BOTTOMLINE

 (注)シングルプレイとZombiesのみの評価でマルチプレイは含まれていません


[PROS]

◎まるで映画の様な派手なアクションと演出の連続で、エンターテイメントとしては一級品の完成度を誇る
◎普通の銃撃戦以外のシーンが相当多く、搭乗兵器による戦いやイベントが豊富で飽きさせない
◎サスペンス仕立てのストーリー
◎敵味方を含めて登場キャラクタ陣の造形や魅力は、これまでのシリーズで一番良い
◎仲間が積極的に前に出る上に戦闘能力が高く、単なる背景の様な不自然さが無くなった
◎特殊武器を使える場面が面白い
◎BGMのクオリティが高い
◎Zombiesを収録



[CONS]

×あまりに映画的過ぎて、プレイするのではなく体感するゲームという面が強い
×操作するキャラクタが数多いので、ずっと傍観者の視点からプレイしている様である
×敵味方AIのすれ違いが発生する点が前作から治っていない
×武器の使い分け要素が低下して単調になった
×ベトナム戦争の雰囲気が出ていない
×Zombiesは相変わらずハードルが高過ぎる



 エンターテイメントとしては高レベルだが、FPSとしてならば特別に面白くはないという感想。このゲームの魅力はストーリー, 登場人物, 様々なイベントシーンの他、戦闘については通常の銃撃戦以外のパターンが随時挟み込まれるというバラエティさにあり、肝心の銃撃戦のパートについては割と普通の出来となっている。


 まるで映画の様な作品という評価は正しいと思うが、それだけに映画と同様に「モニターの中に映し出される他人事」の様な感触も受けてしまう。この点はシリーズ前作のModern Warfare 2と似ている。原因としてまず主人公が“設定は名前だけ”といったキャラクタではなく、外見とボイスを持った者に変更された事で、WaW等の歴史物に比べると他人を操っている様な感覚が強まった。ただこれは他のFPSでも良くある話。

 問題は操作する事になるキャラクタが結構居てそれが切り替わる点。ずっと一人の主人公を操作しているのなら、キャラクタとの同一化によりゲーム内世界に入り易くなるのだが、これだけ切り替えられると神視点から何人もの他人を操作している感が強まり、一歩引いてゲームを眺めているかの様な印象を受けてしまう。映画とゲームの中間に位置する、「操作して進める映画」とでも呼べば良いのか、一般的なFPSの様に自分がゲームの進行をコントロールしているという感覚が希薄である。


 MW2が面白いと感じた人には同系列なので強くお薦めしたい。ただキャンペーンはそんなに長くないし、MW2のSpecial Opsの様な別モードが無いので、シングルプレイ目的で買うとなると現時点ではまだ高価に感じられるかも。逆に過去の歴史物系列に当たるクオリティを期待すると外れる。ベトナム戦争の雰囲気を再現するという点に関しては出来は良くない。

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