GRAPHICS |
使用しているグラフィックエンジンはCoD2の物をベースにしており、完全に新規に開発されたエンジンでは無い。CoD2のエンジンはXbox
360の発売に間に合うようにした為に、バグを避けて安全性を重視したのとマシンの研究が進んでいなかったので大した物ではなかったという話で、今回は機能的にも大幅にバージョンアップされ、PS3を含めたマルチプラットフォームに対応した物が使われている。 やはり伝統としてキャラクタのアニメーションに力が入っており、その動きはなかなか良い。短足のキャラクタというイメージも完全に無くなっている。身に付けた装備品や武器を含めてモデリングも細かく、Normal Mappingの効果もキャラクタには重点的に使われているようだ。エフェクト系で目立つのはライティングの効果で、特に信号弾を打ち上げた際のエフェクトは印象的。スモークや火花等のパーティクル(粒子)の表現も良く出来ている。影の描写については自分自身のパーツから作られる影が自分に落ちて描写されるセルフシャドウも実現されている。 テクスチャの質はそれ程高くなく、また場所によっては近付くと粗が目立つ場所も含まれている。Normal Mappingの適用範囲も限定されているという印象。ただマップの広さを考えると仕方ないと思える面もあって、その中で重要ではない箇所には質の低い物を使用して軽さを実現しているというのはあると思われる。だが軽さはまた別の話として、PC版ではテクスチャについてはもう少しハイクオリティの物を用意しても良かったのではないか。 グラフィックスは極めて高度という部類ではないが綺麗なレベルなのは確かであり、特に軽さと綺麗さのバランスという点では優秀である。私自身もクオリティを最高レベルに設定してAAを掛けても特に重さを感じなかった(E6850, 2GB, 8800GTS 640MB)。マップのロード時間が高速なのも評価出来る点である。 負荷的には同社は基本的に60fpsを維持するという方針でゲームを製作しているそうだ。マップを製作する際に最初は何もオブジェクトを置いていないので100fps超の高いフレームレートを維持している。この状態から60fpsに落ちるまで内部に装飾を加えて行くというのが製作の基本方針だそうで、ビジュアル的に良くなるとしてもそれ以上はやらないとしている。理由は基本状態(平均)で60fpsであれば、そこで激しい戦闘等により負荷の掛かる処理が加わったとしても30fpsより下まで落ちる事はまず無いので、プレイヤーもストレス無くプレイを続けられる。しかし平均が30fps程度で動いている場合だと、同じ様に負荷が掛かった際に明らかにカク付きが感じられるレベルまでfpsが低下する可能性があり、そうなるとゲームの世界から現実世界へとプレイヤーの気持ちが戻されてしまうので、それだけはビジュアルのクオリティを犠牲にしてでも避けたいと考えているとのこと。 今回はレーティングがMature(17歳以上)となり、記載にもBlood and Gore, Intense Violenceとあったので派手な残虐表現になるのかと期待したのだが、実際にはこれまでと大きな変化は無し。どうもゲーム内で行われる”行為”の方に関して高い危険度と認定されただけのようだ。 アスペクト比は16:9、16:10のワイド画面にも対応。SLIにも対応しておりオプションから選択が可能である。なお一部の設定はNormalまでしかないが、これは仕様でビデオカードの性能判定からHighが出て来ない訳ではない。 |
SOUND |
3Dサウンドの定位感や、武器のサウンドについては良く出来ている。 ただこれまでFPS界で最高レベルといっても過言ではないサウンドを聞かせてくれた同シリーズの新作としては物足りない出来である。デモの時点から不安を感じていたのが、今回は全体的に音数が少ないという印象であり、広がりや迫力も後退している。これまでとは違って戦闘発生箇所がプレイヤーの周りだけという局所的な設定なのでこうなったのかも知れないが、それにしても激しい戦場の雰囲気の再現という点では不満が残る。或いは新エンジンではEAXへの対応が無くなっており、それがこういう結果に繋がった可能性も考えられる。 |
MULTIPLAYER |
マルチプレイのコンテンツは大部分が似通っているそうだが、PCでは32人までとXbox
360, PlayStation 3に比べると大人数が参加可能である。クロスプラットフォームでの対戦はFPSには向かないとして導入の予定はない。これを書いている時点(2007/12)では大変な人気を誇っており、プレイするサーバーには困らないだろう。 ゲームのモードはDeathmatch, Team Deathmatch, Capture the Flag, Search & Destroy, Sabotage, Domination, Headquartersといった物が用意されている。Search & Destroyは爆弾の設置と解除を争うというモードで、Dominationは幾つかの拠点の奪い合い。Headquartersは中央拠点の奪い合い形式。 プレイヤーが運転可能なVehicleの要素は歩兵戦重視という観点から外されている。それと今回は「必ずすぐにModで作られるから」という理由で、「基本的に一撃で死亡」・「HUD表示が最小限」・「Kill Cam OFF」・「FF ON」のHardcore modeが最初から製品版に含まれている。 マルチプレイの第一の特徴はゲーム内の各種成績によって稼げる経験値ポイントによるランキング制度の導入で、アカウントによる成績管理によって各人の成績やランクはずっと消えずに残って行く(PCでは保存はローカルに行われるようなので、削除する時はplayersフォルダをバックアップしておいた方が良い)。ランクを上げるに連れてアンロック出来る要素が増えて行き、武器の他にも様々な要素が使用可能になって行く仕組み。 