TOP

シ ス テ ム

キャンペーン
 難易度は無し。アイテム持ち越しの二周目やクリア後の別モードは無い。

セーブ&ロード
 オートセーブ。1箇所のみを上書き方式。

OBJECTIVES
 現在の目標の参照機能や矢印による方向ガイド機能は無し。ミニマップを含めてのマップ表示機能なども持っていない。

英語
 字幕機能有り。日本語を選択出来るが機械翻訳に近く、意味が通らないケースも多い。質はSteamの製品頁が日本語で書かれているのでそれを読めば大凡想像出来るだろう。

その他

*キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, マウス反転可○, 明るさ調整可○, コントローラー非対応×
*一人称視点固定, FOV調整機能無し
*スプリント×, 屈み×, ジャンプ×
*照準(カーソル)有り
*Steam実績対応

GAMEPLAY
 一回のプレイで最後まで到達する事を目安としており、プレイ時間は30〜50分程度

 ストーリーの詳しい状況説明は無し。主人公が軍の関係者とかでは無いようで、全くの一般人が理由不明でニュースにて話題になっている潜水艦へとワープしてしまい、そこで脱出を含めて何とかしようとする話という捉え方で良いと思う。入手したカセットテープの再生にて背景事情らしき物を聞けるが、内容が曖昧という印象で何が起こっているのかを明確に掴む事は出来なかった。ただしイベント等によって状況の大体のところを把握する事は可能。

 80年代が舞台という事からスタート地点となる主人公の部屋に当時のポスターや本, VHSビデオなどが多数用意されており、かなり粗いピクセルだが手に取って見られる物も多いので当時を知る人ならば元が何なのかを想像しても楽しめる。


 ゲーム進行において良く出て来るパターンとして、一度通った場所やドアが別の場所に行ってから再度戻って来ると変化しているという方式が使われている。何所にもドアが無いのでグルッと回って最初の場所に戻るとドアが出現している等。ただルートは狭いので行ける所には行ってみればその内に進めてしまうという程度でパズルと呼ぶような物ではない。それと全体的に薄暗いが暗くは無い為に、フラッシュライトを使って通れるルートを探すという要素も無し。

 その他では一般的な鍵を探すとか暗証番号を見付けるといった謎解き要素が含まれているが、プレイヤーを悩ませてプレイ時間稼ぎをしようと意図はなくほぼスンナリと進められるはず。なおカーソルは反応対象物に合わせても変化しない方式で、これは形状変化というヒント要素が有っても良かったのではないかと感じられる。インベントリーは無く、アイテムは自動的に取って持ち歩くシステム。


 個人的な事情を書いておくと、前身となったPacificが評判になっていたので当時試してはみたのだが、私には単なるジャンプスケアの一発物という低評価に過ぎなかった(実況動画としてはこういうのが受けるのかもしれないが)。なので完全版というこのFWにも特に興味は感じず、大幅セールの時に購入はしてみたもののそのまま長期間放置という程度の扱いであった。しかしその後実際にプレイしてみると、Pacificは単にこのFWの持つゲーム性の一部を切り取って作られた物でしかなく、FWというゲームのデモ版と言うには不適切。そして全体のゲーム内容はプレイ前の想像よりもずっと優れた物であったと言える。

 ジャンプスケア要素は薄め。一部にそれらしき演出は見られるとはいえグラフィックスがローポリ(ピクセルアート)なのもあってプレイヤーを酷く驚かせる様な物にはなっていない。敵が襲って来るので逃げるといったゲームでも無く、この手の要素が苦手な方でも特に問題とはならないレベルであろう。

 このゲームの優れている所は不気味さで、効果的なサウンドエフェクトと相まってゆっくりと静かに精神を侵食してくるかの様な雰囲気的ホラーとして良く出来ている。潜水艦内部という暗い閉所の舞台設定も上手くマッチしていると言えよう。またいわゆる日本的ホラーという味付けでもあり、発生するホラーイベントの意味合いが良く解らない(説明されない)ことから来る「理解不能」という状況が生み出す怖さというのも活かされている。ラスト付近の演出も締め括りとして上手いと思える。


 マルチエンディングで結果は2つ。問題はグッドエンディングへの到達方法で、最後までプレイすれば「×××の情報が有ればOK」というのは理解出来るはず。ところがその情報を得る為の方法が極めてユニークで、これを奇抜で面白いと取るかどうか。もしくは「普通こんな事を思い付くだろうか?」という点が議論となる。私の意見としてはちょっとやり過ぎではないだろうかと疑問符を付けざるを得ない。知りたい方はSteamの掲示板を見るなりすれば方法は書いてあるので、しばらく考えても解らないならば諦めて解答を見てしまう事をお勧めする。自力で解こうとすると永遠に思い付かない可能性もあるので。

GRAPHICS & SOUND
 Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット4種。個別の設定項目は無い。解像度の設定も無く、デスクトップの値が使われると思われる。

 言及が無いので、意図的に(予算的には可能だが)敢えてローポリゴンの表現を選択しているのか、予算的な関係でローポリにするしか無かった(orローポリしか出来ないという立場からアイディが生まれた)のかは不明。美麗なグラフィックスで制作されていればまた違った魅力が生まれたとは思えるが、ローポリゴン故に想像力を刺激する不気味な雰囲気というのが醸し出されて効果を挙げているのも確かである。


 ボリューム調整不可×, 3Dサウンド非対応, ボイス有り。ヘッドフォンでのプレイを推奨している。

 サウンドエフェクトはノイズ系中心だが、ゾワゾワする様な気持ちの悪い音響が多くて出来映えが良い。時には重低音の効いた物も含めて不気味な雰囲気作りに一役買っている。それと80年代風のポップなBGMも数曲含まれている。サントラは現在無し。


BOTTOMLINE

[PROS]

○不気味な雰囲気ホラーとして上質
○ローポリゴンの表現を逆に上手く活かしている
○サウンドエフェクトが気持ち悪いノイズで効果的
○ゲーム全体の流れがよく考えられており進行がスムーズで終わり方も綺麗
○80年代の懐かしいBGM等を含む


[CONS]

×グッドエンディングに到達する為の方法が奇抜過ぎる
×オプションにて設定出来る項目類が少ない



 難解なパズルや難しいアクションシーンは無いので、大半のプレイヤーが一回のセッション(1時間以下)で終了すると思われるが、その分低価格だし特に問題は無いであろう。確かに個人制作のフリーゲームにも質の高い物は多いが、このレベルのクオリティならば金を取っても納得が行く。欲を言えば倍の価格でも良いからもっとボリュームが有ればより楽しめたとは言えそう。

 ジャンプスケア物では無く不気味さが売りなのでそれが苦手という方でも大丈夫。逆に言えばジャンプスケア好きの方には物足りないだろう。総合的にはホラー好きの方には広くお勧め出来る作品である。ローポリゴンに関してはやはりホラーゲームのファンの中にも受け付けないという層は居るので、そういった方には無理にはお勧めしない。

 最後に別項でも書いたが先に出たプロトタイプ版の『Pacific』の方は参考にならないので無視した方が良い。それと日本語はクオリティが低くて使い物にならないので注意。

TOP