☆ THE TRAIN ☆



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14/11/21    制作: Sergey Noskov                   Indie DB
データ  作者のSergey Noskovはロシア人だと思われるが、このゲームをどの程度の協力人数で作っているのか等情報が少ない(クレジットがロシア語なので読めない)。IndieDBのサイトも当人では無く別人がアップロードしており、本人のコメント等は見られない。

 2013/07 リリース  439MB

 バージョン1.0でリリースされたのはこれ一つだけらしい。ただアップロード者のコメントによると、オリジナルの配布版を圧縮し直した物であるようだ(中身は変えていないとある)。


 他には前作となるSteamにてGreenlitに到達しているThe Lightというゲームが有る(フリーだがロシア語のみ)。こちらもその後は音沙汰が無い様で、制作側のコメントなども見当たらずどういった活動をしているのか謎が多い。

動作環境  Windows版のみ。必要環境などは不明。使用エンジンはUnity。

 解像度選択はある程度限定されている。クオリティ設定もUnityデフォルトではなく独自方式。窓化は無いのでやるならAlt+Enterを使う。


 英語表示にも対応している。初期メニューの上から二番目が設定オプションとなっており、これをクリックすれば言語選択が表示される。ただしキャラクターのボイスはロシア語のみとなり、あまり多くないがストーリー把握には難点となる。また翻訳が誤っているのではないかと思われる箇所もあり、謎解きに際して混乱を招く可能性がある。

BASICS  メインとなるのは列車の中だが、現実に乗っているのでは無くて精神世界の出来事という設定。過去の人生での出来事のシーンにフラッシュバックで戻され、そこから列車内に帰ってくるというのが繰り返される。老人が死の間際にそれまでの人生を振り返っているという構成だと考えられる。


・操作キー設定不可, マウス感度調整 可能, 明るさ調整不可, サウンドボリューム調整不可
・難易度設定無し
・説明文は表示されるが、会話の字幕は無し

 チェックポイントセーブ方式。プレイ中は短いセクション単位でやり直し可能だが、実際にセーブされるのは二箇所のみ。ゲームを終了させてしまうと、その物理的セーブ地点からやり直しとなる。続行したいならば一番上のGameを選択。完全に最初からやり直すならば初期メニューからRestartでチェックポイントがリセットされる。


*一人称視点固定
*インベントリー画面は無し
*照準無し
*スプリント, ジャンプ, 屈み 操作全て無し

GAMEPLAY  1.5時間程度掛かったが、途中で詰まらなくても初見にて1時間程度のボリュームはあると思う。

 異世界系のホラー。この世の物では無い異空間や幻覚風の景色が多数用意されており、バラエティに富んだシーン切り替えも頻繁に発生する。ホラーとして見た場合には標準レベルの怖さと感じたが、異世界の雰囲気は非常に良い。グラフィックスのクオリティが相当に高く、結構な人数で作っているのではないかと想像している。もしこれを全部一人で作っているのだとしたら凄い。

 ホラーは異世界の不気味さによる雰囲気で勝負という感じで、突然のイベントでビックリさせたりは少ない。敵となる対象に追い掛けられるという場面も少なく、障害に対してはパズルを解いて排除というアドベンチャーゲーム的色合いが濃い。なお定番のマネキン登場のホラーシーンを含むが、演出の仕方が上手いのでそれは効果的に働いている。後は武器を使用して戦えるシーンも出現するが、そこ限定でのイベント的扱いであって戦闘要素はほぼ無いゲームである。


 何箇所か選択肢有りで、グッドとバッドの二つのマルチエンディング構成。よってリプレイ性あり。選択肢のシーンは普通の二択では無く、短時間にそれを実行(EキーでのUse)するか、それとも何もしないかになる。つまり迷っている内に時間切れになったら自動的にキャンセルしたと判定される方式。

 干渉可能なオブジェクトにはX印が付けられている事がほとんど。操作はEかLMBでUseとなっているが、片方が効かないというシーンもあった。或いは照準が無いので、オブジェクトに合っているかどうかの判定がシビアなのかもしれない。RMBで目を細めにして下の方だけちょっと見える様にするという特殊操作が用意されているが、意味があるのは一箇所のみで且つ必須では無い。


 問題点としては、第一に初回は必ず失敗する仕様に思える箇所が多い点。正解である方法を使っても一回目は失敗してやり直しとなり、二回目からそれが通用する様になるので、最初のが正解だった際には謎解きとしても混乱する。或いはその対象場所に行ってからでないと、そこで必要なアイテムが入手出来ないという設定もあったりする(その前に正解の場所に行っても入手出来ないので、ここでは無いと思い込むと詰まってしまう事になる)。

 続いてアクションゲームというかタイミングを計って突破するシーンがあるのだが、どうもゲームのイメージ的に不釣り合いである上に、設定としても何でこうなっているのか意味合いが解らない。純粋にゲームとしてもここは面白くなく、更にコツを試行錯誤で発見するまでは難しくもありストレスになる。やはりこの手の雰囲気物ならば謎解き系を多く用いた方が合っていると感じた。

