☆ ONCE I WAS BLIND ☆
目次
15/05/08 | 制作: Contingent Studios |
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データ | オーストラリア、ブリスベンに位置するクイーンズランド工科大学の生徒6人によるプロジェクト(卒業研究)。 2013/11/01 リリース 350MB 何回か開発バージョンをテストとして配布した後に、公式リリースバージョンであるV1.0が出されている。コメントにはフィードバックを元にしてアップデートを行う予定とあるのだが、その後は音沙汰が無く、公式は既にアクセス出来ない状態でfacebookも更新されていないため今後のアップデートは期待薄である。全員が学校を卒業してしまったのでプロジェクトが続けられないという状態なのかも知れない。 |
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動作環境 | Windows, Mac対応とあるが、Mac版は予定の段階で終わってしまった模様。ゲームはUDKで制作されておりインストールが必要である。 OS: Windows XP/Vista/7/8 CPU: Core 2 Duo 2.2 GHz / Athlon X2 4400+ RAM: 2 GB Video Card: NVIDIA 8000 series or higher graphics card DirectX version: 9.0c プレイ中にエンジンからのメッセージの様な物が時々表示されるがプレイには支障は無い模様。 |
BASICS | 主人公は盲目という設定で、それを治療する為にある秘密の研究に参加している。具体的には視力その物を蘇らせるのではなく、自らが発したサウンド(ゲーム内では叫び)が周囲のオブジェクトに干渉した際のエコーを分析し、脳内にイメージとして計算された周囲の状況を浮かび上がらせるという物。この実験は上手く進められていたのだが、第六感を利用する副作用として突然邪悪な存在が脳内イメージの中に出現してしまう様になり、プレイヤーはそのイメージ内で敵に殺されない様にしながら脱出しないとならない状況に陥る。 ゲームのゴールはスタート地点の近くに在るゲートで、このゲートの周囲には6個のルーンが刻まれている。そしてマップ内には6個のルーンが存在しており、プレイヤーがそれ等を見付けると対応するルーンが点灯。全部探し出せばゲートが開いて脱出が可能になる仕組み。 ・明るさ調整可能。 操作キー設定不可, マウス感度調整不可, サウンドボリューム調整不可。 ・難易度設定無し ・セーブは出来ない ・グラフィックスの設定は無し(解像度だけ) ・字幕無し ・設定画面はゲームをスタートさせてからアクセス可能になる *一人称視点固定 *スプリント可, ジャンプ可, 屈み可 ヘッドフォンの使用が推奨されているが、スピーカーでも3Dサウンドになるので特に問題は無いと思われる。 |
GAMEPLAY | 主人公は盲目という設定から、どうやって世界を感知するのかがシステムの肝となるのでそこから解説する。 LMBで叫びを発する事が出来て、これが円形に拡がって行き、そこからのエコーを分析して周囲の状況を知る事が出来る。実験内容に関する具体的な説明は無いので仮想世界の原理は良く解らないが、少なくともこの世界では周囲の状況は叫んだ後にほぼ瞬間的に且つ正確に描画される。ただし拡がって見えていた世界は数秒で狭まって見えなくなってしまう様になっており、何時までもそのままで確認が可能では無い。 叫びの方にも限界があり、おそらく心音がメーターの代わりなのだと思うが、連続して発する事は出来ない様になっている。よってある程度進める毎に一旦休憩し、呼吸が静まるのを待ってから再度叫んで周囲を映し出す必要がある。また叫びによる到達範囲は段々と狭まって行く為、これをリセットするにはスタート地点のテント内に置かれているシリンジを注射してやらないとならない。注射するとその瞬間には非常に広範囲をクリアに見渡す事も出来る。ただしシリンジは一個しか持ち運べず、数も最初から置かれている物だけで無限でも無い。 マップはかなりの広さを持ち、移動速度は割と速いが叫びに限界があるので探索はそれ程早くは進められない。石畳の道と、他の土の部分でも良く見ると道がガイドとして存在し、また見付けたルーンは離れた場所からでも天に伸びる光が見えるので方向を見失うという事はまず無い。そしてルーンの位置は5個までは何とかなったのだが、最後の一つは見付け辛い場所に在って結構な時間を費やした。よってクリアには時間が掛かる人が多いだろう。 敵は何物なのかの説明は無く、出現時は赤いエフェクトとサウンドが生じるので解り易くて、逃げる方向が解ってしまえば別に怖い存在では無くなる。何しろ広大でオープンなマップなので、ほぼ何所に居ても全方位に逃げられる故に怖さが無い。マップのデザインがこうならば、もっと追跡能力を高くするとか、その存在位置が解り辛いとかで脅威を感じさせる必要があると感じられる。 いろいろと面白い所と駄目な所が混在しているゲームで、例えば短い時間で周囲が見えなくなってしまうというシステムは面白いが、何しろ広い上にルーンを全部見付けるのは大変な為、延々と探していると単に叫びの回復の為に停止している時間が長くて面倒になってくる。そして停止していると敵がやって来るが、特に怖い訳では無いので緊張感も無くダレてくる。そしてシリンジは一個しか持てないのはともかくとして、ここまでルーンが見付け難いのでは初期数では少ない。少なくなってくると節約しないとならず、余計に残りのルーンが見付け難くなるからである。戻りさえすれば無限に手に入るという設定で問題無いだろう。 短時間で見えなくなるという方式は、ある程度周囲が想像出来るインドアの通路などの方が活きるように思える(暗い時でも動けるから)。またもっとルーンの場所は解り易くして、代わりに敵の追跡能力を増してやり、短時間で決着を着ける方が面白くなるであろう。マップは固定だがルーンの位置をランダムにするというのもリプレイ性を高める意味で有効となる。 |
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評 価 | 上でいろいろと書いた様に率直に言って完成度は高くなく、これから改善されて行くべきゲームという感が強い。以前に同じくプレイヤーが盲目という設定のPulseというゲームを紹介したが、そちらの方が現行バージョンでの完成度はずっと高い。ただしこのOIWBも盲目者から見える世界のシステムはまた違ったデザインだし、幾つか面白そうな要素を持っているので、ポテンシャルを持った作品として紹介する事にした次第。 説明が足りずにプレイヤーに何をすれば良いのか等の混乱を招いた点や、様々なバランス調整や問題点の解決をシステム変更によって目指しているというコメントが見受けられるが、残念ながら更新は止まっている状態。 |