WARHAMMER: END TIMES - VERMINTIDE
更新 15/10/25
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制作/販売: Fatshark Games 公式サイト STEAM |
発売: 15/10/23 日本代理店: 無し |
概 要 |
テーブルトップのミニチュアゲーム「Warhammer」の世界観をベースにした作品。ただしそのWarhammerシリーズの知識は一切無くても楽しめるというスタンスで作られている。同シリーズは広いテーブル上にミニチュアを並べてプレイするターン制のストラテジー系ゲームだが、各種判定を行う際にダイスの他にメジャー(ものさし)を使用するのが特徴。実際のプレイ風景はYoutubeなどに大量にアップロードされている。 大きく分けて二つの異なる世界設定を持ち、コンピューターゲームの世界ではWarhammer 40Kシリーズの方が有名である(TPSならWarhammer: 40,000 Space Marines等)。このゲームはもう片方のウォーハンマー ファンタジーバトルの世界を扱っている。私自身も知識は無いのだが簡単に説明すると、こちらの世界(オールド・ワールド)は中世の様なイメージを持っているが魔法やモンスターなどが存在している世界設定。そこには“混沌”と呼ばれる全ての物を変質させる力が存在していて、これは一般的には悪とされている忌むべき存在であり、これに影響を受けて変質してしまった人間(ミュータント)は処刑される定めなのだが、中にはその力に憧れて混沌を崇拝する組織や人間も存在している。 サブタイトルの“The End Times”は現在最新のルールブック第8版に基づき2014年からスタートした新しいシリーズ。このゲームでの敵となるのはスケイブンと呼ばれる種族で、地下世界に暮らす混沌の生み出した人間型ネズミ風の生物。知能が高い物も含まれており、地上の混沌を信奉する人間達と手を組んで活動もしている。このスケイブンが地上に進出して占領状態に置かれているUbersreikを舞台に、そこに集まった5人のヒーローが活躍するというのがストーリー。 開発はスウェーデンのFatshark。版権を持つGames Workshop社が全面協力している。Fatsharkは多作でタイプとしても幅広い作品を制作しているが(Krater, War of the Roses, Escape Dead Island, Bloodsports.TV等)、このWETVは会社としては最大且つ桁外れに大きなプロジェクトであるとしている。プラットフォームはPC, PS4, Xbox Oneだが、コンソール版はまだ発売時期が明らかにされていない(多くのサイトでは2016/Q1となっている)。 なおタイトル表記はロゴでは“The End Times”だが、店でのゲーム名表記は“End Times”である。“vermin”は害獣、“tide”は栄枯盛衰, 潮流といった意味合い。 定価は$29.99と比較的安めの設定になっている。予約セールは終了してしまったが、今現在ではGreenmanGamingが割引クーポンセールを行っているので安い。ゲーム内限定アイテム等が付いているコレクターズエディションもあり。有料&無料のDLCも制作される予定だが、ミッションを含んだ有料DLCはホストさえ持っていれば参加出来る様にしてプレイヤーの分断を避ける方針だと約束している。 |
動作環境 | |||||||||||||||
