受験地獄 | Juken Jigoku




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更新履歴  20/04/19 レビュー掲載 (初回リリース)

販  売  制作・販売:  W&H Game Systems
 発 売: 2020/01

 2020/04/19 現在 Steamにて定価 310円で販売中

概  要  W&H Game Systemsはスペインはマドリードのインディーズ会社。W&Hは“Waifu and Husbando”の略。これまでに何本かモバイルゲームを制作しているがPCゲームは初となる。

 日本をテーマにしておりゲームタイトルの記述方法などチラズアートが連想されるが、チラズアートのファンという話で影響を受けて作ってみた作品と思われる。

STORY  どうしても次の試験で良い成績を収めないとならない主人公他は、学校に忍び込んでテスト問題と解答を盗み出す事を決意する。そして賭に負けた主人公は単身夜の校舎に侵入するという設定。


パッチ&トラブル関連
 プレイしたのは初回リリース版でパッチは出ていないと思われる。バージョンの記載は無いがSteamのプロパティから見られるコンテンツのBuild IDは4586407。

 ランチャー起動方式だが設定はほぼ無し。障害時に切り分けをやろうにもウインドウとの切り替え程度しか出来ない。

シ ス テ ム

・難易度は無し
・セーブは出来ない
・現在の目標の参照機能や矢印による方向ガイド機能は無し。ミニマップを含めてのマップ表示機能なども持っていない。
・字幕有り。ただし英語他で日本語には対応していない

*キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, マウス反転不可×, 明るさ調整可○
*一人称視点固定, FOV調整不可×
*スプリント×, 屈み×, ジャンプ×
*照準(カーソル)有り
*コントローラー非対応×
*Steam実績対応

GAMEPLAY
 プレイ時間は30〜40分程度。エンディングは2種で最後のテキスト表示による説明文が変わるだけの様だ。

 探索がメインのゲームとなりパズル要素は含まれない。必要なアイテムを見付けるのと発見したノート類を読む事で進行する。アクションやステルス等のスキルを要求されるシーンなどは用意されていない。

 まず最初は学校までの道のりから始まるが、どっちの方向に有るのか(おそらく)風景の見た目的には判らない。このセクションは実績解除の為のアイテム収集以外には意味は無し。学校に侵入してからはどういう風に進めるのかというヒントが出る様になっている(ただし再度参照する事は出来ない)。ただヒントが出るのは親切で良いとしても、このヒントで全て終わってしまう感があるのは難点。ゴールとなる4Fに辿り着くまでの進行手順は各階共に一緒なので、そのやり方を最初に示されると後はそれを1Fから同じ様に繰り返していくだけとなってしまう。同様にインタラクト可能なアイテムではアイコンが変化するのだが、これによって探索が楽という風にもなっている。


 日本の学校が舞台なので内部はそれらしく作られており、ポスター類は変な所も無くちゃんとしているし種類も多い。アセット販売などで購入した物なのかは不明だが、現物の写真等のデータを参考に自ら制作したのならば手間が掛かっている。この雰囲気としては日本の学校らしさを出せている点は評価出来る。制作者の日本文化への詳しさは不明だが、日本語は収録されていないので日本語が理解出来るというレベルではないのかなという気はする。制作したゲームには『Waifu Run: Anime Girl Rush』などという物も有るので単なる日本文化のファンなのかもしれない。ゲーム内には“勘違いニッポン”的な物も一部に有ったりはするのだが(下駄箱を良く見てみよう)、文化を解った上でのギャグという可能性もあるので何とも言えない。


 肝心のホラー要素に関しては出来は良くない。雰囲気や設定としてはとてもホラー向きだし、特に日本人からすると誰も居ない夜の学校内を歩き回ると想像するだけで怖そうに思える。そしてゲームのSSを見る分にはそういう印象も持っていた。ところが実際にプレイしてみると全然怖さが感じられない。ある一点がダメというのではなく、中途半端に暗いので見通しが割と良い, 雰囲気として不気味な感じがしないグラフィックス, サウンドによる恐怖感演出が足りない, 進行がシンプルなのでスンナリと進めてしまい困った感が生じない、等の複数の要因が合わさってそうなっている。

 ホラーイベントは一応有るのだが、これで本気で怖がらせるつもりなのか?というレベル。見た目的に完全に失敗しているとしか言い様がない。他には異世界(超常現象)系の描写も含まれるがこちらも怖さは無し。

 発見したノート類を読んでいく形式での簡単なストーリーは有るが、内容はホラー系の要素とは何の関係も無いし特に面白くも無いとなっている。

GRAPHICS & SOUND
 Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット無し。個別の設定項目は無し。画面モードはフルスクリーンとウインドウ。

 唯一の設定であるフィルムグレイン的なエフェクトはON/OFF可能。かなり強めで見辛いのが難点で目に堪える。個人差はあると思うがこのまま最後まで30分程度連続して見ていたら疲れて目に悪いというレベル。スッキリとクリアな視界にしてしまうと恐怖感が薄れるという件は理解出来るのだが、エフェクトレベルを調整可能にしてもらわないとオンにしてプレイするのは辛いと感じる人は皆オフにしてしまう事になる。

 ボリューム調整可○, 3Dサウンド非対応, ボイス無し。ボイス無しは寂しいし、サウンド関連は全体的に少な目でホラー感の上昇に貢献出来ていない。

BOTTOMLINE
 掲示板やレビューの反応ではあまり良くはなさそうな感じだったのだが半額セールだったので購入。結果的にはハズレだったという印象。近年に絞っただけでもホラーのフリーゲームには相当なレベルの物が幾つも存在しているし、それに比較してこのクオリティでは金を取るのは厳しいと思えてしまう。実際にSteamでは大半が2時間以下であるホラーゲーム界隈では評価が悪い物は返品率が高いらしく、このゲームもそうなっていそうである。

 日本人からすると日本を舞台にしているという珍しい設定である点は評価したいが、怖さが全然足りない, パズルは無い, 進行は簡単, ストーリーは詰まらない...ではどうしようもない。


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