☆ INSANIDADE ☆



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14/11/21    制作: Simperson Cruz                公式サイト       ダウンロード
データ  制作のSimperson Cruzは本業がイラストレーターのブラジル人。サイレントヒルシリーズなどのサバイバルホラー物のファンだったが、Cry of Fear(元はHalf-LifeのModで、現在では単体フリー版として公開されている)を見て、高度なグラフィックスではなくてもこれだけ出来るのなら自分でも作れるのではないかと思い立ち、全くゲーム制作関連の知識は無かったが勉強の意味で制作を始めたそうだ。このゲームの制作は一人だけで行ったが、そのCoFからは楽曲の提供を受けている。ちなみにタイトルの“Insanidade”とは英語のInsanity(狂気, 精神病)の意味。

 2013/07 リリース  100MB

 現在公開されているのはV3.0。ブラジルからというのもあるのだろうがダウンロード可能なサイトは少ない(上記が公式リンク)。なお解凍して出来るフォルダはV3.0だが、実行ファイルはINSANIDADE V.2.0となっている。ただファイルの詳細を見ると3.5.0...の様になっているので名称変更がされていないだけだと考えられる。


 フリーのホラーゲームとしてはかなり有名な部類に入り、動画サイトを"insanidade horror"などで検索すると大量の実況(フェイスカム)動画が見付かる。英語版が無いという大きなハンデを持つが総じて評価も高い。

 思いのほかこのゲームが好評だったのもあって続編となる2を制作中。だがなかなか時間が取れずに完成時期は未定となっており、まだ未決定だがその為の時間を設けるのにこちらは有料化する計画を持っている。

動作環境  Windows版のみの提供。

OS: Windows XP, Vista, 7
Processor: 2 GHz
Memory: 512MB
Video Card: Shader Model 3.0 required
DirectX 9.0c

 私の環境ではマウス感度が異常に低いというトラブルに遭遇した。他にも居る様だが100%の発生率では無さそうで、マウスドライバとの相性などもあるのかもしれない。マウスのユーティリティー側で調整したが、設定の最高レベルにしてようやくまともという位に感度が低かった。

BASICS  主人公(名無し)の妻が死んでから5年が経過していた。仕事の為に帰りが遅くなった際に、自宅に押し入った男に殺されたのだ。そして犯人側は精神異常を主張して精神病院へと送られ刑は執行されず。その後主人公は自分を責め絶望的な人生を過ごしていたが、遂には犯人と対峙して真相を確かめる決意をする。しかし彼が訪れた精神病院は何かがおかしかった...。


 ブラジルのゲームという事で内容が全部ポルトガル語という問題がある。英語バージョンは存在せず、ポルトガル語が解らないならストーリー解説の文は読めないし、ゲーム内のメッセージ(ヒント)も理解出来ない為に不利となる。実際にポルトガル語が読めなければ解くのはまず無理という箇所もあって、その辺は私もヒントを探したのでこの頁の終わりにヒント集として掲載しておく。


・解像度選択は3種類のみ
・窓化のオプションは無いのでやるならAlt+Enter
・メニュー画面の表示は向かって左から順に、New Game - Resolution - Continue - Credits - Quit
・ESCでポーズ後の再開は向かって右端。左端を押下すると終わってしまう。

・操作キー設定不可, マウス感度調整不可, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可
・照準が無いので、対象物への合わせは慎重にやらないとならない(見過ごす恐れ)
・オープニングの説明文の出るムービーは飛ばせない
・難易度設定無し
・チェックポイントセーブ方式。エリアロードの単位でセーブされる。

GAMEPLAY  ポルトガル語の問題を含めて詰まった場所が何箇所かあって合計で2時間程度。物理的なボリュームはそれ程ではなく、特に詰まらなければ40〜50分位であろう。ポルトガル語対策としてのヒントは、

*何かメッセージが表示された場所を憶えておき、アイテムが入手出来たら再度訪れてみる
*Useを一回押しでは無く、バーがフルになるまで押し続けないとならないシーンがあるので注意


 リアル世界では無く異世界(精神世界)系のホラーであり、シュールだったり奇抜なシーンが登場する。演出としては突然何かが発生して脅かせるという手法が多い。スプリントは出来ない上に移動速度がかなり遅いので、探索には時間が掛かる様になっている。よって見落としが無かったかを再度探索するには結構面倒である(斜め入力でやや加速するタイプなのでそれを使うという手はあるが)。

