☆ FLASH  FROZEN ☆                  目次

  13/12/14


データ  制作:University of Wisconsin Stout Game Design & Development Students

 公式サイト     Indie DB

 2013/08リリース  457MB


 ウィスコンシン州のゲーム開発系大学に在籍する多人数チームによる作品。2013年に行われたE-3 College Game Competitionで優勝した二つの作品の内の一つである。

 公式サイトのダウンロードはTorrentがメインで、[xbox 360 Controller version]はそれのみ。[Keyboard/Mouse version]は分割ミラーも用意されているが、これはGamefrontなので日本IPからではアクセス出来ない上に、サイズが大きいのでVPNを使うにしてもいろいろと問題がある。

 制作者の一人のサイトにミラーが在ったが、これは[xbox 360 Controller version]となる。両者の違いはプレイ中に表示される操作チュートリアルの表示だけの模様。

動作環境  現在はWindows版のみだがMac版もリリース予定。Unity 3D Engineで制作されている。

 必要環境は不明。XPでも動作はするが、グラフィックス関連の設定が用意されていない上にかなり動作負荷は高目の様なので、低速PC(特にメインメモリが4GB未満)では正常に動かせないかもしれない。


 私の環境ではチャプター4を読み込む際に必ず落ちてしまうため、Unityのコマンドラインパラメータの中から適当に選んで付けてみたら何とかプレイ可能になった(何が効いたのかは未検証)。ショートカット右クリック → プロパティ → リンク先の欄内にて、半角空けて以下の様に追加する。

  "... :\Flash Frozen PC\Flash Frozen.exe" -force-opengl -single-instance -screen-quality fastest


 ハードウェアに関わる問題として、ネタバレになるので詳しく書かないが「階段を駆け上がるシーンが上手く行かない」という人はページ最下部を参照。

BASICS  豪華客船“The Catherine”が座礁事故を起こし、そんな中で主人公は数日してから意識を取り戻すが、既に周囲に生存者は無し。彼は完全に冷え切った船内からの脱出を試みるが、そこには人間では無い何かの存在があった...。


 上でも書いた様にプレイ中の操作表示ガイドはコントローラーを使っているかどうかでは無く、バージョンによって表示は固定されている。プレイ中にポーズ → HELPでコントロール一覧を見られる。なおガスの残量表示はキーボード操作ではTABになる。

 一切の設定オプションは無く、解像度は1280*720 (16:9)固定。強制的に変えるにはリンク先欄にパラメータとして  -screen-width 1234 -screen-height 567 の様に付けて指定する。ただし表示比率は16:9のままなので、それ以外では縦横比が歪む事になる。

*操作キー変更不可
*マウス感度変更不可
*スプリント可能(スタミナによる制限あり)。このスプリントによる体当たりで半開きのドアを開けられる。
*物理的なダメージの概念は無い模様(落下等)


 セーブはチェックポイントセーブ方式で一箇所を上書きする形式。プレイ中のセーブポイントはメモリーセーブになっており、一旦終了させてしまうとそのチャプターの最初からになるので注意。


GAMEPLAY  一人称視点のサバイバルホラーで、氷の精霊(悪霊?)の妨害を振り切って船内から逃げ出すのが目的となる。暖まらないと凍死する様になっており、雰囲気面でもCryostasisに影響を受けたのではないかと思わせる。ただしこちらには戦闘要素は含まれていない。

 明確に区分けされている訳ではないがエンディングを含めて5個のチャプターから構成されている。順調に進められたのならば20分程度でクリア可能だろう。タイプとしてはアクションアドベンチャーに分類される戦闘要素は無く、ジャンプやスプリント等のアクションを成功させて進めて行く形式。ストーリーは残されている書き置きなどから理解していく様になっている。


 プレイヤーは体温が下がると凍死してしまうので暖まらないとならないのだが、そのシステムはとても単純である。凍える要素としては寒い場所に長時間留まる他に、噴き出している水を浴びると急速に凍り付いてしまう。よって水流を止めるか、水の止まっているタイミングを計って通過しないとならない。冷えた体を暖める方法は一つだけで、それはチェックポイントに到達してゴミ箱の中の燃料に火を点けること。これで体の冷えがリセットされる。つまり水を浴びたりしないようにしながら、時間内に次のチェックポイントまで到達しないとならないというシステムである。しかし水を浴びたりしなければ、その制限時間は緩い設定の箇所が多い。

 アイテムとしてはライターが在り、これを点けると各種アイテムが用途別に色分けされて浮かび上がる。使えるアイテムやオブジェクトを見付けるのに便利。使用には燃料が必要で、これには数タイプの異なるガス入りアイテムを取れば補給される。ただし燃料の消費速度は速めなので注意。一応詰みが無いように、燃料が切れた状態でもしばらく待てば短時間だけ使えるように復旧はする。なおこのライターでは暖まれない。


 箱等のオブジェクトを持って動かせるので、これを使ってルートを作ったりもあるのだが、持った物を離す際に上手く行かないケースが頻繁に発生し(おそらく周囲と干渉している)、物理エンジンの性能は良くないと感じられた。

 パズル要素は弱く、大半が周囲を見渡したりすれば解決してしまう程度。それをアクションとして成功させられるかに重点が置かれているゲームとなる。

 グラフィックスはインディーズのゲームとしては綺麗な部類に入り、このゲームの売りの一つだと言える。ただしCryostasisを既に見ている者としては、やはり氷結の表現などには単純さを感じてしまうのは否めない。

評  価  ホラーゲームとされているが怖さはあまりない。直接敵が眼前に迫って来るタイプが多い中で、姿を現さない精霊に攻撃されるという設定はユニークだとして評価したいが、その分直接的な怖さを感じさせるシーンは少なくなっている

 ゲームはルート探し及びタイミングを計って行うアクションで進められるが、ライターで注目点を探せるしマップ内は入り組んでもいないので、ほとんどは簡単であって詰まる可能性は低い。冷却による凍死判定もlシビアでは無い。その結果として「簡単=恐怖感減少」という印象は否めず、もうちょっと難易度を高めても良かったような気がする。


 今後このゲームをどういう風にするのかは不明だが、商用版へと発展させても面白いと思う。障害のバラエティをもっと増やしたり、凍結表現などのグラフィックス面をもっと強化したり出来れば更に良くなるのは間違いない。

 


    目次

 「階段を駆け上がるシーンが上手く行かない」への対処方法。ネタバレにもなるので以下反転。

 私の場合は繰り返しプレイしても上手く行かず、スプリントしながらジャンプを組み合わせる事で何とかクリアしたのだが、その後のCH4への切り替え時に落ちてしまう障害でこのセクションがやり直しとなってしまった。そこでこんなにも難しいものなのかなと沢山アップされているYoutubeのプレイ動画を見てみたのだが、見た中では一件を除いては上昇してくる水位の速度が私のケースよりも遅いのを発見した。引っ掛からずにスプリントすれば追い付かれずに成功してしまう程度の速度という意味である。どうやら私の環境ではゲーム内の時間進行スピードが速くなっていると判断。

 解決策は今となっては懐かしい処方になったが、CPUのコア数を一つだけにするというやり方で正常になった。同じ様になる人は以下の様にする。ゲームの実行後にタスクマネージャーを開いてプロセス一覧からゲームの実行ファイルを右クリック。[関係の設定]にて使用するCPUコアのチェックを一つだけにしてプレイする。これは起動の度に必要。