DirectX 9.0c以上要 32bit版OSはサポート対象外と記されている。最低メインメモリが6GBなので無理な訳だが、「現時点では」の但し書きがあるので将来的には対応させる為の修正が行われる可能性は残されている。 現時点では結構な数のトラブルが報告されている状態で、ユーザーからのログデータを集めて解析中の段階という問題も含まれている。以下に幾つか対策等を書いておく。 *起動しない, 途中で落ちる等の全般的なトラブル Steamなのでトラブル時の基本として、まずはゲームキャッシュの整合性を確認してみる。(ライブラリからゲームを右クリック → プロパティ → ローカルファイルタブ → ゲームキャッシュの整合性を確認)。インストールされたファイルに破損等が有ればこれで自動的に修正される。 これでも駄目な場合には、上記の整合性確認を行った後に、PCを再起動。そしてスタートボタン → 検索ボックスに %appdata% と入力。Roaming → Fatsharkフォルダを削除して内部設定をリセットしてみる。 他には定番だがビデオカード&サウンドのドライバ更新。それと滅多に居ないとは思うのだが、ゲームが起動している最中にはSteamが動作している事が必要なので、ゲームの起動後にSteamを終了させたりしない事。なおLANでのプレイ時にも全員のPCがSteamに接続している事が必須となる。 *ランチャーが起動しない 起動時にランチャーが表示されない場合、起動時に Run without launcher の方を選択してランチャーをスキップしてみる。 *ランチャーからスタートボタンを押すと即ゲームが落ちる, ランチャーをバイパスしても落ちる, イントロムービー後に落ちる \Steam\SteamApps\common\Warhammer End Times Vermintide\launcher 内の launcher.exe \Steam\SteamApps\common\Warhammer End Times Vermintide\binaries 内の vermintide.exe 上記二つのファイルの互換性タブにて、「管理者として実行」と「互換モードで実行」にチェックが付いていないかを確認。付いているなら外す。次に上記の%appdata%検索から設定ファイルを削除。最後に \Steam\SteamApps\common\Warhammer End Times Vermintide\_CommonRedist の中のライブラリ6個を全てインストールしてみる(初回起動時の自動実行が失敗しているケースがあるため)。DXSETUP, NDP451-KB2872776-x86-x64-AllOS-ENU, vcredist_x64 2個, vcredist_x86 2個。 *起動時に version mismatch \Steam\SteamApps\common\Warhammer End Times Vermintide\bundle フォルダ内に .patch_0 ファイルが存在するなら削除する。 *"Error loading backend plugin" 現在調査中。なおマスターサーバーがダウンしていても発生する可能性がある様なのでメンテナンス中ではないかを要確認。 こちらが調査関連のスレッドで、ここに有る別バージョンのファイルをダウンロードして SteamApps\common\Warhammer End Times Vermintide Public Test\binaries\plugins の中に有る同名ファイルと差し替える事で治るケースもある(表記されている別のエラー発生もあり)。 *DXGI_ERROR_DEVICE_REMOVED 或いはPCがリスタートしてしまう問題 現在調査中。こちらのスレッドで協力者を求めている。ツールをダウンロードしてデバッグモードを使いログを採取して欲しいという件。 *パフォーマンスが悪い これも現在調整中。設定項目にカーソルを合わせるとCPUとGPUのどちらにどれだけの負荷が掛かるかを示す機能を持つので、それを参考にして弱いと思われる方を下げるとかでテストしてみるのが第一。特にCPU負荷が高目のゲームとされている。それと設定項目にはアンチエイリアシング等スクロールダウンしないと表示されない部分もあるので注意。 なおこのゲームでは敵が大量発生して画面を埋め尽くすシーンが在る為に、そういったCPU負荷が高くなるシーンではグラフィックスの設定に関わらずFPSの低下が発生する仕様になっている。よってそういう際に目立つのならばCPU負荷の方を下げる事を考えないとならない。主に影生成関連, 物理演算関連(Physics), オーディオのクオリティ。 幾つかのバックグラウンドで動作するアプリの悪影響が報告されている。Rivatuner, MSI Afterburner, Fraps, ストリーミングアプリ等。 フレームレートの設定では最大値を60や30へと下げると効果があったりもする。Max Stacked FramesをAutoから1に変更したりも効果が報告されている。 |
