GLOWCOMA: chapter 1



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更新履歴  21/07/22 レビュー掲載 (バージョン表記無し。公式にアナウンスされている中では2019/12更新分が最後であり、これが最新バージョンと考えられる)

販  売  制作・販売:  Tsvetomir Georgiev
 発 売: 2019/11
 日本代理店: 無し

 2021/07/22 現在 Steamにて定価 100円で販売中

概  要  個人制作で作者Tsvetomir Georgiev氏はブルガリアの方。本職は3Dアート関連でAaron Sims companyに勤務。同社にて長年に渡り、Transformers , Ninja turtles, Planet of the apes, Independence day, Stranger things, IT等の映画作品のコンセプトアート制作に携わっている。

 その仕事の合間を縫って趣味でゲーム制作を始めており、これがその本格的な第一歩となる。時間的な制約がある為に販売されているアセットやフリー素材を利用して作られている。この最初のチャプターのリリース後はアナウンスも減り中途で終了かという雰囲気も漂わせていたが、ようやく2021/02になってチャプター2の映像を公開したりと制作に戻って来ている。

 最初は6ドルでの販売だったのだがボリュームの割には高いという抗議を受けて数ヶ月で1ドルへと値下げしている。


STORY  背景設定などはおぼろげにしか語られていない。未来社会にて地球が何者かの侵略によって絶滅寸前に追い込まれており、それを食い止めるにはブルガリアに存在する“コア(GLOWCOMA)”に到達して何等かの作業をしないとならない。その為に主人公がテレポーター装置を使って現地へと送り込まれた、という話の様である。


パッチ&トラブル関連
 2019/12にアップデートされているが以降は行われていない模様。

*セーブファイルの場所は C:\ユーザー(Users)\(ユーザー名)\AppData\Local\GLOWCOMA\Saved の中(隠しフォルダを表示する設定にしておかないと見えない)。


 障害情報などは掲示板に頼るしか無いが、特に情報が多い訳でも無くあまり参考にはならない。安定しているという可能性も当然在るが、プレイヤー数が少ないだろうからそうとも言えない状況である。

シ ス テ ム

・難易度は無し。アイテム持ち越しの二周目やクリア後の別モードは持っていない。
・セーブはオートセーブ(1箇所のみを上書き)
・現在の目標の参照機能は有り(インベントリー画面内)
・アイコン表示や矢印による方向ガイド機能、ミニマップを含めてのマップ表示機能は無し
・字幕有り(日本語には非対応)

*キーアサイン可○, マウス感度設定可○, マウス反転可○, 明るさ調整可○
*一人称視点固定, FOV調整不可× 
*スプリント○, 屈み○, ジャンプ○
*照準(カーソル)有り
*コントローラー対応○

 ゲームを開始してしまうと操作系以外の設定にはアクセス出来なくなるのは不便。音量やマウス感度等、一度終了させてメニューに戻らないと変更が出来ない。

 スプリントは切り替えと長押しの2種類。移動キーのダブルタップによるドッジ動作もあり。

 屈み動作をしても連射が安定するといった要素は無い様である。

BASICS
 タイトルの通りにチャプター1つだけの内容となっており、作者曰く30〜40分程度のボリューム(個人的には45分ほど)。新エリアに進む為に必要なアイテムを探してきたり、離れた場所に有るスイッチを作動させたりで進めて行く方式でパズル要素は無い。

 CH1では崩壊した施設らしき場所が舞台となっておりインドアのみだが、公開されているCH2の映像ではアウトドアに出る事が明らかにされている。


 一般的なアイテムとスペシャルアイテムを携帯するシステムで、この双方に前後サイクルキーとUseキーが別々に用意されているので操作キーは多い。一般アイテムとは進行に必要となるタイプの品と、自分自身に適用するメディキット, アーマー, アドレナリン等のカテゴリ。必要アイテムは使う場所の前でサイクルキーにより選択後、通常のUseキー(デフォルトE)では無くアイテムのUseキーで使うという方式なので注意。それとメディキットに関しては所持している状態でヘルスが0になった場合には自動的に適用となる様である。

 スペシャルアイテムは特殊攻撃(デフォルトMMB)で発射するタイプ。このCH1ではEMP(短時間効果範囲内の敵をフリーズ), Timer(効果範囲内でスローモーション), Slave(命中した敵が短時間味方になる), Explosion(爆破)が登場する。何を選択しているのかは照準の色でも判別可。

