PROJECT IGI

                                   04/01/30


        48MB  EIDOSより発売中。日本語版有り


<概要>

 個人的にかなり前からBBSでは注目作として紹介してきた作品のデモが登場。今回はあるミッションの最初の部分だけが遊べる。

 ゲームの主人公は元SASの隊員であったDavid Jonesで、彼を操るFPSスタイルのゲームである。内容はミッションクリアスタイルのゲームで、最終的には全ての事件の背後に控える黒幕を倒すことにあるようだ。シングルプレイ専用のゲームでマルチプレイは無い。

 メーカー側ではこのゲームをThinking-Shooterと呼んでおり、これは向こうではThiefを紹介する時によく見た言葉でもある(発売元は同じEidos)。


 注意:ビデオカードにNvidiaのGeforce系カードを使用している場合、ドライバ(Detonator or Forceware)のバージョンが23.11以前でないとカーソルやHUDが表示されないというトラブルが発生する。これは現時点では直っておらずドライバを戻す以外には対策は無い。よって実質Nvidia系のカードを使っている人にはプレイは出来ない(或いは困難)と考えた方がいいだろう。


<GAMEPLAY>

 まずこれはどんなゲームなのかということだが、最初に私がこのゲームに関する情報見付けたのは丁度Soldier of Fortuneが予想外に売れ続けているという頃で(6月頃)、それに関連してこのようなゲームも開発中という記事を見た時だ。実銃系武器の使用というスタンスでSOFが3DFPSゲームに新たな可能性を見出したが、実はこんなゲームもあるよと。その時の情報では、

 *SOFのようなミッションベースのスタイルではあるが、もっとリアル系の作り
 *ただし特殊部隊物のような一撃で死亡というリアルさではなく、あくまでもゲームというスタンス
 *銃器に関してはこれまでのどんなゲームよりもリアルな描写にする


 その銃器を開発メンバーがデータ収集の為に実際に撃ちに行くのに忙しく、開発は遅れ気味という話だった。そして実際に完成したものは確かにその通りに仕上がっているようである(武器の出来に付いては私は詳しくないので分からないけれども)。

 主人公が(元)特殊部隊という点と単独でのミッション形式ということから、まず第一に連想されるのはDelta Forceシリーズであるが、ちょっとあれとは感触が違う感じである。DFが特殊部隊物の側から3DFPSに寄ったものだとすると、これは3DFPSの側から特殊部隊物に寄ったゲームと言える。通常のFPSよりは少ないがある程度の被弾に耐えられるし、ダメージを受けても1ポイントでも体力があれば動作に支障は無いとか、基本的な動作スピードとかは完全に3DFPSを思わせるシステムである。ただし戦闘バランスを考えるとまともに撃ち合っては生き延びることはかなり困難であり、頭を使ったStealth的振る舞いが必須となる。

 このデモだけでは全体像は掴みにくいが、敵に感づかれ無いようにというのが基本というのは間違い無いだろう。端末を操作してアラームを止めている間に監視カメラの下をくぐり抜けたりとか、或いはカメラの動きを見て感知されないように通過したりとか。戦闘も出来るだけ音を立てずに殺すというのが基本になる。ただGPSツールによりアウトドアの敵の位置やカメラ位置は把握出来るシステムのようなので、多少は楽と言えるだろうか。
 そういう意味ではSOFのような敵前に飛び出してバリバリ撃ち合うというゲームでは無いのだが、それほどステルス一辺倒という感じの作りでもないような印象である。デモでもライフルを手に入れればかなりの敵を狙撃で倒せるし、ある程度の数であればうまく立ち回れば撃ち合っても勝てる。ただ弾薬が少なくて弾切れをすぐ起こすので、いくら強くても戦闘オンリーでは難しそうな感じだが。


 大きな欠点はSaveが出来ない点。他のリアル系の物に比べると簡単とはいえ、回数限定で良いのでSave機能は欲しい。このデモだけでは何とも言えないがそこそこミッション時間は長そうなので、死んでしまった時にやり直すのが面倒である。特にSave出来ないと「実験」が出来ないので個人的には心証が悪い。どこまで近づくと見付かるのかとか、監視カメラの有効範囲とか.....。そういう点では優秀なSOFのSaveシステムに比較して見劣りする感じが強い。「簡単だから付けない」のではなく「簡単だからこそやり直すのが単調で詰まらない」という事を製作側はもっと認識すべきだろう。



<GRAPHIC>


 ゲームに使われているエンジンはフライトシムに使われている物だそうで、その為か広大なアウトドアの風景を速度的なストレスも無く美しく描き出す。特にゲームの最初のカットシーンではへリからのグラフィックなのだが、この時の下の地形描画は相当綺麗である。ゲーム自体も多くのミッションがその特性を生かすべくアウトドアに設定されているということだ。インドアの描画やテクスチャ系の出来については標準的な出来か。全体的には結構軽いと言えるだろう。

 追記:なおこのゲームだが、製品版も含めてGeforce系カードの場合照準が出ない等の不具合が有るようだ。解消にはDetonatorのバージョンを23.11 まで戻さないとならないという話だった。その後修正が成されたのかは不明。


      フルサイズ                     


<操作性>

 基本的な動作や出来ることは完全に3DFPSのそれであり、全く操作に違和感は無い。ハシゴを上ったりとかイベントがある時に一時的に第三者視点に切り替わるものの、感触そのものは3DFPS。覗き動作は出来るがリアルさ重視ということなのか、覗いた状態のままでは武器が使えない。また操作可能な物の前ではその出来ることがアイコンで表示されるようになっておりこれは大変便利(ロープの近くに行くとぶら下がった状態のアイコンが表示されぶら下がれることがわかる)。
 武器に付いては使用時の反動が非常に強かったりという物もありこの辺はリアルさの表れなのかも。ただライフルは全くブレも無く異様に正確という感じがしたが(SOFのそれのように)。



<AI>

 敵のAIについて。こちらが視界に入ったり物音を近くで立てれば敏感に反応するが、近くで仲間が撃たれてもまるで反応が無かったりということもある。遠方からライフルで近くのガラスを割っても反応は無く、実際に自分が撃たれて初めて反応を見せるという感じ。ただ一度警報が鳴ったりとかすると時間が経っても警戒を解かないようになっているようだ。全体的に物音に対して鋭敏に反応するように作られている様で、このデモでの出来は標準的と言えるだろう。



<総論>

 個人的には注目作なんで購入すると思います。ただ現在他のゲームでパンク状態なので、発売と同時にということは無いでしょう。評価についてもこれだけだと短過ぎてよくわからない面もあり、製品版を見てからとう言うことですかね。特にこれは一つのキャンペーンの中の最初の部分でしか無いので、ダメージや武器、弾薬はそのまま次に持ち越しとなるのか? ここでの行動が次の状況に何らかの影響を及ぼすのか(警報を鳴らしたので敵は既に警戒体制になっているとか)という面がハッキリわからず、それによってはここでの振舞い方が大きく変わってきますので。

 追記:結局購入はせず終い。相当ミッションは長いのにデモ同様にSaveが出来ないという点と、AIが相当問題有りという評価を目にしたので止めてしまいました。



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