THE ENIGMA MACHINE


ヒント&解答

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更新履歴  21/08/11 レビュー掲載 (V1.2)

販  売  制作・販売:  ENIGMA STUDIO
 発 売: 2018/11
 日本代理店: 無し

 2021/08/11 現在 Steamにて定価 520円で販売中

概  要  アイルランドのJamie Gavin氏のソロプロジェクト。おそらくデビュー作。無名の作品だがSteamでもitch.ioでも評価の方は非常に良い。

 プラットフォームはWindows, Mac。

 itch.ioでの購入にてSteamのキーは受け取れない。


STORY  2055年。ENIGMA CORPORATIONが開発した斬新なテクノロジーのテスターとしてあなたは呼ばれる。それは「DREAMSCAPE」と呼ばれるAI(アンドロイド)の精神状態を3D空間へと投影して形作る事が出来るというシミュレーターのプロトタイプ。AIの精神状態が汚染(Contaminated)されていると描写に異常が発生する恐れがあるが、あくまでもシミュレーターなので体験者には問題は発生しない。

 そしてガイド役として制作されたAIであるdemOSの案内によりシミュレーターでの体験が始められたのだが...。


パッチ&トラブル関連
 最新はV1.2。メニュー画面上に表記は無い(実行ファイルは2018年10月31日の物)。


*セーブファイルの場所はレジストリの中で HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\ENIGMA\THE ENIGMA MACHINE に保存されている。進行を初期化するにはこのエントリーを削除する必要があるが、レジストリエディターを起動して編集するので誤った操作を行うとシステム全体に支障が発生する恐れもある為に要注意(バックアップしてから行うのが無難)。


※ 操作が上手く実行されない
 銃を発射するなどの行為が正確に実行されないというトラブルが数件報告されており、原因としてフレームレートが高過ぎるとゲーム内ロジックの処理が上手く行かないケースもある様である。60fpsにロックすれば直るそうだが、私の環境では120fps上限で問題は無かった。120や144辺りでダメなら60に下げるという順序で良いだろう。fps値の上限を指定するには何等かの外部ツールを使うか、Nvidiaであればコントロールパネルより最大値を指定する事が出来る。


シ ス テ ム

・難易度は無し。アイテム持ち越しの二周目やクリア後の別モードは持っていない。
・セーブはオートセーブ(1箇所のみを上書き)
・現在の目標の参照機能は無し
・アイコン表示や矢印による進行方向ガイド機能、ミニマップを含めてのマップ表示機能は無し
・字幕無し

*キーアサイン不可×, マウス感度設定不可×, マウス反転不可×, 明るさ調整不可×
*一人称視点固定, FOV調整不可×
*スプリント○, 屈み×, ジャンプ×
*照準(カーソル)無し
*コントローラー非対応×

 オプション画面自体が存在せず、ほとんど何も変更出来ない。最初のランチャーでのキー変更が有効なのかは未検証(使用キーが少ないのでこの点はあまり問題では無い)。

BASICS
 ゲームは端末を操作してガイド役のdemOSとのやり取りで進行するパートと、3D空間を探索して回りながらのパートに別れている。ストーリーの進行や解説などは主に端末画面にて行われる為に、ストーリーを理解するにはある程度英文での会話を読んで理解しないとならない。読まずにスキップしてしまってもクリア自体は可能とは思うのだが、ストーリーがメインテーマなので面白さは大幅に損なわれてしまう事になる。

 対話パートが異様に長いとか長文を延々と読まされる訳では無いし、文章の内容自体も平易なので大きな問題では無いと考えるが、とにかく英文を読むのが嫌という方も居るだろうしそういった方には向かない作品ではある。3D空間での探索中にもdemOSから説明文などの表示は行われる。対話自体はYes/Noで返答したり、[ ]で括られて表示される単語については質問出来たりという程度。ゲームを始めたければ一覧内に在るレベル名を入力すればシミュレーター内に入れる。


 ホラーゲームとされているがジャンプスケアなどは無く、怖いというよりは奇妙, 異常という表現の方が適切か。グリッチ(エラー)の生じているAIの精神世界へと入り込むという設定からしてユニークだし、異端でアバンギャルドなストーリー内容と言えよう。少なくとも普通のホラーゲームを楽しみたいという方にはそういったタイプでは無いと書いておく。

 ゲーム内でのI/Fは少し変わっており、普通のゲームの様にダイレクトに3D空間のオブジェクトにインタラクト出来るのではなく、スペースキーを押下にて上下黒帯のインタラクトモードへと切り替わり、そこでカーソルを動かしてオブジェクト類をクリックしたりする方式となっている。

GAMEPLAY
 クリアまでは2時間程度。作者によれば60〜90分のボリュームとあるが、進行で詰まった部分が複数あってそれよりは長かった。

 基本的な流れは幾つか用意されているレベル(マップ)にアクセスし、各レベルに隠されている汚染除去コードを入手しそれを端末に入力してクリアというもの。コードを見付けるにはある種のパズルを解く事を要求されるのでアドベンチャーゲーム的な色合いが強い。ただ「異常を起こしているAIの精神世界」という特殊な設定を活かしたユニークな謎解きも用意されておりここは評価出来るところ。かなり特殊な発想をしないとならないシーンも有り、謎解きの難易度は結構高いと言える。

