☆ STOWAWAY ☆
17/03/29 更新 | 目次 HOME |
製作/販売 | Solar Gate Studios |
配布状況 | 2014/10/31にリリースされた Version: 1.0.0-alpha (773MB) が最新バージョン。プロトタイプ的な段階なので無料である。 更新頻度: リリースされているのはこのバージョンのみ Kickstarterにチャレンジしているが失敗に終わっている。 |
概 要 | 15/08/08 レビュー掲載 17/03/29 制作状況更新 [修正情報」 17/03/29 開発の無期限停止について初回レビューで言及したが、16/09/02付けで「開発を復活させたい希望を持っている」というコメントが投稿されている。ただし資金をどうやって確保するかを検討中といった段階で、またその後更新されていない事から開発再開決定と言うには早計なようだ。 Solar Gate StudiosはUKの二人組の制作チーム。過去にDrawn Onwardという小品の制作に関わっている。 このStowawayは非常に初期の単なるアルファ版とは言え、インディーズのフリーホラーゲームとしては相当有名な部類に入り実況プレイ動画も数多い。それ故に注目度も高かったのだが、ここでは残念なお知らせをしなければならない。先日現在の開発状況はどうなっているのか確認してみたところ、既に開発が停止されている事を知った。公式サイトにアクセスする事も出来なくなっている。元々は単なるアマチュア2人が実体のまだ無いスタジオ名を付けて活動していただけだった様子だが、これを書いている数ヶ月前辺りから一人は他の制作スタジオのプロデューサー職に就き、もう一人はRockstar Northで働く事になった為に、このゲームの製作は続ける事が出来なくなったそうだ。完全にお蔵入りでは無いとしているが、少なくとも数年という単位で復活は無いと思われる。Kickstarterでの資金集めの結果が思わしくなかった件も影響したのかもしれない。 つまり今回紹介しようと決めたのは、これ以上引き延ばして新バージョンを待つ意味が無くなったという理由からである。 Windows版のみ。Mac, Linuxには将来対応予定とされていた。 北極圏で作業中のロシアの砕氷船「NS Polaris」。主人公はこの船内に潜んでいた密航者(Stowaway)。船内に何等かの異常が発生したのを感知して隠れ場所から出て来て様子を探るが、既に船内では殺戮が繰り広げられた後であった。プレイヤーは生きてこの船から脱出しないとならない。 |
動作環境 | 特に公開されていない。制作にはUnreal Engine 4を使用している。 フルスクリーンにするにはALT+ENTER。 |
BASICS | AmnesiaやOutlastに強い影響を受けたとしているが、攻撃手段を一切持たない逃走型ゲームでは無い。基本的にステルスをメインとしたサバイバルゲームだが、武器類による攻撃も相当限定的にだが行えるというデザイン。予定ではリボルバーやフレアガンの名前を挙げていたが、このデモでは武器は使う事が出来ない。 ゲームのメインは探索で、船内を隈無く探し回って情報やアイテム類をなるべく集めて優位に立つという風にするが、そうするとそれだけ敵に遭遇し易くもなってしまうという設定。そこで敵との遭遇を避ける為の装置としてCCTV(監視カメラ)が用意されており、携帯型のPersonal Observation Deviceを使用して近くのカメラ映像にアクセスし周囲の状況を探るという様にして進めて行く。 ・キーアサイン不可, マウス感度設定不可, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可 ・難易度設定無し ・セーブ機能は無し ・字幕は無し *一人称視点固定 *インベントリー画面は無し *照準有り *スプリント, ジャンプ, 屈み(CTRL), 左右へのリーンが可能 メニューに戻してゲームを終了させる方法は無し(Alt+F4による強制終了等)。なお普通にゲームが終わるとアンケート画面が表示される仕様。 |
