梅雨の日 (Rainy Season)


ヒント&解説

公式サイト   STEAM   itch.io

 目次     HOME

更新履歴  24/07/23 レビュー掲載 (バージョン不明, Steamで見られるbuild IDは 5474559)

販  売  制作・販売:  Inasa Fujio
 発 売: 2020/08
 日本代理店: 無し

 2024/07/23 現在 Steamにて定価 410円で販売中

概  要  制作者の藤尾いなさ氏は日本人だが活動拠点はアメリカらしい。元々はInaka Projectという本格的な作品を制作中で、それのプロトタイプ的な小品として平行開発されていたのがこの「梅雨の日」である。途中で短編の別作品となり独立してリリースされる事になっている。

 最初はMay 2020 Humble ChoiceにてHumble Originalの1作品として配布された経緯がある。これは有料のHumble Choiceを購読すると付いてくる無料のゲームという位置付け。その後はHumble Troveに収録されている。TroveとはChoiceの会員となっているユーザーが無料でプレイ出来るゲームのアーカイブで、ダウンロードしておけば資格を喪失している状態でも継続して無料版としてプレイが可能。だが現在ではシステムが変わっており、HumbleのAppクライアントをインストールしてアクセスしなければならない(TroveからThe Vaultへと名称も変更)。The Vaultの中の無料ゲームは資格有効時にダウンロードしておけばその後もプレイ可能という所は変わらず。

 よってこの作品もChoiceの資格を持っている状態であれば無料でダウンロードしてプレイする事は出来る(削除後に再度ダウンロードするには資格を所持している時でなければならない)。ただしHumble Original版は更新されておらずSteam版よりもバージョンが古い(インストール時にはVersion 1と出る)。故にバグの発生可能性が高い, イベントなどがSteam版よりも少ないといった問題が在るので注意が必要である。


 理由は不明だが公式サイトやSNSなどの更新が途絶えてしまっており動きが無い。2022年辺りまではSNSにポツポツと投稿も有るのだが近年は何も無い状態。よってこの作品の今後の更新(パッチ)や上記のInaka Projectにおいても現時点ではどうなるのか不透明である。


 サントラは外部サイトにて販売されている。


STORY  2004年の7月、主人公の男の子(小学生だが年齢不明)はお婆ちゃんの家に母親&弟と一緒に一週間の予定で泊まりに来ていた。だが遊園地に出掛ける予定だったその日は雨となってしまい、とても楽しみにしていたのに中止に。そんなガッカリして家の中に居るしかなくなった梅雨の雨の1日を淡々と描く作品。


パッチ&トラブル関連
 現在の正式なバージョンは不明。パッチはリリースされており内容に関する記載も出ているのだが、すぐ後にロールバックしたというアナウンスも出ている。何等かの不具合が発見されたので元のバージョンにいったん戻した様に見えるのだが、修正記述の項目が現行バージョンではちゃんとその通りに修正されていたりもするので(マウス反転等)良く解らない。いずれにせよ作者は今後も修正を進めて行く意図は持っていたようだが、上記の様にプッツリと連絡が途絶えており以降は何も修正が行われていない状態である。

 初期の頃に良く発生していたらしい「やたらとスタックして動けなくなる」件は修正されている様に思える(個人的には発生せず)。プレイ中に日本語から英語表記に変わってしまうという問題にも遭遇しなかった。これ等は上記のパッチで修正されている可能性が高そう。


 Steam版はSteamworksとの連係(クラウドセーブ, トレーディングカード, 実績機能等)が絡んでくるので、別に更新されて他のサイトとはバージョンが異なる可能性もある。


*セーブファイルの場所は以下の中(隠しフォルダを表示する設定にしておかないと見えない)。設定関連のファイルもこの中に作られる。ただしこのゲームには途中セーブの機能が無いのでバックアップする意味は無い。
 C:\ユーザー\(ユーザー名)\AppData\Local\Tsuyu\


※ 操作キーの表示が変 or 該当するキーを押下しても操作が出来ない
 Humble Original版をプレイした事がある場合、上記のセーブフォルダの場所はSteam版と一緒の為、設定ファイルが混じり合ってしまって変になる模様。Tsuyuフォルダを削除してしまってからSteam版を開始すれば新規に作成されるのでそれなら問題は無い。


