更新履歴 | 21/12/07 レビュー掲載 (V1.0792) |
販 売 | 制作・販売: Fkkcloud 発 売: 2018/07 日本代理店: 無し 2021/12/07 現在 Itch.ioにて定価 2.99USDで販売中 |
概 要 | 制作者のJae Hyun Yoo氏はSony, Blizzard, Disney, Riot Gamesなどを渡り歩いた経歴を持ち、現在ではApple社に勤めておりずっと主にグラフィックス(アニメーション)関連の仕事を受け持っている。これは個人的な趣味によるプロジェクトであって勤務していた会社との関連性は無し。 インディーズではあるものの制作者は無名の素人では無いし、デモの段階から各種の賞を受け取ったりやE3にも出展されたりと知名度は高かった作品である。 プラットフォームはWindows, Mac, iOS, Android。理由は不明だがPC版は大手のデジタル販売会社では扱われておらず、それもあってモバイル版の方が知名度や評価が高い。 |
STORY | 舞台は2027年の未来。主人公の少年は最近夢の中で遭遇する少女の事が気になっており、現実感を持ったこの夢には何か意味があるのかと考えていた。そこで遂に、物言わずにある方向を指し示すだけの彼女の指示に従ってみる事に。 |
パッチ&トラブル関連 |
2年ほど前に出ているV1.0792が最新でおそらく最終ではないかと思われる。 *Unityでもあるし見た感じでもレジストリ内にセーブデータを持っている様である コンピューター\HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\JaeHyunYoo\BestLuck 一方で定番の場所にも保存されているデータは有り(隠しフォルダを表示する設定にしておかないと見えない)。 C:\ユーザー(Users)\(ユーザー名)\AppData\LocalLow\JaeHyunYoo\BestLuck ※インタラクトする操作が上手く行かない事がある(繰り返しスペースバーを押下しないとならない) ストアにも注意書きとして記載されている障害だが、これはフレームレートの問題である事を確認。デフォルトでV-syncがオフになっておりオンにする設定が無い為に、ユーザーのPC環境によってはfps値が過度な値にまで跳ね上がってしまう。私の環境では何もしないと300前後をうろつくがこの位になると実質操作が困難というレベル。NvidiaのコントロールパネルからV-syncを強制オンにして144fpsでプレイしてみたがこれでもかなりの問題有り。時間制限が有るのは1箇所だけなのでクリア出来ないという程ではないが、繰り返しスペースバーを押下しないと反応しない箇所が頻繁に発生する。そこでfpsを最大で60に制限してやれば全く問題無く素直に反応してくれる様になる。 よって何等かのツールを用いてfpsを上限60に設定してやれば良い。Nvidiaだとコントロールパネルから出来るがAMDやIntelでは同様の機能が有るのかは不明。無ければ何か別の制限が可能なツール(FPS Limiter)を用意する。中では多機能ツールとしてAfterburnerが有名だが、例えばBandicamとか動画撮影系ツールなどにも用意されている事が多い。ちなみにNvidiaではメニューの「3D設定の管理」から最大フレームレートの値を変更する(グローバルか個別指定を選べる)。 |
シ ス テ ム |
・難易度は無し ・オートセーブ(1箇所のみを上書き) ・現在の目標の参照機能は無し ・矢印ではないが進行方向ガイド機能は存在している。ミニマップを含めてのマップ表示機能は無し。 ・字幕有り *キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, マウス反転不可×, 明るさ調整不可× *三人称視点固定, FOV調整不可× *スプリント○, 屈み×, ジャンプ× *照準(カーソル)無し *コントローラー非対応× キーボード操作のみでマウスはゲームプレイには使用しない。メニュー操作やプレイ中に右上の設定アイコンをクリックするのに使うのみ(カーソルが画面上に残ってしまうので邪魔ではある)。 説明文やゲーム内のI/Fは日本語に対応しているが、会話は無いしそれ故にボイスも字幕も無いというデザインになっている。 |
BASICS |
