☆ MISSING: THE DISTANT ISLAND ☆         目次

  13/05/11


データ  制作: Last Shock Games       v0.5 Open Beta      公式サイト

 2013/03リリース    44.6MB

 公式サイトからダウンロード可能。

 Last Shock Gamesの規模や過去の実績は不明。このゲームはフリーで配布される様なので、アマチュアの集まりが便宜的に付けた会社名では無いとするなら、制作に使用している自作のLast Code EngineのPRとかが目的という可能性がある。

動作環境  記載無し。オプションからグラフィックスのクオリティ設定は可能なので、表示やパフォーマンスに問題があるなら下げる等のテストは行える。

  
BASICS  2012年、ブラジル付近の小島にハイキングに向かった7人の人間が行方不明になった。地元民はズタズタにされた死体を目撃しており、明らかに動物によるものではないと証言。しかし地元警察はそれを否定し、死体は発見されていないと発表。そこには何等かの表に出したくない事情が感じられた。

 プレイヤーはスクープを狙うジャーナリストとなり、島へと上陸して事件の証拠となる写真を撮影するのが目的。

・一人称視点固定
・攻撃手段は無し
・セーブ機能は無し
・スプリント可能だが息切れする(スタミナメーターは無し)
・ライトは時間が経つと一時的に消える(復帰はすぐだが、休ませないと再び消えるまでが短い様だ)


 初公開のベータバージョンとなっているが、予想以上に原始的という印象で、もうちょっと基本的な部分を何とかしてから公開するべきではないかと思えてしまう。例えばシステム面。

・設定を変えようとESCでうっかりメニューに戻ると、もうゲームに復帰する事は出来ない。
・開始時のロード中に表示される操作方法や重要なヒントが、ロードが早過ぎて読めない事がある

GAMEPLAY  成功すれば10分程度でクリア可能らしいが、何回かチャレンジしたものの最後までは到達出来ず。


 有名なフリーゲームSlender: The Eight Pagesに影響を受けたとしており、実際の内容の方も似通っている。島に存在している7人の死体を発見して写真を撮るのが目的となるが、殺人を犯したモンスターから逃げないと自分も犠牲者となってしまう。

 島は広大という程ではないが目印となる独特の建造物がほとんど存在せず、その他の木々の類は大きな違いが無い上に、夜の状態では暗くて視界が非常に狭いという設定。よって「ここは既に通った場所なのか?」という区別が付け難く、且つ現在の位置が極めて判り難いのですぐに迷子になってしまう。なので先に書いた読めないヒントを知るまでは、どうやって探索するのか途方に暮れていた。

 向こうも知らせる目的で表示しているのでそれを書いておくと、第一に死体の近くにはカラスが飛んでいるのでそのサウンドで判断。第二に人間は死ぬ以前に道を通っているので、道の付近を探すべしという点。粗いグラフィックスだが良く見ると緑の部分とそれが剥げている部分が在るので、剥げている道の部分を通って探す。


 ホラー物としてのこのゲームの面白さは一点のみで、それは突然現れるモンスターの存在。デザイン的に怖さは全く無いが、夜の闇の中を彷徨うプレイヤーへとテレポートする様にして突然目の前に出現するのでビックリさせられるのは確か。近付かれたら終わりというルールでは無く、逃げる余地を残しているので何回でも繰り返しこの恐怖を体験する可能性があり、この設定は上手く機能していると言えるだろう。

 このモンスターへの対応は、発見したらライトをすぐに消すというのが基本。サウンドが鳴るのでそれで接近されたという判断も可能。そのままだと更に光に向かって来るので危険である。そして死体を発見してもフラッシュがたかれるので、撮影するのは危険となっている。実際に撮影するとその瞬間に目の前に出現したりするが(近寄らないと撮影が成功にならない)、具体的にどう避ければ良いのかは不明。

 敵からの効果的な逃げ方は良く解らない。テレポートするので逆方向に逃げるのが特に効果的とは思えず、暗くしてじっとしていても捕まる恐れがある。目の前に出現しても瞬間的に逃げれば捕まらない設定と書いたが、移動中に突然目の前に出たりもするのでそのまま前進してしまってアウトというケース多し。とにかくスプリントで遠くへと逃げる方法があるが、これをやってしまうと位置関係が掴めないだけに再度の探し直しが大変となる。取りあえず上手な逃げ方が解らない事には不毛なので、それでプレイを止めてしまった。運頼みでやっていればいつかはクリア可能なのかも知れないがそれでは面白味が無い。


 エンジンの特徴として時間のサイクル機能を持っており、スタートするとすぐに日が暮れて真っ暗になる。以後再び日が昇る事があるのかは判らないが、明るくなって敵が消えると楽になってしまうのでそれは無さそうだ。だがそれだとサイクル機能が活きてこないというのはある。他には死体の位置が固定らしき点も気になった。ランダムにしないとリプレイ性が無くなってしまう。


 グラフィックス面での機能はホームページにかなり大層な事が書き連ねてあるが、実際に見てみるとテクスチャーの質は悪いしモデリングは粗いしで低クオリティ。恐怖感の生成にマイナスの影響を与えている。

評   価  現時点のバージョンではグラフィックス面が一番の弱点かなという印象。このタイプのゲームでは実際に夜間探索をしているかの様なリアルな表現はかなり重要であり、このゲームの様にあまりにもゲーム的なグラフィックスだと雰囲気が削がれてしまって怖さも薄れる。もし容量を抑える為にテクスチャのクオリティをあえて下げているなら止めた方が良い。

 突然出現する敵でビックリさせるというのがメインの内容であり、その驚かせ方は結構上手いが、実質それだけというゲームとなる。よってそういったゲームが好きかどうかによってお勧め出来るかは変わってくる。Slender: The Eight Pagesの類似品なので、同作のファンなら試してみても良いかも知れない。

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