☆ SEGATAKAI (背が高い) ☆                  目次

  13/12/14


データ  制作: Indemonai Games (インデモナイゲームズ)     公式サイト     Indie DB

 2013/06 リリース  289MB

 現在のバージョンはv1.1.2。Desuraに登録されたのでそちらでもダウンロード可能だが、このDesura版ではトラブルが発生しているそうなので今は単体版を落とすべき。


 ポルトガルのIndemonai Gamesのデビュー作。Fabio GuedesとDaniel Franciscoの二人でやっており、おそらく商用ベースのゲームをリリースしていく会社だと思われ、iOSの新作ゲームを開発中だとアナウンスされている。このゲームについてはSlenderのファンとしての作品という意味合いなのか、将来的に有料製品化するといった物では無さそう。

動作環境  Windows版のみ。UDKで制作されている。

OS: Windows XP SP3
CPU: Intel or AMD 2.5Ghz
RAM: 2GB
VGA: VRAM 128MB / DX9互換
DirectX 9.0c


 なお単体ダウンロード版の場合、UDKの無料配布規定から独自のインストーラーを使用出来ないので、解凍後に以下の手順でインストールを行う

1.INSTALLフォルダ内のSegatakai-1_1_2-INSTALL.exeを実行する。なおインストール場所は他のプログラムの制作   したフォルダ内にはしないこと(D:\Segatakaiの様に独自フォルダ内にインストールする)。
2.インストール完了後に"Segatakai.exe" と "GameLauncher.dll"をインストールしたフォルダ内にコピーする
3."Segatakai.exe"を実行してゲームをプレイする


・設定がセーブされない → 管理者権限でプレイする
・"not a valid windows 32 application" エラー → .NET Frameworkを最新版にアップデートする

BASICS  ハウス03の敷地内にて8枚のメモを集めるゲーム。Slender: The Eight Pagesに影響を受けたバリエーション作品である。大きな特徴としてはタイトルにも日本語名が併記されている事で想像がつくように、探索する屋敷が日本風建築であるという点。会社名にも日本語が併記されているので日本のファンなのではないかと推測される。


 ランチャーから解像度の他に各種グラフィックス設定を変更可能になっている。またランチャー画面にて各種システムの説明やヒントを読む事が出来る。

*操作キー変更不可
*マウス感度変更可能
*画面の明るさ調整可能
*スプリント可能。スタミナメーターは無く、息切れでそれを知らせる
*照準在り
*光源はランタンを使用
*ESCを押すと終了してしまうので注意


 難易度設定があり三段階に変更出来る。ランタンの保つ時間や敵の追跡能力に影響。

 チャレンジという名目で多数の成績判定項目が存在し、終了時にクリア時間や集めたメモ枚数などと合わせての得点が表示されるシステム。



GAMEPLAY  Slenderのシステムを踏襲しているが、いろいろな面でオリジナルからの変化を生みだそうとしている作品でもある。

・インドアとアウトドアに分かれており、どちらも相当な広さを持っている
・スタート地点はインドアのランダムな場所
・カギの掛かった扉があり、それを開ける為のキー探し要素を含む
・難易度設定あり
・二種類のマルチエンディング


 注目点の一番は何と言っても旧日本風建築である事で、我々当の日本人からすると旧和風の建物の内部を深夜に探索する怖さは良く理解出来るのだが、その日本風建築の作り込みが想像していたよりも甘い。タンス, 屏風, 障子等のオブジェクトは用意されているのだが、内部構造が和風屋敷とは掛け離れている, 障子の形状がリアルでは無い, 畳の和室が出て来ないといった所から雰囲気が出ておらず、逆に西洋絵画が多数掛かっていたりというチグハグさもある。一方で確かに他の類型作品とは大きく異なる雰囲気が出せている面は評価するべきだろう。


 良い点としては(精度はアレだが)リアルタイムシャドーを実現している点で、持っているランタンの揺れに応じて影が揺れて動くなどは非常に雰囲気作りに効果的に働いている。

 難易度選択が可能なのもプラス。オリジナルを真似て非常に難易度が高い物が多い中で、ここではEasyを選択すればランタンが無限に使える為にかなり探索し易くなり、メモを6枚集めるまでは敵の追跡も緩い様なので死なずに長時間のプレイも比較的容易となる。これでマップ内部の構造を把握してから難易度を上げるという風にも出来るし、大衆向けにこういった選択機能は好ましいと思う。


 問題点の方ではインドアの構造が解り難い。オブジェクトの種類が少なく繰り返し同じ様な物が使われている為に、既に通った場所なのかの判断が難しい。また屋敷内の構造が異常な接続形態なので迷い易いというのもある。アウトドアの方は中央に在る屋敷を目印に出来るので、迷っても体勢を立て直し易くなってはいるが、こちらもオブジェクトが少ない割にはだだっ広いという感がある。

 扉を開けるカギは目線付近に置かれているが、小さくて目立たない上に暗いので見逃してしまう事もしばしば。ランダムで置かれるのだが、その位置が非常に見付け辛い場所(ランタンで照らせない位置)になってしまったりもする。メモの方も背景の色と似ており、保護色の様になってしまうケースあり。

 他には敵のデザインがオリジナルと同じというのもマイナス。折角の和風建築なのだから、それ風にデザインするとかで変えた方が良いと感じる。何故かマネキンが随所に置かれているので、これを元にした敵の方がまだマシであろう。その追い方もオリジナルと同じなのか独自仕様なのか不明で、ノイズ画面になって近付かれた際の失敗と成功の判断基準が判り辛い。

評  価  和風建築の再現度を上げるだけで相当良くなると感じられるが、欧米人の考える和風とはどうなのかが不明なので微妙である。日本人からすると再現度を上げて欲しいのだが、プレイした人の中で日本人はおそらく相当少ないはず。大多数を占めるであろう欧米プレイヤーの中では現バージョンの再現度で十分和風と感じる人が多いのならば、今後その点を追求していく様にはならないだろう。

 フリーゲームなのでこれからも積極的なアップデートが続けられるのかは不明だが、現行バージョンでは欠点も目立つので更なる進化が期待される。

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