HELLTOWN


ヒント&解答

公式サイト     STEAM     itch.io

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更新履歴  20/08/07 レビュー掲載 (プレイ時のバージョン不明。SteamDBを見る限りでは2018/02/24が最終更新らしいがアップデート履歴すら無いので何を更新しているのかも解らない。プレイした際の実行ファイルのバージョンは4.16.3.0)。

販  売  制作・販売:  WildArts
 発 売: 2017/09
 日本代理店: 無し

 2020/08/07 現在 Steamにて定価 820円で販売中

概  要  WildArtsはカナダのインディーズ会社で2人組。制作期間中は二人共に大学生でこれがデビュー作となる。その後は別のゲームを現在でも製作中だがホラーゲームでは無い。

 プラットフォームはWindowsのみ。itch.ioでの購入にSteamのキーが添付されるという記載は無し。

 Helltownで検索すると実在する同名称のロケーションが出て来たりするが特にモデルにしているとかの関係性は無いと考えられる。

 ホラーゲームのファンの間でも無名な方だと思われるが、レトロホラーで大変に有名なPuppet Comboなどと一緒にRetro Spooky Bundleの中の一品として売られた事が過去に2回あるので、itch.io版を持っている人はそこそこ居ると思われる。

STORY  時代設定は1959年。主人公はLittle Valeという小さな街に赴任して来た郵便配達員。非常に明るく快活に見える場所であったのだが、その背後にはある秘密が隠されていた。


パッチ&トラブル関連
 Windows7(64bit)も動作環境には入っている。バグ関連の報告などは掲示板にはあまり見当たらないが、プレイしている人が少ない為に発見されていないだけという可能性も有り。


※リプレイ時にゲーム進行がおかしな事になる
 前回のプレイのデータが削除されずに残ってしまいリプレイ時のフラグ立てに影響を及ぼす恐れがあるというバグがあり、オプション画面内にセーブデータの完全削除が用意されているのでリプレイ前にそれを使う。

シ ス テ ム

・難易度は無し
・セーブはオートで1箇所を上書き。チャプター単位でのリプレイ機能なども持っていない。
・現在の目標の参照機能や矢印による方向ガイド機能は無し。ミニマップを含めてのマップ表示機能なども持っていない。
・字幕有り(ただし流れるのが早い事もあり)

*キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, マウス反転不可×, 明るさ調整可○
*一人称視点固定, FOV調整不可×
*スプリント○, 屈み×, ジャンプ×
*照準(カーソル)無し
*コントローラー非対応×
*Steam実績対応

GAMEPLAY
 クリアまでは2時間半程度(バッドエンド=通常ルート)。後述するが別エンドと言うよりも別ルートが存在する為にリプレイ性は高い。

 アイテム集めをしたりしながら進めるホラーゲームでパズル要素は強く無い(難解なパズルは無し)。構成としては“第X日目”という形で進行して行く。初日は着任した所から始まり郵便局から指定の場所へと荷物を配達していくだけだが、徐々に様子がおかしくなっていくという設定。

 街の人々に話し掛けると返事は帰って来るが会話選択肢などは無し。街のマップはそれ程広くはなく目立った建物類は少ない。配達作業は原始的で目的の人間の元まで行けば完了なのだが、荷物の画像が非常に薄く右下に表示されるシステムとなっており最初の説明文を見落とすと誰に配達すれば良いのかが解らなくなる恐れもあり。人数はそんなに多くは無い為に総当たりでも行けるが、ここは説明を再度確認出来るとかにした方が良かった。


 先に書いておくと、私としてはこのゲームを楽しめたし評価もしたいのだがそれにはある条件付きとなる。これは制作側も認めている点なのだが、初めて制作するゲームという事で様々な事が上手く行かず、技術的にも未熟だった為に完成度も低下してしまった。そういった事情もあって、発売後のフィードバックや自身の反省から直したい箇所は多々在るのだが、技術的に困難という面があって修正が出来ない(無名なので直したから売れるとは限らず、直す労力に利益が見合わないというのも当然あるだろう)。

 そこでどうしたのかと言えば、自身でガイドの項目に解説(攻略ガイド)を作成している。例としては、進行が解り辛い箇所を改善して直すのではなく、ガイドで答えを直接提示して進行がスンナリと進む様にしているという意味。確かに何もせずにそのまま放置よりはマシではあるものの、良いやり方とは到底言えない処置でもある。本来であればゲームの内容はそのゲーム本体のみで完結すべきであり、外部からの攻略情報等は付け足しに過ぎない。外部の情報に頼らなければまず解らない、という様な箇所があっては不味い訳である。最初に書いた条件とは「それはとりあえず認めてあげて攻略ガイド込みで評価する」というのを許容するという事であり、具体的には以下の各項目にて言及もしていく。


