BLOOD II: THE CHOSEN

                                  11/03/09


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製作・販売: Monolith Productions / GT Interactive Software
発売: 1998/10
日本代理店: ソースネクスト




※1999/08/15 レビュー掲載
※2000/03/31 攻略のヒントを追加
※2003/02/07 整理更新
※2006/11/00 動作検証記事を追加
※2011/03/09 レイアウト変更及び記事修正。動作検証記事, 販売関連等追加



                                ※V1.01でのレビューになります

概  要  初代Blood(1997)は3D RealmsとMonolithが共同で開発していたのを、途中でMonolith側が権利等を買い取って自社で完成させ、ヒットまでには至らなかったものの数多くのファンを獲得するフランチャイズとなった。それを受けてすぐ翌年にはこの続編が作られている。ここでは自社開発の新しいLithtech Engineを使用しており(正確にはShogoに続く第二弾)、グラフィックス的にはスプライトベースだった前作のBuild Engineに対して、完全3Dでビデオカードのハードウェアアクセラレーションにも最初から対応している為に見映えは格段に進化している。

 Momolithは現在でも活躍を続けているが、GT Interactiveは1999年にInfogrames(現Atari)に吸収されており、現在ではブランド名は残っていない。


 当時のレビューは66.4%とそれなりであったが、98年のホリデーシーズンではHalf-Life, SiN, Thief: The Dark Projectといった話題作とバッティングしており、それに比較するとプロモーション面でも劣っていた感は否めず、売り上げとしても大した事はなかった。何より初代のファンから世界観の変化や出来映えに批判的な声が多かった為に、その後の盛り上がりも発生せずに終わっている。


 1999/08に拡張パックBlood II: The Nightmare Levelsがリリースされている。これは新たに6つのシングルプレイ用レベルと、マルチプレイ用の追加マップを収録した物。その後本編とセットのThe Blood Groupとして再発。

 リテール版はGTのreplayシリーズとして再発された以降はおそらく出ていない。よって新品での入手は2011年現在相当困難だと言える。amazonやeBayを見ると新品はまだあるが、プレミア品となっており高価である。



 日本ではソースネクストが日本語マニュアル付き英語版を販売していたが、現在では扱っておらずこちらも入手困難。しかし一時販売していたので中古やオークションであれば見付けられる可能性はある。

 ダウンロード販売であれば現在GOG.comにて発売されており、拡張パックとのセット品で価格も安い。ただしダウンロード販売という事でパッチ適用済みとなり、パッチの項で述べるV2.1の問題が発生する事になる。


 批判された点としてパッチによる修正の遅れがあった。これは主にマルチプレイのパフォーマンス等の改善と、エンジンの各種ビデオカードに対しての最適化(確か当時人気であったVoodooのD3Dにおけるパフォーマンスに問題があった)。結果的に大規模修正となるV2.0が出たのは半年ほど経過してからであり、当然ゲームの評価やマルチプレイ人気に大きな影響を与える事になった。この件に関してMonolithのCEOであるJason Hallは以下の様に経過を説明している。

 実はBloodのフランチャイズに関する全ての権利はMonolithではなくGT Interactiveが所持しており、このBlood 2はMonolithが企画したプロジェクトではなくて、続編を製作したいと考えたGT InteractiveがMonolithに話を持ち掛けて始まっている。

 製作期間は11ヶ月でそれに対する予算が組まれて製作はスタート。つまり最初から何時このゲームを発売するのかや、どれだけのサポートを行うのかの決定は全てGT側が握っていた。しかしゲームの製作とは思うようには行かない物であり、結果的に約束の期間が来てもゲームはまだ改善の余地を残しており、それには発売の延期と更なる予算が必要となった。当然Monolithとしてはその点を訴えたが、ゲームはそのまま予定通りに発売される事となった。(GTサイドとしてはホリデーシーズンを逃す訳にはいかないという考えがあったと思われる)。結果としてこのゲームはそのレベルの完成度での発売を批判される事になる。

 その後のサポートをどうするのかはGTに委ねられた訳だが、同社は緊急度の高いバグ修正をメインとしたV1.01以降のサポートをしない旨を決定。Monolithとしては独自に自費でパッチを製作するという道も用意されていたが、三ヶ月は掛かるという見込みの修正を無償で行えば会社が潰れるという切実な問題があり、それは諦めざるを得なかった。なお今回は最初からゲームがどれだけ売れてもMonolithには1ドルも入って来ないという契約。しかしファンはその辺の事情を知らない為に、パッチを作らないのはMonolithが悪いとして当社の評判を落とす事になってしまった。

