GORE

                                  02/07/25

      4D Rulers Softwareより発売中   公式サイト



<概要>

 今年3月にリリースされたTEST1に続く第二弾のデモ。マルチプレイでのバグ修正とビデオ関連の互換性テストという目的なのは変わらない。ゲームの配給元はどうやら決まったらしい(DreamCatcher)。かなり前から開発は伝えられており、相当長い事製作が続いているゲームでもある。

 ここのレビューはTEST1の物を書き換えて作成したTEST2時点の物で、現在のFinalデモ(105MB)はシングルプレイヤーモードも含んでいるので、bot相手に戦って遊べるMapもある。





<STORY>

 詳しい内容は不明だが、資源が枯渇し荒廃した未来社会で新たに発見された特殊物質。それを利用して開発されたコンピューターによる仮想戦闘シミュレーターでの戦闘物。まあ一言で言えばUnreal Tournamentの様な物である。ストーリーのあるシングルプレイは無く、Q3AやUTの様にラダー形式で決められたMAPをBot相手にデスマッチ等で勝ちあがって行くというゲームになる。

 追記:これは変更されているので注意。現状UTやQ3の様にbot相手に遊ぶ事は出来ない。ほぼマルチプレイ専用で、練習程度の短いシングルプレイモードが付属するのみ。botをサポートするパッチが出るという話はあるようだが出ていない。


<特徴>  −TEST1より−
 
1.キャラクタークラス
 このゲームの第一の特徴はキャラクターをクラス分けしているという点である。開発元の話では2D(3D)格闘ゲーム+3DFPSというイメージらしい。異なった特質を持ったキャラを選択してその特徴を生かして戦うというスタンスだ。この様なクラスシステムはTeam Fortress等のチームゲームでは既にお馴染みであるが、デスマッチ系では確かに珍しい。キャラクタにより異なるのは[移動スピード][初期ヘルス][スタミナ][落下ダメージ量][種類別ダメージへの抵抗力][当り判定の大きさ]等。

2.スタミナ
 このゲームではスタミナというパラメータが用意されており、これが減ると息遣いが荒くなり移動スピードが減少、更に減ると昏睡状態となり目の前が暗転してしまう。回復にはスタミナアイテムを取るかじっとして自然回復させるかになる。このシステム自体は最近ではSOFのRealisticモードでも見られたが、Goreではもっと細かなシステムとなっている。走ったりジャンプで減るのはもちろん、受けたダメージや持っている武器の重量でも減り方は変わってくるのだ。これはつまりロケットランチャー等を使うにはパワーのあるキャラを選択しないと不利という事。

3.オブジェクト
 全てのオブジェクトを破壊可能。ただRed Factionの様に壁を破壊可能とかでは無く、武器や弾薬・ヘルス等のアイテムを破壊可能ということ。敵が取ろうとしたところを破壊してやったり、弾薬や武器を撃って爆発させて倒したりという戦術が取れる。



<GAMEPLAY>

 まずTEST1からの大きな変更点として使用出来るキャラが今回は4種類になり、前回の3種類のキャラとは全く別の物となっている。これは新しく追加されたキャラのテストなのか、以前のキャラは無くなっての完全な変更なのか、サイトが更新されていないので正確にはわからない。今回のキャラはやはり特性は異なっているのだが、前回ほどの差は無い。どれを取っても勝負にはなるという感じである。UMC(正義側)とMOB(悪漢側)にそれぞれ二人ずつのキャラタイプがあって、チーム戦では取ったキャラの存在側によってチーム分けが成される。
 4種類のキャラクタは基本移動速度やジャンプ力が違っており、またデフォルト(復活時)で持っている武器が異なっている。なおこれらの武器にはMAPでは補給出来ない物=そのキャラしか使えない物も存在する。武器制限に関してはほとんどの武器はOKだが、中にはキャラによって使えない武器もある様だ。同じ武器でも使用キャラによってダメージが変わったりするのかどうかは未確認。

 肝心のゲーム内容だが、どのキャラでも使える様になったのはプラス点だが、その分”個性化”という面では後退した様な印象。この辺は難しい所だがより多くの人に受け入れられる為には今回のようなバランスの方が良いと思われる。チーム戦中心のゲームであればもっと個性化を進めても良いと思うのだが、デスマッチにも力を入れるとなればある程度のバランスは必要だろう。
 プレイにおいてはスタミナ切れまでの時間は前作ほどでは無くなっており、その為ストレスは減少している。移動も普通か速いかなので気にならないレベルだ。むしろあまりにも速過ぎて感覚的に慣れるまでに時間が掛かるだろう。とにかく速いし(スタミナUPアイテムを取ると更に加速する)ジャンプ力もあるので、UTやQ3をやり慣れていると戦闘時もちょっとやりにくく感じる(Quakeに似ている)。まあ慣れれば問題無いのだろうが。