※ VRモードで起動してしまう
 他のゲームでも良く聞く話なのだが、SteamVRのケースだと起動パラメーターを指定するボックスに -nohmd を指定する。他のVRでも有効かどうかは不明で、ダメならばそのサービスを一時的に停止するなどして対処する。

シ ス テ ム

・難易度は無し。アイテム持ち越しの二周目やクリア後の別モードは持っていない。
途中セーブは出来ない
・現在の目標の参照機能なし
・アイコン表示や矢印による進行方向ガイド機能&ミニマップを含めてのマップ表示機能は無し
・字幕有り(日本語対応)

*キーアサイン不可×, マウス感度設定可○, マウス反転可○, 明るさ調整可○
*一人称視点固定, FOV調整可○
*スプリント×, 屈み○, ジャンプ○
*照準(カーソル)無し
*コントローラー部分的対応○
*Steam実績対応


 グラフィックス関連の設定が保存されない問題有り。再起動だけでは無くメニューに戻ってもリセットされてしまう。よってゲームを実際に開始した後に設定に入り希望の値にしてからプレイする。

 屈みの他に“座る”コマンドが別に在る。

 コントローラーでのプレイには問題が有り改善中だった様だが、現行バージョンにてどの程度の問題があるのかは未検証。

BASICS
 ゲームの長さは作者曰く40分程度。開始前に1日の長さを20, 40, 60分の三段階に設定可能で、また時間帯は朝, 昼, 夕, 夜の4つのパートに分かれており、居間の時計にアクセスして次の時間帯へとスキップ可脳なのでプレイヤーによってクリア時間には幅が出る。セーブ機能は無いので注意。だが終了までは短いのでそれ程大きな問題では無い(1回のプレイで最後まで行く事を前提としている作品)。

 舞台となるおばあちゃんの家は田舎では無く普通の住宅地。訪問したのは自分と弟に母親。お婆ちゃんの家には当人とねえね(母親の妹と思われる=叔母さん)という主要人物は5人構成。ロケーションはここだけで門から外に出たりは出来ない(グリッチを利用して家の外とかに無理矢理飛び出す事は可能だが)。屋内は狭い訳では無いが広大でも無い二階建てで探索出来る場所は大して多くない。


 何等かの目標を達成しなければ先に進めないという設定ではなく、最初の指定時間によってタイマーが設定され時間が経過すれば自動的に次のパートへと移って行く構成。よって一部のアクション(自分の席に着く等)以外は何もしなくてもそのままゲームは終わる。プレイ中にスキルを要するアクションを求められる事は無いしパズル要素も無し。ゲームオーバーも無い。屋内の探索, イベントを体験する, インタラクト可能な物にアクセスしてみる等のみで終了するリラックスムードの体験型作品であってゲーム性は薄い。のんびりとしたノスタルジーを感じさせる梅雨の1日を体験して楽しむ作品となっている。

GAMEPLAY
  インタラクト可能な物には白い丸アイコンかオレンジ色の印が出るのでこういった場所を探してクリック。あるいは他のキャラクターに話し掛けたりで進めて行く。アイテムを取って別の場所で使うと言ったケースもあるがインベントリーは無し(自動的に使用される)。会話に選択肢が出るケースも有るが明確に解る件(選んだ夕食が実際に卓に並ぶ等)以外に分岐要素などを含んでいるのかは不明。

 “Daydreams”という要素が有ってそれを全て発見するのを一つの目標としても良い。これは主人公の少年の空想によって体験出来るファンタジー的な世界であり全部で6個用意されている。なお発見の難易度は高くなく、インタラクト可能な物を見逃さなければ達成出来る程度。

 カメラが用意されているのだがこれで撮影をしてもスクリーンショットが保存される事は無いようで、今後機能追加予定だったのがそのままになっていると言う可能性も有る。しかしこのカメラでのみ体験が可能なイベントは存在している。


 特に何かを達成しなければならない設定では無い為に、流す様にリラックスモードでプレイしてそれで終わりという人も多いだろう。実際に大量のコンテンツが用意されている訳でも無い。だがそれ故に「自分がプレイ中に体験した物が用意されているコンテンツの全て」という誤解を受け易いとも言える。実際にはプレイヤーが能動的にアクセスしないと体験出来ない要素も存在しているので簡単に解説。