 トレーラーやSSでも公開されているのでネタバレでは無いとして書くが、銃を用いての戦闘シーンも含まれている。しかしシューティングゲームとしてデザインされてはいないので、銃を撃つパートは特に面白くはない。


 マップ数は少ないし、各マップも狭くて探索出来る余地はあまりない。だが背景設定に絡んだある種の仕掛けが施されており、実際のその数ほどにはボリューム不足には感じられない様に作られている。なお作者自身から注意が行われているので記載しておくが、ラストレベルではクリアに失敗すると“演出の一環として”ゲーム自体が終了してしまう様になっているので、そこで「こういう終わり方なんだ」と勘違いしないように。再起動するとラストレベルの最初からとなり、ちゃんとクリアに成功すればクレジット画面の出るゴールまで進められる。


 問題点としては、まず演出の影響として端末に表示される文字が読み辛いシーンが有り、ここではずっと画面を見続けずに「読み易くなったら読む」という風にしないと目が疲れる。次にビジュアルが原始的というのもあるのだが、一部暗過ぎて進行ルートが見えないというエリア有り。後は上でも書いたがマウス感度やら明るさなどの設定をほとんど変えられない。フリーゲームならともかく有料作品なのでもうちょっと頑張って欲しいところ。

GRAPHICS & SOUND
 Unityを使用。グラフィックス設定のプリセット3種。個別の設定項目は無し。ウインドウ表示可能。

 ビジュアル的にはホラーゲーム界において流行しているVHS, PSX(PS1)世代の様なレトロ調の物が採用されている。特徴はその描画にグリッチの生じているAIの精神世界という点を活かして、ポリゴンやテクスチャーが奇妙に乱れるというエフェクトが加わっている点。世界が崩れているかの様な雰囲気が出ており効果的である。


 ボリューム調整不可×, 3Dサウンド非対応, ボイス無し。ボリューム設定が出来ないのは難点だが、サウンドの方はリラックス出来る様な穏やかな物から異常が発生した際のノイズ的な物まで良く出来ている。

 逆に謎解きに関連して問題の箇所も有り。ネタバレになるので詳しくは書けないが、音声で正解が返答されるのだが字幕が無いのでそれを聞き取るしか無い → その音声がややエフェクトを掛けられているかの様な物なので正確に聞き取れないという件(ネイティブでも聞き取れないという意見も出ている)。

BOTTOMLINE
 心理的にゾッとする様なストーリーとも言えるが、一般的な意味合いでのホラーゲームとはタイプが異なるので注意。奇抜でユニークな設定の非常に変わった作品でありながら、ストーリーを含めて良く出来ており高く評価出来る。奇妙, 奇抜, 異端といったタイプのゲームが好きな方にお勧め。ただし本文にも書いたように文章はある程度読む事になるので、英語を読むのは嫌という方にはストーリーも追えなくなるしお勧めはしない。

 SFがテーマなだけにレトロな90年代風グラフィックスは意図的に採用されたのでは無さそうだが(たぶん個人制作による予算不足)、精神世界内の異常を表現するのに有効に働いており使い方が上手いと感じられる。


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ヒント&解答

 以下ネタバレとなるので反転表示。








※ Level 2 3番目の絵画の謎解き

 題がReflection(反射)とされているので、どこかに答えが反射している。なお正解には反射されている異なる2箇所を参照する必要があるが、その内の片方は最初から反射されて見えている。




※ Level 2 音声の返答

 本文でも書いた様に3番目が聞き取り難い。正解は“Four, Four”=44 と言っている。後は3つの答えを続けて6桁の数字として端末に入力すれば良い。




※ Level 3 何をすれば良いのか解らない

 一番上の窓からグリッチを起こしている端末画面が見えるが、次にやるべき事はここから見付ける。空中にて位置を変えながら映像がループされているが、その中の“Continue”の文字の下辺りが見られる様に自身の位置や見る角度を変えて見よう。




※ Level 3 最初のエリアを脱出後、何をすれば良い?

 Level 2に戻って来てしまっている状態。だが以前とは異なり銃を所持しているので、最初は出来なかったエリアにアクセス可能になっている。そこで端末を使ってLevel 1に戻りアルファベットの文字を探す。




※ アルファベットの文字

 AからDまでを探し出して各3桁のコードをメモ。全部見付けたら順に繋げた12桁のコードを打ち込む。




※ ラストレベルが上手く行かない

 敵から逃げられない場合。第一に描画のグリッチが酷いので敵が見辛く、あまり強引には突っ込まない方が良い。第二に敵に遭遇したらいったん背を向けてスプリントで逃げて距離を取ってから攻撃する方が安全。第三に銃が安定して発射されないという件はトラブルの項を参照。




※ ラストコードとは

 蓄音機の所で4辺パネルに入力する最終コード。これは画面に文字で表示されている。