犬鳴トンネル | Inunaki Tunnel


ヒント&解答


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更新履歴  20/04/10 レビュー掲載 (V1.04)

販  売  制作・販売:  Chilla's Art
 発 売: 2019/11

 2020/04/10 現在 Steamにて定価 310円で販売中

概  要  「Retro-Japanese Horror」シリーズ」の第四弾。心理的ホラー物としては三作目となる。

 著名な心霊スポットである犬鳴トンネルを題材にした作品。

 「犬鳴峠(または犬鳴村)は、日本の福岡県宮若町に実際にある場所です。 そこは昔、人々が殺されたり、焼失したりした場所であり有名なホラースポットとして多くの人に知られています。不法侵入者が多かったため、現在トンネルはコンクリートブロックで密閉されています。その犬鳴トンネルの入り口を越えると日本の法律は適用されないと言われています。 九州で最も恐ろしい場所であると考えられており、その場所から無数の恐怖の物語が生まれています」

STORY  2005年。ある男性が単身、ハンディカメラを持って撮影の為に犬鳴トンネルに侵入するという設定。


パッチ&トラブル関連
 最新はV1.04。

 設定にV-syncが無くオフで固定なのでフレームレートが上昇し過ぎるというケースでは、ビデオカードのユーティリティーなどのツールを使って強制的にオンにする事で対応する。

シ ス テ ム

・難易度は無し
・セーブは出来ない。一回でのクリアを前提としている。
・現在の目標の参照機能や矢印による方向ガイド機能は無し。ミニマップを含めてのマップ表示機能なども持っていない。
・字幕有り。多言語対応で日本語にも対応している。

*キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, マウス反転不可×, 明るさ調整可○
*一人称視点固定, FOV調整機能無し
*スプリント○, 屈み×, ジャンプ×
*照準(カーソル)有り。ただしカメラの照準なので大型で不鮮明。
*コントローラー非対応×
*Steam実績対応

GAMEPLAY
 作者は30〜60分程度としているが、回収アイテムを探しながらだと初回で60〜90分程度ではないか。エンディングは3種。今回もセーブが出来ない仕様なのだが、全般的に長目となっているのと全エンディングの回収が面倒という件からより大きな欠点となってしまっている。他にバグや途中エラー落ちなどのトラブルでやり直しになってしまったプレイヤーからの抗議も散見される。おそらく「セーブ機能は入れない」という主義とかではなくて、技術的にセーブ機能を可能にする事が出来ないのだと思うが将来的には克服して欲しい点と言える。

 タイトルは「犬鳴トンネル」だがトンネルの中だけを探索し続けるのでは無く、むしろトンネル内の方がプレイ時間としては短いしイベントも少ない。なので映画にもなった『犬鳴村』とか犬鳴峠の方がタイトルとしては適切かも。


 プレイ中はずっとカメラを覗き込んだ状態となりこれは外せない。バッテリーは無限なので気にする必要無し。フラッシュライトを持っているが光量や範囲が狭く、暗い場所では周囲を判別するのが困難。今回は時代が近代になったのでVHS風エフェクトでは無くカメラ画面のノイズという形でフィルムグレイン風のエフェクトを導入しているのだが、これをオンにしている状態だと更に酷く見辛くなる。周囲を確認し辛くする事で恐怖感を増加させるというのはホラーゲームでは定番の手法となるが、探索要素を絡めているゲームではストレスの上昇にも繋がりかねない。

 この作者だけではないが昔のホラー映画を想わせる様なノイズエフェクト(フィルムグレイン)を導入するゲームは結構多い。それは作者の趣味趣向として理解出来るし、こちらとしてもそういう意図ならばオンにしておいても良いとは考えるのだが、エフェクトレベルが設定出来ずにON/OFFしか選択肢が無い, そしてオンにするとここまで強烈で見辛いとなってしまうと切る方に傾いてしまう事になる。作者もストアの説明文にてオフにも出来ますと断ってはいるが(今作では最初からオンオフ機能付き)、これも将来は段階的なレベル調整が出来る様になる事を期待したい。


