COMBAT(続) |
率直に言えばこの種のゲームを慎重にプレイする人は少ないだろうし、常時走っての移動が基本になると思う。よって敵に超反応で撃たれて死んだりしながらの憶えゲーになる可能性が高い。ただし死ぬ回数が多いとしてもクイックセーブが可能でロードも早いので、短いインターバルでセーブをしながら進めるなら、死亡の繰り返しが大きなストレスになる恐れは無いゲームでもある。超反射という異常な能力を持っている反面、下で説明する様に敵AIは多数の欠陥を抱えているので、先に居る事さえ解ってしまえばそこを突く事で優位に戦う事が出来る。その為に幾つかの難所を除けば、普通のFPSの数倍は死ぬが、その後のリトライですぐにクリア出来てしまうので流れ自体はある意味スムーズという感じで進めて行ける様になっている。 なお仮に一回の戦闘で高ダメージを受けて死ななかったとしても、そのまま続けるよりもロードして敵が居る事を知った状態からやり直した方が、その先を少ないヘルスで慎重且つ我慢の戦いを強いられるよりは進行がスムーズになるという設定である。クイックセーブを多用する事を前提にした難易度バランス調整と言っても良い。それに関連して携帯メディキットは詰むのを防ぐ為にギリギリまで温存しておくのが有効。 それと先に書いた様にチャプターによって大きな差があるので、全編を通じて死にまくるという風にはなっていない。武器自体には破壊力と爽快感があるので、各種武器を派手に使える様になるチャプター3などはアクションFPSとして十分に楽しめる筈である。そこに至るまでのチャプター2での苦痛は我慢しないとならない。 ゴアと流血表現が派手なのも大きな特徴。体が千切れ飛んだりするゴア表現は滑稽に感じる位に大袈裟であり、跳ね回ったりバウンドしたりもする。やりたければナイフ等で死体をバラバラに損傷する事も出来る。流血の方も有り得ないと思える様な量が遠くまで飛び散ったりと凄い。時代的にリアルなグロさを感じさせるグラフィックスでは無いが、この辺は前作譲りの仕様と言える。敵を豪快に倒したという感触が得られるのでこれはプラスと評価したい。 人間系の敵のAIについては、悪い点として超反応が見られる他にもいろいろと欠点が存在している。まず敵はある程度の距離を置いている場合、全然こちらに気付かないという事が多い。特にそっぽを向いている時は近くまで寄ってもまるで気付かないようになっている。また距離が離れているなら、自分の隣の人間が撃たれて殺されてもまるで反応が無い。よってやり方さえ間違えなければ集団でも簡単に倒せる場面もある。これは自分が撃たれている際にも同様で、こちらの姿が見えない位置から敵の体の一部が見えるのならば、それを撃っても逃げないのでそのまま倒せてしまう。敵が超反射を見せる箇所での対抗策としてもし可能ならば非常に効果的。 続いてその場に留まるタイプとこちらに向かって来るタイプが予め決まっているらしく、当然動かない敵は非常に狙い易い標的となるし、手榴弾や爆弾を投げ込んでも逃げるような反応が見られないと不自然。そして一度こちらを発見して攻撃し始めると、退却するという事をせずに死ぬまでとにかく攻撃する傾向が強い。時代的に高度なAIは望めないのは確かだが、他の同世代ゲームに比較して総合的には劣っていると感じられる。 モンスター系についてはボスキャラも含めると20種類程度出現するので結構種類は多い方である。個性的だし中々の出来だと言えるだろう。雑魚も幾種類か存在するが、その多くの敵は手強い(特に攻撃力)。Zealotsのようにテレポートする敵は攻撃し辛いし、Shikariのように突然意表を突いてテレポートで出現する者も厄介。人間型としては特にProphetsには注意しないとならない。強力な武器を所持しているのですぐにやられる可能性が大である。 基本的に頭はよろしくないので、うまく誘導したり障害物にハメたりしてこちらが有利になる状況を作るのが大切である。