Duck Season PC


ヒント&解答

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更新履歴  22/11/28 レビュー掲載 (バージョンは不明。実行ファイルのバージョンは2017.3.1.7475)

販  売  制作・販売: Stress Level Zero
 発 売: 2019/06
 日本代理店: 無し

 2022/11/28 現在 Steamにて定価 1,200円で販売中

概  要  Stress Level Zeroはロサンゼルスの会社でVR専用タイトルを何本か制作している。そんな中でこのゲームは2017/09にリリースされたVR専用タイトルDuck Seasonの通常モニターへの移植版。両者は別の製品で片方を購入すればもう一方が貰えるといった設定では無い為に上記「VR専用版」と、タイトルに“PC”と付けられたこちらの「通常モニター版(VR非対応)」を買い間違えない様に注意(Steamでの直接購入ならばまだ良いが、特に外部ストアでの購入は返品が効かないので)。

 ゲームの元ネタになっているDuck Huntとは1984年に発売されたファミリーコンピュータ用のライトガン(光線銃)専用シューティングである。北米ではスーパーマリオブラザーズとのセット販売も行われていたので中身の質はともかくとして知名度は非常に高い。特に失敗した際の猟犬の嘲笑が腹が立つものとして知られている。Duck Hunt Game Over

 プラットフォームはWindowsのみ。


STORY  1988年6月、11歳のデヴィッド少年が家で留守番をしていると、買い物に行った母親がゲームのカセットをレンタルして来てくれた。そのゲーム『Duck Season』が欲しかった彼は早速喜んでプレイを始めたのだが、それと共に周囲で奇妙な出来事が発生し出す。


パッチ&トラブル関連
 掲示板を見ると何回は更新はされているようだが表記が無い為にバージョンは不明。

*セーブファイルの場所は以下の中(隠しフォルダを表示する設定にしておかないと見えない)
 C:\ユーザー(Users)\(ユーザー名)\AppData\LocalLow\Stress Level Zero\DuckSeasonPC


 起動しないなどの障害報告は幾つか見受けられるが原因が特定出来ている訳ではない模様。細かいバグの報告も出ているので同じ物がないか検索にて掲示板を探してみるとかになるだろう。

シ ス テ ム

・難易度はEasy / Normal / Hard の三種類。ゲーム途中での変更も可能。二周目以降はNew Game +モードとなる。
・セーブはオートセーブ(1箇所のみを上書き)。セーブはメニューから完全消去も出来る。
・現在の目標の参照機能無し
・アイコン表示や矢印による進行方向ガイド機能、ミニマップを含めてのマップ表示機能は無し
・字幕無し

*キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, マウス反転可○, 明るさ調整不可×
*一人称視点固定, FOV調整不可×
*スプリント×, 屈み○, ジャンプ○
*照準(カーソル)は一部有り
*コントローラー部分的対応○
*Steam実績対応


 アイテム類の操作は、Eキーで掴む, Shift押下の状態でマウスにて回転させられる, Qキーで今持っている物を使う(重要), Eキー長押しで投げる動作(飛んで行く軌跡が表示されるので離すと投げる)。ゲームカセットをゲーム機にセットしたい時などはカセットを持った状態でゲーム機のスロットに向けて投げる操作をすれば良い。

BASICS
 ゲームは2つの異なるシーンに分かれており、一つがTVゲーム『Duck Season』をプレイするパート。TV画面に映されたこのゲームその物をプレイするのでは無く、ゲームの世界内に入ってしまった様な形でのプレイとなる。世界内の自分は光線銃ではなくショットガンを持っているし、振り向くとブラウン管の向こう側にはデヴィッド少年が見える。このゲーム内世界で飛んでいるカモを撃って規定以上の成績を収め各レベルをクリアするのが目的。最初はレベル1から始まって段々と難易度も上がって行く。

