Fatum Betula


ヒント&解答

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更新履歴  22/05/03 レビュー掲載 (V1.17)

販  売  制作・販売:  Bryce Bucher
 発 売: 2020/06
 日本代理店: 無し

 2022/05/03 現在 Steamにて定価 620円で販売中

概  要  Bryce Bucher氏はPSX(PS1)世代を想わせるグラフィックスを用いたホラーゲームのコミュニティ(よくHaunted PS1と呼ばれる)界隈では知られた人物でフリー作品を含めるとリリース数は多い(他の作品)。Dread X Collectionなどにも参加している。

 タイトルの'Fatum Betula'(ラテン語)とは“fate birch”(運命の白樺)の意味。白樺はケルト神話など幾つかの宗教・伝承において神聖な木として扱われていたりする。

 プラットフォームはWindows, Nintendo Switch, Xbox One。

 Haunted PS1 Demo Disc 2020の作品中にDemoが収録されている。


STORY  主人公における背景設定などは特に無し。ある世界においてその世界の運命を決める為に行動するという話だが、主人公がどういった立場なのかは明らかでは無い。


パッチ&トラブル関連
 画面上にバージョンは出ないがおそらくV1.17が最新。

 Steam版はSteamworksとの連係(クラウドセーブ, トレーディングカード, 実績機能等)が絡んでくるので、そちらだけ更新されてバージョンが異なる可能性もある。


*セーブファイルの場所は以下の中(隠しフォルダを表示する設定にしておかないと見えない)
 C:\ユーザー(Users)\(ユーザー名)\AppData\LocalLow\Bryce Bucher\Fatum Betula


※ 画面表示にノイズが乗ったような異常が発生する

 AMDのVegaシリーズにおいて発生報告が出ている(それだけなのかは不明)。対策としてSteam版の場合、ライブラリからゲームを右クリック → プロパティ → ベータ → ditheringdisabled - Disables Dithering 版を代わりにダウンロードしてプレイしてみる。

シ ス テ ム

・難易度は無し
・セーブは任意の場所での手動セーブ(スロット4個)
・現在の目標の参照機能は無し
・アイコン表示や矢印による進行方向ガイド機能、ミニマップを含めてのマップ表示機能は無し
・字幕有り(日本語には非対応)

*キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, マウス反転不可×, 明るさ調整不可×
*一人称視点固定, FOV調整不可×
*スプリント○, 屈み×, ジャンプ×
*照準(カーソル)無し。ただアイテムを持った際には表示される。
*コントローラー非対応×
*Steam実績対応


 F5でSave/Loadを切り替えるので間違えない様に注意(LoadするべきスロットにSaveで上書きしてしまう等)。


BASICS
 幾つかのマップ内を探索してNPCの要求に応えたりしながら進められる探索がメインのアドベンチャーゲーム。純粋なパズルを解いていく形式では無く、必要なアイテムを持って来てNPCに渡す, 適所で使用するといった風にして進められるタイプ。

 異世界物ではあるが風景としては現実世界に一致した物も多かったりと、非常に奇抜な世界設定とまでは行かない。白樺の木が運命を決めるという設定だが、具体的な世界観が良く解らない世界でもある。マップはロード画面で連結されている形式だがそれぞれが広くは無いし、合計のマップ数もあまり多くない。

 異世界物には「謎解きがその世界観同様に奇抜・異端で解り難い」という作品も有るが、このゲームでは「そこで必要なアイテム類&やる事は、そこに居るNPCとの会話やオブジェクトにインタラクトした際の説明文を読めば解る」というケースが大半である。突飛な要求をされるケースも有るがその内容は具体的に示される為に、何をすれば良いのかに悩まされる事は少なくなっているという意味。


 最終的な目標に関して。10個のマルチエンディングとなっており、これをなるべく多く発見するのが目的である。マルチエンディングのゲームには、その中のどれかに到達すればそれで一応のお終いとなるタイプが一つ(制作側の理想としてはリプレイやセーブからのやり直しで他のエンディングも味わって欲しいと考えてはいるが、どれかに到達したらそれで終わりでもOKというスタンス)。一方でマルチエンディングや選択肢分岐を体験する事自体がゲームのメイン要素であるというタイプも存在しており(あるエンディングに到達したらそれで終わったのだから良しでは無く、それだけで低評価などをされてしまっては困るといったリプレイされる事が前提の構造)、このゲームはこちらに入る。

 多数のエンディングを体験してもらって、それぞれがどういう風に変わるのかを楽しむのがメイン要素という分岐前提のデザイン。各エンディングに到達するには最初からやり直す必要は無く、途中までは一緒というパターンも多いので4個のセーブスロットを活用すればリプレイ時間は節約出来るし、仮に最初からやり直すにしても世界のサイズは小さいので長時間は掛からない様になっている。


 ジャンルとしてホラーに属するとも言えるが、奇妙な世界観という点からでジャンプスケアとかは無し。後はローファイのPSX世代のグラフィックスを採用しているので見た目が奇妙な印象といった点はあるものの、全体としてはホラー要素は希薄という感想である。

GAMEPLAY
 ボリュームとしては3時間程度プレイしたのだが、全エンディングを発見するまでは頑張る人というだと相当時間が掛かるだろうし、大してエンディングを見付けていない段階で「この位でもういいや」となるならもっと短くなるために個人差が出るタイトルである。

