Sanguine Sanctum


ヒント&解答

公式サイト     STEAM     itch.io

 目次     HOME

更新履歴  20/08/28 レビュー掲載 (2018/09/11 バージョン)

販  売  制作・販売: Modus Interactive
 発 売: 2018/09
 日本代理店: 無し

 2020/08/28 現在 Steamにて定価 520円で販売中

概  要  Modus Interactiveはソロで活動しているインディーズの開発者だが詳細な情報は不明。itch.ioにおけるインディーズ制作者の中では相当に著名な部類で高評価作品も多い。タイプとしてはローポリ(ローファイ), PS1世代のグラフィックスが共通しており、ゲーム性としては実験的, ウォーキングシミュレーター, ホラー, アドベンチャーといったイメージが強い作者。ローポリでホラーとなると最有名人であるPuppet Comboと並んで名前が出されるケースも多いのだが、そちらの様にストレートなホラー作品とは大分異なったタイプのゲームが中心である。

 大半のゲームは無料で提供されているが、短い物が多い中でこの作品はボリュームが多目となっており集大成的な意味合いもあって有料にされているのかも知れない。またSteamには現在この作品しか存在していない。
 https://modus-interactive.itch.io/

 対応プラットフォームはWindows, Mac。itch.ioでの直接購入にてSteamのキーも貰えるタイプ。


STORY  主人公がどんな立場の存在なのかは明らかでは無い(人間であるのかすら不明)。また背景設定も説明は無し。Sanguine Sanctum(血塗られた聖域)において捧げ物を要求する存在に対し、それを集めて来て提供し続けるという形で進められる。


パッチ&トラブル関連
 障害情報その物がほぼ無いので安定度等は不明。個人的には特に問題は無かった。不安ならばデモが用意されているので先にそれで調べてみるという方法も有り。

シ ス テ ム

・難易度は無し
・オートセーブ方式。インディーズの短い物ではゲームを終了してしまうとセーブ地点をリセットしてしまう物も有るがこれはちゃんと保持される。セーブをクリアしたい場合にもメニューにリセット機能あり。
・現在の目標の参照機能や矢印による方向ガイド機能は無し。ミニマップを含めてのマップ表示機能なども持っていない。
・セリフ自体が無いので字幕は無し。説明文は表示される。

*キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, マウス反転不可×, 明るさ調整不可×
*一人称視点固定, FOV調整不可×
*スプリント○, 屈み×, ジャンプ×
*照準(カーソル)無し
*コントローラー非対応×
*Steam実績対応

GAMEPLAY
 クリアまで1時間半弱掛かった。作者自身からは45分位という記載があるが、これは途中で詰まらずに進められた場合の話になる。

 主人公は血を求める(プールの様に見える)存在に対して、集めた来た血の塊を捧げて行く形で進められる。背景設定などは説明が無く世界観は謎。具体的にはポータルで8つの世界を訪問する異世界物で、各世界はそれぞれテーマが異なっており、ホラー風味も在れば抽象的で意味不明だったり現実風の施設だったりと様々。統一性が無いとも言えるが、一方でそのバラエティ豊かな所が「次はどんな世界なんだろう?」といった楽しみに繋がっている。

 実際のゲームとしてはどんな内容なのかと言うと、実験的(アバンギャルド)な要素, 探索によるアイテム探し, ホラーをミックスさせた様な作品となっており、ユニークで何とも言い難い雰囲気を持っている。意味不明でシュールな世界も多いのだが、進行の為の作業自体はそれほど難解では無い。インタラクト可能なオブジェクトには文字表示が出るので解り易く、このオブジェクトは一体何なのか, 自分が今何をやっているのかは理解出来ないにしても、目的を達成するにはインタラクト可能なオブジェクトを見付け出して操作して行けば良いので難しくは無いという意味。その各種操作によってアイテムを入手する事がメイン作業となっているが、このアイテムの中に一部見付け辛い物が有ってそこが人によっては難所になるという程度。

 移動距離は結構あるがスプリントが無限に可能(初期バージョンより移動速度もアップしている)。また落下等にて世界の入り口まで戻される為に、それを利用してのショートカットも出来る。死亡などは無し。それと明るさ調整は無いのだが、向いている方向が若干明るくなるというエフェクトは装備されている。

 アクションゲーム的なスキルやプラットフォームジャンプ等を要求される箇所は無し。ゆったりと探索が可能である。


 ホラーとしては直接的な物では無く、襲って来る敵は出て来ないしジャンプスケアなども無し。ホラー感を前面に押し出している世界も少ない。薄気味悪い, 不安感を煽るといった雰囲気型のホラー物であり、その意味ではローポリの粗い描画は効果的に働いていると感じられた