BASICS | ||||||||||||||||||||||||
<注意> 予約購入した人はオープンβ版にアクセスしてプレイ可能にされており、そこでプレイしていたのでもう少し早目に掲載する予定だったのだが忙しくて予定がズレてしまい、先に製品版が正式発売されてしまった。よってここでの内容はそのβ版(主にBeta 0.9.9b)を基にしての情報や感想となる為に、製品版とは異なる部分が在るかもしれない点をお断りしておく。 能力の異なる5人のヒーローが主人公で、彼等の中から4人を選択してパーティーを組み戦って行くCo-op重視のFPS。最初に言及しておくべき点として、ゲーム全般のシステムなどがかなりLeft 4 Deadシリーズに似ているゲームである。これについては制作側も認めており、L4DはCo-op用のゲームとして大変に優れたシステムを備えているのに、それ以降同系統の4人Co-op用ゲームが数多く発売されたにも関わらず、同作のシステムを継承したタイプの物が現れない。それなら自分達で作ってしまおうという話になったそうである。以下に似ている点を幾つか挙げてみる。 ・常に4人チームで行動するdrop-in/drop-out型のCo-op。プレイヤーが足りない分はbotが操作し、誰かがJoinしたらbotに置き換わり参加、落ちたら即botが切り替わって操作を担当するというシステム。 ・AI Directorに当たる存在が進行を管理しており、予め設定されているイベント以外の場所でのラッシュはランダムに行われる。特殊感染者に当たるタイプの特殊な敵の出現も特定の地点とは決められていない。またチームのパフォーマンスが悪いケースでは攻撃を弱め、逆にチームワークが良いケースでは敵の数を増やして崩しに掛かるといった調整も行われる。 ・離れて単独行動するプレイヤーが捕まえられてしまうと、自力では脱出不可能なタイプのスケイブンが存在している ・メディキットは自分以外に他者に適用も可能。別にピルタイプの回復ポーションも有り。 ・ダウンして蘇生が間に合わなかったケースでは、しばらくして別の場所にて縛られた状態で放置される。味方が到達して開放するまでは動けない。 ・味方プレイヤーの外形は障害物を通しても確認可能 ・味方プレイヤーとの接触判定は無し。すり抜けて移動出来る。 ・アイテム類の配置場所はランダムな物が多い スケイブンを敵役に持って来たのは、開発チーム内にファンが多いのにWarhammerの世界ではあまり大きく扱われていないからという不満もあったそうである。コンピューターのゲームとしてもWarhammer: Shadow of the Horned Rat(1995)以来存在しないのではと述べている。 プレイヤーが拠点とするのはThe Red Moon Inn。ここがマルチプレイのロビーにもなり、ヒーロー(クラス)を選んだり、ミッションを選択したりが可能である。なお4人パーティーの編成はどの様な内訳でも構わないが、同じヒーローが存在する事は出来ない。以下は簡単な5人のヒーローの紹介。
