BOTTOMLINE

 ※シングルプレイ及びSpecial Opsの評価であり、マルチプレイ関連の評価は含まれていません。


[PROS]

◎マップが広くなり戦場の迫力が増した
◎敵が全方位から攻撃してくる場所が多いので緊張感がある
◎多彩な展開とバラエティに富んだミッション内容
◎各局面での難易度自体は下がっていないが、セーブ間隔が短いので進行はスムーズ
◎味方AIの動きが自然になった
◎破天荒なストーリー
◎グラフィックスは綺麗な割に軽い
◎Special Ops



[CONS]

×操作するキャラクタが多くて頻繁に切り替わるので、外部視点からコントロールしている様な感覚で没入感は低い
×自由度は増えたが、相変わらず「こうしないとならない」という強制シーンが多い
×リーン動作が出来なくなった
×敵味方共にAIが相手を認識しなくなる事がある
△国籍ブロックで海外版をプレイ出来なくなっている




 「金が掛かっているな」というのが第一印象。これだけのスケール感とディテールへのこだわりはそう簡単に他社に真似出来るレベルでは無い。私は現代戦へと切り替えた前作を成功だと思っていたが、その前作での不満点の数々をちゃんと改善したりとやるべき事はやっており、初代よりも更にこちらの方が楽しめたし質も上だと思う。

 海外版を普通の方法ではプレイ出来ないという問題を除くなら、FPS初心者に対して一番無難にお勧め出来るタイトルという評価は今回も変わらず。最大公約数的なプレイヤーが楽しめる作品に仕上がっている。特にSpecial Opsの導入は大きく、シングルプレイの時間の短さを補えるし、Co-op初体験としても向いているコンテンツである。

 問題は「まるで一大アクション映画を観ているかの様に楽しめる」が、「映画を観ているかの様に他人事」である点。自分が操作しているキャラクタと同一化する様な感覚までは必要無いが、自分の視点がゲーム内のキャラクタレベルにまで降りている程度の感覚は欲しい。言い方を変えると、プレイしている時にはHUD等が存在するので「ゲーム画面を見ている」と意識するまでは良いのだが、このゲームではその外のモニター画面の枠までを意識させられてしまう。つまりモニター画面の中の他人事という感覚。まあこの辺はコンソールがメインとなり、北米での「大画面TVに映し出された画面を、離れてソファに座ってプレイする」というスタイルにマッチはしているのだろう。


 付け足しとして業界の動向も変わった。2004〜2007年辺りまでは、このCall of DutyシリーズやMedal of Honorの成功を受けて、スクリプト重視で映画的な演出を重要視する“シネマティックアクション”とでもいうタイプが結構制作されていた。このタイプのゲームが一部からは嫌われているのは確かだが、そこには「右へ倣えで乱発されているから」というのも大きかった筈である。しかし現在では(少なくともPCのFPS界においては)このジャンルはこのシリーズの一人勝ちの様な状況になっており、同じレベルの大金を注ぎ込んで勝負の博打に出るという所はEAのMoH位しかしばらくは無さそう。

 その為に「またこのパターンか」という辟易感は個人的には大分減退しており、同じ様な考え方をされる方も多いのではないか。この様なゲームが年に3〜4本出るのであればまた見方も変わってくるが、現時点では一人だけ残った伝統芸の伝承者が年に一回披露する作品みたいな感じになっている。スクリプト重視で強制行動な点も、今となってはむしろユニークだと考えると許容範囲ではある。

     TOP      HOME







     TOP      HOME