GAMEPLAY
 撃ちまくりタイプのアクションFPS。武器は実銃系であり、スペシャルアイテムにSF的な物が含まれている。敵は基本的には1種類のみで、サイズや動き方に幾つかのバリエーションがあるものの多彩では無い(攻撃は全て近接で遠距離攻撃を持つ物はいない)。後はPainkillerを想わせる巨大なボス戦が用意されている

 敵は徘徊しているケースは少なく、ほとんどはトリガーによって壁や地面等から湧いて出て来るというパターン。水中戦も有り。ゴア演出は死体になってから少し経つと破裂して飛び散るというやり方で、各部位がちゃんと残る様な形では無いしすぐに消えてしまうので派手目ではあるのだがグロさは薄い。


 難易度としては“一応”普通と言えるが、これはプレイヤーの戦闘スタイルにも影響される。最後までクリアした上でゲームのペース(何所でどんな展開になるのか)が解っているなら、敵の出現数は多いがそれに応じて全弾薬数も多い為に特に難しくは無い。しかしプレイヤーには「この先どんな展開になるのかが判らないから、(特に強武器の)弾薬を無駄遣いしないようにしよう」という心理が働くケースがあるし、また「最初のチャプターでは敵は弱いはずだしなるべく弾薬は使わずに温存するべきだろう」とも考えがちである。

 ところがこのゲームでは、ラッシュの際の敵の出現数が非常に多い(特にラスト前)。無限沸きなのか?と思ってしまう位の敵が延々と襲い掛かって来る為に、先を考えて温存すべきという姿勢だと接近に間に合わずに潰されてしまう恐れがある。節約可能な近接攻撃はあるのだが特に効果的には感じられず(アドレナリン使用で効果増だそうだがアドレナリン自体が少ない)。つまり初回プレイだと弾薬の配分、特にミニガンやグレネードランチャー等の強武器の使い所はやや難しい。ラッシュ時は遠慮無く使うべきだが、それ以外の場所で無駄遣いするとラッシュ対応がキツくなるという感じである。細かい事を言えばここで温存しておかないとCH2が厳しくなるという可能性はあるが、現時点ではこのCH1終了時に弾がどれだけ残っているのかは関係が無い。


 これを問題点とするか特色と取るかは微妙だが、敵のラッシュ時に死体の重なりが発生してしまう。丸形で4本脚での移動タイプが多いので、死ぬと地面に大きな障害物の様になって数多くが固まる, 死体は他のモンスターに押されると動く, 死亡後に痙攣したりするので死んでいるのかどうかが見た目では判断し辛い, 立位型も倒れてから起き上がる事が有る ...といった風になっており、ラッシュ時に通路に敵の死体が増えてくるとどれが生きているのかが解り難い。後方から次々にやって来る物に押されて死体が動くので、それも念の為に撃っていると弾の無駄遣いとなる。

GRAPHICS & SOUND
 Unreal Engine 4を使用。グラフィックス設定のプリセット4種。個別の設定項目は多数。画面モードはフルスクリーンのみでウインドウ化は出来ない。

 それが専門という事もあってモンスターの動きなどは多彩で滑らかではあるが、やはり種類が少ないというのは寂しい。風景も全体としてモノトーンなので派手さは感じられず。出血エフェクトは有るのだが、もっと命中しているのが判り易い方が良かった。あとエフェクト類はある程度オフには出来るが、マックスにするとブラー等が過剰過ぎて更に周囲の状況が見え辛くなる。


 ボリューム調整可○, 3Dサウンド対応, ボイスは有り(ただしほとんど台詞自体が無い)。サウンド関連は特に印象的では無かった。

BOTTOMLINE
 非常にシンプルな撃ちまくりゲームで30分程度と短いが、100円という定価を考えると別に問題とはならないであろう。ユニークな特徴や斬新さは感じられないものの、相当な数の敵が出現する為に気前よく撃てて爽快感は充分にあり。

 CH2を制作中となっており公開されている映像ではそちらの方が面白そうなのでCH2が出たら(or完結したら)セットで購入という形でもOKではあるのだが、このCH1が数多く売れる方が制作者のモチベーションにも繋がるだろうし、早期アクセスのお布施買いという風に捉えて買ってあげるのも良いのではないだろうか。

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