ミッションは中央のテーブルから選択。初期は最初の物以外ロックされているが、他人のサーバーにはどれでも入れる様で、またプレイすればそれはアンロックされる。ここではサーバー検索にフィルターを設定可能で、難易度の他にサーバーとの距離(Near, Middle, Far, World)、ホストになるかどうかを設定出来る。ヒーローフィルターは使いたくないヒーローをチェックする方式となり、特定の者を使いたいならばそれ以外に×印のチェックを付ければ良い。接続したサーバーにて現在選択中のヒーローが既に使用中の際には空いているヒーローが表示されるので、そこで選択するかキャンセルかになる。 宿屋でLキーを押下すればサーバーブラウザにもアクセス可能。ただこれは現状では上の2つ以外がすぐに表示されず、表示されても数秒で消えてしまうという問題あり。こちらだとサーバーを選択する際にレベルを考慮しなくなる為、同レベルのプレイヤーをなるべく揃えるオートマッチングの方をなるべく使ってくれという話だと思われる。 ロビー画面ではF2がReadyになるので忘れない様に。ミッション終了後は投票画面になり、ロビーに一旦戻るか次のミッションをどれにするのかを投票可能。 ソロでプレイしたい場合には右下に有るPrivateボタンにチェックを入れておく。 |
システム |
経験値を得てのレベルアップ要素あり。ただしアトリビュートなどのパラメータは存在せず、レベルアップしても能力が上がるとかは無し。経験値はミッションを失敗しても入手出来るが、成功した際のクリアボーナスや生還ボーナス等を加えた物に比べるとホンの少しだけしか貰えない。現在の経験値や次のレベルへの必要値を見られる画面は無く、クリア時の換算画面でしか確認は出来ない仕様。 武器や装備品に使用レベル制限は無く、後に説明するが武器はTraits(特性)をアップグレードして強化する方式。基本能力の強化に使うのはTrinkets(装身具)で、これは様々な能力値を上昇させたりが可能。スロットはレベルによりアンロックされて最大で3個。各アイテムのレア度の判別には例のカラーが使われており、白 → 緑 → 青 → オレンジの順によりレアとなる。 ・一人称視点固定。メディキットの適用時などに三人称に自動的に切り替わる。 ・外部視点キーは有るが見られるだけで自分は動けない ・FOVスライダー有り。垂直FOV変更方式で45〜120度(デフォルト65)まで可変。16:9のアスペクト比ならば水平FOV72〜144度(デフォルト90)の意味。 ・難易度は5種。上二つはミッション単位でロックされている。ホストのみが対象でアンロックしていなくてもサーバーに入る事は可能。 ・Friendly FireはNightmare以上でオンになる。ただし近接攻撃には無し。 ・ソロでプレイしている時でもポーズは掛けられないので注意 ・連れて行くbotが使うヒーローは選べない ・ヒント表示機能を持つが戦闘中だと確認し辛い ・マップ最初にインベントリーが有って、スタート後はここでのみ装備交換可能 ・ジャンプと屈み有り。歩きは有るがスプリントは無し。 ・照準は武器によって変わる ・置かれているアイテム類はハイライト表示される ・Ping操作(Tキー)でアイテムや敵を指し示してハイライト可能(発言もする) ・所持アイテムを味方に渡す機能は無し(置いてあるアイテム交換等で経由しないと不可) ・弾薬は無限補給箱タイプと一人だけが取れるアイテムタイプがある ・爆弾を1個所持可能。ノーマルと火炎タイプ。 回復関連。回復には二種類の方法があり、片方はメディキットでこれはヘルスを90%程度まで回復してくれる。こちらは自分にも味方にも適用が可能。ただし適用完了までに時間が必要というデメリットがある。もう一つはDraught(ポーション)でヘルスを絶対値で30程度回復する。適用は自分のみという制限有り。利点は即時適用可能な点で、他者が倒れて自分だけのケースなどではメディキットを適用する時間が取れない為にこちらの方が役に立つ。 ダウンするとその場で動けなくなり、誰かに助けて貰うしかない。助け起こすまでに掛かる時間はL4Dに比較すると短いという印象。それと助け起こしを中断した場合に、そこまでの出血ゲージの回復分はそのまま残る様である。ダウン後の復活はヘルスが白状態になり徐々に減って行く(ただしゼロ近くまでは行くが死なない)。ダウン回数による変化があるのか詳細は未検証。 ポーションのスロットが有って1個携帯出来る。ストレングスとスピードの2種類だけの模様。飲むと一時的に能力が上がるが継続時間はかなり短い。だが逆に数は多いので気軽に使える。 他ヒーローのアウトライン表示はオブジェクトに隠れた状態でオンになるのがデフォルトだが、常にオンにしておく事も可能。このゲームはL4Dシリーズに比較して視覚的に乱戦時の味方位置の把握が難しく、常時オンにしておいた方がやり易いという感想。後は暗い場所では周囲が確認し辛くなるレベルなので、全体的に明るめの設定にしておいた方がプレイし易いだろう。 |