 まずはホラーとしての評価。実を言えばこのHelltownはゲームとしては面白いのだがホラーゲームとしては特に優れてはいない。ジャンプスケアでは無い事は製品頁にも書かれており、そうなると雰囲気的な怖さや気味悪さで勝負となって来たりするのだが、ローポリ(ローファイ)のグラフィックスによってむしろ怖さを醸し出すという手法はここではあまり上手くは行っていないという感想。一部のシーンに怖さは生じているが全体としては薄めである。一方で怖いとかでは無くて「奇妙な味」というのは出ており、これには稚拙な作りがむしろ効果的に働いていると感じられる面もあり。このどこか抜けている変な雰囲気というのは一応ゲームの個性にはなっている。

 ホラーのメカニズムとしてメインに据えているのは敵との追い駆けっこ。敵に追われて逃げるという要素は多数のホラーゲームで採用されている物だが、ここではいろいろな点で上手く行っていない。追って来る敵の種類がシーンによって異なり全部で8種類程度居るのではないかという件は評価出来る(動き方なども多少異なる)。しかし敵がローポリというのもあって見た目に怖くないしAIも良くない。次に敵から隠れられる場所が在るのだがこれが見た目として解り辛い上に(そこに隠れても見つからないとは思えない様な場所とか)、入っても画面上下が少し暗くなるだけなのでステルスモードに入ったという事にも気付き難い。そこでどうしているのかと言えば、先のガイドにて画像入りで「ここに隠れられます」というのを解説している(...といった風に実際のゲームの方を解り易く直すという事をしていない)。

 追われる側の恐怖感にも問題有り。スピードはプレイヤーの方が速く、そしてスタミナが結構長く持つ&止まれば回復も早い。更に捕まったら終わりでは無く、短時間に2回連続して攻撃されたらアウトという設定なので、スタミナ切れになっても止まったままで回復を待ち、追い付かれた敵に一撃食らった瞬間に再度逃げだすという方法が有効となっている。通常のホラーゲームでは逃げ切るのが難しいので隠れてやり過ごさないとならない設定なのだが、このゲームでは突っ走って敵を振り切れるのでホラーというよりはアクションゲーム、恐怖というよりはスリルになってしまっている。実際にステルス場所にはただの一回も隠れずにクリアが可能。

 唯一厄介なのが行き止まりの多い迷路で、これは失敗するとランダムで形状が変化してしまうので始末が悪い(自動生成では無く、おそらく用意されている数種類の中からランダムに選択されている)。難易度を上げている要素だが、こういったやり方は面白くならずに単にプレイヤーのストレスを上昇させるだけである。

GAMEPLAY (続)
 優れている所としては分岐ルートの存在が挙げられる。エンディングが4個有ると書いてあるのだが、実際にはメインルート(バッドエンド)の他に分岐ルートが3個有るという方が適切で、これ等のルートはメインルートとは同じ進行ルートを通らない。同じ進行で最後だけが変化するのではなく、例えばメインルートのラストのマップは他の3つのルートでは通らないし、分岐ルートの2つにはそれぞれ専用のマップが用意されているという風に、別ルートを通る事によるリプレイ性が高くなっている。またこの分岐ルートの二つは内容的にも面白く、“Good Ending”の方はプレイ感は普通だがラストに強烈なインパクト有り。もう一つの“XXX Ending”(エンディングの名称自体がネタバレなので伏せ字)はまるで異なるゲームプレイとなるのと、世界観が魅力的だしストーリー解説の上でも重要な存在となっており楽しめる。またこちらこそが“Good Ending”に相応しい内容という印象で達成感も得られる。

 だがここでも問題が在って、上記二つのルートはどうやって行ったら良いのかの発見が難しくなっている。ネタバレ防止であまり詳しくは書けないが、あるポイントを過ぎてしまうとそれ以降では決して行かれなくなる設定に加えて、広いマップ内を隅々まで探索しないと発見は難しい。“XXX Ending”の方はまだ発見確率がそこそこ有りそうだが、“Good Ending”の方は手順が段階を踏むので到達難易度がより高い。しかしせっかく用意されている面白いコンテンツにプレイヤーがアクセス出来ないとなっては、これは制作側が自分で自分の首を絞めているのと同じ事。そこで上記のガイドにてどうやったら行かれるのかを自身でネタバレ解説しているという次第。本来ならばゲーム本体の方を解り易くしたりと直すべきなのだがそうなっていない。

 なお残る一つの“Secret Ending”は定番の達成条件(隠されている収集アイテムを全部回収する)なので、達成難易度は高いがどうやったら行かれるのか自体は推測し易い(マップ内にて明確に達成状況も見られるし、最後にどこに行ったら良いのかも解る)。ただし個人的には未クリア。


