するまでにはどの程度なのか判らない。資金不足という難題も抱えており、チャプター1をとりあえず出してしまってその売り上げを以降の開発資金として見込むというやり方を選択してくる可能性もある。

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