LOOT / FORGE | ||||||||||||||||||||||||
報酬としてのアイテムのアンロックは各ミッションの終了後に行われる。一つはレベルアップ時に自動的に与えられる方式だが、もう一つはミッション終了時に常に行われるダイスロールにより決定される。原作がダイスを振って遊ぶゲームなのでそれを踏まえての演出なのだろう。 基本は7つの6面ダイスを振って当たりが何個出るかで、各ダイスの当たりは2面なので確率的には1/3。向かって右側が報酬となり、一番下がデフォルトで貰えるアイテム。全部外れた場合がこのアイテムとなり、後は当たりの出た数に応じて最大で7段階報酬ゲージが迫り上がって行く。この状態でも上位のランクを入手出来ない事はないが、1/3のダイスを7個振って6,7個当てるというのは確率的には相当厳しい。そこで特別なダイスが三種類用意されている。
上記の様にクリア後のダイスロールの成功確率を高めるには出来るだけ高確率のアイテムを持っていたいのだが、それぞれに大きな代償を払う事になっている。Tomeの方は差し替え出来るのでまだ良いが、それでも3人が持っているとメディキットの携帯者がそれだけ減る訳でラッシュ時に全滅の危険性が高くなる。なおbotはメディキットが無い状態ならばTomeを持って移動する様になっている。 Grimoireはもっと厄介で、まず大事なのは捨てると拾い直せないという点。ルールを知らないプレイヤーが拾ってしまい、その後にポーションを拾い直すとそれで消えてしまう(現在は誤ってポーションを拾わない様に修正され、意図的に捨てる事を選択しないと捨てられなくなった)。更に携帯している状態では全員のHPの最大値が減少してしまう為に生き延びるのが相当厳しくなる。 念の為に書いておくと、クリア時の回収アイテムはパーティーの成績であり、特定の持っていた個人だけがそのダイスの恩恵を受ける訳ではない。回収時のボーナスXPも全員に入るが、これはかなりの高ポイントなのでそれを考えてもなるべく回収してクリアしたいのは確かである。しかし途中で全滅すればダイスロールは出来ないので、状況によってはパーティー内で相談をしていずれかのアイテムを捨てるという選択をする必要も出て来るだろう。 受け取れるアイテムは必ずしも使用していたヒーロー用の物では無い(だが不満の多さから該当確率はパッチで高められた)。あとは余談だがダイスロールは単なる演出で、ダイスを振るボタンを押す前に内部で結果は出てしまっているそうだ(ダイスの目に関連する実績が振る前に解除される事から)。気合いを入れて振っても既に遅しという話。 Forge(鍛冶)は宿屋に有るアイテム類の合成やアップグレードのシステム。そこに直接アクセスするかショートカットキーでもOK。アイテムの出現がランダムと運に左右されるシステムなので、欲しいアイテム或いは良いグレードの品が入手出来ないという事も起こり得る。それを補う為の場所で、ここでは三種類の作業が行える。 Fuseは融合。同じレア度(色)の武器を5個並べて融合させると、一段階上のレア度の武器を作成出来る。出来る武器は並べた武器種の数によって確率が決まる。もし同じ武器を5個並べれば必ずその武器になるし、2個と3個ならばそれぞれ40%と60%でそれぞれの武器になる。 Upgradeはレア度Common(緑)以上の武器が対象。これらの武器にはアップグレード用のアイコン(Traits)が付くので、それをアンロックして有効にする。アップグレードは各武器に3個用意されており、2個目3個目と後にアンロックするほどコストは高くなる仕組み。 