 『Duck Season』の各レベルをクリアする毎に戻って来るのが自宅の居間という現実世界のパート。こちらでは他のゲームカセットをセットして遊んだり(これ等は居間のTV画面を見ながらのプレイとなる)、同じくデッキにセットしたVHSテープを鑑賞したりが行える(途中キャンセルはTV画面クリック)。その他のアイテム類にもインタラクト可能(可能な物は指すとハイライトされる)。しかし室内は自由に動けない様になっており、透明な壁にブロックされてしまうのでTVの前の狭い限定されたエリアから離れる事は出来ない(屋内の周囲を見渡せるだけ)。なお部屋の中は各レベルが終わって戻る毎に登場するアイテム類が変化したり置き場所が変わったりもする(散らかしたりしていても、各レベル間のデフォルトの配置へと戻される)。

 『Duck Season』は一泊二日のレンタルなのでデヴィッドはゲームをプレイし続けるのだが、徐々にゲーム内世界と現実世界の境界が曖昧になっていくというホラーゲームである。ジャンプスケア系では無くて演出による怖さで勝負しているタイプ。グラフィックスも雰囲気も明るいトーンなのが急変する所が怖さに繋がっておりホラーゲームとしての質は高い。


 特徴としてはほぼ周回プレイ型の構成である所。難易度にも因るが(ビデオ鑑賞や別のゲームで遊ぶのにどれだけ時間を費やすかも影響するが)、初回プレイを難易度Normalにて1時間程度でもエンディングに到達可能。そのエンディングは全部で7個用意されており、クリア後にNew Game +にて周回プレイを行い全エンディングを回収する事が前提となっているかの様なデザイン。1周だけではあまりに短いし、7つのエンディングへの到達は「達成する方法が解らない」という件を考慮しなければ物理的に長時間が必要となる訳ではないのだが、問題も感じられるので次の項目で詳しく解説する。

GAMEPLAY
 ゲーム内ゲームである『Duck Season』の方から。デフォルトのゲームは左右から飛んで来るカモが消え去る前に(何回か左右で反射して戻って来る)撃ち落とすのが目的で、難易度に応じて必要な数が提示されるのでそれを達成しないとならない。レベルによっては幾つか用意されている別ルールのモードにもなる。

 このゲーム内世界には照準は無し(ゲーム外の日常モードだと光線銃の光が該当するが薄くて解り辛い)。ショットガンなのでエイムはある程度はアバウトでピタリと合わせなくても当たる。ズームした時に命中率に変化が生じるのかは不明だがおそらく無し。リロードは途中でのキャンセルも可能。自動補充なので車上の弾薬は一々取らなくてもOK。

 風景はどのレベルでも明るさが変わるだけで一緒。武器を変更するとか改造要素なども無し。各種ルール変更もプレイヤー側からは出来ない。当時のゲームはこの程度だろうと言われればそうなのかもしれないが単調さは否めない。また難易度Normal程度では手応えも薄い。


 続いては周回プレイに関して。このゲームではホラーのパートとなっている現実世界の時間を進めるには『Duck Season』を進行させないとならない様になっており、周回時でも『Duck Season』のレベルをスキップは出来ない(7個のエンディングを達成後にはチートコマンドが可能となる)。難易度をEasyに設定してやればリロード無しで簡単になるし、また物理的にクリアしないとならないステージ数が減るので30分もあれば1周は可能である。よってエンディングへの到達方法を発見する時間を除けば、「30分」 X 「追加6個のエンディング」という概算で3時間程度で全エンドの回収が可能という話になる(+初回プレイの1時間程度)。

 問題はその単調さと作業感で、射撃ゲームである『Duck Season』のパートは全く関わりが無い訳ではないが本編のホラーとは別の独立したシューティングゲームであり、周回時のプレイにおいてもその内容は変化しないし、ごく一部を除けばこのパートで何をやったのかは現実世界のパートに影響しない。ホラーゲームでも別エンドに到達するには最初からやり直さないとならないという物は存在するが、それでもリプレイ中はそのホラーゲーム自体をプレイしているのに対して、このゲームでは本編とは関係ない別のアクションゲームをプレイしないとならないというのがやる気を削ぐ原因となっている。Easyでプレイする事でクリア時間の短縮は可能なのだが、簡単になるのもあってプレイ自体の面白味は更に減少してしまい作業感が強くなる。しかもそれは何周も続けられるし、中には現実世界パートの方も最後の分岐になるまでは一緒というケースもあってより単調さが強調される事も。エンディング(別ルート)を見る為には仕方がないとして我慢しながらプレイしていたが大きなマイナスポイントとなっている。