 オブジェクトにアクセスした際に主人公のコメントが表示されるが、この時に効果音が鳴ってキャラクターの誰かに吹き出しアイコンが出るケースがある。その際にはその人物の所に行ってアクセスするとそのオブジェクトに対するコメントが見られる。これは別のオブジェクトにアクセスしてそれも該当している際には追加でスタックされる様だが保証は無いので逐一確認するのが無難。それと時間帯が切り替わると消えるらしいので注意。

 持って運べるアイテム類でも吹き出しマークが出る物が有り、それを持って行ってそのキャラクターにアクセスすれば同様にコメントを見られる。ただしコメントを得られるのが時間帯限定であったりと発見するタイミングによってはこちらも見逃す恐れがある。

 アクセス可能なアイコンが出るのが特定の時間帯限定のオブジェクト有り。

 必ず発生するとは限らないイベントが幾つか有り。問題はどうやったら発生するのかというフラグの詳細が掴めていない所なのだが、とにかくリプレイ性は持っている事になる。


 大きな欠点はオブジェクト類へのインタラクト関連の完成度で相当な問題がある。ゲーム自体が短いので大きなフラストレーションにはならないが、これが普通の長さのゲームであったら欠陥として低評価も増えていたであろう。パッチのコメントでは今後もその辺は改善していくとしており制作者自身も問題視していた様だがそのままになってしまっている。

・勢いよく開く引き出しが有って中身が飛び出したりもする
・カーソル表示が無く、非常にホットスポットが狭いオブジェクトにはアイコンが出る様に合わせるのが困難(出ない場合でもクリックで取れる物もある)
・落とした物が拾えず、屈みによる調整が必要だったりする
・クリックしても取れないオブジェクト有り。持っている最中に落ちてしまう。ダブルクリックで成功したりとクリック判定が不安定。
・窓やドア等、自動的に閉まったり変に動いたりする
・右クリック状態でのRatateが不可。もしくは思っている様に動かし辛い。
・物理演算の関係からか取れるはずのオブジェクトが隠れてしまうケースも
・表示文のスキップはスペースバーorクリックだが反応が過敏で2頁分飛んでしまって読めないケース有り
・設定ミスではないかと思うのだがインタラクトしても何も表示が出ないオブジェクト有り

GRAPHICS & SOUND
 Unreal Engine 4を使用。グラフィックス設定のプリセット4種。個別の設定項目は5個。画面モードは排他的フルスクリーン, ウインドウの2種。

 ドットモードが用意されているが描画が粗過ぎて実用的では無い。レトロ感を出す意味合いなのか解らないが人物像などが解る程度のピクセル化に留めるべきだったと思う(理想的にはピクセル度合いの調整機能が有るのが望ましい)。マップ内のオブジェクトは多く家の中の作り込みにはかなり力が入っているが、その分個々のオブジェクトにおいては簡素な作りの物が有ったりもする。描画設定は影描写が一部変になる問題有り(設定をUltraから下げれば消える)。全般的にはゲームの雰囲気と合っているトーンのグラフィックスでありその意味では良い出来だと言えよう。


 ボリューム調整可○, 3Dサウンド対応, ボイスなし。雰囲気を出すのにボイスは欲しかったなと感じられる。弦楽合奏団の演奏によるBGMは一つの売りにもなっており良質。

BOTTOMLINE
 ゲーム性はとても薄いのでお勧め出来るかどうかの判断は難しい。リラックスしてノスタルジーに浸れるかが分かれ目になるので、ストア頁を見てピンと来る物が無ければ特にお勧めはしない。一方で描画の雰囲気に惹かれるのならばプレイ感も気に入って貰えると思うのでお勧め出来る。

 ボリュームは少ないがリプレイ性は一応は持っているし価格も安いため大きな難点では無い。何よりお勧めは雨の日(出来れば実際の梅雨の時期)に雨の降っている外を見ながらプレイする事なのでそれをお忘れなく。

 I/F関連の問題は修正してほしいのだが状況的に見てもはや望み薄か。


  目次          HOME



上に戻る



ヒント&解説

 以下ネタバレとなるので一部反転表示。







※ ねえね

 最初は一緒に訪問している主人公の姉かと思ったのだが、ビールを飲んでいるので20歳以上となり母が36歳だから計算が合わない。英語でのプレイだとシンプルに“Auntie”と表示されるので叔母さんで間違いない。2Fのコンピューターが有る部屋がこのねえねの部屋で、お婆ちゃんがチャットをする際にはそこまでをセットアップしてくれるという意味と思われる。