Salvageは上記2つの作業時にコストとして必要なShardsを作る場所。要らない武器をここで溶かしてShardsに変換する。溶かした物と同じレア度のShardsが出来上がる仕組み。 ここまでを読んでいただいても解ると思うのだが、ルートに関しては相当に地味というのかあっさりしている。根本的にアイテム類のカテゴリが4つだけと少なく、またそれぞれに用意されている数自体もそれ程多くは無い模様。Diablo系統の多種大量のアイテムが用意されていて、それを体の様々な箇所に装備出来るというゲームでは無い。FPSでルートに力を入れている物だとBorderlandsシリーズが連想されるが、こういったゲームではボス戦でレア物のドロップチャンスが多いものの、その道中でも敵や宝箱からランダムで色々な物が入手可能であり、いわゆるくじ引きを何回も定期的に楽しめる。しかしWETVでは20〜30分程度掛かるミッションクリア時に一個アイテムが入手出来るだけであり、くじ引きの楽しみはそこだけしか味わえない。Forgeによるアイテム生成やアップグレードも繰り返しのリプレイが必要となり時間が掛かり過ぎる様な気がする。 個人的にはこういったルートを重視したゲームが好きな訳では無いので大きな欠点とは感じないが、何か宣伝文句を読むともっとルートアイテムが豊富でそこを楽しめるゲーム性であるかの様に書いてあるのはどうかと思う。その辺に重きを置く方は注意が必要。掲示板でもその点には不満の意見が多い様で、将来的にはもっとその辺が好きな人向けにルールが改訂されるかもしれない。 |
GAMEPLAY | ||||||||||||||||
ミッションの数は13個。ちゃんとキャンペーン用のストーリーも備えている。マップ数という観点で見ると13個は少ない様にも思えるが、それぞれが結構長いのとリプレイ性を重視しているというデザイン。 β版での話になるがマップはかなり広く、またマルチルートだったり脇道が多かったりと相当入り組んでいる。よって宝箱類を探し廻るのも結構時間が掛かるし、また初見だと方向ガイドも無い為にどちらへ行けば良いのかが判り難い構造でもある。ミッション内では特定のアイテムを指定数だけ目的地点まで運んだり、対象物を破壊されない様に守ったりと各種イベントも用意されている。 L4Dで言うところのAI directorの能力がどれ位なのかはまだ未知数だが、確かに一般エリアでラッシュが発生する箇所はランダムだし、特殊なタイプの敵が出現するタイミングも異なっている。その意味でランダム性の確保には貢献していると言えよう。一方でWETVでは所持武器が固定なので、道中で入手出来る武器というランダム性が無くその点では劣る。 多数のL4Dとの関連性を述べたが、当然丸っきりのコピーでは無い。最大の違いは近接戦闘をメインにしているという点。基本として武器の攻撃方法は通常とチャージの二種類で、通常攻撃での振りの方向や角度は連打によっても変わり(三連打まで?)、また武器によっては同時に動いている方向に応じても変わったりする様だ。チャージは溜めてから攻撃するやり方で(0.5秒程度。溜めのアニメーションが終了するのを待つ必要は無し)、こちらはダメージが大きい他にアーマーに対して効果的という様に設定されている。 L4D2では近接武器は使い勝手が良く、水平に軽々と振り回して広範囲のゾンビを次々になぎ倒せるというイメージが強いが、このゲームではそうなっていない。まず相対的に敵がタフであり、一撃で簡単に倒せる様には設定されていない。武器も万能では無く、中速で高ダメージだが正面の敵にのみと範囲が狭い, 高速である程度範囲は広いがダメージが低い, 横殴りで広範囲且つダメージが高いがモーションが大きいので連打出来ない、という風に一長一短である。その為に敵の軍勢に正面からド突き合いを挑むと、敵の攻撃がこちらにも入るので徐々に体力が削られて行ってしまい、そしてそれを回復出来るほどにはメディキットは置かれていない。つまり左クリックをひたすら高速で連打していても勝てないバランスである。 そこで重要となるのが防御で、ブロックを成功させる事で敵を一時的に怯ませる(バランスを崩す)事が可能である。