 これまでの心理的ホラー系シリーズ作品と同様に、アクションやステルスを達成する為にスキルを要求されるゲームでは無い。しかしゲーム性には変化が見られ、今回はパズル重視というスタンスになってホラーとしては薄味になっているという感想。ホラーイベントなどは大して用意されていないし、また有っても非常に怖さが感じられるといった物でも無し。設定としては廃墟的なロケーションをたった一人で夜に探索しているという事から明らかにホラー演出には向いているシチュエーションなのだが、何か出るのではないか?といった不気味さや恐怖感を生み出せていない。ダイレクトにでは無くても良いから何等かの恐怖対象の存在をチラつかせてプレイヤーを精神的に落ち着かせない様に保つ努力が欲しかったところ。

 時間を取られるのはパズルの解決と、後は達成は自由だが収集アイテム系。そちらの方にプレイヤーの集中がずっと向いてしまっている可能性が高い事もホラー感が減退している原因の一つになっている。あとはマップが広くなっており、単なる移動のセクションが長くて時間が掛かる様になっているのも間延びしている感を与えて緊張感を削いでいる(パッチでスプリントは出来る様になっているがそれでも長い)。なお複雑になったパズルや回収アイテム等のヒント&解答は最下段に掲載しておく。

 一方でエンディングの方は改善されている。全3種類となり『事故物件』の様な設定の不味さは解消された。演出としてはシークレットエンディングが一番良く出来ていると思うが、これに到達するのはそれ程難しくは無いというのも良い所。全部達成するには最初からの繰り返しが面倒だがリプレイ性の向上にも役立っているとは言える。


 I/F系では今回もインタラクト可能なオブジェクトにはかなりの広範囲にて印が表示される為に見落とし難いという親切さは変わらず。だがカーソルが無くなったのでクリック時に中央にやや合わせ辛くはなってしまっている。なお霊的現象に遭遇するとカメラの認識機能が働いて黄色の枠で対象となるターゲットが自動的に示されるというシステムが用意されているのだが、この時もそれにクリックしてインタラクト(取る時など)するにはそのオブジェクトは画面の中央に合わせないとならないので注意。

 アイテムはドロップ可能に改善されたが、運べるのは一つだけなのは変わっておらず繰り返し取りに戻ったりと面倒さは完全には解消されていない。

 テキストが複数画面に渡って表示されるケースでは流れが速く、また再読は出来ない。ヒントメッセージが一回しか表示されない箇所も有ってこれ等は改善の余地あり。

GRAPHICS & SOUND
 Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット無し(Ultra固定)。個別の設定項目はカメラエフェクトのON/OFFのみ。画面モードはフルスクリーンとウインドウ。

 カメラエフェクトをオフにしてもテクスチャー類はあまり鮮明では無く、意図的なのか粗い物が多く使われている様な感を受ける。特に今回は暗い場所が多いのも画質が悪いという印象に影響していると言えるだろう。写実的なグラフィックスよりも粗いノイズ風の見た目の方が恐怖感が出るという狙いなのかも知れないが、そうだとしたら少なくともこの作品ではそれは上手く行っていないと感じられる。


 ボリューム調整可○, 3Dサウンド非対応, ボイス有り(日本語)。今回は前2作品とは異なり主人公は喋らない。ボイスは有ると言えばあるのだが1箇所だけか? 野外マップなので周囲から突然音がする恐怖感というのはあるのだが、どうも音量バランスというか定位が悪くて効果を損なっている。3Dサウンドの導入は効果的なのでそれも考えて行くべきであろう。エフェクト系ではシークレットエンドのホラー演出の様な使い方は良いと思うので、こういった物がもっと使われる様になる事も期待したい。