設定は2027年でゲーム内に未来的な装置なども見られるのだがテクノロジーに関しての詳細な説明は無し。ベッドに入ろうとした際に「許可の無い接続を検出」というエラーが発生する点、また壁のインターフェイス画面にてデモ版の時には「デートのマッチングで相手が見付からない」という表示になっており(製品版では抽象的なイメージに差し替えられている)、当時の印象としては「夢の中で他の希望者とマッチングして会えるシステムが存在しているのを少年は利用しており、そこに謎の少女が不正アクセスの形で入り込んで来ている」と解釈していたのだが、それが正しいのかは何とも言えず終い。 夢の中の世界を移動&探索するという風に進められるが、ストーリー内容の解説文や会話は無いという形態であり全てはビジュアルで表現されている。よって曖昧な面というのも若干感じられるが、複雑な内容ではないので理解するのに困るという程ではない。 幽霊の様に浮遊している(オブジェクトを透過する)女性の指示に従って進める方式で、自分でマップ内を探索する必要は無し(オプションの回収アイテムなども無い)。つまり移動ルートはずっと女性に付いていけば良いだけなのだが問題も有り。女性はプレイヤーが誤った方向に移動しても付いて来てしまう為に、ある程度変なルートへと進んでしまうと指し示す方向が漠然とした状態になり元のルートに戻るのが困難になる。対策としては一気に長距離を移動せずに指し示す方向を小まめにチェックするしか無いが、注目点に近付くとBGMが変化するので長時間変化が無いなら道を外れた可能性が有る。後は常に正確かは未検証だが、いったんメニューに戻ってからロードし直すと解いていないパズルの直前に出現するのでそれでやり直してみるという手はあり。もしマップ内を道を外れて移動しパズルの順番を飛ばしてしまった際に正常にエンディングまで到達出来るのかは不明。 後はマップ内の所々に記憶のエネルギーとでも言える物が存在しており、これ等にインタラクトして女性に吸収させないとならない。彼女の全身が緑色に光る様になればOK(おそらく3個要)。その場所へも女性に付いていけば到達出来るし、全部を集めなくても大丈夫なので特にクリアの障害とはなっていない。集めたエネルギーは記憶の扉を開くのに必要となる。 |
GAMEPLAY |
パズルに詰まらなければ1時間程度のボリューム。低価格だがその分短い。リプレイ性は基本的には無い(後述)。 進行は探索とパズルになるが、探索の方は女性に付いて行くだけなので実際のゲームプレイとなるのはパズルのみ。そのパズルにおいてアクションゲームのスキルが要求されるのは一つだけで(制限時間あり)、後は思考と記憶のみでクリア出来るタイプである(細かい事を言えば少しタイミングを要する物はある)。 パズルのテーマとなっているのは扉。デモの時は「開いた扉を通してのみ別の世界が見えるので、それを利用してどの扉から開けていくのかという情報を得て、その順番通りに扉を開けていけばクリア」という形式が基本だった。もっとバリエーションが有った方が良いと考えていたのだが、実際に製品版では扉がテーマなのは最後まで変わらないもののパズルの種類はバリエーションが増えている。 開いた扉を通してのみ情報が得られるという形式は最も多く使われているのだが、そこには制限があって第一にカメラ位置を自由かつ正確には動かせない。三人称視点固定だが背面固定カメラではなく、キャラクターの動きに応じて位置が自動的に移動する様になっている。そしてカメラ位置を独立して動かせる機能は持っていない為に、見たい情報を得るのにキャラクターを動かす事で連動して移動するカメラの微妙な位置調整をしないとならないケースがある。 第二に開いたドアを通して見える別世界の映像は常に全体が見える訳では無い。例えばあるパズルでは段階をおいてドアを通して見える情報が変化して行くようになっている。このケースではある立ち位置からではドアを通して見える範囲は限られている為に、見たい情報が表示される位置を捉えられる様にキャラクターを移動させてドアを通して見る角度を変えないとならない事になるのだが、カメラ移動は自動なので希望する通りに動いてくれないという問題が発生してしまう。 そのぎこちない操作性にフラストレーションを感じたりもしてしまうが、このゲームでは“パズル=順番の判定”という設定が多く、頭を使うのでは無く観察によって順番を特定するというスタイルなので、楽に動かせてしまうと簡単過ぎるという面もあってそこは仕方の無い所を言える。 なおキャラクターの移動はカメラ基準でキャラクター基準には出来ない。パズルのヒントは時々だが表示される。 ストーリーは特に凝ってもいないし予測出来るパターンではあるが小品としてまとまっている。もっと全体が長い方がストーリーを重厚に出来るので良いとは思うが、低予算&個人制作での限界というのもあるだろうしやむを得ないところか。 対してゲームの世界観というか幻想的な雰囲気は優秀。デモ時代から有名になったのも明らかにパズルがどうこうではなく、ビジュアルスタイルを含めた雰囲気が優れているからと見て間違いない。作者もビジュアルやストーリー重視としているので、パズルよりもそちらで楽しませるという方針のゲームになっている。 最初に出て来る選択肢は展開には関係ない様である。エンディングは2種で、分岐では無く一度クリアした後にリプレイする事で第二のエンディングへと到達出来る(可能性がある)という方式を採用している。 |
