☆ STASIS ☆

15/06/18 更新 目次          HOME
製作/販売 The Brotherhood / Daedalic Entertainment    公式サイト(音量注意)   STEAM    INDIE DB
配布状況  2013/11/04にリリースされた Alpha Demo V1.002A (1.02GB) が最新バージョン。公式サイトからダウンロード出来る。


 更新頻度: デモの更新は行われていない。

 2013/11にKickstarterにて130%を超える成功を収めており、Steam Greenlightでも既にGreenlitに到達している。

 7月中にはベータ版の配布が行われる予定である。これはKickstarter時の対象バッカー($59以上)と、現在公式サイトで販売中のBETA ACCESSエディション($99)の購入者に限定配布される。フリーの新規デモが発売前に出るのかは不明。

概  要  The Brotherhoodは南アフリカのインディーズ会社で、Bischoff兄弟2人で運営されている。ゲームの制作は実質Christopher Bischoff氏一人で行われており、彼は3Dデザインの会社を10年以上経営する傍ら、空き時間を利用して2010年末からこのゲームを作り続けている。

 プラットフォームはWindows & OSX。Linux上でもWine等を使えば動くが、ネイティブサポートはあるとしても発売後になるという話。

 リリース予定は当初の2014年末より2015年Q1を経て更に遅れており、現時点での発売予定は2015/08の末。公式サイトでの標準版予約販売は$19.99となっており、Steamでの販売時にはこれより高くなる可能性もある。欧州での代理店はアドベンチャーゲームで有名なDaedalic Entertainmentが担当する。バッカー向けの特装版以外にもリテール版がリリースされるのかは判らない。


 時代は約100年後の未来。人類は太陽系内へと活動域を拡げているが、ワープ航法などの超光速航法技術はまだ無く、遠くの惑星へと旅するには冷凍睡眠(CryoStasis)を利用していた。主人公のJohn Maracheckも妻と娘と共に、土星の衛星であるタイタンへと新天地を求める長旅に備えて冷凍睡眠に入っていた。(何故タイタンなのか, 移住にどんな理由があるのかは不明)。

 しかし彼が目を覚ましたのは巨大宇宙船Groomlakeの中。この船はこの時代における最先端の医療と科学技術を持つ巨大企業Cayne Corporationの所持する物だったが、実は秘密裏に禁断の研究が内部では行われていた。彼はその実験材料として誘拐されて来た事を知るが、何か事故が発生したらしく既に船の内部は機器類が破損し死体が転がっているという壊滅状態で、更に船は海王星の軌道に取り込まれて惑星のガス雲内に重力落下する道を辿っていた。ジョンは内部の生存者と協力しながら妻と娘を探し出して、手遅れになる前にGroomlakeから脱出しないとならない。



動作環境
  必要環境 推奨環境
CPU  2.0 GHz+  -
MEMORY 1 GB   -
VIDEO  VRAM 512MB  -
SOUND -  -
対応OS  XP / Vista / Windows 7/8

 アルファデモ版での物で製品版では変わる可能性もある。2Dのゲームなので基本的には軽いが、アニメーションを多用しているのでスムースに動かすにはマシンパワーが有った方が良いし、エリア移動時のローディング時間にも差が出るとしている。

 デモ版において特別な動作上の障害は無かった。

BASICS  2D斜め見下ろし視点のアドベンチャーゲーム。1980年代後半から1990年代のクラシックなADVのファンだと話しており、具体的にはSierraの各種Questシリーズ、或いはDay of the Tentacle, Monkey Island等のルーカスアーツの作品群を挙げているが、中でもこのゲームはSF物であるThe Digやサイコホラー物であるSanitariumから強い影響を受けているそうだ。

 壊滅した巨大宇宙船内でのサバイバルや、実験体である異形の生物が出現するといった点から「Dead Spaceをアドベンチャーゲームにした様な...」という風な紹介も見られるが、ホラーをテーマにしているもののゲーム性は純粋なアドベンチャーゲームであり、入手したリソースの消費を管理するとか、(純粋な)戦闘要素は含まれていない。それ以外に一定時間内に達成する必要がある操作とか、敵から逃げるといったアクションを要求されるシーンが在るのかは不明。

 ストーリー重視でナレーションやテキスト量が多く、リニアに進行するオーソドックスな形式。主人公のジョンは全く普通の人間なので、武器を使ったりハッキングとかで解決する様なシーンは無し。パズル類は出来る限り論理的に考えて解ける物を使い、純パズル系の物(シーンに関係ない純粋なパズルを解くと報酬として成功した事になる等)は避けたいとしている。基本的には内部探索を徹底的に行い、アイテム類を集めたらそれを各種の場所にて使用しての解決、若しくはいろいろと組合わせて新しい物を作って行くという風に進められる。