BOTTOMLINE
 ボリュームも増したし作品としての完成度は向上しているとは感じられる。だがホラー感が減退しており、パズルと探索がメインになっている点は好みが分かれる所。敵となる幽霊やモンスターに追われる様なゲーム性では無いのはプレイ前に察しが付いているし、これは人気の無い心霊スポットを深夜に歩き回るという不気味な恐怖感を前面に推し出した作品なのだろうという予想は外れに終わっており、「もっとホラー要素やイベントを追加して恐怖感の方も強化していれば良い作品になったのに...」という物足りなさが残る。「とにかく怖さを期待」という方には向かない作品と言わざるを得ない。

 逆に言えば怖いのは苦手だがパズルや探索系は好きという方には、見た目から受ける印象ほど怖くは無いのでお勧め出来る。それといろいろと注文も付けたが対価格比で言えば十分な出来映えとも言える。


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ヒント&解答
 ネタバレとなるので表示には反転



*最初のエリアの人形

 設定からしてノームを想わせるが、実際には霊感カメラの一例にしかなっておらず持ち運ぶ意味は無い。





*時計のパズル(ヒント)

 「何時何分に合わせる」という意味ではなく、長針と短針をそれぞれ幾つの数字に合わせるかという問題。それ故にヒントの文が2つ有る。

 「最初」と「最後」に該当する二つの数字が何を意味するのかはすぐに解ると思うのだが、差があるのは下二桁のみなので使うのはそこだけ。更に合わせる数字はその二桁のうちで各一つだけである。

 針の進みはAとDキーで行うが、押しっぱなしだと進みが速くて細かく動かすのが困難という問題はあり。ただ合わせ位置は結構いい加減でも正解と判定はされる様である。





*電話ボックス

 おそらくだが出られなくなってから一定時間が経過すると自動的に開くという設定と思われる。何かをクリックしたりが必要では無い。その後の霊感アイコンの反応は場所が判り難いが電話ボックスに付けられたXXXに対して。





*寺の中

 アイテムを一つしか持ち運べないという面倒さはあるがエリアは狭いので難解ではない。3本の蝋燭の場所は最後に通る地点。クリックするべき場所の範囲がやや狭いので、これをここで使う事で正解のはずと思うのならばクリックする場所をいろいろと変えたりしてみる。





*地蔵と設置する台座の場所

1.坂の上の建物の中で地震の発生後に出現。建物の裏手に台座。
2.墓場の中の建物の裏手。台座も墓場内。
3.木を切り倒して川を渡った後に犬の鳴き声が聞こえたら向かって左手の坂を登って行くと犬が金網に引っ掛かっているので助ける(印は出ないが足の辺りをクリックすると選択肢が出る)。台座の方はすぐ隣に有る。その後犬の後を付いていくと行き止まりにて止まって尻尾を振り出すのでそこで犬をクリックすると穴を掘ってくれて地蔵が出て来る。
4.寺の中に入る前に道の左手に台座。その周辺を見回すとカメラの黄色(霊感)アイコンに反応が発生するので、これを頼りに探すと木の上に引っ掛かっているのが見つかる。木は先ほどの斧で切り倒す。
5.寺の中のヒント文に一番背の低い灯籠(橋の周辺)の下に隠したとあるので、その周囲をシャベルでクリックして掘り出す。台座は同じ敷地内。






*エンディング

・バッド: 犬を助けずにクリア(もしくは助けたが最後まで付いて行かなかったケース)。
・グッド: 5個の地蔵を全て台座に設置。3本の蝋燭通過後の最終ルートにて侵入禁止のガードで塞がれた道には行かない。
・シークレット: 条件は、犬を助けて掘り起こす所まで達成(犬が消える), 最終ルートで侵入禁止のガードを越えて犬を発見する所まで進める。地蔵を回収して台座に戻したかどうかは関係ないので全部無視してもOK。