更にこのブロック状態から攻撃をすることでPush(押し退ける)が可能で、これは敵を転ばせたりとより効果が高い。そこでこれを使って敵を無力化してからそのスキに攻撃したりといった戦法が有効になっている。ただし幾らでも使える訳では無くそれぞれの武器にはスタミナが設定されており、プッシュするとスタミナアイコンがその数だけ表示されて、それが尽きたら回復を待たないとならないので万能では無い。もちろん相手の種類や数、自分の現在のヘルスによっては単純に攻撃一本で連打した方が有効なケースもあり、その辺は状況に応じて使い分けが必要と奥が深いゲームにもなっている。 他には咄嗟に敵の攻撃を避けるドッジが用意されている。どういう風に発動させるのかは設定で何種類か選択出来るが、ワンキーで大きく下がれるバックドッジは有効としても、ジャンプキーを使用する左右ドッジは成功率が落ちる上に移動距離も少なく微妙。ダブルタップするUnreal Tournament形式を推奨する人が結構居るが、私もその方式を選択可能にして欲しいと考えている。 銃器の方も一緒で万能型は存在しない。強力だが一発毎にリロードするので連射出来ない, 強力だが近距離専用, 弱いが連射可能で装弾数も多い、といった感じである。弾薬数も無限補充エリア以外はあまり用意されていないので、弾薬ゼロでしばらくプレイしないとならないという状態に陥ったりもあり。総じて銃器の威力はL4Dに比べるとずっと弱く設定されており、強力な敵を離れた場所から倒すとかが一番有効で、大半は近接による武器戦闘を用いるゲーム性である。 敵の数は全体的に多目で、初期配置はプレイの度に異なる。ラッシュになると次々に湧いて出てくるとか、一度クリアしたエリアでものんびりと探索していると再度出現してくる等、この辺はL4Dと全く一緒。その一方で敵のAIもL4Dとは異なる大きな特徴の一つだと主張している。違いはゾンビ(特殊感染者)とは異なり知能を持っており、単独になったら逃げるとか、曲がり角で待ち伏せしているとかの動きも見せてくる。逆に味方を考慮しないという自分本位の性格を持っており、飛び道具などでの攻撃では味方を巻き込むとかの関係無しに行って来る為、それを利用しての同士討ちを狙うというのも可能。行動範囲の方はL4Dと同じくプレイヤーが行かれる場所には敵も到達出来るという条件で、様々な段差や高台へも上って来られる能力を持つ。 特殊タイプの敵の方はL4Dに影響を受けた物の他に、独自の物が追加されているという設定。同種の特殊タイプが同時に複数体出現する可能性は低難易度でも存在している。
β版での印象では少なくとも低レベルの内は難易度は高い。L4DシリーズのNormalがこちらのEasy程度ではないか。更にダイス用アイテムを抱えてクリアしようと試みると難易度が跳ね上がるという特徴を持っている。しばらくは低レベルのプレイヤーだけでNormalに臨むのは避けるべきだろう。 死亡してからゲーム内に復活する際には常に結構先のエリアに置かれるので、味方が到達するまでの待機待ち時間はL4Dと同様に長目である。また人数が足りない時間が長くなる事から難しくもなっている(L4Dでは欠けた状態ですぐに進まずに近くにスポーンする可能性を待ってみるという作戦がある)。後は特殊例だが死ぬとアイテムをその場に落とすというルールなので、TomeとGrimoireもその場にドロップしてしまう点にも注意しないとならない(グリモアはどうなるのか不明)。Tomeの方も助けに行けない地点で死んでしまうと回収出来ないハメになる。 botは現段階では頭はあまり宜しくない。距離が離れるとテレポートで追い付くので置き去りという事にはならないが、ソロで3人引き連れるのならば低難易度にて練習時に使うという位ではないか。L4Dほどメディキットを乱用はしないとは感じたが、爆弾を使えないので持ち歩かないとか、ガトリングが出ると隠れようとして変な動きになる等の問題も見受けられる。 |
GRAPHICS / SOUND |