 「失敗による死亡」という要素の是非はアドベンチャーゲームにおいて良く議論される話題だが、Stasisでは死亡は発生するというスタンス。ただし直前でオートセーブされるので、仮にセーブしていなくてもやり直しは大してする必要はない。これはSpace Questシリーズの様に、失敗時に様々な死亡シーンを用意しておいて見せる事をある種の目的としているゲームと同じで、いろいろなグロテスクな死亡シーンを演出として見せたいという理由から。ただデモには失敗によるゲームオーバーのシーンは無さそう。

 プレイ時間は初回で8〜12時間を想定。


・キーアサイン不可, マウス感度設定不可, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可
・字幕あり。発言時はアイコンで発言者が示される。リリース時には6カ国語対応予定(日本語は無し)。

 任意に何所でもセーブ可能(スロット多数)というオーソドックスな形式。スペースバー押下でセーブメニューが出るのだが、セーブ後にゲームに戻れない。メインメニューに戻って続行するか、以前のセーブならばロードを選択しないとならない。


*アイソメトリック(斜め見下ろし)視点固定
*2Dの固定画面でスクロールはしない。またカメラを回転させたりは出来ない。
*キャラクターは3D表示
*進める方向(別画面)の位置を指し示すと“Exit”の表示が出る

*基本的にマウスだけで操作する
*移動地点をマウスクリックで示す方式。ダブルクリックで走り移動(治療が完了するまでは走れない)。

GAMEPLAY  このデモは謎解きに詰まらなければ30分程度でクリア出来る様だが、私は詰まった場所があって1時間くらい掛かった。

 最初に昔のアドベンチャーゲームと違う点として、CGで制作されたムービーシーンが多く含まれているそうで、このデモにおいても最初に長いムービーが流れるのだが、そのクオリティはインディーズからの物としては高いレベルにある。(公開されている本編ゲーム中でのそれらしき画像もクオリティは高い)。


 2D背景内を3Dキャラクターが移動するという今ではポピュラーな方式。基本操作にも特に変わった部分は無し。インベントリーは左下にマウスを持って行くと表示され、アイテムをサークル上のI/Fから選択する方式。Quantum Storage Deviceという大層な名称が付けられているが、実際にゲーム画面内で主人公がデバイスを開いて使うグラフィックスが表示される以外、特に扱いは一般的なゲームと変わらない。ここではあるアイテムを持った状態で別のアイテムに組み合わせて合成したりが行える。

 カーソルは対象オブジェクトに合わせても変化せず、説明が表示されるのみ。ここで所持しているアイテムが使えるという箇所にて、そこにアイテムを持って行っても表示は変化しない。そしてマップ内の取れるアイテムや干渉可能な物はゆっくりと点滅して光っていたりするが、全てがそうでは無いので見落としも有り得る。また光っている場所が他にも有る為、その意味での見落としの危険性もあり。後はかなり暗いのもあって、(ドア等の明確な目印が有る場所以外では)別画面へと進める方向は判り難かったりもするが、こちらはカーソルを画面上で動かせば“Exit”が示されるので大きな問題は無いだろう。全般的にやや不親切なI/Fという印象を受けたが、干渉可能なオブジェクトをどれだけ明確に示すのかは制作側の方針&プレイヤーの好みもあるので、その点は留意しておいてもらいたい。

 クリックでの移動はルートが固定されており、最短距離では無くわざわざ遠回りしたりも発生する。これは良くある話なので特に気にならなかったが、製品版ではもっとスムーズに動けるようになるそうだ。他にはドアの開閉で移動動作がキャンセルされてしまう為に、マップ切り替え後に走ろうと指示しても、今通ったドアが閉まってすぐに停止の繰り返しが発生するのは修正して欲しい点。


 舞台となる船が巨大という事で移動は多い部類。よってアイテムの見落としがあると広範囲を探し直すハメになる。なおこのデモではマップの広さの割には入手出来るアイテムは少ない。アドベンチャーゲームでは入手したアイテムをそのエリア内で綺麗に使い切って次に進むタイプが多いが、これはもし見落としがあると戻っての探し直しが大変という理由から(また詰みを防ぐには必ず前のマップまで戻れるような構造にしないとならない)。このゲームもエリア単位での使い切り方式だと思われるが、その探索必要エリアは広い為に、手に入れた物を相当離れた場所で使用するといった発想の難しさは含んでいそうである。

 謎解きはちょっと捻ってあったりで面白い物が幾つかあり、ここは評価出来る点。答えを聞くと簡単な話なのだが、発想の盲点を突いてきたりしていて楽しめた。


 ホラー要素に関しては、率直に言って想像していたよりもずっと控え目という印象。グロテスクなグラフィックス表現なども同じ。ホラー系のイベントは在ったが、憶えている限りでは二箇所だけ。これはアルファ版というのもあるかもしれないが、グラフィックス的にもそれ程精細で綺麗という訳では無い。ただし日本で発売されたら確実にカットされるであろうグロシーンは存在している。