 戦闘(武器)については2種類の攻撃方法があるUTタイプにより近付いた印象で、かなりその数は増えている。一つ特徴的なのは点で無く面で狙う武器が多い事だ。移動速度が速い割には即着弾系の武器はそれほど無く、それ故点で敵に当てるというのは結構難しい。その為だと思うが、グレネード系のスプラッシュダメージを与える武器が多く、他にも広がる有毒ガス弾でスタミナを奪ったりとかダメージを与える球体を発生させたりとか、広い”面”に対してダメージを与える武器が目立つ。これはこのゲームをどう見るかの評価が分かれる大きなポイントとなる所だろう。
 基本的にスタミナが無くなっては終わりなのでそこに気を付けないといけないのだが、ダメージを与える事でスタミナを奪ったりも出来るのでジワジワと削って動きの鈍った所を倒すといった戦術も使える。この辺は新鮮で面白い部分だ。人によってはスタミナという要素は気にいらない面もあると思うのだが、個性化の為にはこの位は問題無いと個人的には感じる。

 問題点は、まず弾薬が少ない事。すぐに弾切れを起こしてしまうのでやりにくい。それと弾薬が無い武器でも選択出来てしまうのも難有りだ。意図的にこうしているのかどうかわからないのだが、ホイールでの武器チェンジで弾の無い武器まで出てくるので非常にやり難い。6,7個武器を持っているのに使えるのは1,2しか無いと言った状態が頻繁に起きるので.....。

 MAPは3種類収録で1つは前作の改良版。前回は狭い感じですぐに敵と遭遇する構造だったのだが今回は広くなっており、逆に多人数で無いとなかなか人に遭遇しないようになってしまった(^-^; 8人位いないと面白く無い印象。ゲームモードはデスマッチ、CTF、Tacticalの3つが用意されているが、デスマッチのMAPを容量節約の為に使い回しをしているとの事で、CTFはデザイン的にあまりおもしろくないし両軍の陣形がアンバランスか。


<GRAPHIC>

 これは相当クオリティがUPしている。単純に前回とはデモサイズが倍近いのだが、その分テクスチャ系統の解像度が上がったようだ。最高レベルにすると結構綺麗で、ゲーム自体も非常に軽い。前回の平凡さとは見違えた様に感じる。エフェクト系もショボイ感じは無くなり、それなりに良くなっている。ただ火炎放射器のエフェクトは相変わらずで、どうも炎も含めて好きになれない。
 Armorが部所別にキッチリ表示されるのは変化無し、敵の表情等が状況に応じて変化するのは今回はキチンとは確認出来なかった。キャラクタデザインも相当よくなっている。。タイトルにもある流血・残虐表現については相変わらずそれほどでもない。肉片が飛び散ったりはするが特に珍しくは無いし。

 それと気になったのが、このゲームではスタミナが減ると失神してしまうのだが、その間のグラフィックが自分からは地面に手をついて視界が暗転といった様に見えるのが、他人からは倒れて死んだ様に見えるらしい。ハッキリと確認した訳では無いのだが、手を付く動作をしてから地面に伏せる様だ? こういう時にわかりやすいグラフィックを用意しておいてもらわないと、見掛けても一瞬攻撃していいのか迷う。そうでないと死体なのかスタミナ切れなのかわからないので.....。


    フルサイズ                  



<SOUND>

 容量の関係からかサウンドはそれほどでも無い。3Dサウンド対応になるのかも不明。ただ断末魔の叫び声だけは何故か力が入っているような....