 緊張感を持たせる様な難易度バランスでの周回プレイとなると精神的に疲れるし時間も増す可能性が生じるのでそれはそれで問題になる恐れもある。だが非常に単調なゲームプレイを半分寝ている様な感じで淡々と進めて行くのも辛いというのは確か。元はVR用なので長時間プレイには向かない(ゴーグルの装着感, VR酔い対策等)と考え、そこで短時間クリア周回というデザインにしたのかもしれないが、それならもうちょっと『Duck Season』のゲーム性をバラエティに富んだ周回時でも飽きの来ない物にする努力をして欲しかった。


 エンディングは全部で7つだが、その内の1つは他の6個を達成してからでないと到達は出来ない仕様。7つのエンディングへの到達方法を発見するのは非常に難解とは思わないが, 偶然に頼る, 失敗が必要など解り難い物もあり簡単でも無い。何より周回時の単調さが最大の問題であり、テストとしてその都度1周分プレイしてみるという行為が辛過ぎる。よって4個程度は自力で発見出来たがこれ以上は無駄な周回はしたくないと考えて他は攻略に頼ってしまった。

 もう一点デザイン上の難点としてはイースターエッグ系のオマケ的な隠し要素の導入の仕方。エンディングを7個コンプリートしていないとアクセス出来ないという物も有って、更にはシークレットの中からアクセスが可能なシークレット要素なども存在。とにかくプレイヤーは7個のエンディングを獲得するまでプレイしなければならない、もしくは皆プレイをするものだとでも考えているのか、あまりに特殊コンテンツの内容の方に力を入れ過ぎである。これ等オマケ要素の中には面白い物も含まれているし、より多くのプレイヤーを楽しませる為にはこんなに限定的な公開の仕方をあえて採らなくてもと思えてしまう。なおトレーラーにて見られる映像の中にはこのシークレット系の中身も含まれているので、普通にプレイしただけだと「こんなシーンは何所で出て来た?」となる可能性もある。

GRAPHICS & SOUND
 Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット無し。個別の設定項目は5個。画面モードはウインドウ表示可。

 元はVR専用タイトルという件もあるのかもしれないが特別にグラフィックスのクオリティは高くない。それとロケーションと呼べる様な場所の変化が非常に少ない為にバラエティさも希薄である。少年や母親のキャラクターはリアルでは無くカートゥーン調だが、逆に着ぐるみの犬の方は妙にリアルなデザインとなっているのが不気味で良い味を出している。


 ボリューム調整可○, 3Dサウンド非対応, ボイス有り。そんなに台詞は多くはないのだが字幕が無いのは残念。BGMやエフェクト音などはあまり種類が多くはないし印象的でも無かった。

BOTTOMLINE
 ホラーゲームとしては面白くて楽しめた。こういった何気ない日常に別世界が侵食して行く様な設定は私の好みでもある。一方でゲームは非常に短時間でクリア出来る1周分を何回もリプレイする周回前提のデザインとなっており、全エンディングへの到達を前提としているかの様な設定には疑問符も付く。そしてリプレイにおける単調さと作業感は大きなマイナス点と言わざるを得ない。

 単調さに関しては本文により詳しく記載しているので、それを理解して全エンディング回収まで耐えられそうならばお勧め出来る。ホラーゲームとしての演出が各エンディングに数多く含まれているので、全エンディングを体験出来ないとホラーゲームとしての価値が下がってしまう。

