☆ ONE LATE NIGHT ☆ 目次
13/11/20
データ | 制作: Black Curtain Studio 公式サイト Indie DB 2013/01 リリース 108MB 最新はBuild1.0で、既に本体がこのバージョンに差し替えられている。パッチは無いようなので、旧版を持っている場合には落とし直しになる。Windows版は3種類用意されているが、Win(64bit OS), Win(dx11) (DirectX11), Win(x86) (32bit OS)の意味。 Desuraにも登録されており、クライアントからのダウンロードが可能である。 開発チームは製品版のゲームを制作中だったりもする様だが、このフリーゲームがどの程度の規模で作られているのかは不明。 |
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動作環境 | Windowsの他にMac, Linux版が存在する。Unity Engineを使用。 [必要環境] CPU: Intel Pentium 4 2.8g hz or AMD Athlon 64 RAM: 1024 MB RAM Video: NVIDIA GeForce 7800 Series / ATI Radeon 1900 series [推奨環境] CPU: Intel i5 / AMD Phenom II RAM: 2048 MB RAM Video: NVIDIA GeForce 285 / ATI Radeon 4870 解像度やグラフィックスのクオリティはオプション画面から設定出来る。アスペクト比は16:9を基準にして作られているので、4:3や5:4のモニターではウィンドウ表示にして16:9にする方が良いだろう。 |
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BASICS | 主人公であるプレイヤーは深夜まで、たった一人だけになったオフィスにて仕事をこなしていた。そして彼はふと同僚のロバートがしばらく前に、やはりこのオフィスで一人での仕事中に行方不明になってしまった事を思い出す。ロバートの部屋はその後カギが無いので開けられないままに放置された状態にある。そんな彼の前に何やら怪奇な現象が起こり始めるというストーリー。 *一人称視点固定 *スプリントが数秒だけだが可能 *F1キーで基本操作を表示 *記載は無いがFキーでフラッシュライト等の所持アイテムが(有れば)使用出来る *インベントリー機能は無し(持っているアイテムを確認出来ない) *キー操作変更やマウス感度の調整は無し ゲーム内に存在するモニター画面を操作出来る(Linux端末)。ユーザー名とパスワードでログイン後に(自分のモニターにそれが書かれた付箋紙が貼られていないバグがある模様)、キーボードからコマンドを打ち込んでテキストベースでの操作が可能。ゲームのセーブはここで行うという仕様で、端末から save と入力して成功すればメッセージが出る。 ただしセーブ機能は正確にそこまでの状況をセーブしてくれる訳ではなく、またやり直さないとならないケースにも遭遇した。またバグらしき状態で進めなくなる事も体験したので(多数集める必要のあるアイテム収集中にやり直し → そのアイテムが出なくなって詰み)、なるべくセーブには頼らずに進める方が良いだろう。やり方を把握すればクリアまでは10〜15分程度のボリュームである。 |
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GAMEPLAY | このゲームの良い所はやはり舞台を普通のオフィスに設定した点にある。深夜のアウトドアとか暗い廃墟とかがホラー物の定番だが、明るいオフィス内での仕事中という状況にリアリティが感じられて、それが恐怖感をむしろ増幅させている。暗さを活用しなくても怖さは表現出来るという良い見本と言えよう。グラフィックスもこの手のアマチュアゲームとしては上質な部類。サウンドのクオリティも良い。 しかし出現する敵についてはあまり宜しくない。その見た目も追跡の仕方にも怖さが無く、逆にそれが出現してからは怖さが減退してしまうという感さえあり。こちらを追って来る際に引っ掛かってしまったりと動きに問題も抱えている。よって何か出るんじゃないかとオフィス内を彷徨いている前半の方が不気味で怖いゲームである。 問題点の一つ目はゲームの進行のさせ方が非常に解り難い。