GAMEPLAY | ボリュームとしてはあまり長くなく、メモを全部探し出すとかを目的にしなければ15〜20分位で終わる程度。 オブジェクトの操作にはPenumbra風のマウスを直感的に使う方式が採用されている。ハンドル付きドアならばLMB押下にてハンドルを掴んだ状態で開く方へと回転させ、その後ドアを押したり引いたりして動かすという風にする。ただし引き出し等を開ける際にはLMBで持ってから、その角度に関わらずマウスを前後に動かすという様にするのは解り辛い。冒頭にチュートリアルのシーンが有るのだが、プレイ動画をちょっと7,8人位チェックして見たところでは開けられた人は一人も居なかった。 HUD無しのデザイン。アイテム類はハイライトされるので暗闇でも見分け易いのは親切設計。対してこれは意図的なデザインなのか不明だが、ライターやフラッシュライトには残量ゲージが無く、更に短時間しか持たないという設定なので突然使えなくなる危険性有り。バッテリーやオイルは定期的に置かれているし、一応真っ暗な状態でも非常に近付くとそこだけは見える様になるという風にはされているのだが、私は初回プレイ時にダクトの中で運悪く灯りが切れてしまい、全く見えない状態で何とか進まざるを得なくなってしまった。 ドキュメント(紙片)が残されており、ヒントや現在の状況が書かれていたりする。これには印(?/9)が付けられていて何枚目の物かが判り、それぞれに文字が書いてあるのだが組み合わせて何等かの意味になるのかは解らない(少なくとも番号順に続けても意味のある単語にならない)。それとこの紙片は実際にゲーム画面内で持って読む為に、何等かの明かりがないと読む事は出来ない。 マップ内は船内という事もあり、かなり狭く閉塞感を感じさせるエリアが多い。グラフィックスのクオリティも高いので、実際に狭い船内に閉じ込められているという雰囲気は良く出ている。結構迷い易い構造であり、作者からは壁の案内サインを目印にというヒントが出ているが、空間的にどういう風に接続されているのか把握し難いのは確かだ。イベント後に行かれなくなるエリアも有るため、全てのアイテムを回収するのは難しいかも。なおフラッシュライトを入手しない状態でも先へと進めてしまう構成は直した方が良いと思う。 徘徊している敵には捕まったら即ゲームオーバー。誤って炎に触れてしまいダメージを受けた際に画面周囲が赤くなるエフェクトが発生したが、こちらは継続ダメージという設定らしく時間経過でも回復しない。そして回復アイテムはデモの範囲では用意されていないと思われる。 気になったのはCCTVの存在で、デモにおいてはこのデバイスを見ても敵の姿が直接映し出されるケースは一度も無し。そして敵の出現タイミングや移動ルートは完全なスクリプトの様に感じられるし、まだこのバージョンでは機能していないという可能性もある。 ホラーとしての観点からは、サウンドが大変に良く出来ているという印象。敵に追われるシーンの発生タイミングやシチュエーションも上出来。ただしイベントシーンの多くは強制視点移動が無く、そしてFPPなので別の方向を見ていると何が起きたのか解らないという見逃しが発生する恐れあり。それと背景設定が明らかにされていないので敵の正体が何なのか、また複数存在するのか等がよく解らないのだが、心霊的?なイメージの現象やサウンドが発生する様になっている。探索すると謎の儀式的なエリアに遭遇したりもあり。 この初代デモにおける問題は敵のモデリングで、イベント発生と同時に敵に背を向けて逃げる分にはスリリングなのだが、敵をじっくり見てしまうとその造形やデザインにガッカリさせられる。まあここは将来的に改善する予定だったのだろう。 |
GRAPHICS & SOUND |
グラフィックスはランチャー上にて多項目に渡り設定が可能。リリース時期のインディーズゲームとしてはグラフィックスはハイレベルで、行動出来るエリア内の景観はややバリエーションに欠けるが、細部に至るディテールに関してはかなり良い出来栄えである。 3Dサウンドに対応。サウンド担当は別に作曲を本職とするNikita Sevalnev氏を雇っており、その非常に質の高い楽曲が恐怖感の演出に大きな役割を果たしている。 |
感 想 | 有名なだけあって高品質なホラーであるのは間違いなく、制作中止になったのは残念である。他者が権利を買い取って制作を続行するといった可能性が無い訳ではないが望み薄であろう。 小品ではあるがホラー好きならばお勧め出来る作品。 |
目次 HOME |