 元になったVR専用タイトル版に比較して大幅に低価格なのは良い所。


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ヒント&解答

 以下ネタバレとなるので一部反転表示。


 攻略ガイドは以下のサイト等にまとめられている。

 Steamのガイド頁
 All Secrets (solved or unsolved) SPOILERS
 Duck Season Wiki




※ セーブデータの使い回しは出来るのか

 最後の結果(選択)でエンディングが分かれるという際に、直前でセーブされたデータを退避しておいて、片方のエンディングに到達後に戻して使い回すという意味。周回中に飽きてきたので実験してみたのだが結論から言うと不可。例えばエンディングへの到達前にセーブデータをバックアップしてからEND1ルートをプレイ。そうしたらバックアップから戻してやり、そこから今度は別ルートのEND2に到達させるという風にする。この場合7つのエンディング別に用意されている実績の解除は達成されるのだが、セーブデータ内にエンディングの達成状況をデータとして保持しているらしく、エンディングのカウント数が更新されない。

 END1を達成するとその時点でセーブデータ内にEND1クリアのフラグが記録される設定なので、その前のセーブデータを戻してEND2に到達してもEND2クリアのフラグが記録されるだけで、そのセーブデータの時点では未達となっているEND1のフラグは記録されていないという話である。よってちゃんとEND1のクリアを達成したセーブデータを使って最初からプレイし直してEND2に到達しないと両方のクリアフラグがセーブデータに記録されない。そして6つのクリアフラグが記録されていなければEND7には到達出来ないから、全部最初からちゃんとエンディングまでプレイしなければならない(セーブデータその物をエディットにて改竄出来るなら別だが)。




※ エンディングへの到達方法

 詳細は上記ガイドに譲るとして簡易版。


“Fiesta” Ending  Final Fiesta II(実績名)

 『Duck Season』をプレイ中に一回も犬を撃たずにクリアする。部屋に戻った後はFinal Fiestaをセットしてプレイすれば良い。

"Stuck Forever" Ending  TV

 『Duck Season』をプレイ中に少なくとも一回は犬を撃つ。ゲーム内での最終決戦で巨大化した犬のビームにより背後のTVを破壊される。

“Canon” Ending  BackPack

 『Duck Season』をプレイ中に少なくとも一回は犬を撃つ。巨大化した犬を倒して現実世界へと戻される。ここで襲って来る犬(何所から出て来るのかはランダム)を光線銃・刀・バット等で倒して勝利する。

"Dead" Ending  Broken Cartridge

 『Duck Season』をプレイ中に少なくとも一回は犬を撃つ。上記Canonエンドと同じ流れで室内戦まで進めて、この室内戦にて犬に負けて殺される。

“Best Men” Ending  911 Emergency

 『Duck Season』をプレイ中に少なくとも一回は犬を撃つ。現実世界パートで電話が自分の近くに出現したらインタラクトしてUseし(Qキー)警察へと連絡する(機会はレベル6の終了以降で2回有るようだ)。電話は通話が完了する前に切ってはならない。後は『Duck Season』をそのまま進める。

"Nuke" Ending  Nuke the Game

 特殊エンディング。弾薬箱に金色に光るゴールド弾が1発だけ出現するケースが有り(車上の弾薬箱を見れば判る)、これが銃に装填されると銃身もゴールドに輝くようになる。この弾を太陽に向けて撃つとエンディング。もし初弾だった場合には、スタートの合図の看板を撃たずに太陽を撃てば良い。弾の出現は早期のレベルから可能性があり、レベル1の初弾という可能性も有り。

"Dog" Ending  Dog

 エンディングは6/7まで達成されている必要がある。TV左側の棚の上段にトロフィーが横に6個並んで揃っている状態(この頁のSSだと4/6個開いている状態)。『Duck Season』をプレイ中に一回も犬を撃たずにクリアしてFiestaのエンディングと同じ様にする。部屋に戻されたら新たに出現した"It's Me"のVHSテープを再生する。




※ シークレットへのアクセス

 ゲームを1回クリアすると本棚の"Kid Wizard book"にインタラクト出来る様になる。これの裏には幾つかのアイコンが書かれており、その対象物にこの本を置くと(向けて投げると)該当したエリアへと転送される仕組み。ただし“7”の記号が付いているエリアには全7エンディングを達成後でないとアクセス出来ない。各エリアから戻る際には本を『Duck Season』のカセットの上に置けば良い。




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