 当然Bloodの権利を当社が持っていたなら話は変わってくるし、実際に次のNo one Lives Foreverでは今回の反省を活かして代理店には権利を売らずに自社で管理する事にした。或いはBlood 2がもっと売れていればGTも修正にゴーサインを出したかも知れないがそうもならなかった。

 しかしその後拡張パック製作の話が持ち込まれ、その予算の一部を使ってパッチを製作する機会に恵まれたので、大幅修正となるV2.0を遅ればせながら出す事が出来たそうだ。

STORY  舞台は西暦2028年、前作のBloodから100年後の世界。主人公のCalebはその長い間、最愛のOpheliaを含めた過去の仲間を復活させる手段を探っていたが実現するには至らず、以前よりは穏やかな性格となり無意味な殺戮を避ける日々を送っていた。

 一方で前作での最大の敵であった闇の神Tchernobogを信仰する組織Cabalは、現代においては昔の地下宗教集団から大きくそのスタイルを変貌させていた。CabalCoという企業名での表舞台への進出により、世界的にも有数の企業として強い影響力を持つまでに成長しその信者を増やしつつあった。

 その現在の指導者であるGideonは闇の神Tchernobogの復活の為に、裏切り者である主人公Calebを生け贄にしようと抹殺に乗り出す。追われる身となったCalebは、再び教団との戦いに挑む事になる。


PATCH

DEMO
 パッチはV2.1が最終。V1.01の後に大幅修正となるV2.0、その後V2.1という順に出ており、V1.0系と2.0系ではセーブゲームに互換性は無いので注意。

 当然の事ながら最新バージョン(2.1)に上げるのが基本なのだが、このB2に関しては大きな問題がある。それはV2.0以上にすると日本語版Windowsでは起動しなくなるという点。これに関してはKB設定を変更する事で一応対処は出来るのだが、使えなくなるキーが発生するので人によっては問題有り。

 (情報提供:nori-quさん) 具体的には[カーソルキー, テンキー, 左右にあるCtrl, Shift, Alt]に操作キーが割り振られていると起動しない(Defaultでは使っているのでフリーズする)。以下はV2.0以上で起動する為の方法。

 インストールしたフォルダに出来るautoexe.batファイルを開くと、下の方にキーの割り当てが存在している。ここの"##20"といった" "中のキーコードを全て消して、そこに新たにキーを設定してやる。この場合コードでなくて実際の文字で構わない。当然上で書いたキーは使わない事。キーの部分を全て削除してしまい、起動後にキー設定画面から入力してやるという手もあるのだが、その画面では設定不可能なキーまで消してしまう事になるので、バックアップを取っておいてその部分だけ見比べて追加してやる必要が出てくる。なおこの問題はWindowsの国籍コードを書き換えてもダメだが、K/Bのドライバを101英語にする事で通るかもしれない(未検証)。

 更に日本語環境ではV2.0にするとマウスが操作出来なくなるのでこちらの修正も必要(XPでは発生しない模様)。マウスのScaleの記述部分を"##x-axis"の様に ## を追加してやらないと上手く動作しない。

 よってV2.0系では各種キーが使えなくなるのを覚悟しないとならず、それが嫌ならば特に設定を変更する必要のないV1.0系にてプレイするという手もある(V1.01でも一応クリア自体には支障無い筈なので)。


 デモが存在している。現在残っているのは修正済みのアップデート版の方だと思われるが、こちらはV1.0Aとなりb2demoa.zipという名前になっている。

動作環境

トラブル
  必要環境 推奨環境
CPU Pentium 166MHz
Pentium II 233MHz (software rendering)
Pentium II
MEMORY 32MB 64MB
VIDEO VRAM 4MB以上, D3D互換 VRAM 8MB以上, D3D互換
SOUND DirectX 6.0互換 EAX, A3D
対応OS Win 95/98
DirectX 6.0以上要


 新しいOSでの動作に関しては長年にわたって議論が繰り広げられており、ネット上を検索すると過去10年分位の様々な情報のやり取りが数多くヒットする。当然一番参考になるのは最新の情報であり、販売しているGOGの掲示板がそれに当たる(一作目と兼用だが)。ここではWindows 7 + x64での動作方法なども検証されており、現在の最新OSでも動作は可能となっている。(ただし当時の媒体を使う際にはインストーラーが正常に動作するかという問題は残されている)。同じくトピック別にまとめられたサポート頁も役に立つだろう。