 字幕は有るがテキスト量は多目。コンピューター端末やPDAを開いて操作可能というシステム。このデモではそうでもないが、製品版では5万語程度(普通の本だと約100頁位)のテキスト量になっているそうだ。このテキストによってストーリーの背景説明を行ったりするのだろうが、問題はどうやらある程度は読まないとならない方針らしい点。ゲームをクリアするだけなら全部飛ばしてもOKではなく、実際のこのデモにおいてもテキスト内にヒントが書いてあるというパズルが複数出て来る(しかもおそらく想像だけでは思いつき難い解法の箇所)。よって英語を読むのが面倒という人には難点となるだろう。

GRAPHICS
&
SOUND
 アドベンチャーゲーム制作用のVisionaire engineを使用。グラフィックスは3Dでモデリングしてからそれを2Dに落とし込むというやり方で作っているそうだ(作者は3Dモデリングが本職)。最新のコメントによるとフラッシュライトのエフェクト及びポストプロセッシングに使用していたシェーダー処理をカットして、よりクラシックなアドベンチャーゲームに近い雰囲気を出す様にしたとあり、最新のエフェクトを活用してグラフィックスを綺麗に見せるという方向性では無い。テクノロジーでは無く、背景や各種オブジェクトのディテールに凝るという方針なのだと考えられる。

 このアルファ版での話になるが、特別にグラフィックスが綺麗という感じでは無く、また凄惨さやグロテスクな表現路線を狙っているという訳でも無さそう。凝っている点としては、元が3Dモデルだけにそれを利用してのアニメーション(イベント)シーンが多用されている所だとしている。


 3D(サラウンド)サウンドに対応しているが、斜め見下ろし視点なので定位感を出すのでは無く、エフェクト的な効果として使っていくのだと思われる。ボイスは悪くないと感じたが、Kickstarterの成功によりプロの声優を使う事になっている。また同じくBGMはMark Morgan氏に依頼と力を入れている(Fallout and Fallout 2, Giants: Citizen Kabuto, Planescape: Torment等を担当している有名人)。

感  想  想像していたよりも普通のアドベンチャーゲームという感想。個人的にはアドベンチャーゲームが好きなので問題は無いが、Dead Sapceの2D版世界観といったホラー系orグロ系のイメージをメインに期待していると肩透かしを喰らうかも。製品版ではどうなるか判らないが、CGムービーではその方向性を強めるが、実際のプレイ画面ではそこまで強調はされないという可能性が高そうだ。

 アクションを要求されるシーンは無さそうなので、普段アドベンチャーゲームはやらないがホラーFPP/TPP物は好きという人にお勧め出来るかとなると微妙。内容的にはどぎつい残虐表現を好む方よりも、一般的なホラーが好きという方向けだと思う。例えば制作者も影響を認めているが、雰囲気としては映画初代『Alien』のそれが好きな方にお勧めと言えるだろう。


 現在の完成度: このデモは結構前のバージョンとなるが、報告によれば既にベータに到達しているそうなので、もう8割方は出来ているとみて良いだろう。

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ヒ ン ト  詰まりそうな場所での謎解きのヒント及び解答。ネタバレなので反転。


・ブレイカーボックスの操作方法
 メインスイッチを入れた後に、3つの内のどれか一つだけをオンにして順番に利用する。複数入れると過負荷でリセットされてしまうため。



・Robotic Surgeon(機械治療マシン)にて何が出来るのか解らない
 機械アームの部分にアイテムがセットされている。問題は普通にはこれを外せない事で、どうやって外すのかは装置のモニター内にヒントが書いてある。



・メンテナンスドアが開かない(ヘビーローダーが置いてある場所)
 Admin Computerを操作してアンロックする



・エレベータードアを開ける方法(ヘビーローダーが置いてある場所)
 Admin Computerの中にセキュリティをリセットする方法が書いてある。操作を行うのはフィルタリングタンク(Failure表示)の場所。



・Serv Looby1 セキュリティレベル5のドアの開け方
 Serv Looby2に有る死体を何とかする。アイテムとしてガラス片が必要。



・列車を動かす手順
 ここは最後の場所となり、Serv Looby1 セキュリティレベル5のドアを開ける前ではクリア不可。

 クロウバーでコンピューター左側のボックスをこじ開ける → スパークプラグを取る → 同じく開けた右側に付ける → コンピューター操作でリチャージする → スパークプラグを元の左へと移す → コンピューターでライン移動操作 → 列車の運転席で実行