<NETPLAY>

 まずネットプレイに関しては確実に改善されている。Ping200から400程度の所4,5箇所で遊んで見たがほとんど問題無い。特にパッチを当てると目に見えて改善される感じだ。一応マルチ中心のゲームである以上は軽さは死活問題だが、この位軽ければ問題無いだろう。ただし現在パッチを入れていないサーバーの方が多い様で、パッチを当ててしまうと入れる所が限定されてしまう。未パッチ状態だとクライアント側からの送信データがサーバーに届かないといった問題があるようなので(画面上当っているのにサーバー側ではそう判定されない)、この辺は早くサーバーサイドにて直してもらいたい所だ。安定度は非常に高くコネロスやフリーズは一切無かった。
 また今回はコネクションを切らずにキャラの変更が可能なので便利になった(次回のRespawn時に適用される)。ただゲーム種類によってゲーム自体を起動し直さないとならないのは問題有り。

 ゲーム自体に関して言えば、ハイスピードなのは変わらないのだがMAPが広くなった分乱戦という印象は無くなった。キャラ的にはまあ大きく不利という者はいないので前回の巨漢の様に誰も使っていないという様なケースは無いみたいである。ただAssassinのキャラ専用のRemote爆弾(C4)は強力で、武器の近くにおいて取る所を狙ったりとか、入り口が一つしか無い部屋に立て篭もって入り口にセットし人が来ると同時にスイッチを押して起爆する等、使い方によってはちょっと卑怯なまでに強い(爆弾がセットされていても見にくい)。よってこの戦法を使う人がいるとダントツTOPとかになったりするのだが、キャンプに近いのであまり好んでやっている人はいないようだ。まあAssassinだとメイン武器がライフルなので接近戦だと弱くて、こうなるのはしょうがないとも言えるのだが。

 それと重要な事としてCheatの問題がある。このデモではテストと言う事でCheatコマンドをそのままにしてあるのだが(Adminが使えるだけで無くAlladminモードにも出来るらしい)、これがかなり議論になっているようだ。実際の所公式掲示板に行くとゲームの内容そっちのけでCheat関連のスレッドだらけという感じになってしまっている。
 製作側としてはあくまでもテスト段階だからという事らしいが、デスマッチにCheatを使える様な仕様で(更にこの様にプログラムを公開してしまっている様な物で)製品版で本当に対策なんて出来るのか?と言った意見や、Cheatを許してはデモであろうが本当に面白いのか判断が出来ない、或いは白けてやる気にならないといった事が書かれている。
 私もやってみたのだが、空を飛んでいる人がいるかと思えば高速移動や不死身等いろいろとやっている人を見ることが出来た。ただしこのゲームでは特殊能力もあるので一概にCheatとは判断出来ない部分もあった。例えば手から大きな岩を連発で投げてくる攻撃を見て、どうやるのかと思ったがそのキャラを選択しても出来ない。Cheatかと思ったら突然発生条件は分からないが自分でも出来たりとか。サーバー側で何か悪戯をしていたのか、何らかの条件で出せるのか謎のままだが、こういった現象が幾つか見られた。


<総合>

 コンセプト的に目指す所はQ3AUTという2大ビッグタイトルというのは明らか。ただしその域に達する事が出来るのかというと甚だ疑問は残る。あそこまでの完成度を持つゲームを新進のゲーム会社の1作目のソフトに求めるのは無理というものだろう。ただ前回のデモに比べると相当良くなっており、結構楽しみなタイトルにはなった。UT、Q3の様に2年経っても多数の人にプレイされているという所までは無理だろうが、1ヶ月位はシングルも含めて遊べそうなクオリティは期待出来そうでは無いか(まあその位遊べれば合格点だろう)。それ以上を望むならば更なる進化が必要となる。

 それと未だにbotのサポートがされていないが、この辺の開発はどうなっているのか気になる。幾らなんでもbot無しでリリースするとは思えないし、この辺のクオリティは非常に重要。特にUTやQ3の様にいくらでもネットに行けばプレイヤーはいるのならばいいが,そうでないとなると使えるレベルのbotがいるかどうかは死活問題だろう。全くサポートしない、或いは実質使い物にならない、のでは売上も伸びないと思うし、そうなるとプレイ人口も減るので消え行く運命になってしまう。
 後は前回よりは良くなったとは言え、優秀なMap製作者を用意して更にクオリティUPに勤める必要も有るだろう。非常に面白いMAPが一つあるだけでも大分見方は変わるものだ。

 発売はまだ結構先そうだが、コンセプト的には新鮮で興味深いゲームである。ネットコードの軽さはどうやら問題無さそうなので、次回のデモかTEST3ではゲーム性の更なる進化を見せて欲しい所だ。

 追記:結局製品版では両軍5種類で計10種のキャラが選択可能になったようだ。シングルプレイモードはシナリオに沿って進む物で、非常に短くてあまり評価はされていない。


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