 動作テストに関してだが、以下は2006年当時の検証記事。

 少なくとも私の環境(XP, Geforce)では起動自体は問題無しで、最初のマップ2個はプレイ可能だった。95/98互換モードにする必要もない。ただし必須の設定としてDirectX(Direct 3D)にて垂直同期(V-Sync)を強制的にOFFにしないとメニュー画面が出て来ない。これは初代Lithtechエンジンの持つ問題であり(Shogoでも同じ)、Win95/98系であってもビデオカード&ドライバが新しいと発生する。

 現在のForcewareであれば、ドライバのユーティリティの中の「パフォーマンスと品質の設定」から詳細表示を選んでやり、項目の中の垂直同期を強制的にOFFにする設定を選んでやればOK。もしこういった項目が無いドライバの場合には(例えば昔のドライバだとOpenGLの垂直同期の設定しか無い物が存在している)、RivaTunerといったTweak用のユーティリティを使って設定を行う。

 V1.01だとDirect 3DではHUDが消えてしまうという問題が発生。Software Modeだと正常。V2.0以上にすればちゃんとHUDも表示されるようになるが、それにはキーの設定変更を行ってやらないとならない。

 その他の問題はゲームの動作が速くなってしまうという点。自分の移動速度や敵の攻撃速度等が全て高速になってしまう。ドライバのユーティリティから強制的にFSAA等の負荷を上げてやって遅くする事は可能だが、それでも上手くは動作しないように見える。その他の対策としては@キー押下でコンソールが出るので、ここでmaxfps 60という風に入力してリミットを掛けてやるとか。これは98時代のテストでも発生しており、CPUの速度調整が古いゲーム過ぎて上手く機能していないと思われる。



 <2011/03の検証> 少なくともGeforceにおいては、“Advanced Options”から“Enable triple buffering”にチェックを入れてやればちゃんとメニュー画面が表示される。プレイ時の異常なスピードアップも発生しない。ただしXPでのテストでは、Client.exeを[9x/Me互換モード]にしておかないとゲーム中にBGMが一切流れない。(街角ぞんびさん情報)。これは私のマシンでも確認。

 いろいろと調べてみると、過去の異常な速度アップはfpsの急上昇に因るもので、メニュー画面を出す為に垂直同期を切らないとならず、その結果新しいハードではfpsが数百というレベルに達してしまい、その影響でゲーム内速度が速くなっていた。しかしトリプルバッファリングを有効にする事で垂直同期がONに固定され、仮にそれが60Hzであればfpsは60以上にならなくなる為、ゲーム内の速度も安定するという話。中には上で書いたmaxfpsの設定を有効にする事で、以前より同じ効果が得られていたという人もいたようだ。なお垂直同期をオンにしておいてもメニューが表示されるようになったという件は、Nvidiaが対応してくれたのか、偶然の仕様変更に起因する物なのかはハッキリしない。



 それ以外の全般的なトラブル対策。APIはDirect 3Dのみを使っているが、Software Modeでのレンダリングにも対応している(ただし画質は相当劣化する)。取りあえず起動しないのならば、ソフトウェアモードでも同じなのかを確認し、そちらでは起動するならビデオカードのドライバを疑う事になる。

 Lithteckエンジンという事で立ち上げ時にまずランチャー画面が起動する方式。DispalyタブにてD3Dモードかソフトウェアでの描画かを選択したり解像度を決める。Advancedタブで細かな設定をするようになっており、ここで使用する3Dカード毎の推奨設定が見られるが、現在ではあまり役に立たないだろう。V2.0においてはサウンド関連の設定でEAX等の3Dサウンドの選択も可能。初回起動時にはDetail設定が出てくるがこれは後で変更出来る。

 何らかの問題が有る場合は各種機能をここからOFFに出来るので、全ての機能をDisableにして動くのか試し、それなら動くのならば一つずつ潰していくという手法が取れる。


 レベル進行上のバグ関連では、結構発生頻度が高い有名な物があるので挙げておこう。

CP2_LV2 Tension's Building: ビルの上のカットシーンの直前に屋上のドアの前でセーブすると、カットシーン終了後に
       正常に始まらない。
CP2_LV4 Cabalco Meat Packing Plant: 最後にドアを突き破ってくるはずのトラックが動かない(ので進まない)
CP3_LV2 Security Check Point: 最後の半透明シールドが解除されない
CP3_LV7 Research and Development: 終盤で降りてくるはずのリフトの上にモンスターが乗ってしまうと降りてこない

 その他作者の意図したのと違う順番でマップ内を回ると、一度開いたはずのドアが開かなくなったりというのもあるようだ。その場合の対処方法はマップの最初からやり直すか、チートのNoclipにてすり抜けを試すしかない。やり方はSayコマンド(発言コマンド)を選んでmpclipでNOCLIPモードに入れる。

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