パズルが難解なのではなく、フラグが立ったのかの判断&何がフラグになるのかが判り難いという方が正確だろう。例えば心霊現象の様にあるオブジェクトが動いたとしよう。ところがそれ自体がフラグになっており、実はそこでマップ内の状況が変化しているといった判り難さがまずある。作業Aを達成しないとならないが、それには作業Bの達成が必要だろうと判断して実行、その後Aに戻ってみれば状況が変わっているはず...といった論理的な結び付きがほとんど無い。 そしてこのゲームではフラグが立った時点で、マップ内にオブジェクトが出現するというシステムを採用している。そのオブジェクトはそれまでにその場所を探索したかどうかに関わらず出現するので、当然全部探し直しというハメになる。「今フラグが立ちましたから再度探して下さい」と教えられるならまだ良いが、上記の様にフラグが立ったのかどうかすら判らないという設定が多いので、延々と「何を探しているのか?」という目的も不明のままに歩き回るという状況に陥ってしまう。(ヒント: つまり要求されている事など考えずに、むしろ愚直にマップ内の全ての場所を延々とチェックし続けるという手法で解けるゲームである)。 他にはなるべくネタバレはしたくないのでこれだけに留めるが、PCの端末を操作出来る機能は実はクリアには必要ない。私もそうだったが、ロバートの部屋の端末にアクセスするのが次に要求されている事だと勘違いしてそのパスワード探しに必死になってしまったが、実際には端末のデータを読んだりするのは背景設定をより詳しく知るだけの意味しか持っていない。 制作側のコメントによれば、短い時間でプレイ出来るホラーゲームを作るのが目的で、謎解きでプレイヤーを苦しめようという意図は無かったそうであり、その為にセーブ機能も最初は要らないだろうとして付けていなかった。しかし進行が解り易いかどうかはあくまで作り手側の判断であり、特に小規模の開発チームだと事前のプレイテストも十分に行えないだろうから、実際にはプレイヤー側にはサッパリ解らないという結果になりかねない。と言うかこのゲームが実際にそうなってしまっている(人によって感性は異なるので全員に解り辛いとは言わないが)。 二つ目は操作系の悪さ。主に敵から隠れるのに“Hide”という操作があり、これはそれが表示される机やオブジェクトの付近で実行すると自動的にその下や陰に隠れられる。しかし表示が出ても隠れられるのかの判定はとても曖昧で、何回か位置を変えてやり直さないとならない事が多かった。ただし敵の追跡の方がシビアでは無いし、頻繁に隠れないとならない設定でも無いのでこれはまあ我慢出来る。 面倒なのは引き出し類の開け閉めで、フラグが立つとアイテムが出現するので何回も調べ直さないとならない。しかし引き出し類は完全に開くまで閉じる操作が出来ない仕様なので、多数有るケースでは時間が掛かる。また引き出しを指定するのにハイライトさせるのだが、その位置決め調整が多段の引き出しだとやり辛い。酷いケースではそのままでは指定出来ないので、上記のHideの操作で一旦机の下に潜ってから引き出しを指定して開けるという手間を掛けないとならなかったりする。 単に置かれていたりするアイテム類を探すのにもハイライトされるバッテリーなどは良いが、ハイライトされないアイテムだと探すのが大変。或いはそれまでは反応しなかったアイテムが、イベント後に手のアイコンが出るようになって取れる状況へと変わるという解り難さがある。 エンディングは二種類で、敵を倒したかどうかによって決まる。ただし最後は倒さないと進めないので、倒したかの判定はそこで行われる訳では無い。 |
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評 価 | 操作性の悪さでストレスが溜まるし、進行のさせ方の解り難さは減点対象だが、明るいオフィスという珍しい設定や不気味な雰囲気などは評価出来るし、プレイして損は無いゲームである。なお先に記した様にボリュームその物は短いが、解り難さ故にヒント無しでのプレイではかなり時間が掛かるのを覚悟しておいた方が良い。 [参考] どうしても進め方が解らないという方には、開発チーム自身が公開しているWalkthrough(グッドエンディング版)が有る。ただしこれを見ても何が進行のフラグになっているのか完全には解らない。それとロバートのパスワードは動画へのオーバーレイ機能で示されるが、その言葉を見付ける過程は省略されている。 |