BOTTOMLINE

[PROS]

◎アクションとタクティカルな要素を巧みにミックスしたゲーム性
◎インプラントは7つも種類が有るが、能力を上げても強くはならないという独特の設定
◎リアルタイムでのインプラントの使い分けによる戦闘が面白い
◎武器選択における戦略性
◎何回も死ぬので手応えはあるが、極端には難しくないというバランス感覚
◎アウトドアとインドアが上手くミックスされており飽きが来ない
◎アウトドアの描画が優れている



[CONS]

×インドア戦ではプレイヤー側に不利な要素が多くて難易度が高い
×マップは広大だが(宣伝しているほどには)自由度は高くない
×ハッキングが詰まらない
×ステルスのパートが非常に難しい
×イベントのスクリプト進行の出来が悪く、デッドエンドになる可能性がある
×AIの動きに不自然な点が目立つ
×死を避けようがないシーンが在ったり、こちらからは見えない所から撃たれたりする
×スロット関連の操作が不便




 デモをプレイした際には、詰まらない訳ではないが特にプレイしたいとも感じなかったのだが、製品版での印象は大きく異なっていたゲームである。デモに使われているのは最初のミッションになるが、これは中でも出来が良くない方だし、Chromeの持つゲーム性を伝えるにも不向き。アレンジしてインプラントの能力が使えるようにはしてあるが、使わざるを得ないようなバランスではないので本編の持つ感覚が伝わらない。ストーリーの構成上デモには最初の物しか選べなかったのかも知れないが、宣伝どころかむしろ悪い方に働いている。
 逆にデモをプレイして割とスタンダードなアクションFPSと勘違いした人には辛いゲームとなるはず。具体的なゲームの内容が良く知られていないというのはマイナーなゲーム共通の弱点ではあるのだが、そこで頼りとなるデモの内容がそれを伝えられていないとなると厳しい。適切なデモを出さなかったのは代理店側の責任ではあるが、その勘違いによって製品版を買ってしまい低い評価を与える人も多くなり、総合的な評判を落としたというのはあると思う。いずれにしろアクションFPSが好きという人は、ストレスが溜まるだけなのでこのゲームは無視して構わないだろう。

 少なくともNormal以上でプレイするなら難易度が高いゲームであり、やはりそこが選択の際には一番のポイントになる。ただしアクションFPSとして難しいのではなく、リアル系FPSに寄った設定が多い為に難しいゲームなので、その辺は勘違いしないように。止まったり姿勢を低くしたりして狙いを安定させないと命中率が低く、HPの割には敵の数が多くダメージも高い。一般的なリアル系のゲームではその問題を物陰からリーンしながら戦ったり、ライフル系の武器で遠距離戦に専念する事でクリアしていくが、そこをインプラントの力で補って戦うというのがこのゲームの特徴となる。

 私としては気に入った部類のゲームであり、欠点も目に付くが十分に楽しめた。これを書いている時点で6年前の古いゲームには入るが、ゲーム性がユニークなので今でも内容的には古くはなっていない。グラフィックス等のテクノロジー面はともかくとして、ゲーム性を気に入ったのならばその辺は大して気にならないだろう。

 最後に本文でのゲームの持つ特徴をまとめてみると、スローペース, とにかく良く死ぬ, 遠距離戦が多い, インプラントの使用が必須, インプラントの切り替えが忙しい, スキャナーや透視で敵の居場所は事前に発見する, 所持武器数が限定されている。といった点の中で好みであるという項目が多い人ほど向いている。
 反対に、リアル系寄り, ルート選択の自由度は高くない, 乗り物系の戦闘は重視されていない, セーブ多用が前提の難易度, ステルスが難しい, AIの頭は良くない。という中で受け入れられない項目が多い人ほど向いていない事になる。その意味で極端にとは言わないが、プレイヤーによる好みが出易いゲームではあると言える。

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