 ストーリーについては制作側も認めているが成功しているとは言い難い。第一に「一見平和的に見える街に隠された秘密」とされているが、そこから推測される内容と実際に同じ意味合いの真相だったので少なくとも私に取っては意外性に欠ける。次にストーリーの細部についてだが、開発側のポリシーとしては「詳細は語らずにかなりの部分はボカしたままで終わらせる」, 「直接的に示すのではなく、プレイヤーの想像に任せる様にする」という風にして恐怖感を増幅させるという狙いを持っていた。しかし自分達が未熟だった為に、あまりにも内容をボカし過ぎて本題以外は理解して貰えずに終わってしまった。また分岐ルートにバラして説明内容を埋め込んだ為に、分岐ルートの存在に気付かずにプレイしてくれない人が多い事からストーリーを想定よりも理解して貰えないハメに陥ってしまった...、という結果に。これも全部構成し直すのがベストだが、結局はガイドで全ルートをクリアして貰ってそれで理解して貰おうという話で終わっているという状態。なおストーリーについては良く解らないという質問に対して掲示板の方でも背景設定などを解説しているので各ルートクリア後に参照してみると良いだろう。

GRAPHICS & SOUND
 Unreal Engine 4を使用。グラフィックス設定のプリセット3種。個別の設定項目はV-syncのみ。解像度も3種類(16:9)しか備えていない。画面モードはボーダーレスフルスクリーンとウインドウの2種。

 ローポリでの表現にこだわりを持っているのかは判らないが、3Dのコンテンツをアセットストアでの販売に頼らずに自分達で制作していると宣言しており、それもあってのローポリ表現しか選択肢が無かったという可能性は高い。アセットを使用せずにオリジナル品で勝負, そしてそれ故に見た目が個性的という点は評価出来るが、NPCのモデリングや顔のバリエーションはパターンが少ないし、アニメーションも単純で出来が良いという風には見えない。2Dスプライトを使用している箇所も有り。


 ボリューム調整可○, 3Dサウンド対応, ボイス無し。敵が追って来るという設定が多いのもあって3Dサウンドは効果的に働いている。BGMも全般的に良質。逆にボイスが無いのは寂しい点だが金が掛かる箇所でもあるので仕方がないか。

BOTTOMLINE
 ゲームとしては面白かったが、ホラーゲームとしては普通なので怖がりたいという人向けでは無い。またその面白いというのは(シークレットエンディング以外の)別ルート2個も併せてプレイしての評価となる。言い換えると別ルートをプレイしないのならば特にこれをお勧めはしない。かなりの確率で初回はメインルートになると思われるので、その後はガイドに頼ってでも2つの別ルートはプレイしてみる事を強くお勧めする。もちろん自分自身で何としてでも探し出すという方はガイドを参照せずに頑張ってみるのが最も理想的なのは言うまでもない。

 ガイドを読まないと解らない事が多いという件が大きな欠点なのは間違いなく、当然ガイドを読んでいない人の割合の方が多いだろうから、結果的に別ルートをプレイ済みの人は減る事になる。それが評価数が上がらない理由となり(平均評価自体は良い)、そこから売れ行きの悪さ(人気の無さ)に繋がっているのは間違いない。その意味では残念な作品でもある。


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ヒント&解答
 レビューでも書いたが制作者自身の手によるゲームガイドはこちら。簡素な英文で書かれており画像も多いので、大半の件はこちらを参照すれば回答が得られるはず。 Your Friendly Neighborhood Guide



 以下ネタバレとなるので反転表示。





※Day 2 最後の丸い石の様な荷物

 3つの印が全部点灯する地点を探してその範囲内を良く調べる。





※Day 3 夜の街中

 円形の大きなオレンジ色のシンボルをマップ内から3個探し出して触れる。全部消せば教会に入れる様になる。





※教会の彫像

 こちらが見ている間だけは敵は動けないというシステム。墓地まで逃げて鍵を探す間出来るだけ目を離さない様にするしかない。





※Death Realm

 正確な設定は不明だが、死亡すると到達する可能性がある場所。巨人が居る。ここでの目的をクリアすれば、その前の死亡していたマップをスキップして先へと進める様になる。Death Realmで死亡してしまうと、先に失敗していたマップを最初からとなる。ただし繰り返し行ったり来たりする訳では無く、Death Realmに来るのは一度だけの様である。実績の解除が目的では無ければ無視して構わない場所。

 意図的に行きたい場合には、Day 3の外のシーンで川の近くに出現する石で組み立てられている巨大なポータルに入れば行かれる。






※エンディング

 シークレットエンディングの為のアイテムの場所はガイドを参照。

 The Good Ending - 初日と2日の両日に洞窟内の彫像の場所に行く。そして三日目は教会の裏手に有るのでそれに遭遇すれば、何をしたら良いのかが表示されるのでそれに従えば別のマップへと移動出来る。



 The XXX ENDING - 初日にホテルの近くの大きな岩の陰に有る骨を見付けてそれを犬へと届ける。後は二日目を待てば自動的に犬に変身して操作を行える様になる。最初は臭い(地面に汚れの様に描かれる)を追い掛けて行けば良い。このパートではスペースバーによるジャンプが可能になったり、Shiftキー押下にて吠えられてこれが様々な役割を果たす事になる。

 火を点ける場所の順番は橋の手前の蝋燭が立っている周囲の石がヒントになるが総当たりでもOK。