AutodeskのStingray engineを使用。3Dモデリングツールの支配者Autodeskが今年リリースしたマルチプラットフォーム用の新ゲームエンジンだが、元々これはBitsquidと呼ばれるエンジンを買収した物で、それを開発していたBitsquid社のCEOはFatsharkのCEOでもあるという関係。つまりこれまでのFatshark社のゲームもBitsquidエンジンで制作されており、特に新しいエンジンに切り替えたという話では無い。 グラフィックスはプリセットが5種。それ以外の項目も細かく変更が可能。私の環境では最高にすると重かったので、掲載しているSSは上から二番目のHighが基準となっている点をお断りしておく。最高設定は4Kレベルの最高峰ビデオカードが推奨されている。 グラフィックスのクオリティは勿論だが、今回特に力を入れているのが近接戦における画面からのフィードバック。いわゆる手応えの意味で、攻撃した通りに画面上からそのリアクションが感じられないとならないとしている。剣で切った場合には胴体や首が跳ね飛んだりするし、噴き出した血も周囲に飛び散ったり床に流れて溜まったりを再現。Pushで押せばよろめいたり転んだりが発生, ショットガンなどで撃てば物理演算により吹き飛びを表現, 弓矢が当たれば壁にそのまま突き刺さってぶら下がって揺れる等が行われる。設定にもよるがラッシュ時には死体の山が築かれたりとなかなか出来は良い。 ただ出血は黒なのでそれ程派手には見えないという点と、物理エンジンのラグドールでは例のプルプルと震える状態になってしまうというトラブルも結構見られる。 サントラはJesper Kydが担当(Hitmanシリーズなどで知られる)。出力はスピーカーとヘッドフォンの選択になっており、スピーカーの方は3Dサウンドに対応している。 |
総 論 |
近接戦闘に重きを置いたLeft 4 Deadという感じ。システム的にも似通った要素が多く、単独行動すると危険とかで皆で協力する事を半強制的に実現している。単に皆で戦闘していればほぼOKでは無く、実際に協力しないとならない点を重視したCo-opが好きなプレイヤー向きのゲーム。特にアイテムを持ってクリアする事で大きなボーナスを得られるが、それだけ全滅の危険が高くなるというシステムは面白いと思う。当然L4Dが好きな方にはお勧めだが、銃器類はあまり使わないのでそこは好みが出るだろう。 まだそれ程プレイしていないので(LV7)、多数回のリプレイに耐え得るのかについてはまだ不明。レア度の高い武器やアイテムのアンロックに相当回数のリプレイが必要となるとそこは重要になってくる。 解説した様に少なくとも現状ではルート関連のシステムはかなり地味である。敵を倒したり宝箱を開けてレアアイテムを出すのが楽しみという方は注意。このルートのシステムは現在の中途半端なシステムだと危険かなという感も受ける。L4Dの様に一切無いなら無しで良いが、もし用意されているならある程度はレア物ゲットの要素を派手にしないと不満が生じるという面がある。 レベルアップをしながら徐々に難易度を上げてレア物を入手してくれれば良いのだが、皆が最高難易度レベルまで上達する訳ではないし、ずっと長時間リプレイしてくれる訳でも無い。Borderlandsみたいに現在のレベルからしたら性能の良いアイテムが出続けるなら低レベル段階でも楽しめるが、WETVでは入手数が非常に少ない上に低レベルでは大した品が手に入る確率が低く、その辺で止められてしまったらそれまでとなる。そうなるとルート関連はマイナス要素と判定されてユーザーへの印象は逆効果となり、むしろ一切無い方がまだマシだったという話にもなりかねない。とりあえず初期時点で選択可能な武器を数倍に増やすとかでも良いし、トレード要素を導入して高レベル者からもう要らなくなった高レベルアイテムを譲り受けられる様にするとかも一つの手となるが、何にせよこの点は早期に改善した方が評判に悪影響を与えない様にする為にも好ましい。 |
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