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(注) このレビューはシングルプレイ及びCo-Opに的を絞った記事なので、対戦マルチプレイがメインの方にはほとんど参考にならないと思う。そういった方は記事内のリンクや検索をすればCoD4との違い等詳しいサイトが幾つも在るのでそちらを参照して欲しい。 [PROS] ◎広いアウトドアに多数のAIを出現させており、大規模な戦場の臨場感を実現している ◎敵兵士の数が相当に多いので激しい戦闘シーンが多い ◎WWII物としては武器の威力が高目で、爽快感やスピード感が増している ◎火炎放射器の導入 ◎日本軍という一風変わった攻撃方法を持った敵と戦える ◎限定されたスモークグレネードを何所で使うかで、戦況が大きく変化するという面白さあり ◎エフェクト系を中心にグラフィックスのクオリティが高い ◎Co-Opが採用されており、しかもルールが工夫されていて充実している [CONS] ×AIの動きがおかしくなる場面が目立つ ×ボリュームが短い ×日本軍による奇襲要素があまり活かされていない ×ストーリーが駆け足過ぎて粗い印象 ×敵からのグレネードの投げ込みが多過ぎる ×Co-Opの接続システムに問題が多い 歴史FPS物としてはトップのシリーズに相応しく、今作も相当な金が掛かっているといるという感じで、そのスケール感などはやはりライバルに差を付けているという印象。キャンペーンも太平洋戦争を組み込んだりと新鮮さが感じられる。 ただし今回はWWII物としては、史実で有名な戦争を体験可能, スクリプトによるイベントシーンの連続, といった要素は若干控え目なので、その辺を期待する人にも向いていない。逆にそういった定番の展開には食傷気味で、もっと自然な感じのWWIIをテーマにしたFPSをプレイしたいと考える人には向いている様に思う。ちょっと表現が難しいのだが、WWII物(特にMoHとCoDタイプ)に特有の“色”が薄いゲームであり、普通のFPSと似た様な感覚でプレイ可能である。言い方を変えると、スクリプトに沿ってやらされている感が比較的感じられないゲームとも言える。 大規模な戦場や大量のAIの出現という進化、そして日本軍というタイプの異なる敵の出現という要素はあるものの、全般的にはそれ程大きくこれまでのWWII物と変わっているという訳ではない。確かにレベルアップした大規模戦場の実現は、将来的にはこのジャンルの可能性として期待出来ると感じさせられた要素だが、AIの処理落ちらしき問題等、完成度についてはまだその途上というレベルである。 MW系を既にプレイしており、それ以外のシリーズ物として興味があるという人には、ガラリと武器の仕様が変わるだけに当り外れが多そうである。ただ一般的なWW物に比べると武器の威力は高目の設定であり、スピード感もそれなりに持っているので、WWII物はスローテンポで武器の正確性も低いので嫌いという人でも楽しめるかもしれない。 私はCoD3は未プレイだったので、掲示板等で制作のTreyarchに対する経験者の不安を見て心配していたのだが、実際にプレイしてみた感想としては相当な実力を持った会社であり、そういった心配は杞憂であったと感じる。「現代戦からWWIIに戻してしまった時点で既に設定として駄目」という意見は当然有るとは思うのだが、純粋なゲーム制作能力としてなら「IWよりも遥かに劣る」といった見方は誤りだと言えるだろう。マルチプレイの完成度はともかくとして、シングルプレイに限れば隙の無いという印象のCoD4に比べると粗さは感じられるが、戦闘シーンでは勝っていると感じさせる箇所も持っており、個人的には評価したいゲームである。 本文でも書いたようにCo-Op自体は面白いのに、プレイする事自体が難しいという状況は残念である。今の状況ではフレンドで集まれない限りはCo-Opのファンにも薦め辛い。Zombie Modeの方は追加マップもリリースされて充実しては来たが、難易度の高さから一般向けではないという状況になっている。 |