 セーブされる地点が二箇所だけとその長さに比べて少ない。加えてバグで進めなくなる恐れのある地点が在り、ずっと戻ってやり直すしかなくなる。

評  価  雰囲気がとても優れているのでサイレントヒル等の異世界系好きにはお勧め。ストーリーが今一つ把握出来ないのは残念だが、エンディングは余韻を残す良い締め方となっている。ゲーム性の方にやや欠点が存在するのはマイナスだが、それでもお勧め出来る作品なのは間違いない。

 先に挙げたThe Lightもそうだが、Unityのエンジンに独自のレンダラーを組み込んでいるのかグラフィックスのクオリティが高い(これも良いがThe Lightの方はもっと凄い)。正体が不明だが今後も期待出来るクリエイターである。

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ヒ ン ト  ヒント集(反転表示)。


※木馬のオモチャの有るシーン
 バスケットボールを持って来て渡す。


※鍵の掛かっているドア(引き出しに本が有る箇所)
 まず初回は必ず死ぬ仕様らしく、扉を塞げとメッセージが出るが二回目以降は幽霊が追って来る事は無い。扉を開けるには鍵を入手すれば良いのだが、これは本の中に挟まっていると思われる。初回プレイ時は本を操作していたら何時の間にか床に鍵が落ちていたのでそれを拾って通過(見た目にはかなり判り辛い)。二回目は本を操作中にそのまま入手したらしく、アイテムとして床には落ちなかった。


※マネキンで通り道が塞がれている場所
 飛んで来る首をEかLMBで攻撃する。1,2回成功するとその首は動作を停止するので、全部止めてからそれを拾って使用すれば良い。なおハンマーを拾って使えるが必須では無いし、RMBで半目にして直視しない様にする効果というのも未検証(必要では無い)。それと初回襲撃時はこの攻撃が効かず、一回失敗してリスタートしてから有効となる。


※囚人のシーン
 両側から攻撃される箇所にてダメージを避けるのは可能なのかも知れないが困難。コツとしては抜けてから少し待つとダメージで暗くなっていた視界が復活する。ヘルスの自動回復だと思われるのでそれまで次の突破は待つ。抜けるタイミングは両側から同時に手が伸びた直後が良いようだ。囚人が片側になった場所からは空いている方の空間へと斜めに進む様にすればダメージを受け難い。だがラストのシーンだけは別で、最後の向かって左側の囚人を避ける為に一旦右側の空間へと移動すると死んでしまう。ラストはそのまま直進して抜ければOK。


※南京錠の掛かっているドア(駅構内)
 廊下のX印の付いているロッカー内に銃が有るのでそれで撃って壊す。なおその前の十字通路で既に入手している場合には銃は出現しない。


※店から出ると必ずゲームオーバーになる
 強盗した店から出ると撃たれて死んでしまう状況にて、ロッカーを倒してドアを塞いでもNPCがそれを透過して出現し必ず撃たれてしまうという問題で、これはバグとして何件か報告されている。私も発生を確認。おそらくだが先に金の詰まったバッグを拾い、それからロッカーを倒すという順番ならOK。逆に先にロッカーを倒してからバッグを拾うと(拾わずに外に出ようとすると相棒にバッグを持って来いと言われる)、ドアが塞がれていないと判定されて死んでしまう様である。そしてリスタートしてもロッカーが倒れたままになっているので詰んでしまう。

 回復手段はないのでやり直すしかない。一旦終了してから再度一番上のGameを押下してスタートさせる(Restart押下だとチェックポイントがクリアされてしまうので注意)。しかしセーブポイントが結構前なのでそこからやり直す羽目になる。


※エンディング分岐
 情報が無いのでハッキリしない(プレイ動画が沢山有るのでそれを研究するという手はあるがそこまではやっていない)。明確に選択肢が出るのは以下の三箇所。

1.男性に乱暴されている女性を助けるか、見過ごすか
2.目撃者を撃とうとする相棒を制止するか、そのまま撃たせるか
3.タクシーの中から乗客を引き摺り出すか、そのままにするか

 ちょっと考えると、助ける, 制止する, 助ける、の組み合わせがグッドエンディングの様に思えるがのだが、初回プレイ時にグッドに到達した際の選択は、助ける, 撃たせる, 助けない、だった。そこでリプレイ時は、助ける, 制止する, 助ける、でやってみたがこれだとバッドエンド。気付いたのは終盤の両側の窓から水が流れ込んでくるシーンにて、グッドの時はその水が透明だが、バッドの時は水の色が真っ赤という違いがあった。

 もし私と同じに、助ける, 撃たせる, 助けない、の選択肢でグッドに到達しないのならば何か他の要素が判定に関与している事になる。だが死亡回数等の成績が絡んでいるという可能性は、バッドだったリプレイ時の方が明らかに良かった筈なので低そう。あと思い付く点としては、グッドの時は駅通路内のギター弾きにチップを恵んでやった。同じく駅構内の十字通路にて影みたいな亡霊が出現していたという所が異なる。墓地にも何かありそうな気はするが、メモを読んだだけで特に何もしていない。

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