具体的に書くと、最初の段階ではAssaultやSpec Ops等の一部のクラスしか選択出来ず、各武器グループとなるprimary weapon, side arm, special grenadeにおいても数少ない物の中からしか選ぶ事は出来ない。しかしポイントを上げるに連れて新クラス・新武器・ギア類が増えて行き、更にはキャラクターモデルやスキンもアンロックされて行くようになっている。なおサーバーはランキング用と一般用に分離されるが、一般用での使用可能アイテムの制限がどうなるのかは未確認。 このランクによって装備がアンロックされて行くという要素はBattlefieldシリーズで有名だが、CoD4ではこれを「長時間プレイを続けさせる為のモチベーション」として導入しているのではなく、同シリーズの現行作品が抱えるマルチプレイにおける問題の解決を主な目的としている。まず初心者にとっては「多数のクラスや装備から選択が可能」という設定は逆に敷居が高いと感じられているという調査から、最初は選べる物自体を減らしてやる方が入り易いという意味合いで、段階的な装備のレベルアップ制度が採用されている。 それとこれはCoDに限った問題でないのだが、人気が高くて人口が多いマルチプレイFPSでは、その分プレイ時間の長い猛者の数も多い。初心者がそういう人間が多いサーバーに入ってしまうととても太刀打ち出来ずに、負け続けで悪い印象を持ってしまって最悪それ以降のプレイを止めてしまうという恐れもある。そこでポイントによるランキングによって入れるサーバーを制限したりする事で、出来るだけ同じ実力同士での戦いを可能にしたいという意図を持っている(これはPCでサーバー設定が可能なのか不明)。 以上の様な初心者対策がメインなので、BFの様に相当長い時間を掛けてプレイしないとアンロックが進まないというバランスにする考えは無く、基本的な装備のアンロックには大して時間は掛からないようになっている。特に初期は次のレベルへの必要XPが低いので、2時間程度もプレイすれば結構なランクアップが可能である。ランクは最大で55まで。その後それをリセットしてやり直すPrestige modeが存在するが(代わりに繰り返した回数に応じて勲章が表示される)、これはPC版には用意されていない。またランク用のサーバーとModが使われるサーバーではランクの計算は別物となるので注意。 経験値の取得は当然敵を倒すというのが第一。通常モードよりもRespawnが不可のチーム戦の方が高ポイントとなる。止めを刺したプレイヤー以外にダメージを与えた人もポイントが貰える。その他に壁抜きで倒したりといった特殊な倒し方でも追加ボーナス。他にはチーム戦での様々な活躍や貢献ポイントによっても経験値は得られるようになっている。 ランクが上がるに連れて選択出来る武器やアイテムは増えて行くが、厳密なクラスという概念が存在しないというのも特徴の一つ。一応クラスはプリセットで装備が設定されているが、アンロックされている装備の中からなら自由に選択が可能であり所持制限の様なものは存在しない。自分自身の考えたクラス(装備)を製作して、5つまでを登録しておけるようになっている。 中でもユニークな要素がPerks(special abilities)と呼ばれる物で、各人は3個のPerk Slotsを持っている。ここにプレイヤーはアンロックされていて自分が使用可能なPerksの中から同時に3個までを選択して、自分の特殊能力として装備が可能である。第一のスロットは爆発物(Claymore mines, Powerful Grenades, C4, RPG-7)等のアイテム用で、残りの2つが特殊能力用。差し替え自体は幾らでも可能である。以下に用意されている物の例を記載する。(上段がスロット2用で下段が3用)。 *Juggernaut - HP値を上げる *Stopping Power - 弾のダメージアップ *Sonic Boom - 爆発系のダメージアップ *Sleight of Hand - リロード速度を速くする *UAV Jammer - 敵のUAV droneによるレーダー検知から逃れる *Extreme Conditioning - スプリント可能な時間を延ばす *Steady Aim - 腰撃ちモードでの命中率を上げる *Deep Impact - 弾丸の貫通能力をアップ *Last Stand - HP0で倒れた後、ピストルを抜いて(敵に撃たれるまでの間)反撃可能になる能力。自殺して敵にポイントを与えないようにも出来る。 *Martyrdom - 死んだ瞬間にその場に自動的にグレネードを落とす能力 制限として強力なアタッチメントを装着した場合にはスロットが潰されてバランスが取られるようになっている。例えばGrenade Launcherはスロットを2個消費するので、Perksは一つしか選べない。 武器自体にもスコープ類等のアップグレードが用意されている。これ等のアンロックはWeapon Challengesと呼ばれており、特定の条件をクリアする事で達成され、またその次のレベルが出現するという仕組みである(Xbox 360のAchievement pointsとは無関係)。最初は「その武器で25人を倒せ」といった単純な物だが、難易度が上がるに連れてユニークなクリア条件が付けられる。達成と同時にXPのボーナスも加わるので、早くレベルアップする為にも重要な要素となっている。 *ゲーム中の特別ボーナスとして、3連続Killで偵察用のUAV Droneを30秒間飛ばせる(味方のレーダーに敵の位置が表示される)。5連続ではAir Strike。7連続ならヘリを呼んで援護を要請可能である。 *Kill CamはデフォルトではON。これは死亡した際に自分を殺した敵の視点からの映像が見られる機能。例えば隠れているスナイパーの位置が特定し易くなる。なお今回は敵が持っているPerksの内容も全て表示されて確認可能になっている。 *ゲームモードにもよるようだが、復活は特定のポイントではなく現在味方が多く居る近くの地点が選ばれる。離れた場所に復活してゲームから取り残されないようにする為の配慮。 *チート対策にはPunkbusterを使用 |