GRAPHICS & SOUND |
Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット3種。個別の設定項目は無し。画面モードはフルスクリーンで変更出来ない(Alt+Enterにも非対応。何等かの外部ツールを使えば可能かもしれない)。 キャラクターの造形は細かくなくて顔も無い。世界の方も単調な感じだが全体の色使いや幻想的な雰囲気は良く出来ており、低予算のインディーズゲームにおいてグラフィックスをどういう風に仕上げるかという点で一つのお手本のような巧さを見せている。しかしこのレベルで十分かと言えばそうでも無く、キャラクターを含めてリアリティ重視のグラフィックスにする必要は全然無いが、夢の様な世界を描くにしてもよりクオリティが高い(より幻想的な雰囲気が出ている)方が効果的であったとは感じる。個別の設定オプションが何も無いというのも寂しい。 ボリューム調整可○(ただし全体調整のみ), 3Dサウンド非対応, ボイス無し。効果音系のサウンド数は少な目でこれは夢の中という設定からかもしれない。BGMは印象的な物も含まれており良質。短いしあまり曲数はないがサントラとして販売もされている。 |
BOTTOMLINE |
パズルがメインではあるが頭を捻って考えるというタイプでは無く、観察によって答えを見付けるという物が大半となるので純粋なパズルが好きという方には物足りないであろう。幻想的な世界の中で雰囲気を味わいながらリラックスしてプレイを楽しむという感じの作品である。是非プレイするべきといったお勧め品では無いが、上手くまとまっており質は高い小品となっている。 価格は安いが短いのでお得感は別に無く、Itch.io版はセールをやっているのをちょくちょく見るのでその時を狙っても良い。あるいはモバイル版の方が安価なので可能ならばそちらでも良いだろう(非常に高度なグラフィックスを用いている訳ではないのでPC版と大差無し)。 |
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ヒント&解答 |
以下ネタバレとなるので反転表示。 ※ 扉が上下するパズル ちょっと意味が解り難い可能性があるが、動き回っている間に扉が上下動するので、上端が色の変わる位置まで来たら再度スイッチを押下して止めるというだけ。タイミングを合わせる形でスイッチの位置まで戻れば良い。 ※ ピンクの足跡パズル 足跡を辿って次に開けるべき扉を確認するという設定だが、角度的に足跡の方向が判りにくい(あまり離れると見えなくなるという問題もあり)。必要な扉の数は全部で8個。また足跡が順を追って出来ていくのでタイミングを合わせないと見られない箇所が有るのも厄介。場所を変えつつ移動のタイミングも変えながら地道に観察するしかない。 [解答] 最初の扉から → 2:向かって右の3枚並びの左端 → 3:最初の扉の背後の3枚並びの右端 → 4:その後ろ4枚並びの右から2番目 → 5:一番後ろ4枚並びの左から2番目 → 6:その前の4枚並び 4の左隣 → 7:一番後ろ 5の有る4枚並びの右端 → 8:2枚並びの扉の右側 ※ 体にヒント有りと出る6枚の扉 ヒント通り。ただし正面では無い。ここはランダム設定となっており失敗すると順番がリセットされるので注意。 ※ 4本のバーを回転させるパズル 最初は扉を実体化させる。解らないならゆっくりと回して赤と青を切り替えてみよう。 次の段階は扉の色は関係なし。飛んでいる蝶に注目。 ※ 月と雷鳴 満ち欠けの中で欠けている物から満月へと向かって順番に開けていく。一瞬しか見えないが扉を通せば確認出来るという法則はここでも有効。ただし時間制限有りなので、障害の欄で書いたインタラクトの問題が発生している状態だと余計に難易度が上がる。 ※ 鏡面の様な部屋 メモリーの順番通りに向かい合った位置の扉を背面からインタラクトして下げていくだけ。ドアが出現した後は見送るだけだが、ここでインタラクトすると彼女は止まってしまう様なので注意。 ※ 別エンディング 分岐は無し。2ndエンディングに到達する条件は、一度クリアする → メニュー画面が変化する(木が出現する) → セーブデータをリセットせずにそのまま続行 → 最初の部屋のパネルの映像がその木に変わるのを確認。そのままスタートして最初のパズルを解く → エネルギー吸収 → 次の6枚の扉パズルに行く前に青く光るエリア(吸収場所からは右手, パズルから見ると後方)に到達 → 該当する木がそこに有り葉が散って落ちる → そのまま最後までクリア → 電車にて到着後のラストのムービーが異なる物に変わる。 |