 画面は呼吸の様に常時微妙に揺れている仕様。ライトとなるのはスマートフォンで、LMBでオン, RMBでこちらに向ける動作を行う。バッテリーの概念は無し。問題は短い間隔で勝手にそれをこちら側に向けてしまう為に、前が暗くなる状態が頻繁に発生してしまう件。意図的なデザインなのか不明だが、効果的とは思えないしプレイし辛くなっているだけである。それならバッテリー管理式で、プレイヤー自身にオンオフ操作をやらせた方が良い。


 ヘルスは初期値が100でメディキットによるアイテム回復方式。後半になるに連れてメディキットは増えるので特に難しくは無いが、一方でノーダメージでは切り抜けられないシーンがあり、ヘルスが低い状態だと詰んでしまう危険性も持っている。そうなったら最初からやり直し。

 プレイヤー側に攻撃手段は無く、追ってくる敵からは逃げるしか無い逃走系ゲームとなる。しかし敵の追跡が執拗で高速といった設定ではない為に、ノーダメージは困難でも切り抜けるのは容易というシーンがほとんど。或いは脱出手段が解ればOKというパズル系設定になる。故に追われる恐怖感というのはそれ程無いというのが正直な所。

 あと問題に感じられたのが定番でもあるマネキンの存在で、これも攻撃を行って来るのだがそれへの回避手段が発見出来なかった。かなり時間を掛けて実験し、またプレイ動画なども何本か参照したのだが結論は解らず。運頼みである程度のダメージはしょうがないというデザインの可能性が高そうである。


 グラフィックス面では精神病院内の雰囲気は一応出ているが、内部は割とスカスカであまり凝ってはいない。敵関連はオリジナルのモデリングと思われるタイプが多い点は評価出来る。サウンド面はプレイ中にBGMは無かったと思う。効果音類は特に斬新な物も無く普通の出来。

評  価  こういった異世界系で怖くなるかどうかのポイントは雰囲気だと思うのだが、その点ではインディーズ(アマチュア)は不利だと言える。とてもリアルで不気味な敵や世界を作り出すには金が掛かった大手会社の方が有利だし、そうなると作りは粗くても怖いと感じさせるセンスで勝負しないとならない。その点でこのゲームはストレートに異形の敵を登場させているが、造形などは大して怖さやグロさを感じさせずに終わっている。良く使われるマネキンの方も、残念ながら特にユニークな演出は使われておらず。

 ホラー物で評判の良いゲームは、「なるほど、評価が高いだけの事はある」と実際に納得出来る物が多いのだが、これに関しては普通の出来という印象だった。驚かし方も典型的なパターンだし、敵の攻撃手法の設定部分も完成度が低いと感じられる。ただし「シンプルに突然ビックリさせるイベントで最後まで押し切る」タイプが溢れ返るインディーズのホラーにおいて、異世界系は希少ではあるのでプレイする価値はあると言えよう。

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ヒント&解説  以下ヒントは反転。

※最初のエリアから病院内に入る方法
 駐車場に鍵が落ちている。明るさ設定が無いので、暗過ぎてこれが見えないという人が散見される。これが見えない様なら外部から何等かの方法で明るさを上げてプレイした方が良い。


※マネキンの避け方
 先に書いておくと正解は不明。

・灯りを消した状態で通る
・灯りをマネキンに照射した状態で通る
・一度近付いて上手く空振りさせてから通る
・なるべくゆっくりと小刻みに動きながら通る

 上記を実験してみたのだがどれも確実では無い。となると「マネキンの背中側を通る」か「前後に関わらず広い方を通る」かになるのだが、これもまたかなり試したがハッキリしない。おそらく広い方を通る方が成功率は高い様だが、100%は成功せずに斬り付けられてしまう。ある程度のダメージは覚悟で通るしか無い様だし、この後のセクションからのメディキットの数を考えると少々のダメージは前提としていると思われる。問題は多数が立ち並ぶセクションの時点でヘルスが低いと詰んでしまう恐れがある点で、ここでヘルスが少ないならば最初からなるべくダメージを受けない様にしてやり直した方が早いだろう。


※ドアの暗証番号
 DVDの最後に出るメッセージがヒントだが、ポルトガル語なのでそれが読めなければ解らない。意味としては「探している数字は家の横にある」といった感じ。そして暗証番号は4桁であるというのがヒント。


※ラストの意味
 これは解説してくれている人が居たのでそれを記載する。

 部屋に座り込んでいるのはプレイヤー当人。つまりこれまでの異世界は全て主人公の脳内での幻覚であり、精神病院に入院しているのは主人公の方で、妻を殺害したのも主人公である。最初から殺人犯など居ない。壁の文字はYou(お前だ)の意味。最後に流れる独白は「どうして妻を殺してしまったのかは未だに自分でも理解出来ないが、今はただここで神の審判を待っている」といった内容。

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