 エンディングは到達するとムービーとなって終了すればメインメニューに戻る形で、また最初からやり直すかロードして再開するかになる。エンディングのムービーは実写も存在していたりと凝っており、内容の方も哲学的だったりユーモラスだったりとバラエティに富んでいて面白い。分岐を辿るのは単なる作業といった感を受けるこの手のタイプの作品も多い中、このゲームは次のエンディングはどんな物なのか見てみたいという興味でプレイを続けられるのでそこは評価出来る。

 ヒント無しではエンディング10個の全達成は困難と考えられるが、自力でも半分以上は可能だろう(私自身も全部は達成していない)。謎解きは先に書いたように難解では無い事が多いのだが、例えば解答が2種類存在していたりと分岐の要素が含まれているケースなど気付き辛いケースもあり。つまりあるエンディングに到達する為の謎解きは高難易度では無いが、多数のエンディングへの分岐を見付けようとすると解り難い箇所も出て来るという設定になっている。


 非常に奇抜な景観の世界(マップ)が用意されている訳では無いし、出会うキャラクター達とは(選択式の)会話が出来るという風でも無い。しかし発生するイベント, 目的達成の為にとる行動, 一部の謎解きなど探索の内容の方は魅力的で楽しめた。「閉まっている扉が有るからカギを探してこよう」みたいな在り来たりの作業では無く、変わった行為によって解決していくという件が多くて退屈させない。


・アクションやステルス等のスキルは要求されない。死亡の概念も無し(高所から落下したりしても付近に復活する)。
・画面上にポインター(カーソル)が無いので、Useしてみないと反応が有るのかどうか判別出来ない箇所も有り
・インベントリー画面は、左側で所持アイテムをサイクル。右側が試験管(水筒)の専用スロットになっている。

GRAPHICS & SOUND
 Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット無し。個別の設定項目は有るがトラブル対策用。ウインドウ化可能。

 グラフィックスはPSX(PS1)風のローポリでアスペクト比も4:3のブラウン管時代仕様。この描画スタイルのホラー物ではその独特の雰囲気を利用して不気味さを強調したりする物が多いが、この作品はあまりホラーには寄っておらず不気味さの方は控え気味である。


 ボリューム調整可○, 3Dサウンド非対応, ボイス無し。キャラクターにVCは有った方が良いと思うのだがやはり予算的な問題か。BGMはアンビエント調がメインで曲数は少ない。

BOTTOMLINE
 PS1世代の描画を用いた作品でホラーに分類されていたりするが、ホラー色は薄めでその辺を期待するプレイヤー向きではない。「不気味」では無くて「不思議」系の作品となっており、独特な世界を味わいながら探索するという行為が面白いゲームである。多数のエンディングはバラエティに富んでいるので次を見る事が楽しみであり、飽きずに別のエンディングを探すモチベーションも維持出来る様になっている。ただし全エンディングを自力で見付けるというのは難易度が高いと感じられる点はやや問題。

 このタイプのグラフィックスが嫌いでは無いなら強くお勧めしたい出来映えの作品。インベントリー管理系謎解きのアドベンチャーゲームが好きな方には特に推奨。敵から逃げるなどのアクション(スキル)は必要とされないし、過度なホラー要素も無いのでそれが苦手という人でも大丈夫である。


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ヒント&解答

 以下ネタバレとなるので反転表示。

 まず第一にNPCが要求している物や事は会話時に話題にしているケースが大半なので良く読む事が重要。何等かの文書類が読める場所でも同様。通常は繰り返し話し掛ければ再度読める。


 10種類のエンディングに関してはガイドの頁にフローチャートや解説が有るので、全部クリアしたいという方はそちらを参照。またコンソールでも出ているというのもあって、WEB検索するとエンディングへの到達ガイドは結構ヒットするので解り易いサイトを見付ければ良いだろう。




※ 最初のエリアで何も起きない。何をすれば良い?

 インベントリー内に文書が在るのでそこに書かれているのと同じ事をすれば良い。




※ 具体的にはどうやって各エンディングに到達するのか?

 最初に3つの水筒(試験管風)を受け取るが、この中に「水以外の物質」を採取して来る。これをスタート地点の水の中に流し込むと(つまり白樺に与えると)、その物質に応じた世界の運命が決まりエンディングが流れる。水筒は3つ有るので最大で3個まで保持出来る事になり、セーブしておいてから順番に続けてエンディングを見るという風にも出来る。




※ 詰まった。他に出来る事が無さそうに見える。

・ハブとなるエリア(空腹のNPCが居る場所)からは2方向へ道が伸びているが、実はもう一つ別マップへのルートが有る
・釣れる魚は色違いで2種類いる(効果が異なる)
・ベッドで寝た後の異常描画状態においては、その間だけ出来る事が幾つか有るので見落としが無いか確認
・採取した物質の中には混ぜて新しい物を生み出せる物が有る(どこかに処方は書いてある)。なお混ぜるには水が溜まっている場所を使えば良い。





※ 池の中央の建物内に有る絵画はどうする?

 別の場所であるアイテムを入手していればそれを使って取れる(中に入れられる)




※ 潜水艦にはどうやって乗る?

 飛び移るのではなく目の前でUseキー。




※ 海底で先に進めない

 海藻がブロックしているので進めない。それを枯らすには何かを海に注げば良い(答えは1つだけではない)。




※ (普通の)住宅の中で何をすれば良い?

 剣は直接的な攻撃にも使える




※ 教会にてイベントが起きない?

 教会の背後に回った際に目的の物が出現するかどうかはランダム。よって出たり入ったりを繰り返す必要がある。




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