 ストーリーなどは私には良く理解出来ず(と言うか理解出来る人が居るとは思えないというのが正確)。抽象的だったり何を意味するのかがサッパリという箇所も多く、ハッキリとした中身の説明が行われないとスッキリしないという方には向かない作品であるのは確か。逆に言えば理解出来ない世界を楽しむというスタンスで作られているとも言えよう。

 エンディングは一つだけで分岐要素は無し。シークレットに当たる要素は有り。

GRAPHICS & SOUND
 Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット3種。個別の設定項目は一つだけ。画面モードはボーダーレスフルスクリーン, ウインドウの2種。

 あえてローポリなのでクオリティについては言及しない。世界毎のグラフィックスのバラエティさ、全体でのデータ量の多さが特徴かつ見所となっている。


 ボリューム調整可○, 3Dサウンド非対応, ボイス無し。BGMは少ない。様々な場所やオブジェクトにて多彩なエフェクト音が鳴る様に設定されており、ノイズ系を含めて種類は実に多彩。ただホラー系の怖がらせる様なサウンドはほぼ無し。3Dサウンドに対応していないのが残念。

BOTTOMLINE
 フリーゲームが主体の作者からの有料ゲームであったが、ボリュームも多目で力が入っておりこれなら有料でも肯けるクオリティに達している。意味不明で実験的な要素が強い作品に抵抗が無いならお勧めしたい。

 構造としては異なる世界を探索して目的のオブジェクトを見付けてくるという設定で、訳が解らないなりにクリック出来る対象を探していけば進めてしまうパートがほとんどなので謎解き(パズル)要素は希薄。よってアドベンチャーゲーム的なパズル要素を望む方には不向きであり、不思議, シュール, 異様な世界を探索するのが好みという人向き。それとかなり丹念に探さないと見付けられないアイテムも有るので、隅から隅まで探し回るといった行為が嫌いな方にも向かない。

 ホラーゲームに分類されているが直接的なタイプでは無いので注意。異端でアバンギャルドな面の方が遥かに強く、ホラー要素は脇役的な扱いと考えた方が良いだろう。薄気味悪い雰囲気が漂う静かなタイプのホラー作品が好きという方には勧められる。


  目次          HOME






ヒント&解答

 以下ネタバレとなるので反転表示。



※基本的な流れ

1.内周の4つのポータルに入って捧げ物の血の塊を集めてくる。終わった場所には触手状の物が伸びるので判断可能。
2.4つ捧げてから更にオファーを行うと一度メニューに戻って、テキスト表示で指示が出る(選択肢では無く単にクリック)
3.内周の4つのポータルから4個の鍵を回収して来る。これは最初に行った時にでもOK。
  既に一度行ったが鍵を未回収だったポータルには上に鍵が残っていると表示されるので判別可能。
4.鍵を4個集めたら中央のホールから出て突き当たりの場所へ
5.犬の頭部が入り口に飾られたエリアへ
6.外周部の4つのポータルにアクセス可能になるので、同じく血の塊を集めてくる
7.ただしここでは最後に行くポータルが設定されており、そこにその前に行くと拒否の言葉を浴びて追い返される





※都市マップの鍵の場所

 影の精霊が多数出現するがその全てに触れると鍵が出現する





※チェッカー(市松模様)の世界の鍵の場所

 緑色の壁, 一番奥に巨大な彫像が浮いている, 粒子状の物が流れている場所。ここでは左右に赤いアーチと緑の塔が組み合わされて配置されているが、その中に1箇所緑の塔が倒れている場所があるのでその近辺を探す。





※空間に浮いた枝分かれしている道を進む世界の鍵の場所

 最初の分岐から、左 → 左にて赤いキューブが中に流れて行くアーチが有る。そこには透明な床が在って通れる。





※顔の様な紋様が描かれた石像の世界からの脱出方法

 行かれる道が無い場合、今来た道を逆方向に戻ると変化するのでそれをひたすら繰り返す。





※ 入り口に犬の頭部が飾ってあるエリアの、ローマ数字が刻まれた4つの石碑の意味

 チートコードの一つ。黒点の順番にローマ数字を繋げた物がコードになる。他の世界にもX-X-X...の形式で書かれた数字のコードが幾つか在り。使用方法はオプションからSound Testを選択。ここで最初の数字を入れてクリックでテスト実施。これを繰り返して全部の数字を順に入力し、正解ならば該当するチートが有効になる。同メニューから効果のリムーブも可。