事故物件 | Stigmatized Property




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更新履歴  20/04/10 レビュー掲載 (V1.01)

販  売  制作・販売:  Chilla's Art
 発 売: 2019/10

 2020/04/10 現在 Steamにて定価 310円で販売中

概  要  「Retro-Japanese Horror」シリーズ」の第三弾。心理的ホラー物としては二作目となる。

 事故物件とは、広義には不動産取引や賃貸借契約の対象となる土地・建物や、アパート・マンションなどのうち、その物件の本体部分もしくは共用部分のいずれかにおいて、何らかの原因で前居住者が死亡した経歴のあるものをいう。

STORY  同級生の友人である男子から、彼が新しく一人暮らしを始めたアパートに呼ばれた女子の体験する出来事を描く。


パッチ&トラブル関連
 最新バージョンはV1.01

 起動しない等の対策としてはランチャーにてグラフィックスのクオリティを変更する程度しか出来ない。

 設定にV-syncが無くオフで固定なのでフレームレートが上昇し過ぎるというケースでは、ビデオカードのユーティリティーなどのツールを使って強制的にオンにする事で対応する。

シ ス テ ム

・難易度は無し
・セーブは出来ない。一回でのクリアを前提としている。
・現在の目標の参照機能や矢印による方向ガイド機能は無し。ミニマップを含めてのマップ表示機能なども持っていない。
・字幕有り。多言語対応で日本語にも対応している。

*キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, マウス反転不可×, 明るさ調整可○
*一人称視点固定, FOV調整機能無し
*スプリント○, 屈み×, ジャンプ×
*照準(カーソル)有り
*コントローラー非対応×
*Steam実績対応

GAMEPLAY
 プレイ時間は30〜60分程度。エンディングは2種類有り。心理的なホラー物でアクションやステルスなどの達成を要求されるシーンは無し。ストーリー設定との違和感が感じられた前作『おかえり』に比較して今回はちゃんと整合性が取られており、呪いや祟りといったテーマにおいての超常現象的な恐怖体験が綴られている。不気味な雰囲気を漂わせる作品でジャンプスケアは軽度だが一部に有り。

 ゲームは男子の残した日記の無くなっているページ集めという形で進められ、探索による発見やパズルを解いて全7ページを集めるのが目的となる。最初はアパートまで街路を移動する事になるが、到着後は建物内とその周辺部分にしか意味は無くなるので探索の為のエリアは広くなく見て回るのに大きな苦労は無し。ただしページ集めが進むに連れて周囲の環境に変化が生じる為、前には何も無かったという場所を繰り返し見て回ったりする事は発生する。全体的には探索とパズルの難易度は低いので途中で詰まって進めなくなるという人は少ないと思われる。

 入手した各ページは日記帳の場所まで持ってくる必要があり、また同時に2つ以上のアイテムは持つ事が出来ないので1ページずつ集めてこないとならない。それとアイテムを持っている状態では(全てかは未検証だが)イベントのトリガーを実行する事が出来ず、そのページを読んだ後に再度そこにやって来ないとならなくなっている(一度持ってしまうとアイテムはドロップ出来ない)。ページ集めの進行はある程度はリニアとなっているが固定では無く、どれでも回収してきたページから順に1〜7ページ目とカウントされる方式。なお各ページを後に見返す機能は持っていない。

 オブジェクトへのインタラクトは前作から改善されており、対象物には大きなアイコンが表示されてそれを左クリックするという方式。カーソルの中心に位置しなくても広い範囲でアイコンは表示されるので見落としの危険性は相当に少なくされている。


 問題点の一つ目はエンディングの設定。グッドエンディングとバッドエンディングが用意されているのだが、問題とはそのグッドエンディングの方ではラストのホラー演出(イベント)がカットされてしまうという所。長いゲームで多数の演出が含まれているのならばまだしも、短くて演出が少ないこのゲームにおいては肝心のホラー演出が一つでもカットされてしまうのは痛い。言ってみればホラーゲームをプレイする人はより多く怖がりたいのだから、ある意味グッドエンディングの方がホラーゲームとしてはバッドエンディングになってしまっているという図式である。しかも初回プレイでもグッドエンディングへの到達は特に難しくは無いという設定。ボリュームとしては短いとは言えその後にバッドエンディングを目指してリプレイしてくれる(あるいは何等かのプレイ動画を視て確認してくれる)とは限らないし、ここは別の形で2つのエンディングの差別化を行った方が良かった。

 次にオプションとなっているイベントが幾つか有るが、グラフィックス的に視認性が良くない上に一人称視点なので演出の全体像を見逃す恐れがある。一人称視点だとプレイヤーがどこを見ているのかを確実には決められないので、トリガーとして発生させるイベントを強制視点移動によって見せたりといったケースもあるのだが、ここではそういった仕組みは無いので当然見逃しも発生する。実際にリプレイ時にこんな風な演出が有ったのかと気付かされる事もあった。

 マウス感度は最大にしても低く、ゲーミングマウス等の機能を使ってマウス側で調整する事になる可能性あり。

GRAPHICS & SOUND
 Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット3種。個別の設定項目はフィルムグレインのON/OFFのみ。。画面モードはフルスクリーンとウインドウ。

 フィルムグレインの効果がON/OFFしか無く調整は不能。特に暗い場所ではオンにしていると本当に見え辛く、雰囲気的にはオンにしておく方が良いし作者側もそれを望んでいるのだろうがやり辛くなるのは確か。だが今回はメインとなるアパート内部や周辺は比較的明るいので、前作『おかえり』よりはプレイし易いとは言える。テクスチャー類の解像度も上がっており、その点でもグラフィックスは向上しているという印象を受ける。


 ボリューム調整可○, 3Dサウンド非対応, ボイス有り(日本語)。ボイスは前作と同じ人が担当している様だが、やはりあまり台詞は多くは無い。他にBGMを含めたサウンド系は重要となるのでもっと活用して欲しいという希望は挙げておく。

BOTTOMLINE
 『おかえり』に比べてストーリー構成, 操作系インターフェース, ホラー要素など随所に成長が見受けられる作品。これによって自身のJapanese Horrorというテーマでのジャンルを確立したとも言え、チラズアートの最初の作品としてもお勧め出来る物となっている。価格が安いのも良い所。

 なお上記の様に最初にグッドエンディングに辿り着いてしまった人は、バッドエンディングの方も目指してみる事をお勧めしておく。ただセーブ機能が無いので最初からやり直さないとならずやや面倒ではあり。


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