それにモンスターと人間が同じ場所に出現すると撃ち合いになるので、そういう場合は戦闘が終わるのを待ってから行動出来る。或いは上手くモンスターを誘導して同士討ちを演出する事も可能だ。 以下には個別のモンスターの能力と対処方法を述べる。 *Zealots テレポートしながら攻撃してくるので通常の武器では具合が悪い。テレポート中は狙わずに、姿を見せて攻撃しようとするor空中に浮遊する時を狙ってフレアガンで攻撃するのが有効。数発当たれば後は炎がテレポート中もダメージを与えるので、燃え尽きるまで待てば良い。 *Prophets テスラキャノンやナパームランチャーで武装している男。ハッキリ言って戦う前にスナイパーライフル等で倒す以外に安全策は無い。耐久力は低いので簡単に倒せる。正面からの戦闘に持ちこむのは無謀と言えよう。 *Drudge Lord ナパーム弾を放ってくるモンスター。広い空間で戦闘するならば問題はない。横と後ろに広いスペースがあれば爆風のダメージから逃れられるからだ。しかし狭いスペースでは避けても爆風でとんでもないダメージを受けるので厄介な相手となる。こちらもナパームで応戦してやると上手い具合に敵のナパーム相殺しあって攻撃を避けられる場合もあるが、大概は弾を食らうことになるだろう。強力で連射性能の高い武器を使って上手く倒せる場合もあるが、思いきって近付いてしまいショットガンで倒すという手がある。近づくと自爆を怖れてかナパームを撃たなくなる傾向にあるので。 *Drudge Priest 空中を浮遊してナパームを放ってくる。ただしこちらを追い回して動く傾向があるので、上手く引き付けると壁等に引っ掛けることが出来る。 *Death Shroud 半透明で実体化と透明化を繰り返す敵。髑髏の弾はこちらを追尾するので、相当広い場所でないと逃げるのが大変。透明な時に攻撃しても無駄なのだがその区別がつけ辛い。実体化した所を狙うしかないのだが、追尾式の弾が気になってじっくりと見定められないという相手である。地道に攻撃しては逃げを繰り返すしかない。基本的にはスナイパーライフル、無駄弾覚悟でミニガンやナパームを連射するという方法もある。エネルギーが大量にあるのならSingularity Generatorで攻撃するという方法も。 *Behemoth チャプター2のボスだが、その後は何回か出て来るようになる。とにかく頭が悪いし遅いので逃げながら攻撃していれば良いのだが、耐久力が非常にあるので倒すまでが大変。通常は倒す必要はないので相手にしないのが最良の作戦となる。邪魔な所にいるのなら上手く誘い出してやり、引き離したところで目的の場所までダッシュして逃げよう。 *Bone Leech & Thief ある意味一番嫌な相手。こいつらは寄生型生物で顔にへばりついて攻撃してくるのだが、振り払うにはUseキーを連打するという方法しかない。しかし払ったところですぐにそいつか別の奴がまた食い付いてくるので、実際には払ったらすぐに逃げる以外の方法が無い。しかしその攻撃タイミングが速い為に、一度食い付かれたら死ぬ危険性が高いと考えた方が良いだろう。とにかく事前に発見して倒す以外に楽な方法がない嫌な敵である。音で居る事は判るのだが、暗かったりすると見つけ難い。有効な攻撃方法は居ると思われる辺りに爆弾を投げてやること。ほとんどの場合爆風で全滅する。 |
GRAPHICS |
まず特筆すべきはライティング処理の美しさ。ゲーム中に出てくる様々なカラーの照明効果、オブジェクト爆発時や光学系武器発射時のエフェクトなど非常に美しく緻密に出来あがっている。またゲーム中に採用されているテクスチャの美麗さもかなりのレベルに達している。しかもこのグラフィックスが滑らかに動作するという点で、D3Dでもエンジンさえ良ければここまで出来るという新たな可能性を示したゲームと言えよう。(当時は3dfx
