<BOTTOMLINE>
[PROS]
◎激しい戦場の臨場感を見事に表現している
◎毛色の異なった3つのキャンペーンにより構成されていてバラエティに富む
◎部隊行動が多く仲間と協同で戦うシーンが多い
◎基本的な行動はキチンとこなせるAI
◎素晴らしい臨場感と迫力のサウンド
◎美しさに比較して軽いグラフィック
[CONS]
×全体のプレイ時間が10時間前後と短い
×スクリプト過多で行動の自由度が低い
×戦闘に関しては”憶えゲー”の要素が非常に強い
×個人で突破する”ランボー・スタイル”のミッションの存在
このCoDはFPSゲームとして見た場合に、他の多くのゲームとはそのアプローチが異なっている。一般的にゲームの目指す所とは、「プレイヤーがどれだけそのゲームに没入出来るか(製作側から見ればどれだけ没入させられるか)」になるのだが、通常はこれを「とにかく面白いゲームを作成する事で、 結果的にプレイヤーが没入する」という方式で達成しようとする。
しかしCoDでは「プレイヤーがゲームに没入する様に考えられた設定を作成し、結果的にそれが成功して没入する」という方向性であり、それが大量のスクリプトを使用してプレイヤーを製作側が意図した通りに導くというゲームデザインとして表れている。この方式が成功している部分は勿論有るのだが、逆に単調になってしまっている個所も有ったりして、行動が縛られているという不自由さを感じる面も持ち併せているのは確かだ。FPSのコアの部分である”敵との戦闘”についての面白さを求める人には物足りないゲームかも知れない。
ゲーム全体を通してみると、全体の20%が他のゲームでは体験出来ない様な臨場感抜群のパートであって、残りの大部分は普通に面白い(7,80点)レベルのゲーム内容となっているというのが私の感想。この良い出来のパートをどれだけ重く見るかで総合的な採点は変わってくるだろう。「割合的には少なくてもこれだけのレベルの物が存在しているのは凄い」と取るか、「全体的なバランスとしてはもっと波が無いような出来が望ましい」と取るか。
私としては、例え割合的には少なくても、現在他のゲームでは体験出来ない様な凄さを感じさせてくれる個所が存在している、という点を高く評価したいと考えている。全体的に80点だが突出した個所が無いゲームよりは、若干のバラツキは有るが90点以上の個所が幾つか存在しているゲームの方が上と個人的には思う。特にこのCoDに関しては凄い部分のクオリティが高過ぎて、他のパートがそれに食われてしまって本来の出来よりもランクダウンして見えてしまうという点も考慮すべきだろう。あまりにも発売前に宣伝され過ぎて逆に物足りなさが残ったAIも、全体としては別に悪い出来ではない。2003年に発売されたFPSゲームの中では上位に位置するゲームだと思うし、FPSの初心者を含めて広くお勧めしたいゲームである。
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