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更新履歴  21/09/04 レビュー掲載 (V1.1.7)

販  売  制作・販売: EMIKA_GAMES
 発 売: 2021/02
 日本代理店: 無し

 2021/09/04 現在 Steamにて定価 720円で販売中

概  要  ロシアのEMIKA_GAMESよりLocked Upに続く第二弾。

 プラットフォームはWindowsのみ。

 itch.ioでの購入にてSteamのキーは受け取れない。itch.ioでは頻繁にセールが行われているので、Steamにこだわらないならitch.ioでの購入をお勧め。


 ゲーム内にWhat Remains of Edith Finchのコンテンツが存在しているのは、同ゲームが作品内で使用していたアセットをUnreal Engineのストアにて無料提供しておりそれを使っているから。


STORY  主人公は幼少時に起きたある事件によってトラウマを抱えており、それを原因とする各種の恐怖症も持ち合わせていた。そして強い精神的なプレッシャーを受けると、魂が肉体から分離して異世界(精神世界)へと向かってしまうという体質にも陥っていた。そんな彼が精神科の医者に会う為に地下鉄を利用した所からまたこの精神分離現象が発生するが、その恐怖症に立ち向かって克服する為に精神世界内で行動するというストーリー。


パッチ&トラブル関連
 最新はv.1.1.7。Steam版はSteamworksとの連係(クラウドセーブ, トレーディングカード, 実績機能等)が絡んでくるので、そちらだけ更新されてバージョンが異なる可能性もある。

*セーブファイルの場所は C:\ユーザー(Users)\(ユーザー名)\AppData\Local\Find_Yourself\Saved\SaveGames の中(隠しフォルダを表示する設定にしておかないと見えない)。


※ ゲーム起動時にSteamVRが起動してしまう(ランダム発生) 
 ライブラリからゲームを右クリック → プロパティ → 「一般」タブ → 「起動オプション」の欄に -nohmd と入れて閉じる。

シ ス テ ム

・難易度は無し。アイテム持ち越しの二周目やクリア後の別モードは持っていない。
・セーブはオートセーブ(1箇所を上書き)。チャプター選択機能は無し。
・現在の目標の参照機能は無し
・アイコン表示や矢印による進行方向ガイド機能、ミニマップを含めてのマップ表示機能は無し
・ボイス自体がほぼ無いが字幕は出るケースもある(日本語には非対応)

*キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, マウス反転不可×, 明るさ調整可○
*一人称視点固定, FOV調整不可×
*スプリント○, 屈み○, ジャンプ×
*照準(カーソル)有り(小さなドット)
*コントローラー非対応×
*Steam実績対応


 前作には存在していたキーのアサインやマウスの感度など非常に基本的な設定が無くなっている。設定が用意されている1作目と無くなった2,3作目では使用しているUE4のバージョンが異なっており、その影響で1作目用に制作した(or 外部購入した)変更用のプログラムが動かなくなってしまったというのは考えられる。なお今後のアップデートにて対応したいという作者からのコメントは見られる。

BASICS
 ストーリーの流れとしては地下鉄をべースとして、トラウマの原因となっている幾つかの世界(精神世界)を訪れ、過去に自身の身に起こった出来事を正確に理解し、それを基にトラウマを克服するという設定となる。ホラーゲームとして見た場合には、1作目Locked Upとはデザインに変化が見られる続編となった。前作では数は多いが演出は控え目だった為にさほど怖さは無かったジャンプスケアだが、今回は強度を高めて直接的に怖がらせる演出に力が入っている。実際にそのクオリティも上昇しており、ジャンプスケアの効果を採点するならこの2作目の方が勝っていると感じられる。

 一方で雰囲気面での怖さの方は減退しているという印象。前作はVHS風のノイズ混じりの映像演出や呪われた館の中など不気味なロケーションがメインとなっていたのに対し、今回は精神世界を含めて幾つか出て来るが(地下鉄内, 普通の家, 遊園地等)、雰囲気的に怖さを感じられるような場所は登場しない。(ちなみに怖い場所の事例としてはいずれも夜間だが、森, 廃墟(廃病院), 学校, 昔風の洋館, 心霊スポット, 洞窟等が挙げられる)。他には定番中の定番マネキンを使った演出が幾つも出て来るが、やはり地下鉄内等の場所とは上手くマッチしていないという風であり効果薄。故にジャンプスケアを好まない雰囲気等を重視するホラーファンにとってはむしろ恐怖度が低くなったと受け取られる可能性が高い