Glideが3DAPIとして強かった)。弾痕等のDecalはともかく薬莢までしばらく残っているという凝り様で、この辺もその他のエンジンに引けを取らない。 もう一つレベルが高いのがキャラクタのアニメーションである。また一段階進化したなという事を感じさせる動きを見せてくれる。基本的にはモーションキャプチャーをベースにしているそうだが、普通の物とはアプローチの仕方が変わっている。ゲーム好きの方々はMCというと、おそらくスポーツゲームや格ゲーを連想されると思う。この手のゲームでは割と派手目の動作が主流で、(当時の)最新ゲーム機では当然の如くその動作の再現性も上がっているが、これが本物の人間のように見えるかというと到底そこまでは達していない。あくまでも良くできたコンピューターのアニメーションというレベルを脱していない感がある。 だがこのB2ではかなり自然で人間に近い動きを見せてくれる。格ゲーばりの派手な動作をしてくれる訳ではないが、自然な動作という点を第一に作成されたような動きには非常にリアルな感覚を受ける。またモンスター系の敵についても相当滑らかな動作を見せてくれて、これだけでも一見の価値があると言えるだろう。 付け加えておかねばならないのが死に様のアニメーション。これには相当力が入っていて多くのパターンが用意されているが、実に素晴らしい出来になっている。ゲーム進行に関係がある訳ではないのだが、このゲームのテーマから言ってもこの演出は非常に効果をあげているという印象。 がっくりとリアルなモーションで崩れ落ちる者もいれば、床でのたうち回る者, 手足だけがピクピクと死後も痙攣している者, 死後硬直で体が徐々に丸まっていく者等, 様々なパターンが用意されている。ダメージを受けた時のモーションが非常に多彩なので、倒したのかどうかが判別しにくいのも特徴的だ。中でも傑作なのがFanaticsと呼ばれる兵士達が時折見せる行動で、撃たれてガクリと両膝をつき倒れるかと思いきや、発狂したかのような絶叫をあげて自爆スイッチを押してこちらに突っ込んでくるシーン。これは本当に怖い。 |
SOUND |
V2.0からは3Dサウンドに対応しているがこちらは未検証。 バックに流れるBGMは環境音的な感触の強い物なのだが、低音を強調したその不気味なサウンドはゲームに非常にマッチしている。多くのFPSゲーム同様にエフェクトとBGMは独立して音量を調整出来るのだが、ボリュームが低めに押さえられており控えめな設定となっている。大袈裟な音でショックを与えるという線もあるが、これはこれで好感が持てる。ただし全体の曲数は少な目であるのは欠点か。 武器サウンドには好みもあると思うが、この当時の物としては音質も良いしバラエティにも富んでいる。総合的にサウンド関連には力が入っており出来映えも良いという印象。 |
MULTIPLAYER |
まず第一に重い。ほぼ海外のサーバーに接続するしかないが、日本からだとちょっと快適にプレイというレベルではない。最新のV2.1では動作しないため、自分のマシンではパッチによる改善具合を確認する事が出来なかった。(これは当時のISDNでの接続における評価)。 B2ではある意味風変わりなマルチプレイシステムを取っている。第一にRPGの様に自分の能力パラメータを設定出来る点(スピード・パワー等)。そしてあらかじめ武器を選択して10種類持つ事が出来る。その為にマップ上には武器は存在せず、最初に持った武器で最後まで戦う事になる。これについては正直どうかなという気がして、その為に大してやらずにマルチプレイは止めてしまった。やはりデスマッチの面白さは武器を上手く取ったり相手に取らせなかったりという所も重要だと思うので。 ただ欧米のレビューを見る限りではB2のデスマッチ(通称Bloodbath)の評判自体は結構良い様だ。確かにファンのサイトを覗いて見ても追加マップが自作されているようで、プレイ人口もそれなりにはいる模様(当時)。なおBotについては私の知る限りでは存在しない。 |