※ カメラの使い道

 外を見るとDaydreams的なイベントが発生する。他にも何かイベントが存在するのかは未検証。なおこのイベントはHumble Original版では発生しない模様。




※ 写真

 設定ミスではないかと思うのだが、居間のタンスの上にある写真はインタラクトしても何もメッセージが出ない。しかしこれは取って持って行けばコメントをくれるキャラクターも居る(吹き出しアイコンは出たはず)。




※ Daydreams

 6個全部を発見するのは特に難解ではないが一応書いておくと

・洗面所のキーホルダーを取ってクラゲ発生
・外で草の生えているオレンジ色の印の所をインタラクト。花が無くて寂しいという選択肢でアジサイが咲く。
・日本人形にインタラクトで会話になる
・仏間で見付けたカギで1Fの物置部屋を開けると大きな猫の居る家に
・2Fのコンピューターの部屋で見付けたカギで2Fの閉まっている部屋を開けてお化けと遭遇
・お昼にサイレンが鳴った後でお婆ちゃんに話し掛けると庭が池の様に変化





※ 近所のお兄さんの訪問

 ブドウを持ってお兄さんが訪問してくれるイベント。これは必ず発生するイベントでは無く、どうやったら発生するのかは掲示板を見ると解っていない様である。

 少なくとも1日の時間を40分か60分に設定しないとならないという情報があるがこれも正確なのかは不明(私の場合は40分の設定で発生)。タイミングは昼食後に母親が買い物に出掛けてお婆ちゃんと弟だけが残っている昼の時間帯。ここで放置して待っているとイベントが発生する可能性が有る。母親が帰って来ると夕方の時間帯なのでそこまで行ってしまったら失敗となる。

 お昼のこの時間帯にはサイレンが鳴ってお婆ちゃんと話すとDaydreamsが発生するが必要なのかは不明。私の場合は発生後に玄関も池になっている状態にてお兄さんが訪問している。ブドウを持って来てくれるので時計の近くのブドウにインタラクトしておく事が必要なのか、それともてるてる坊主を一緒に作ってくれるので事前にてるてる坊主にインタラクトしておく事が必要なのか等いろいろと推測は出来るのだが正解は解らない。





※ スイカ

 お婆ちゃんがスイカを切って出してくれるイベント。これも必ず発生するイベントでは無く、起こす為のフラグも不明。

 発生のタイミングは上記お兄さんの訪問と同じで、お婆ちゃんと弟と今に居る昼食後の時間帯。ここでやはり待っていると発生する可能性がある。確実では無いがタイミングが一緒なので、お兄さんの訪問とスイカのイベントは起きるとしても片方だけではないかと推測する。




※ 楽譜

 楽譜通りにピアノで演奏するというイベント有り。ただし問題があって楽譜は隣のタンスの引き出しに入っているのだが、勢いよく開くという問題から薄い楽譜が激しく動いてしまって引き出しの中に残らず取れない場所へと消えてしまったりが発生する。繰り返し開け閉めすると取れる様になるケースも有る様だが確実ではない。




※ 鉄塔のモンスター

 これは見落とす可能性が低いと思うが昼の時間帯に弟に話し掛けると鉄塔のモンスターに追われる夢を見たという話になり、その後外に実際にそのモンスターが移動するのを見る事が出来るDaydreams風のイベント。




※ 漫画

 取る事は何時でも出来るのだが朝の時間帯だとイベントが優先されてしまうからなのか持って行っても他のキャラクターが反応してくれない。昼以降に各人に持って行ってコメントを貰おう。ただし欠点に書いた通りにこの本は特に持って運ぶのが難しいオブジェクトになっているので苦労するかも。

 なおこの漫画の表紙は加工されてはいるが明らかに元ネタは『マカロニほうれん荘』(1977-79)である。2004年の話で母が36歳だから1968年生まれとなり、子供の頃読んでいたというコメントに時期的にも一致する。これを少年チャンピオンでリアルタイムに読んだ事がある人は私同様に結構な歳である。ちなみに当時のチャンピオンは人気漫画の連載が目白押しの黄金時代で、1977年にはジャンプを抜いて少年漫画誌発行部数一位にもなっていたそうだ。





※ 風呂

 バスタブにインタラクト可能なアイコンが出るのだが夜の風呂に入れる時間帯しかアクセス出来ない。




上に戻る