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[PROS] ◎ロケーションとミッション内容はバラエティに富んでいる ◎自動回復が早いのでスピード感あり ◎多彩で多種な武器を扱える ◎敵の数が多いので大規模戦場の雰囲気が出ている ◎グラフィックス(風景描写やエフェクト)はインディーズ会社の物としてはまとも ◎価格が安い [CONS] ×背景設定や戦争の現況が理解出来ないままに進んで行ってしまう ×ドラマチックなイベントや演出が控え目 ×4人のキャラクターになってプレイするが、各人の個性や人格がほとんど解らない ×イベントシーンの演出が酷い出来 ×敵が密集すると反撃が不可能に近くなる ×味方AIが自分を押して動かしてしまう ×流血もゴアも無いので凄惨な戦争の雰囲気が損なわれている ×モデリングやアニメーションの出来は悪い △マルチプレイに未対応 ベトナムの新興会社からの第一弾であり、発売時点でも$12という低価格での販売という点を考慮すると、及第点をあげても良いレベルに仕上がっているという感想。特にエンジンをライセンス使用する事を選択して、グラフィックス面のクオリティを安っぽくしなかったのが大きい。他の廉価ランクの多くの3Dアクションゲーム(定価$19.99クラス)に対して、価格で半額&グラフィックスが古臭くないという面で上回っている。 とは言ってもお勧め出来るゲームという訳では無く、低価格クラスのFPSを買う際の選択肢には良いのではないかという程度。グラフィックスも最近の機能を備えてはいるが、エフェクト系はともかくとしてモデリングやアニメーションの様な製作が大変なパートは、やはり出来が大手に比べるとかなり劣っている。サウンドの迫力にも大きな差があり、小規模スタジオの限界が感じられる。 雰囲気はベトナム戦争というよりは太平洋戦争(東南アジア地域における)の方がイメージ的には似ている。ジャングル内でのゲリラ戦やトンネルは出て来ないし、武器もWWIIのラインアップに近いからである。よってベトナム戦争物が好きという人にも強くは勧められない。近年のFPSは現代戦へと市場が移行しており、一時期全盛を極めた昔の戦争を扱った物はほとんど無くなっている状況にあるが、その中でもインドシナ戦争というテーマを扱っている珍しさは売りとなっている。しかし本文で詳しく書いたが、戦争の状況説明が上手く機能しておらず、インドシナ戦争を体感させるという面では大きく失敗している感は否めない。ただ一応ロケーションの景観は見た目に今では珍しい物が多いし、状況の詳細が解らないにしても新鮮ではあるだろう。 インドシナ戦争をCall of Dutyシリーズの様に描くゲームだとしているが、それにしては地味という印象で派手さが足りない。そして各キャラクターの個性もまるで表現されていないし、イベントシーンの演出も出来が悪い。よってCoD(MW)タイプのゲームが好きだという人には全然物足りないと考えられ、お勧めも出来ない。 ゲームのタイプとしてはスピーディーなアクションFPSであり、時代設定が古い割には武器の命中精度が高めに設定されており、被ダメージからの自動回復も短時間なのでテンポが良くサクサクと進められる。ボリュームの方も短過ぎず長過ぎずといった感じで適切な分量となっており、シンプルなアクションFPSが好きな人向け。反対にもっと銃撃戦にリアル感を求める人には向かないゲームである。 |