☆ SEM SAIDA ☆ 目次
13/12/24
データ | 制作: The Cult Studios 公式サイト Indie DB 2013/02 リリース 131MB 現時点ではデモがリリースされている状況(英語版デモあり)。 スタジオとあるがブラジルにて個人で開発しているゲーム。将来的には低価格($5程度)での有料製品版としてリリースする予定だそうだ。しかし個人的な事情から年内予定だった新デモのリリースも遅れており、完成時期については全くの未定とされている。 |
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動作環境 | Windows版のみ。FPS Creatorで制作されている。必要環境は不明だが、FPSCなので起動自体には高度なPCは要求されないはずだが、最適化不足からハイスペックPCでもフレームレートの低下が発生する可能性は高い。 全ての日本語環境にて発生するのかは未検証だが、英語版デモはそのままでは起動出来なかった。解凍して出来たファイル名にてポルトガル語の“i”の文字が不具合を起こすらしく、フォルダ名と実行ファイルの両方からこの文字を削除する必要がある。例えば英語の“i”に置き換える等。 私の環境ではカットシーンのボイス再生が途切れたりする障害があった。 |
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BASICS | タイトルの意味は“No Way Out”。舞台はブラジルサンパウロの架空の都市Nova
Esperanca。主人公のマルコスは配達業として働いていたが、ある日PM11:00になったにも関わらず仕事が終わらない。その件で上司と喧嘩になった彼は最後の配達品である手紙を渡されて、たった一人で聞いた事も無い宛名の場所にて降ろされてしまう。 ・操作キー変更不可 ・マウス感度変更不可 ・明るさ調整不可 ・解像度は"setup.ini"をメモ帳等で開いて、 [GAMEDEBUG]セクションの以下を好みの値に変更する。 width=1680 height=1050 *操作キーの説明はControls.txtの中 *カットシーンのスキップはスペースバー *フラッシュライトは無限に使える セーブは任意に行える。しかしFPSCの他のゲームと同様に、レベルの最初の方でのセーブデータは正常に読み込めるのだが、進むに連れてロードが失敗する可能性が高くなるので注意。 |
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GAMEPLAY | レベル数は2つのみと短い。またFPSCを使用しているのでグラフィックス面でも劣っている感は否めないのだが、変化球タイプの内容に面白さが感じられた。インディーズの作品は低予算・少人員ゆえに、商業作品と真っ向から張り合っても勝ち目は薄い。そこでユニークなアイディアやゲームシステムで対抗する訳だが、この作品はそこが上手く行っていると思う。 出だしはお決まりのパターンで、暗い建物内を探索しつつ「そろそろ敵が驚かせる形で出るな」となってから実際に出現する。だがここから予想外の方向へと事態は流れて行き、そのストーリーや背景設定を楽しむ事が出来た。実際にどうなるのかを解説してしまうとプレイした際の面白味が薄れるので、ネタバレしない範囲だけ評価をしてみる。 ストーリーの流れはカットシーンを使用しているが、ここではイラストを使った紙芝居風の演出が採用されている。その画は上手くは無いが味があって良い。ここでのやり取りが面白い部分なのだが、序盤だけに全体の構成はまだ不明瞭である。 ホラーのパートは攻撃手段を持たない逃走ゲータイプ。敵はモデリングも粗くて見た目の怖さは無いが、怖がらせる演出の方は機能していると評価出来る。敵の造形は怖いが追われる怖さは無いタイプの逆で、造形は怖くないが追われる怖さはあるというゲームである。それと幾つかの要素の使い方が捻ってある作品で、例えばスプリントは無限に行えるが、無限に行える故に怖いという風にデザインされている。壁に書かれている文字というのも定番だが、これもまた普通の物とは違う使われ方をされたりもしているといった具合。 グラフィックスは正直言って良くない。ここは改訂版のデモにて改善が期待される所。一方でサウンドの方は低音が強調された不気味な環境音風の物が使われており、こちらは怖くて秀逸な出来栄えである。 |
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評 価 | 凄く怖いという評判だったがそこはそうでもなかった。ストーリーや設定面に新鮮さや面白さを感じたゲームである。インディーズならではのアイディア一発型という感じ。よってとにかく怖い物をという方にはあまりお勧め出来ない。 ただし商品化予定だそうだが、このビジュアルでは一見さんの注目を惹くのは難しそうである。新規デモや売り出してからの口コミによる評判頼りとなりそうだ。FSPCに起因する動作関連の問題も絡んでいるし出来れば他のエンジンに乗り換えるべきだとは思うが、個人制作で且つ最初からこれを選択している時点でそれは難題と言えるだろう。3Dオブジェクト系の種類を増やしたり、モデリング精度を増したりして対応するしたいところである(金さえ出せば制作会社からいろいろと買えたりもするようだが)。 個人的にはこの後の展開が気になるので、完成したらやってみたいと思っている。 |