 ジャンプスケアが好み、あるいはジャンプスケアも容認するというタイプのファンに取ってはそのクオリティが向上した事から楽しめると思うのだが、否定派(ジャンプスケアは確かに怖いのかもしれないが、ジャンプスケアは嫌いなのでそもそも要らない派)には好ましくない方向への路線変更になっている2作目と言えよう。


 [参考] 現在のホラーゲームの業界ではジャンプスケアという要素に対しては否定的な面の方が強い。正確に言えば強烈なジャンプスケアを連発してプレイヤーを怖がらせる様な手法は「古臭い」, 「芸が無い」と見られてしまう。そこは背景設定, 雰囲気, ストーリー, ゲームのシステム, 優れたグラフィックスやサウンド等で怖がらせるのが中心となるべきという風潮が主流である。ジャンプスケアは有っても良いが、あくまでもこういった要素で怖さを確立した上で、それにプラスして使われるべきであるとされる。しかしこれ等の要素は低予算になるほど達成が難しくなるという問題も存在しており、それ故にマイナーな物やフリーゲームではジャンプスケアに頼るという率は高くなる傾向にある。この作品もマイナーで低予算なのでそういう方向へと流れたというのは考えられる。

GAMEPLAY
 クリアまでは1時間20分だった(作者曰く1時間くらいのボリューム)。1作目に比較すると価格がずっと安いのはこのボリュームの違いだと見て良いだろう。エンディングは一つだけで分岐も無いのでリプレイ性は薄い。なお最後にクレジットの流れた後も話は続くので注意。

 ゲームプレイの方では大きく変わった所がある。前作は純粋な探索型で死亡やゲームオーバーが存在していなかったが、今回は時間制限の有る中である種のアクションを達成するとか、敵に追われながら目的を達成する為にエリア内で行動するなど、アクションゲームとしてのスキルを要求されるシーンが設けられている。これ等は失敗すれば死亡扱いとなりそのセクションをやり直し。他に謎解きを失敗するとゲームオーバーになってしまうという箇所も複数あり。ただしスキルを要求されるとは言っても難易度は高くなく、適度な緊張感を生んでいるし悪くない変化だと感じられる。


 進行はパズルを解いたり、何等かの行為を行うとそれがフラグとなって変化が発生し先に進むというオーソドックスな形式。何かをすると周囲に変化が発生するというギミックはP.T.風だった前作同様だが、ひたすらそれを連続して続けて行く様な設定にはなっておらずP.T.の影響は今回は感じられない。謎解き(パズル)関連は主人公がやるべき行為を独白したり、正解へのヒント文が表示されたりする親切なケースもあってそれ程難解では無い。


 前作では漠然とし過ぎていた感の強いストーリーは一転して解り易くなった。普通のゲームと同様に手記等のストーリー理解の補助となるドキュメントが用意され、アイテム類を見付けて取るとトラウマとの関連性が説明されたりもあり。他のゲームと一緒で解説のドキュメント類からどれだけの数を発見出来るかが理解度に影響してくるが、数段解り易い話になったというのは確かである。

GRAPHICS & SOUND
 Unreal Engine 4を使用。グラフィックス設定のプリセット無し。個別の設定項目は7個。画面モードは排他的フルスクリーン, ウインドウの2種。

 使われている3Dモデル&アニメーションのクオリティは前作比較で向上している。全てアセットストアで購入しているかフリー配布の物を利用しているはずだが、前作がある程度成功したのでより高価で質の良い物が使える様になったと考えられる。そして質が向上した事から敵キャラクターがハッキリと良く見える場所に出現したり、プレイヤーに近付いてアップで表示されるケースも増えてジャンプスケアの演出効果に有効に働いている。


 ボリューム調整可(ただし項目別の個別調整は出来ない)。3Dサウンド対応。ボイスは大抵のセリフには付かずに一部のみ有り。ただしそのボイスは制作陣の知り合いとか素人がやっている様でクオリティは低い。音数が多いのは相変わらずで、あまりにも周囲のいろいろな場所で音が鳴っているので騒々しいとも感じてしまうレベル。効果を挙げてはいるがもうちょっと控え目でも良いという気がする。

BOTTOMLINE
 第1作目からは傾向が変化した2作目。ジャンプスケアが好み or 少なくとも抵抗は無いといった方には問題無いが、雰囲気面での怖さを重視しておりジャンプスケアは嫌いという方には向かない物へと変わった。個人的にはどちらもOKなので、1作目とはタイプが異なるがこれはこれで良いのではないかという感想である。グラフィックス面でも向上しているし、ゲームオーバー有りのアクションを要求されるといったゲーム性も追加されており、総合的にゲームのクオリティ自体は高いと思える。

 なおキャラクターもロケーションも他のゲームで見た事があるアセットが目立つが(実質全部他者制作のアセットで作られているが)、3Dコンテンツの独自制作は非常に高額のコストが掛かってしまうので、フリーゲームだけでは無く有料作品でもそこはある程度は仕方が無い所だと、インディーズゲーム業界の厳しさをご存じない方は理解して欲しい。

 1時間程度と短くその割には価格は高目という件は弱点ではあるが、既にセールも多くその時に買えば安いので大きな問題では無い。


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ヒント&解答

 以下ネタバレとなるので反転表示。重要なヒントを幾つか。


*周囲が変化した際にそれまで何も無かった場所にアイテム類が出現する事も有るので常に確認要
*達成すべき作業内容がヒントとして下段に表示される事も有るのでよく読む
*Eキーにてそれをズームして見る事がフラグ達成になっているケースが有る
*ノートの断片が幾つか見付かるが、これは実績対象の収集アイテム(全5枚)





※ 子供部屋 モンスターの唸り声が聞こえているが何をすれば良いのか?

 ベッド下に脚が見えているが、このベッド下をズーム視点にして覗くと後退して脚が見えなくなる。これがフラグ。覗く位置は下がって離れたりと調整が必要かもしれない。





※ 列車内 赤い工具箱の鍵 正しい物を見付けろと言われるがどうやって見分ける?

 多数のマネキンが鍵を手に持っている中で正解を見付ける。Takeに3回失敗するとゲームオーバーになる。正直言って判断基準は解らない。おそらくだが工具箱の付近が血で汚れている事から、血で汚れた手形が付いているマネキンが正解という事ではないか。





※ 地下室 何をすれば良いのか?

 良く観察してみると、見る時の位置によって通常時とは違った物が存在して見える場所が有る。それを達成するとフラグとなり周辺の状態が変わる。





※ 遊園地にて達成すべき作業

 マネキンに刺さっている包丁を取る → 観覧車入り口付近のボックスを包丁で開けてヒューズを取る → 止まっている回転遊具(座席式)にてボックスを開けてヒューズをセット → 座席が動き出すので切断用の工具を取る → 回転木馬の所で箱を開ける





※ 多数のマネキンが通路を塞いでいる

 近くに有る紙に1-9までの番号が書かれた記号が記載されているので、その順番通りに同じ印の付いているマネキンをクリックしていく。




※ ストーリー説明

 精神病院から脱走したカップルが両親を殺し、その後主人公はこの二人に育てられた。しかし幼少だったのでその事を理解出来ず。その後別件として(偽の)父親に遊園地に連れて行ってもらった時に、子供をさらう趣味を持つピエロの衣装を着た別のサイコパスに誘拐されてしまう。6日後に檻に閉じ込められている所を発見されたが他の2人の少年は死亡。この事件もトラウマに。なおおそらくだが(偽の)父親は狂っている母親に殺されてしまっている(ベッド下の死体)。

 ゲーム内にもあった様に、家の中にはモンスターが居るという考えの主人公の少年は階段に罠を仕掛ける。しかし精神状態がおかしくなっている母親が罠に掛かって階段から落ちて死亡してしまう。怖くなった少年は母親の死体を地下室に隠して壁を封鎖するが、その後は親が居なくなったので孤児院に引き取られる。以降は誰にも自分のやったことを話したりはしなかったが、精神科の医者に掛かる様になって過去の行為を相談している。

 個人的にはラストのシーンは、主人公は過去を理解する事でトラウマを克服したと考えており、それによりもう魂が分離して別世界へと行ってしまう事態は起きないだろうと確信していたのだが、実際には彼をつけ回す悪魔(ベッドの下に居た)からは逃れられていない(今後も精神世界で悪夢を見続ける)という意味だと推測している。